住宅営業ロープレは雑談から|研修で使う2つの設定と体験談

住宅営業ロープレは雑談から|研修で使う2つの設定と体験談

私が住宅展示場でお客さんのふりをして時事の話題を振ると、「わからないですね」としか返せない若手営業がいました。

住宅営業ロープレには、家の話の練習に加えて雑談ロープレを入れるべきです。私が関東の住宅会社で研修をしたとき、池袋の事故から1週間後に若手営業15人へテストを出すと、事故を全く知らない営業社員が5人もいました。

本記事では、私が研修で実施している雑談ロープレの設定例と、住宅展示場で見た若手営業の返答、私が研修で行うロープレの種類を解説します。

住宅営業ロープレに雑談を入れる理由

住宅営業は、雑談8割と言われる仕事です。

家の話ばかりではお客さんも面白くないので、住宅営業はお客さんの職業や趣味に合わせ、タイミングよく雑談を切り出すのがベストです。

雑談の知識は住宅営業の能力と直接は関係ないとも言えますが、世相や社会現象を一定レベルは知っていないと話にならないと私は思っています。

池袋の事故を知らなかった若手営業15人中5人

池袋で起きた悲惨な事故は、「上級国民」という言葉が日本中を席巻するきっかけになりました。

日本人なら誰でも知っている事故だと考えるのが普通ですが、この言葉を知らないどころか、池袋の事故すら知らない住宅営業マンがかなりいます。にわかには信じがたい話ですが、紛れもない事実です。

池袋の事故から1週間後に、関東地方のある県で実際にあった話です。

地元の有力住宅会社の社長から社員研修を依頼され、私は全10回コースの研修を提案して実施しました。

私は3回目の研修の最後に、若手営業15人へ全部で30問の簡単なテストを出しました。

テストの問題は、その住宅会社のホームページから抜粋した家の工法など建物の基礎知識に加え、テストからさかのぼって1週間前後に起きた事故や、政治、経済の話題です。テストの日はちょうど池袋の事故から1週間たった日でしたが、事故を全く知らないという営業社員が5人もいました。

70名中10名が「上級国民」を知らなかった営業研修

10月にある会社で行った営業研修でも、全参加者70名程度のうち、10名程度が「上級国民」という言葉を知りませんでした。

上級国民を知らない営業は、池袋の事故の存在も当然知りません。

このような営業マンがお客さんと雑談を交わし、幅の広い話をしていくのは不可能だと私は思います。

若手営業が日頃から身につけたい習慣は、住宅営業の新人育成の事例で解説しています。

雑談ロープレの設定例(住宅営業の研修で使う2つの振り)

私は研修の中に毎回ロールプレイングを入れ、その中でも「雑談ロープレ」は重要だと考えているので、一定の時間を取って実施します。雑談ロープレでは、お客さん役が職業や趣味を唐突に一言で伝え、営業役が何でもいいから話をつないで雑談をする、という設定にしています。

「私の職場は大阪国税局です」と振られたとき

お客さん役は、営業役に向かって唐突にこう切り出します。

お客さん役「私の職場は大阪国税局です」

営業役「国税局ということは、3月はめちゃくちゃ忙しいんでしょうね」

勤務先が大阪国税局であれば、確定申告の時期である3月が忙しいことが想定できます。

営業役の頭にそれが浮かべば、上のくらいの返しはすぐに言えるはずです。

話は少しツッコミ気味にはなりますが、営業役が脱税の話を振ってみるのも悪くはないと私は思います。

「私の趣味はゴルフです」と振られたとき

お客さん役が「私の趣味はゴルフです」と切り出したとき、営業役の話は、営業役自身がゴルフをできるかできないかで分かれます。

ちなみに、私のスコアは220です(笑)。

ゴルフをする方なら「そんなスコアありえるのか?」と突っ込みたくなる数字ですが、私は本当にこのくらいです。

しかし、ゴルフができないからこそ、お客さんとの会話は弾みます。220のスコアと聞けばお客さんは面食らうので、私はその上でこう続けます。

「実はゴルフができないんですけども、どうしてアイアンというのはうまいこと当たらないんでしょうね?前日に練習場でアイアンを振ると結構当たるんですよ。ところがコースに出るとほぼアウト……」

