工務店の動画活用|追客しなくてもお客さんが来るYouTube事例

工務店の社長が自ら現場に出ていると、一度接点のあったお客さんへの追客まで手が回りません。ホームページはあっても、新規のお客さんと面談したことのあるお客さんが見る内容は同じままです。
工務店の動画活用は、追客の手間をかけずに、お客さんのほうから会社に来てもらうための手段になります。愛知県豊橋市の一人親方・鈴木工務店では、YouTubeで社長の人柄や加工場、WB工法の良さを発信し、ホームページだけの頃より発信力が飛躍的に上がりました。
本記事では、工務店がYouTubeの動画を追客の代わりに活用する方法と、ブログや暗証番号付きページの工夫を解説します。
小規模な工務店ほど追客を動画活用に切り替えるべき理由
社長が現場に出る工務店では追客まで手が回らない
工務店の経営者にとって、追客は大きな悩みです。
メールなどの道具がある分、大昔より効率的な追客はできますが、地域の工務店は大手のハウスメーカーのように人員が豊富ではありません。
本当に小さな工務店では社長自らが現場で腕を振るうこともあり、そうなると社長は追客まではとてもやっていられません。
かといって、工務店が大手や地域の有力工務店と単純に競り合えば、体力勝負の消耗戦になり、勝敗は火を見るより明らかです。小規模な工務店は、やり方を工夫して動く必要があります。
お客さんを追うのではなく「来客」に変える
追客という言葉は、漢字のとおり住宅会社がお客さんを追っていくイメージで受け取られがちです。しかし、人員と時間の限られる小規模な工務店がお客さんを常に追い続けるのは至難の業で、これは大きな住宅会社でも同じです。
そこで私は、お客さんを追うのではなく、お客さんのほうから来てもらう発想をおすすめしています。
漢字を当てるなら来客とでも言えばいいでしょうか。
住宅会社から出向くのではなく、お客さんが自然に会社へ集まってくる仕組みをつくります。
仕組みの中心は、お客さんにホームページをちょくちょく覗きに来てもらうことです。
対象は、まったく新規のお客さんでも、一度接触があっただけのお客さんでも構いません。
お客さんに来てもらうには、工務店がホームページ自体を魅力あるものにし、訪れるたびに新しい情報が得られる状態に整えておく必要があります。
本記事で紹介する手段は、YouTubeの動画、ブログ、暗証番号付きの特別ページの3つです。
工務店がYouTube動画を活用するメリット
私は工務店の経営者に、YouTubeのチャンネルを開設するよう勧めています。
工務店が動画を定期的に上げ、その動画のURLをホームページに貼っていけば、ホームページの情報が更新され続けます。
動画の内容が面白ければ、お客さんはYouTubeに直接アクセスするようになりますが、それもホームページを見てもらっているのと同じことなので問題はありません。
社長が動画を定期的に上げ続けて受注につなげるやり方は、工務店のYouTube集客の始め方と続け方で解説しています。
私はあちこちの工務店で話をしていますが、動画発信は慣れてしまえばこんなに楽なことはありません。
1,000文字、2,000文字の文章を書くには慣れが必要で、手間もかかります。
一方で、社長が同じ分量をカメラに向かって話すのであれば、あっという間に撮り終わります。
さらに動画では、社長の人柄をわざわざ説明しなくても、動画の内容からお客さんに伝わります。お客さんにとっても、文章を読むより動画を見るほうが、住宅会社に親近感が湧きます。
一人親方の鈴木工務店(愛知県豊橋市)のYouTube活用事例
私が関わっている工務店の動画を紹介します。
鈴木工務店のYouTubeチャンネルは、愛知県豊橋市で工務店を営む鈴木工務店のものです。
鈴木工務店は一人親方なので、一般的には大工さんと表現したほうがよいかもしれません。
一人親方は、追客がもっとも難しい体制です。
鈴木工務店も他社と同じようにホームページを持っていますが、経費をかけて工夫を凝らした内容とは言いづらいものでした。そのため私は、YouTubeを積極的に活用して発信するべきだと社長にアドバイスしました。
高価な機材を使わなくても発信力が上がった
動画を見ると分かりますが、鈴木工務店の動画は高価な撮影機材を使ったものでも、編集に膨大な時間をかけたものでもありません。それでも、ホームページだけで発信していた頃と比べれば、鈴木工務店の発信力は飛躍的に上がりました。
社長の人柄・加工場・WB工法が伝わった
ホームページではまったく分からなかった社長の人柄や、鈴木工務店が持つ加工場、社長が推進しているWB工法の良さが、動画ではお客さんに伝わります。社長はWB工法で建てたご自宅も4回にわたって動画にしているので、この工法を伝えたいという社長の気持ちもストレートに伝わります。
