いまや自社の認知や集客のためになくてはならないWEBサイトですが、会社概要や代表者のあいさつ、施工事例と同様に充実を図りたいコンテンツに「スタッフ紹介」があります。
特に地域密着の工務店WEBサイトにとっては、親近感や地域に根ざす企業としてスタッフ紹介はなくてはならないページとなります。
しかし、スタッフ紹介ページをつくる工務店はそう多くはありません。
そこで今回、スタッフ紹介ページを掲載する目的や掲載内容、ページ作成の注意点について解説します。
スタッフ紹介ページは必要か?
近年、顧客の大半は問い合わせや展示場来場より先に、インターネットで情報収集をしてしています。
一昔前は住宅展示場やモデルハウス、見学会などで依頼先を検討することが一般的でしたが、現在ではWEBサイトの情報収集で気になる住宅会社を絞り込んでいます。
すでに、依頼先を2〜3社に絞り込み終わった状態で、問い合わせや来場をする状態になっているのです。
また、オンラインでの相談会やWEB展示場など、実際に対面する前にやり取りをすることも増えてきています。
コロナが収束した今でも、オンラインの便利さや空いた時間にできる手軽さが浸透しており、リアルとデジタルの融合がスタンダードになっています。
顧客にとって、この会社は「どんな企業」で「どんな人が対応してくれるのか」について会社選定をする上では特に気になるポイントです。
スタッフ紹介で社員の顔や雰囲気、人となりが見られることは、不安を取り除く有効な判断材料となるのです。
スタッフ紹介の目的
スタッフ紹介ページを作ることの目的は、「安心感」や「信頼」を与えることです。
住宅の購入は、「一生に一度のこと」のため、誰もが慎重になります。
住宅の性能はもちろんですが、依頼する企業や担当者が信頼できることも意思決定の大きなポイントとなります。
スタッフ紹介のページを閲覧することで、その企業で働く人達の様子や社内の雰囲気を掴むことができるので、安心感を抱かせることができます。
また、社員全員が前向きに働く雰囲気をイメージできると、プラスの印象を与えます。
また、SNSを利用して、社員を一人ずつ紹介して、WEBサイトへ誘導する流れも有用です。
SNSに投稿する場合は、本名ではなく、ニックネームやイニシャル表示にしたり、個人写真ではなく集合写真を使用するなど個人の特定を防ぐ対策をとりましょう。
スタッフ紹介に記載する内容
スタッフ紹介ページに載せる内容について解説します。
読者にどんな印象を持たせたいか、何を目的とするかによって、それぞれのボリュームを調整しましょう。
記載内容を大きく分けると下記の4つになります。
① プロフィール写真
② 社員のプロフィール
③ 仕事について
④ プライベートについて
① プロフィール写真
第一印象のうち55%は見た目によるものといわれています。
笑顔または柔らかい表情の「その人らしい」写真を選び、証明写真のような無表情なものは避けましょう。
あえてカメラ目線にせずに自然な表情を撮るのもお勧めです。
社内や現場で働いている姿をイメージできることや明るい背景で撮影するなど、魅力が伝わる写真を目指しましょう。
予算がとれる場合は、プロに撮影を依頼することがお勧めです。
どうしても写真の掲載に抵抗があったり、事情がある社員がいる場合は、イラストで代用するなど柔軟な対応を考えておきましょう。
② 社員のプロフィール
部署名や就いている仕事、星座や血液型といった内容が考えられます。そのまま記載するのではなく、一言プラスすると印象に残りやすくなります。
③ 仕事について
これまでの経歴や自社に就職したきっかけ、仕事でのやりがい、働く上で心掛けていることや仕事におけるポリシー、将来の目標、この仕事に就いていてよかったと感じた瞬間などが考えられます。
仕事における専門性をアピールすることができます。
そのまま、掲載するだけではなく、インタビュー形式で動画を撮影する、同僚からの口コミや評判を載せるなどの手法をとることもできます。
どのように熱意や情熱、真面目に取り組む姿を伝えるかの工夫が必要です。
④ プライベートについて
