工務店のSNSが逆効果になる4つの失敗|一人親方のYouTube成功事例

全国の工務店のホームページを見て回ると、YouTube、インスタグラム、Facebook、旧ツイッターのマークを並べているのに、更新が止まっていたり、ブログが夕食の写真ばかりだったりする工務店が目に付きます。
工務店のSNSは、更新の停止、変わり映えしない写真、ご飯の写真、演出過多の4つの失敗があると、効果がないどころか逆効果になります。一方で、スマホを自分に向けて一人語りするだけのYouTubeで、問い合わせを明らかに増やした一人親方の大工さんもいます。
本記事では、私がホームページで見てきたSNSの失敗例と、SNSをやらないと言う工務店社長との会話、一人親方の事例をもとに、小規模工務店のSNSの続け方を解説します。
SNSは小規模工務店にとって経費0円の営業ツール
この時代になって、SNSを全くやっていない工務店はかなり減りました。これまでこの手の飛び道具を頑なに嫌っていた愛知県内の一人親方の大工さんも、一年前からYouTubeチャンネルを開設して発信を始めたほどです。
SNSは、小規模工務店にとって格好の武器です。工務店が自分で運用すれば経費も基本的に0円で、こんな素晴らしい営業ツールはほかにありません。
ただし、漫然とSNSを続けているだけの工務店は、効果がないどころか逆効果になることすらあります。
工務店がSNSをやるのであれば、ターゲットをしっかり考えたうえで、中途半端にはやらないでください。
SNS以外の新規顧客の探し方は、住宅営業の探客方法で解説しています。
工務店のSNSで最も多い失敗は「食い散らかし」と更新の停止
ホームページにSNSのマークを並べただけの工務店
私は時間があれば、全国さまざまな工務店のホームページをチェックしています。とくに関心があるのはSNSですが、目に付くのがいわゆる食い散らかしのパターンです。
食い散らかしの工務店のホームページには、YouTube、インスタグラム、Facebook、旧ツイッターなどのマークが並び、見た人は「いろいろやっているんだな」という印象を受けます。ところが、それぞれのSNSを開いて中身を見ると、次のような問題が出てきます。
更新が二年前で止まった建築士兄弟の工務店のYouTube
食い散らかしの問題のうち最も多いのが、更新の停止です。典型はYouTubeで、インスタグラムは写真を撮ればすぐに上げられるので続けやすいのに対し、YouTubeは一定の手間暇をかけないと上げられないため、工務店はどうしてもサボってしまいます。
兄弟2人とも建築士で営んでいる工務店があり、その工務店のホームページを久々に覗いたところ、YouTubeは二年前を最後に見事に止まっていました。兄弟の工務店のYouTubeは撮影のプロを入れたと分かる手の込んだ仕上がりで、それまでに上がっている動画の中身も濃いものでした。
それでも、止まっていること自体が最大のマイナスで、お客さんの目には「この工務店は活動的ではないな」と映ります。SNSが止まるのは、工務店として何としても避けたい最悪の事態です。
動画を上げ続けた工務店にお客さんから問い合わせが来るようになった経緯は、工務店の動画活用の事例で解説しています。
中身が薄いSNS投稿の3つのパターン
変わり映えしないインスタグラムのキッチン写真
中身がマンネリで薄くなる傾向は、インスタグラムに顕著に出ます。デザイナーズ住宅のタイプの住宅会社は、完成した家の外観や住宅設備機器に目を引くものが多く、キッチンの写真を立て続けに上げても、それぞれに見所があるのでマンネリになりにくいです。
マンネリになりやすいのは、街場にある普通の工務店です。
普通の工務店は奇抜なデザインを追求しないので、A邸でもB邸でも家の見た目があまり変わり映えしません。
そのため、2つの家のキッチンをそれぞれインスタグラムに載せても、見る側には同じようなキッチンが2つ並んでいるだけに見えます。
どの家にも見所が何か所もある工務店なら、同じような場所を同じような角度から撮っても問題ありません。しかし、読者の工務店が街場の普通の工務店に当てはまるなら、何を載せるかに知恵を絞ってください。
夕食の写真でしのぐ工務店のブログ
工務店のホームページに載っているブログを見ていると、苦し紛れに今日の夕食の献立を載せてその場をしのいでいるケースがかなりの数にのぼります。気持ちはよく分かりますが、ブログの書き手はネタをひねり出せないと、つい食事のときに写真を撮り、ブログに上げてごまかしてしまいます。
