この話題はどうしても定期的に上げざるをえません。
つまり、それぐらいSNSの重要性に気づいていない工務店が多いかということです。
この時代になってSNSを全くやってないという工務店はかなり減ったでしょう。
これまで、頑なにこの手の飛び道具を嫌っていた愛知県内のある一人親方の大工さんも、一年前からyoutubeチャンネルを開設して発信をし始めたほどです。
しかし、ただ漫然とSNSをやってるだけでは、効果がないどころか逆効果になることすらあります。
やるのであれば、ターゲットをしっかりと考えたうえで、中途半端にやらないことでしょう。
SNSは小規模工務店にとって格好の武器です。
しかも、自分でやれば経費も基本的には0円というこんな素晴らしい営業ツールは他にありません。
食い散らかしが一番ダメ
あなたの会社は該当していませんか?
私は暇があれば全国さまざまな工務店のホームページをチェックしています。
特に関心があるのはSNSですが、目に付くのがいわゆる食い散らかしのパターン。
ホームページを見ると、yoputube、インスタグラム、facebook、旧 ツイッターなどのマークが並び「いろいろやってるんだな~」 との印象は与えるのですが、それぞれ中身をみると、次のような問題点が炙り出されます。
①更新されていない
最も多いのはこれでしょう。
典型的なパターンはyoutubeです。
インスタグラムなどは、とりあえず写真を撮れば簡単にアップできますので継続はしやすいのですが、youtubeは一定の手間暇をかけないとアップできないので、どうしてもサボってしまうのです。
兄弟二人とも建築士で工務店を営んでいる会社があるのですが、こちらの会社のホームページを久々に覗いてみたところ、youtubeは二年前を最後に見事に停止していました。
ところが、このyoutubeは明らかに撮影のプロを入れた手の込んだ撮影仕上がりになっていて、それまで上がってる内容自体は中身の濃いものです。
しかし、停止しているというのが最大のマイナスポイントで、お客さんから見ると「この会社は活動的ではないな」と映ってしまうのです。
これは大きなマイナスポイントでしょう。
とにかく、止まるというのは絶対に避けたい最悪の事態です。
②中身がマンネリで薄い
インスタグラムに顕著に現れる傾向です。
いわゆるデザイナーズ住宅系の会社は、新しく出来上がった家の外観や中の住宅設備機器が目を引くものが多いこともあり、キッチンの写真を立て続けに上げても、それぞれ見所があるのでこういう現象が起こりにくいでしょう。
ところが問題なのは、いわゆる街場にある普通の工務店のケースです。
奇抜なデザイン性を追求しないので、A邸あってもB邸であってもあまり変わり映えがしないのです。
ですから、この二つの家のキッチンをそれぞれインスタグラムで載せても、見る側からすれば同じようなキッチンが二つ並んでるにすぎません。
建てた家に必ず見所が何箇所もあるような家であれば、同じような場所を同じような角度から撮っても問題ありません。
しかし、既述のような工務店にあなたが該当するならば、知恵を絞って内容を考えてください。
③ブログに見られるご飯の写真
気持ちはよく分かるのですが、ホームページに掲載しているブログを見ていると、苦し紛れに今日の夕食など献立を載せてその場をしのいでいるケースがかなりの数にのぼります。
ネタをなかなかひねり出せないと、ついつい食事の時にその写真を撮って、ブログにあげてごまかしてしまうのです。
その食事内容が極めて変わっているとか、あるいは食レポの能力が非常に高い書き手であれば内容も面白いのでしょうが、ただなんとなく夕食の写真を載せられても「ふーん」で終わりです。
ブログを書く場合は、普段からアンテナを張り巡らし、何かしら気づいたものがあれば、すぐに写真や動画に収める癖をつけてください。
最近もある地場工務店のブログを発見したのですが、なんと40%がご飯の写真でした(笑)
④演出にこだわりすぎて中身が薄い
youtubeありがちですが、効果音とか字幕など、演出効果に凝るあまり、中身が全然入ってこないケースもあります。
見る側は家を真剣に考えているわけであって、奇妙な演出は不要と言っていいでしょう。
効果音やうっとおしい字幕の挿入などをすると「こんな会社で家なんか買う気がしない」となるのが目に見えています。
先日あった工務店の社長の発言がすべて
「俺はSNSやらないんだよね。 youtubeはたまに見るけど」
これは60代のある地場工務店社長の発言です。
つい先日お会いした社長なのですが、今回のコラムを書くきっかけとなった発言がまさにこれでした。
私と社長の間で交わされた会話です。
私 「SNSをやってみようって気持ちはありませんか?」
社長「いろんな人に言われるけど、ああいうのはちょっとね・・・」
私 「社長が考える以上にいろんな人が見ているのでやったほうがいいと思いますよ」
社長「それもよく言われるんだけど、そもそも僕はSNSはやらないんだよね。youtubeは趣味の釣りに関する動画をよく見てるから面白いっちゃ面白いんだけどさ」
この会話のキモは分かるでしょうか。
“自分はSNSをやらないのでほかの人もやらないだろう”という理論になっているのです。
この逆に旧ツイッターを使ってしょっちゅう発信する人であれば、 ほかの人も旧ツイッターをやるであろうと考えるのです。
これは、この社長だけがおかしいのではなく、人間の心理と言ってもいいでしょう。
テレビのゴールデンタイムで、お笑い番組をやっていたとしましょうか。
これらのジャンルに全く興味がない人であれば「こんなくだらないもいったい誰が見るんだろうか?」となりますよね。
同じことなのです。
ただ、SNSに関しては、やっているのが当たり前とまずはお考えください。
皆さんがやっているかやってないかは関係ありません。
世の中はそちらの方に動いてるわけですから、SNSはどう考えてもやるべきだという結論しか導き出されません。
youtubeにチャレンジした一人親方の成果
せっかくですので成功事例を一つお話ししましょう。
ただ、これは又聞きの話で私は全く関与していない件です。
ある一人親方がyoutube発信にチャレンジして、誰にも頼まず自分で勉強してサイトを開設しました。
動画はさほど凝ったものではなく、スマホを自分に向けてそれに対して一人語り風に話を進めるだけのものらしいのですが、その内容が極めて精緻で深いものがあるらしく、一部のお客さんの気持ちをがっちりつかんだらしいのです。
軽妙な語り口
これも又聞きで申し訳ないのですが、この社長は軽妙な語り口で極めておしゃべりがうまいとのこと。
さらには、ギャグのセンスもあるらしく、都度思わず笑ってしまうような話の展開をするらしいのです。
軽妙な語り口と話すと、いきなりハードルを上げてしまうかもしれませんが、この大工さんは一念発起してyoutubeにチャレンジしたことによって、問い合わせが明らかに増えたというのです。
ただ、これも申し訳ありませんが、私はこのyoutubeを見ていませんのでそれだけはご了承ください。
まとめ
SNS関連のコラムは、事あるごとにしつこく書き続けたいと思っております。
いろいろ雑多なテーマで私はコラムを書いていますが、同じテーマに執着するということは、それだけ重要だと確信しているからです。
ZEHもそうなのですが、どう考えても焦らなくてはいけないのにのんびりしている工務店が多いのが事実。
ですから、ZEHについてもちょくちょく取り上げて書いているのです。
今回はSNSの話ですが、未だに動きが鈍い工務店の皆さんには、急いで取り掛かるよう私から強くご進言致します。