出身地、趣味や特技、所属していた部活や得意なスポーツ、休日の過ごし方、飼っているペット、お勧めの本や音楽などの項目が考えられます。
顧客は、自分との共通項を発見すると親近感を持つようになります。
掲載項目を固定せずに、その人のオリジナリティが伝えられる内容を選択できるようにすると、個人としての魅力をより引き立てることができます。
掲載内容は、個人情報を含むので取り扱いには十分に注意することや決して無理強いをしないように気を付けましょう。
ポイントとしては、自分の仕事や商品へのこだわりや自信といった熱意を伝えて信頼を得るのがメインであれば③の内容を充実させ、顧客を社員の共通項を見つけて親近感を持って警戒心を下げるのが一番の目的であれば④を充実させるようにします。
全ての項目で「人となり」や「その人らしさ」をアピールできるように心がけましょう。
※スタッフ紹介ページ作成の注意点
ページを作成する際には、ページ全体に統一感を持たせることや自社のブランディングに合わせることを意識しましょう。
同じ部署のスタッフごとにまとめて掲載したり、リンクさせずスクロールで見られるようにしたりといったストレスなく読み進められるデザインを検討します。
プロフィール写真の顔のサイズを合わせる、写真のテイストをあわせる、文章の文字数に制限を設けて分量を揃える、などを意識すると統一感のあるページを作ることができます。
文章についても、履歴書のような固すぎる言葉使いではなく、性別や年齢に合わせた親しみやすく自然な言葉を選びましょう。
ただし、くだけすぎた文章は、信用や品格を損なってしまうのでバランスが大切です。
スタッフ紹介ページ作成のメリット
スタッフページを丁寧に作りこむと様々なメリットがあります。
顧客へのメリット
・スタッフ紹介ページを目にしていると、担当者と初対面時の緊張感が薄れ、警戒心を持ちづらくなります。直接会って話す前から「話しやすそう」「頼りになりそう」「〇〇について相談してみたい」といったイメージを持たせることができます。
・オンラインでのやりとりにおいても、どんな人が対応しているのか、顔がわかることで大きな安心感を得られます。
・担当者の人間性を伝えられるので、担当者本人に興味を持たせたり、出身地や趣味などに共通点があると話しやすく、親近感を持たせることができます。
求職活動中の人へのメリット
社員の仕事への意欲や目標を確認できるので、就職後の自分の姿を当てはめたイメージがしやすいことや社内の雰囲気を確認できます。
就職後のギャップが減るので継続して働き続けることができます。
社員へのメリット
社員自身が掲載されることで自社サイトへ興味を持たせることができ、同僚の仕事に対する考えを確認できるのでモチベーションの維持に役立てられます。
また、他の社員に自分をアピールすることで、仕事上で関わりのない他部署の社員と会話するきっかけを作れたり、顔と名前を一致させることにも役立ちます。
スタッフ紹介ページのデメリット
スタッフ紹介ページを続けていくうえでのデメリットは下記の通りです。
・全社員の協力が必要不可欠となり、一人でも反対意見がでると困難になる。
・プライバシーに配慮するため、個人情報をどこまで載せるかを個人に任せずガイドラインを設定する必要があります。個人情報流出の問題が起きてしまうと、対処が難しいケースも多いので細心の注意が必要です。
・入社時退職時部署移動など、人事に変更があった場合、随時内容の変更や差し替えが必要となります。
社員全員の同意を得た上で、プライバシーにも配慮したスタッフ紹介ページを作成する必要があることに注意が必要です。
まとめ
WEBサイトにスタッフ紹介コンテンツを掲載する目的やメリットデメリットについて解説しました。
スタッフ紹介は、読者である顧客にとって、「安心感」や「親近感」を持たせるために有効なコンテンツです。
導入する際には、最初にスタッフへ趣旨の説明を徹底し、理解と同意を得ることから取り組みましょう。
既に作成されているスタッフ紹介ページの見直しや、これからコンテンツ作成する際のページ作りの参考としていただければ幸いです。