この返しで、営業はある程度ゴルフの話を続けられます。ゴルフができればもちろん良いのですが、私のようにゴルフができない人間でも、ゴルフ好きのお客さんとの話は成立します。

雑談以外の場面も含めたロープレの組み立て方は、住宅営業のロープレの実例と進め方で解説しています。

住宅展示場で総裁選の話を振られた若手営業の返答

9月の話です。

住宅業界の人なら誰もが名前を知っている有名ハウスメーカーから営業研修を任された私は、研修の前にお客さんのふりをして住宅展示場へ潜入し、接客を受けてみました。

私は担当になった2人の営業マンに、全く同じ話を振りました。

9月の頭は、ちょうど自民党の総裁選が真っ盛りの時期でした。私は家の話を中心にしながら、話が少し途切れたところで営業マンにこう尋ねました。

「自民党の総裁選で世の中もちきりだけども、あなたは4人の候補の中で誰が勝つと思う?」

候補者の名前を最後まで挙げなかったA君

営業マンのA君は「いや……誰でしょうね……う~ん……わからないですね」と答え、私が何度質問しても、具体的な名前を最後まで挙げませんでした。

おそらくA君は、4人の候補者の名前を1人も知らなかったと私は思います。

A君が1人でも知っていれば、「テレビを見ていると河野さんが有利とか言っていますよね」と話を合わせられたはずです。

展示場で新入社員が質問に答えられなかった実例と確認テストの進め方は、新入社員の営業研修の実例で解説しています。

「詳しくない」で話を切ったB君と切り返し方

別の展示場のB君は、「政治の話ですが、私は詳しくないのでわかりません」とにべもない返事でした。わからないならわからないなりに、B君は次のように切り返せばよかったと私は思います。

「政治は疎いんですよ。もっと勉強しなくちゃいけないですよね。ところでお客さんは20代の頃って政治に関心があったのですか?」

お客さんとしてはいけない3大話と住宅営業の雑談

営業の世界では昔から、お客さんとしてはいけない3大話があると言われています。3大話は「政治、宗教、プロ野球」で、どれもお客さんと意見が大きく食い違うおそれがある話題です。

例えば、お客さんから「あなたはどこの球団のファンなのですか?」と聞かれ、営業が「私は巨人なんですよ」と答えたとします。

ところが、お客さんはガチガチのトラキチだったとしましょう。

私から見ると、どこの球団のファンでも大したことではありませんが、本当に熱心なファンは、応援する球団が違うというだけで、どうにも腹の虫がおさまらないことがあります。

私の学生時代の友人に、熱狂的な阪神ファンがいました。

友人は阪神が試合に負けた翌日は本当に機嫌が悪く、巨人に負けた翌日は、機嫌の悪さがさらにパワーアップしていました。

私から見ると「なんでそんなことで?」と思ってしまいます。

私が研修で行うロープレの種類(住宅営業向け)

私が研修で行うロールプレイングは、次の3種類です。

ロープレの種類内容
住宅の基礎知識のロープレ住宅の基礎知識を営業に聞く
状況設定のロープレお客さんの状況や希望を設定し、その設定に基づいて営業に話させる
雑談ロープレお客さん役が職業や趣味を唐突に振り、営業役が話をつなぐ

3種類のうち、雑談ロープレだけは毎回やってもらいます。新人営業の研修全体の組み立ては、住宅営業の新卒研修の事例で解説しています。

まとめ

住宅営業ロープレでは、建物の基礎知識や状況設定の練習に加え、雑談ロープレに時間を取るべきです。私の研修では池袋の事故を知らない若手営業が15人中5人いたので、職業や趣味の振りに話をつなぐ練習が欠かせないと私は考えています。

営業は知らない話題を振られても、B君への切り返し例のように、知識不足を認めたうえでお客さんに質問を返せば話をつなげられます。

ぜひ本記事の雑談ロープレの設定例を参考に、次の社内研修で大阪国税局やゴルフの振りを試してください。

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