自社で運用すれば経費は0円
鈴木工務店のチャンネルは私が外部で請け負っているので経費が発生していますが、工務店がその気になれば自社で運用することも十分に可能で、自社でやれば経費は0円です。
自社で運用するとき、カメラに向かって一人で話すより質問に答える形で撮る進め方は、一人親方のYouTube撮影の進め方で解説しています。
動画を上げておけば、一度でも接触のあったお客さんが見に来ることもありますし、しばらく経ってから「新しい動画が上がっているかもしれないな」と考えたお客さんから新たなアクセスがあるかもしれません。工務店がYouTubeチャンネルを開設し、不定期で構わないので動画を上げ続ければ、追客をしなくても、お客さんのほうから会社にアクセスしてくれる可能性が生まれます。
動画と組み合わせるブログの更新方法
動画と並行して、ホームページのブログも新しい情報を出す手段になります。
毎日ブログを書いている工務店はほぼ皆無ですが、1週間に1回程度なんとか書いている工務店はそこそこあります。
工務店が毎週欠かさずブログを更新し、その内容が面白く濃いものであれば、お客さんがホームページのブログを覗きに来てくれる確率は一定程度あります。
週1回、曜日を決めて更新する
工務店のブログは、毎日書く必要はありません。
可能なら毎日のほうがよいですが、1週間に1回は書くと決め、月曜なら月曜にアップしてください。
ただし、中身が面白いことが前提条件です。
情報性やエンタメ性などを含めて一定の水準を超えていれば、定期的なブログの更新はお客さんを引き寄せる効果があります。
住宅以外にも題材を広げる
私は文章を書くことに慣れているから言えるのかもしれませんが、題材はいくらでも転がっています。
私は住宅営業が専門なので住宅営業に関わる記事が多いのは当然ですが、今並行して書いている記事は宅配ボックスについてですし、過去には双眼鏡の評論や、カレンダーについていろいろと述べた記事も書きました。
「使いやすい卓上カレンダー五選」のような記事も、私はずいぶん書いています。
工務店のブログのネタが先細りになるのは、住宅のことに限定しようとするからです。食べ物の写真を毎日のように上げるのはどうかと思いますが、範囲を広げて、書き手の人となりが伝わる記事を書けばまったく問題はありません。
食べ物の写真ばかりになる、更新が止まるといった発信の失敗は、工務店のSNSが逆効果になる失敗で解説しています。
暗証番号付きの特別ページでホームページに再訪してもらう
全国の工務店でこの話をしていますが、なぜか採用してくれる会社が現れず、私は非常に残念に思っています。これまで採用してくれた工務店は1社だけです。
工務店のお客さんは、まったく新規のお客さんと、一度でも会社と接点があったお客さんの2パターンしかありません。
ところが、どちらのお客さんも、会社のホームページで得られる情報はまったく同じです。
これはある意味で不公平ですし、接点のあったお客さんにとっては、ホームページを再び見ても内容が同じであれば再訪する意味がありません。
そこで工務店は、新規の人は見られず、4桁の暗証番号を入力すれば覗ける特別ページをホームページに設けてください。
暗証番号は、お客さんと面談したときにメモなどで伝えれば十分です。
そして工務店は暗証番号を毎月変え、その都度メールや電話、ダイレクトメールでお客さんに伝えます。
追客といえば追客ですが、暗証番号を伝えるだけの連絡なので、お客さんを追っている感じはあまりしません。こうすれば、工務店が追いかけなくても、お客さんは毎月最低1回は会社のホームページに来てくれるようになります。
ただし最低条件があり、特別なページなので、工務店は多少突っ込んだ内容や、読み物として他にはない情報を掲載してください。この差別化さえできれば、お客さんは高い確率で会社のホームページに戻ってきます。
まとめ
少数精鋭の工務店にとって、追客は骨の折れる作業です。
若い営業社員が大勢いれば、三河屋さんのような御用聞き訪問を繰り返すのも追客の1つの手法ですが、小規模な工務店はそのような人海戦術を取れません。
社長や営業社員は極力動かずに、お客さんのほうから会社に来てもらう仕組みを考えてください。
本記事ではYouTubeの動画とホームページの工夫に絞りましたが、考え方ややり方はまだまだあります。一人親方の鈴木工務店でも、高価な機材を使わずに、社長の人柄とWB工法の良さが伝わる動画を発信できています。
ぜひ本記事の鈴木工務店の事例を参考に、自社のYouTubeチャンネルを開設して、最初の動画を撮ってください。



