工務店の集客は敷居の低さで変わる|喫茶店・雑貨・イベントの3事例

工務店の集客は敷居の低さで変わる|喫茶店・雑貨・イベントの3事例

自社のショールームや住宅展示場を整え、InstagramやYouTubeで発信も続けているのに、ドアを開けて入ってくるお客さんがなかなか増えません。知名度のない小規模な工務店ほど、この状態に陥りやすくなります。

工務店の集客は、家づくりの予定がない人でも立ち寄れる用事を店先に置き、来場の敷居を下げることで変わります。愛知の地場工務店では、本社で定期イベントを始めたところ、ふらっと来た奥さんから400万円ほどになる見込みのリフォーム見積もりを依頼され、受注につながりました。

本記事では、神戸の喫茶店、北陸の住宅展示場、愛知の地場工務店という3つの事例をもとに、小規模な工務店が来場者との接点を作る集客の仕掛けを解説します。

工務店の集客でSNSとホームページだけでは足りない理由

リフォームでも新築でも、住宅会社が集客の入口としてまず考えるのはホームページです。ホームページは基本中の基本で、今の時代はInstagramやYouTubeなどのSNSで発信し、お客さんを呼び込む動線を作るのも当然の話になりました。

それでも、物理的なショールームや住宅展示場が欠かせないのは、今も昔も変わりません。お客さんにとって、バーチャルではない実物を見ることは極めて大事ですし、そもそも楽しい行動でもあります。

ショールームのドアを開けてもらうまでが勝負

ただし、住宅会社が素晴らしいショールームを作っても、お客さんにドアを開けて中に入ってもらわなければ意味がありません。

お客さんが足を運び、営業社員と会話を交わして初めて商談が始まります。

SNSのようなバーチャルの接点ではなく、お客さんと直接顔を合わせて話す機会をどう設けるかで、住宅会社の集客の結果が分かれます。

お客さんと直接顔を合わせる場づくりの一例は、寄席を使った工務店の集客イベントで解説しています。

知名度のない工務店ほど来場の敷居が高い

有名なハウスメーカーであれば、知名度があるのでお客さんものれんをくぐりやすくなります。一方、地域でこぢんまりと商売をしている工務店やリフォーム会社、インテリア会社は、来場の敷居を越えなければなりません。

ショールームすらなく事務所だけの会社では、集客はさらに難しくなります。リフォームの技術やインテリアの提案力がどれだけ高くても、事務所だけではお客さんを呼び込むのは至難の業です。

インテリア会社が運営する神戸の喫茶店に学ぶ工務店の集客

私は神戸市に住んでいて、月の半分は妻と一緒に喫茶店に出かけます。

昨日も、私と妻は「今日も新しい喫茶店に行ってみるか」と、神戸港沿いにある図書館へ自転車を走らせました。

図書館の真横にこぢんまりとした喫茶店があると知ったので、図書館のついでにそこで一休みしようという算段でした。

家具売り場の奥に喫茶店があった

かがまなければ入れないような小さな扉を開けると、店内に喫茶店の趣は一切なく、家具やカーテンなどがずらりと並んでいました。私と妻が「喫茶店はこの奥です」という看板に従って奥へ進むと、ようやく目的の喫茶店が現れました。

店内のインテリアも凝っていて、私は目新しい喫茶店を見つけたと思いながら注文しました。

そのあとふと目をやると、「住まいの悩み解決しませんか?」という文言が目に入り、私はお店の本業が喫茶店ではなくインテリア店だと気づきました。

私はお店の詳しい事情までは知りません。

ただ、リフォームを考えている人がたまたま立ち寄れば、「相談してみようかな?」と思える雰囲気がありました。

キッチンで作業していた女性に声をかけた

私と妻が席についてコーヒーとケーキを注文すると、私のすぐ横には展示物を兼ねたキッチンがあり、その中で女性が作業していました。すぐそばだったので、私は女性に声をかけました。

私「この喫茶店の本業はリフォーム会社ですか?」

女性は、リフォーム会社というよりはインテリアを総合的に提案している会社だと答え、続けて私にこう声をかけてきました。

女性「ひょっとしてリフォームやカーテンを新しくするなどをお考えですか? 何かお聞きになりたいことがあればお答えしますよ」

もし私が本当にリフォームを考えていれば、その場で話を聞いていたはずです。私がその場でアポイントを取るところまではいかなくても、業者選びの候補にこのインテリア会社を入れる確率は高いと私は考えます。

