リフォーム営業の研修で何を教える?困りごとロープレと掃除術

リフォーム営業の研修で私がコンサル先に教えているのは、古い一軒家に住む人が何に困っているかを営業社員が先回りして当て、共感したうえで解決策を出す練習です。練習のネタは「トイレ・奥様・お困りごと」のようにネットで調べれば集まり、私はそのネタを使って営業社員にロールプレイングをさせています。
本記事では、私がコンサル現場で行っているリフォーム営業研修の中身を、新築との違い、ネタの集め方、掃除の知識、職人のタバコの確認まで解説します。
工務店のリフォーム営業研修が新築と違う理由
工務店の仕事は、大きく分けると新築とリフォームの2つです。どちらにも特徴と難しさがあり、営業社員教育の手法にも違いがあります。
リフォームを手がける利点とOB施主からの受注方法は、工務店のリフォーム事業のメリットで解説しています。
新築のお客さんは賃貸から別物の家に移る
新築の場合は、建て替えよりも更地に家を建てるケースが多く、お客さんの多くはそれまで賃貸住宅に住んでいた人たちです。
収納を例にあげると、賃貸住宅に住む人は例外なく収納に不満を持っていますが、同時に「賃貸だから仕方がないよね」という共通認識も持っています。
そのうえ新築のお客さんは、それまでの賃貸の家とは全く違う、別物の住宅に住むことになります。
新築のお客さんのこうした認識の違いを頭に入れると、新築の営業指導とリフォームの営業指導は微妙に違ってきます。
リフォーム営業研修の土台は住宅の困りごとへの共感
リフォーム営業で成功するコツの一つは、お客さんが困っていることを営業社員が事前に察知し、共感することです。
トイレを例にあげます。
座って用を足す男性は増えていますが、立って用を足す男性がいると、尿が飛び散って便器の周りが汚れます。
この汚れに悩むのは掃除をする人で、一般論として奥さんが掃除をすると考えると、奥さんはかなりこの問題に悩んでいます。
家族に男の子がいれば、奥さんの怒りはさらに大きくなります。
奥さん自身は汚さないのに、その汚れを掃除するのも奥さんなので、奥さんは納得がいきません。
そのため、営業社員と奥さんの間で次のような会話が成り立ちます。
営業「小学生と中学生の男のお子さんが2人いると思いますけども、トイレとか汚れて大変じゃないですか?」
奥様「そうなのよね、主人にも言うんだけども、男の人は何とかならないかっていつも思うのよ。座ってしなさいって言うんだけども絶対守らないから(笑)」
この会話によって、奥さんと営業社員の間に共感が生まれます。
営業社員はトイレの汚れの話を、お客さんから言われてから応じるのではなく、営業社員の側から切り出します。
家族構成が当てはまらなければ、お客さんに軽く流されるだけで、営業社員には何のダメージもありません。
居室の困りごとを含め、新人に座学で覚えさせる知識は、住宅営業の新人に覚えさせる家の知識で解説しています。
ネットで集めた困りごとをリフォーム営業のロープレに使う
困りごとのネタは、営業社員がネットで調べれば集まります。たとえば「トイレ・奥様・お困りごと」と入れて検索すると、さまざまな内容が出てきて、男の子の小用の問題もいくつも見つかります。
検索語は設備・家族・困りごとで組み合わせる
「犬・室内犬・大型犬・困った」で調べても、やはりいろいろな内容が出てきます。
ロープレは家族構成を決めてから始める
私はこうしたネタを使って、営業社員にロールプレイングをさせています。営業社員がお客さんのお宅に出向いたとき、男の子が1人か2人いると分かれば、トイレの話を切り出せます。
困りごとの話以外に研修のロープレで使う設定と返し方は、雑談から始める住宅営業ロープレで解説しています。
この練習を徹底的に年間単位で続ければ、あなたの会社のリフォーム営業社員のレベルは信じられないほど上がると、私が保証します。長く訪問していないOB施主のお宅を訪ねてリフォームを受注する進め方は、OB訪問で外壁リフォームを取る方法で解説しています。
リフォーム営業は共感の後に解決策と掃除の知識を出す
共感と解決策の提案をワンセットにする
念を押しますが、営業社員は共感するだけではダメです。
営業社員はリフォームのプロなので、共感した後に、その解決方法をお客さんに提案しなくてはいけません。
共感と提案をワンセットで行えば受注を取れる可能性が増し、競合している場合は勝率がグンと高まります。
受注そのものを増やす手立ては、リフォーム案件の取り方で解説しています。
掃除とメンテナンスのやり方に詳しくなる
腕のいいリフォーム営業になるための条件の一つとして、私は営業社員に、家の中にあるもの全ての掃除の方法、つまりメンテナンス手法に詳しくなってもらいます。対象はトイレの便器、キッチン、床、屋根、クロスなど、何でもかまいません。
お客さんは、お手入れの仕方に詳しいリフォーム営業社員に信頼を寄せ、特に奥さんからは絶大な支持を得られます。これもある意味では共感で、世の中には掃除に悩む人や掃除が嫌いな人のほうが圧倒的に多いため、お客さんは掃除のコツを熟知して伝授してくれる人に共感し、信頼を置きます。
そのため、私の研修では、さまざまなものの掃除のコツを営業社員に伝授しています。社長や幹部の方も、掃除のコツを社内研修のプログラムに入れて、営業社員を教育してください。
職人のタバコをリフォーム営業が商談で確かめる理由
リフォームと新築の大きな違いは、お客さんが実際に住んでいる空間に、赤の他人である職人が入り込むことに尽きます。
キッチンの大型リフォームの商談での会話
たとえば営業社員がキッチン周りの大型リフォームを受注しようと商談しているとき、私が営業であれば次のような話をします。
営業「話は変わりますが、ご家族でタバコを吸われる方はいますか?」
奥様「うちは誰も吸いません」
営業「ということは、タバコの煙が来るともう駄目って感じですかね」
奥様「そうなんですよ。今でも歩きタバコしてる人がたまにいるけど、あの煙がふわっとくるだけでもむせちゃうんです」
営業「分かりました。弊社で工事をする場合ですが、その時はタバコを吸わない職人を向かせますね」
タバコを吸う職人の匂いに本人は気づかない
タバコを吸う人は全く気づきませんが、閉鎖空間である車の中でタバコを吸うと、服にタバコの匂いが染み込みます。
タバコを吸わない人からすると、そうした人物が近くに寄ってくるだけで「タバコ臭いから勘弁して!」となります。
そのため営業社員には、お客さんがタバコを吸うかどうか、さらにはタバコをどれだけ毛嫌いしているかを測ったうえで、前述のような話をしてほしいのです。
もちろん、工務店の人員配置の都合で無理なこともあります。
職人全員がタバコを吸っていればこの対応は不可能ですし、タバコを吸わない職人がいても、工程上うまくその現場に入れるとは限りません。
私は簡単にいかないことを分かったうえで、実現できるのであれば是非とも気に留めてほしい内容として、強く進言します。
まとめ
リフォーム営業の研修では、古い一軒家に住む人が何に困っているかに、営業社員があたりをつけられるかどうかが全てです。営業社員がネットで集めた困りごとをロールプレイングで練習し、共感の後に解決策と掃除のコツを出せるようになれば、鬼に金棒と言えます。
あわせて、営業社員はお客さんがタバコをどれだけ嫌うかを商談で確かめておいてください。
ぜひ本記事の困りごとロープレと掃除のコツを参考に、社内の営業社員教育を見直してください。



