外壁リフォームの営業方法|3人の会社が飛び込みで受注した事例

外壁リフォームの分野では、飛び込みでやってきた訪問販売の業者が、100万円を軽く超える工事の契約を取っていきます。店舗を構えるリフォーム会社や工務店から見ると、ふらりと来た業者とお客さんが高額な契約を結ぶことは不思議に映ります。
都内で3人だけでリフォームをしていた会社は、外壁リフォームの知識がほぼ0のまま、訪問予告チラシを撒いてから古い住宅に飛び込む昔ながらの営業で、事業化の目処が立つほどの受注を取りました。
本記事では、外壁リフォームの訪問営業が成り立つ理由と、工務店が取り入れたい営業の工夫を解説します。
外壁リフォーム営業で訪問販売業者が契約を取れる理由
リフォームにはいろいろな種類がありますが、外壁リフォームは定番中の定番です。外壁リフォーム専門の業者はたくさんあり、その中でも訪問販売系の業者は一定の幅をきかせて活動しています。
訪問販売系以外のリフォーム業者からは、次のような疑問が上がります。
「なぜお客さんは、訪問販売業者と契約をするのだろう」
建築業界の外にいるお客さんであっても、ふらりとやってきた訪問業者と高額な契約を結ぶ発想は、リフォーム業者には不思議で仕方がありません。
しかし、この疑問は業者側の論理にすぎないと私は考えています。
業者の常識では飛び込み業者と契約するのはありえない話ですが、お客さんは業者とは違う感性と感覚を持っており、住宅会社はそこに着目する必要があります。
実際に、外壁リフォームを訪問販売で勝負する業者は全国に存在し、それなりに成績を上げているのが実情です。中には詐欺まがいや、ほぼ詐欺と言っていいような業者も多数いますが、まともな業者であっても詐欺まがいの業者であっても、飛び込み訪問で外壁リフォームの受注が取れている事実は変わりません。
飛び込み営業で戸建て住宅の建築予定者を見つけるための訪問先の選び方は、不動産・住宅の飛び込み営業で狙う訪問先で解説しています。
3人のリフォーム会社が飛び込み営業で外壁リフォームに参入した事例
都内の会社の社長から届いた参入の相談
コロナの前、今から4年か5年前の話になりますが、弊社に興味深い連絡がありました。都内に事務所を構え、3人だけでリフォームをしている会社の社長から突然メールが届き、外壁のリフォーム業に進出したいので相談に乗ってほしいという内容でした。
私が都内の事務所でお会いして話を伺うと、社長は事業規模を広げる手段として外壁リフォームに乗り出したいと考えていました。私はこの会社に深く関わったわけではなく、アドバイスの時間を2回設けただけで、あとは社長たちが自分たちですべてを進めました。
1年後のメールで届いた3つの報告
相談を受けてから1年後、私が進み具合を知りたくてメールを入れると、社長から3点をまとめた返事が届きました。
古い住宅をピックアップして徹底的な飛び込み訪問
SNSなどは使わずに投げ込みチラシを使用
事業化の目処が立つぐらい受注が取れた
細かいことは省きますが、この会社は外壁リフォームに関するチラシを作って配布し、しばらくしてからその地域を営業社員で手分けして、徹底的に飛び込み営業をしました。
社長たちは、昔ながらの飛び込み訪問に挑んだところ思いのほか受注が取れて、自分たちでも驚いたそうです。
外壁リフォームの知識がほぼ0だった会社が、営業の力だけで成功してしまったわけです。
社長を訪ねて分かったコテコテ営業と訪問予告チラシ
メールで「非常にうまくいった」との返事をもらってから3か月ほど後、私はたまたまこの会社のすぐそばに寄る機会があり、社長に連絡して訪問させてもらいました。社長の話では、成功したのは昔ながらのコテコテ営業で、早い話が数打ちゃ当たるというやり方でした。
ただ一つ、社長たちが工夫を凝らしたのは、訪問する地域に訪問予告チラシを撒いたことです。いきなり訪問するとお客さんは警戒心を抱きますが、事前にチラシを撒いておけば、お客さんにはある程度の心構えができます。
訪問の2〜3日前にチラシで予告してから個人宅を回った体験談は、個人宅への訪問営業と事前訪問予告で解説しています。
この手法は、私が相談に乗ったときに社長に話した中核のネタでした。
私は大昔から自分の単行本にも書いており、今でもWeb記事や現場のコンサルで営業社員に話しています。
社長には、チラシを撒くエリアと、チラシに書くべき文言を具体的に伝えました。
営業社員の確保やチラシの精度といった課題は残りますが、そこが担保されれば、この手法は今でも厳然と通用すると私は考えています。