喫茶店をはさむとお客さんと社員の距離が縮まる

このお店のように間に喫茶店をはさむと、お客さんと社員の間の敷居が下がります。私は自宅のリフォームの予定が全くないので客にはなりようがありませんが、リフォームの予定がある人がネットでこの喫茶店を見つければ、冷やかし半分でどんなところか見に行く動機になります。

リフォームの予定がある人が偶然この喫茶店に入った場合も、「なかなか面白そうだな」と感じるはずです。

雑貨販売で住宅展示場に集客した北陸の住宅会社

北陸にある新築がメインの住宅会社は、ある時を境に住宅展示場の中に小物を並べ、雑貨の販売を始めました。社長の鶴の一声で決まった取り組みで、住宅会社は展示場をそのまま雑貨屋にし、営業社員ではなく雑貨担当の売り子をアルバイトで雇いました。

住宅会社の売上が爆増した……とはさすがになりませんでしたが、展示場は地域にじわじわと認知され、お客さんもぽつぽつと来るようになりました。住宅会社が雑貨屋として宣伝していたので、来場者の大半は家を買う気が全くなく、高校生や大学生といった若い女性が多くを占めました。

住宅展示場だけでは、家を真剣に考えている人しか来ません。

神戸の喫茶店と同じく、雑貨屋を兼ねれば、雑貨を見に来たふりをしてついでに建物を見ようという人も出てきます。

新築の予定が全くなかった人が雑貨のついでに展示場を見て「一戸建てっていいね」と感じ、営業社員と資金計画をしてみたら「こんなんで家が買えるんだ」と気持ちが変わる可能性もあります。

建築予定のない人まで展示場に呼び込む工夫は、住宅展示場のクリスマスイベントの成功例で解説しています。

私はこの住宅会社と頻繁にやり取りしているわけではないので、取り組みが現在どうなっているかは分かりません。それでも、展示場で雑貨を売るという発想は、住宅会社とお客さんの間の敷居を低くするものだと私は考えます。

イベントで400万円のリフォームを受注した愛知の地場工務店

展示場やショールームを持っている住宅会社であれば、最終的には「展示場を遊ばせておくのはもったいない」という結論に行き着きます。愛知県に本社を構える地場工務店は、その結論を実行に移した会社です。

空いている展示場を地域に貸し出して認知を広げる方法は、小規模工務店の住宅展示場イベント事例で解説しています。

LDKだけを再現した本社敷地内の展示場

愛知の工務店は親子二代で経営していて、今から15〜6年ほど前に本社の敷地内に住宅展示場を建てました。ただし、工務店が建てたのは一般的な2階建てをまるごと再現した展示場ではなく、LDKだけを再現した建物でした。

工務店は当初、この建物を一般的なショールーム兼展示場として使っていました。ある時から、工務店はショールームに本社の一部を加えたスペースを開放して定期的なイベントを始め、このイベントは完全に軌道に乗りました。

3回目のイベント後に来た400万円の見積もり依頼

3回目のイベントが終わったとき、私は現場に行って社長と話をしました。社長はそのとき、実際にあった成果をこう話してくれました。

「昨日だけどびっくりしたことがあって、ふらっとやってきた40歳ぐらいの奥さんが、リフォームの見積もりを依頼されたんだよね。おそらくは400万円ぐらいになると思うんだけども、今週末に行くことになってるんだよ」

そして、工務店はこのリフォームを受注しました。

お客さんがショールームにいきなり飛び込みで来ることはなかなかないので、誰よりも驚いていたのは社長でした。

工務店が敷居の低いイベントを開いたことで、お客さんとの接点が生まれたわけです。

愛知の工務店は事情があって営業をやめましたが(経営不振ではありません)、このイベントの企画は間違いなくうまくいきました。

まとめ

大手ハウスメーカーや地域で知名度のある住宅会社であれば、お客さんものれんをくぐりやすいものの、小規模な工務店にはお客さんが連絡を取りづらいのが現実です。工務店の集客は、喫茶店や雑貨、イベントのように家づくり以外の用事を入口にして、お客さんの心理的な敷居を下げられるかどうかで変わります。

私は日常的にこうした仕掛けづくりのお手伝いをしていますので、小規模な住宅会社の方はお気軽にお問い合わせください。

ぜひ本記事の3つの事例を参考に、自社の展示場や事務所に、家づくりの予定がない人でも立ち寄れる用事を1つ作ってください。

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