食事の内容が極めて変わっているか、書き手の食レポの能力が非常に高ければ面白い記事にもなりますが、ただなんとなく夕食の写真を載せられても、読む側は「ふーん」で終わりです。最近もある地場工務店のブログを見つけたのですが、なんと40%がご飯の写真でした(笑)。
工務店の社長や社員がブログを書くなら、普段からアンテナを張り巡らし、何か気づいたことがあればすぐに写真や動画に収める癖をつけてください。
効果音と字幕に凝りすぎたYouTube
YouTubeにありがちなのが、効果音や字幕などの演出に凝るあまり、中身が全然入ってこない動画です。
工務店の動画を見るお客さんは家づくりを真剣に考えているので、奇妙な演出は不要と言っていいでしょう。
効果音やうっとうしい字幕を挿入すると、お客さんが「こんな会社で家なんか買う気がしない」と感じるのは目に見えています。
演出に頼らず自社の強みと根拠を伝える動画の作り方は、工務店のYouTubeの成功と失敗の実例で解説しています。
「俺はSNSやらない」と言った工務店社長との会話
つい先日、私は60代の地場工務店の社長とお会いしました。本記事を書くきっかけになったのは、社長の次の発言です。
「俺はSNSやらないんだよね。YouTubeはたまに見るけど」

そのあと、私と社長の間で次の会話がありました。
私「SNSをやってみようって気持ちはありませんか?」
社長「いろんな人に言われるけど、ああいうのはちょっとね……」
私「社長が考える以上にいろんな人が見ているので、やったほうがいいと思いますよ」
社長「それもよく言われるんだけど、そもそも僕はSNSはやらないんだよね。YouTubeは趣味の釣りに関する動画をよく見てるから、面白いっちゃ面白いんだけどさ」
社長の発言の根っこには、「自分はSNSをやらないので、ほかの人もやらないだろう」という理屈があります。逆に、旧ツイッターでしょっちゅう発信する人は、ほかの人も旧ツイッターをやっているだろうと考えます。
この思い込みは、社長だけがおかしいわけではなく、人間の心理と言ってもいいものです。
テレビのゴールデンタイムにお笑い番組をやっていても、お笑いに全く興味がない人は「こんなくだらないもの、いったい誰が見るんだろうか」と思いますよね。
SNSも同じです。
工務店の社長自身がSNSをやっているかどうかは関係ありません。
世の中はSNSのほうに動いているので、工務店はSNSをやっているのが当たり前と、まずは考えてください。
私には、SNSはどう考えてもやるべきだという結論しか出てきません。
SNSが当たり前になるなかで、来場したお客さんが住宅展示場の写真をSNSに投稿する場面への備えは、住宅展示場のSNS投稿と撮影の扱いで解説しています。
YouTubeで問い合わせを増やした一人親方の事例
成功事例も一つ紹介します。ただ、この話は又聞きで、私は全く関わっていません。
ある一人親方の大工さんがYouTubeでの発信にチャレンジし、誰にも頼まず自分で勉強してチャンネルを開設しました。
大工さんの動画はさほど凝ったものではなく、スマホを自分に向けて一人語りで話を進めるだけのものだそうです。
それでも話の内容が極めて精緻で深く、一部のお客さんの気持ちをがっちりつかんだといいます。
一人親方がYouTubeを始めるときの撮影の進め方は、取材形式で撮る一人親方のYouTubeで解説しています。
これも又聞きですが、大工さんは軽妙な語り口でおしゃべりがうまく、ギャグのセンスもあって、見る人が思わず笑ってしまう話の展開をするそうです。
軽妙な語り口と聞くとハードルが上がるかもしれませんが、大工さんが一念発起してYouTubeにチャレンジしたことで、問い合わせは明らかに増えたそうです。
なお、私自身は大工さんのYouTubeを見ていません。
まとめ
工務店のSNSは、更新の停止、変わり映えしない写真、ご飯の写真、演出過多の4つの失敗を避ければ、小規模工務店が経費0円で使える格好の営業ツールになります。「自分はやらないからほかの人もやらない」という思い込みを外せば、スマホ一つで問い合わせを増やした一人親方のように、凝った演出がなくても成果は出せます。
私がSNSのコラムを事あるごとに書き続けるのは、それだけ重要だと確信しているからです。
ZEHも同じで、どう考えても急がなくてはいけないのに、のんびりしている工務店が多いのが事実です。
SNSへの動きが鈍い工務店には、急いで取り掛かるよう私から強く進言します。
ぜひ本記事の4つの失敗例と一人親方の事例を参考に、自社のホームページに並ぶSNSを一つずつ見直してください。