現状で数字を上げている訪問販売系リフォーム会社の大半は、事前にチラシを撒くようなまどろっこしい手法は取らず、強い営業力で突破する原始的なやり方を採っています。
そのやり方でも数字が上がる以上、少しだけ知恵と労力をかければ精度がさらに上がるのは筋が通った話です。
今も続く点検商法と訪問販売リフォームへの警戒
テレビなどでは、忘れたころに「訪問販売のリフォームに気をつけろ!」という警告がなされ、特集が組まれます。
まともに事業を行っている訪問販売リフォームの業者には申し訳ないのですが、現実にこうした悪質な業者が多いこともあり、訪問販売のリフォームは世間で警戒の対象として認知されています。
そうした中で、点検商法は昔からある定番の詐欺営業の手法です。テレビで取り上げられないからなくなったわけではなく、取り上げられないからこそお客さんの警戒感が薄れ、逆に活況となっているのが現状です。
本来なら、リフォーム被害の状況はクレームを受け付ける消費者団体に聞くのが筋ですが、私はたまたまある機会に警察の方に聞いたことがあります。
コロナ前の話なので少し古いのですが、警察の方によれば、点検商法は健在どころか活況を呈しているとのことでした。
訪問販売はコロナで一気に厳しくなりましたが、点検商法の業者は再び息を吹き返して活動しています。
訪問販売リフォームへの世間の警戒と自社を区別したい工務店にとっては、公的な仕組みを使う方法もあります。国土交通省が認定する団体に加入するメリットは、住宅リフォーム事業者団体登録制度の記事で解説しています。
工務店が外壁リフォーム営業で取り入れたい2つの工夫
何の情報もなく、古い家を見つけたらとにかく飛び込んで数を稼ぐやり方で、点検商法の業者は商売を成り立たせています。そう考えると、まっとうなリフォーム営業が成り立たないのはおかしな話で、工務店が少し工夫をすれば、外壁リフォームでもそれなりに数字が取れると私は考えています。
訪問後に確認されるホームページを作り込む
訪問販売をメインに外壁リフォームを取っている会社のホームページを見ると、思いのほかしっかり作り込んであるケースが散見されます。こうした会社は、飛び込みでやってきた営業マンが帰った後に、お客さんがホームページを確認することを想定しています。
お客さんは、突然訪問されたときには「怪しい業者かな……」と考えます。それでもホームページを開いたときに、分量のある内容に加えて、実際に外壁工事を行ったお客さんの声や写真が載っていれば、お客さんの受け止め方は変わります。
「しっかりやってそうだな……」
地に足をつけた会社運営をしている工務店こそ、改めて自社のホームページを見直す必要があります。
外壁リフォームを取りたいのであれば、工務店は内容を吟味した深い内容のホームページを作らなくてはなりません。
リフォーム集客に使うホームページの作り方は、工務店のリフォーム集客とホームページの記事で解説しています。
訪問予告チラシでお客さんの警戒心を下げる
突然見知らぬ営業マンがやってくれば、ほとんどの人は警戒を示します。
訪問販売系リフォーム会社は、この問題を訪問の分母を増やすことで解決していますが、工務店が天文学的な訪問数をこなすのは到底無理です。
そのため、工務店はお客さんの警戒心を取る作業に専念する必要があり、その手段が事前チラシの配布です。
点検員が顔見知りとして訪問し、見積もりを頼みやすくしている事例は、大阪ガスのリフォームが選ばれる理由で解説しています。
チラシには会社の話と外壁リフォームの話を載せ、何よりチラシを配布した数日後に訪問する旨を告知します。
もちろん、簡単にはいきません。
事前にチラシを撒いたとはいえ、営業社員が突然訪問すれば、お客さんは怪訝な顔をします。
それでも、何の準備もなく突撃訪問するケースと比べれば、事前にチラシを撒いてから訪問したほうが歩留まりは間違いなく良くなると私は考えています。
まとめ
飛び込み訪問による外壁リフォーム受注を戦略に据える工務店は、ほとんどないと私は考えています。私は工務店に飛び込み訪問で外壁リフォームを取ってほしいわけではなく、飛び込み訪問だけで何のリストもない会社が、それなりに外壁リフォームの受注を取っている事実を知ってほしいと考えています。
都内の3人の会社は、訪問予告チラシという一つの工夫を加えただけで、知識ほぼ0から事業化の目処を立てました。工務店であれば、訪問後に見られるホームページを整え、事前予告で警戒心を下げることで、訪問予告チラシの考え方を自社の営業に取り込めます。
ぜひ本記事の事例と2つの工夫を参考に、自社のホームページとチラシが外壁リフォームのお客さんの警戒心を下げられているかを見直してください。



