工務店のリフォーム事業のメリット3つ|OB施主から受注した事例

工務店のリフォーム事業のメリット3つ|OB施主から受注した事例

新築の着工数が激減するという予想を知っていても、リフォームはやり方が分からず、単価が小さいわりに手間もかかるので後回しにしている地域の工務店は少なくありません。

工務店がリフォームを手がけるメリットは、資金回収が速いこと、利益率を確保しやすいこと、新築1軒に頼らずリスクを分けられることです。新築を紹介だけで受注してきた年間10棟未満の東北の工務店も、リフォームを積極的に取るようになり、売上の1割をリフォームが占めるまでになりました。

本記事では、工務店がリフォームを手がけるメリットと、OB施主からリフォームを受注する進め方を解説します。

工務店がリフォームを手がける3つのメリット

私の主な仕事は、住宅営業マンに新築住宅の受注方法やテクニックを講習したり、パワービルダーや工務店に出向いて経営全体のコンサルティングをしたりすることです。

この4、5年はリフォーム会社の研修も徐々に増え、2022年1月から4月にかけては大手ハウスメーカー系のリフォーム会社の定期研修も受け持っています。

民間資格であるリフォームスタイリスト検定の講師や、国交省認定のリフォーム団体でのセミナーも引き受けています。

リフォーム会社の研修で営業社員に教える内容は、リフォーム営業の研修での困りごとロープレで解説しています。

こうした経験から、私は地場工務店こそ新築だけでなく、何としてでもリフォームの受注を狙うべきだと断言できます。

工務店にとってのリフォームのメリットは、まず資金回収が速いことです。リフォームは新築と比べて工事のサイクルが格段に速いので、工務店はそのぶん資金を早く回収できます。

リフォームは利益率も確保しやすい工事です。

リフォームに慣れていない工務店は最初のうちミスやトラブルが多く、それが利益を圧迫することもあります。

それでも、そのハードルさえ越えてしまえば、1軒の新築を取るよりも5件のリフォームを取る方が、リスクヘッジという意味で経営的に極めて良いと私は考えています。

不慣れなうちのミスを防ぐために現地調査で確かめておく要望や建物・設備の現状の項目は、リフォーム現調シートのテンプレートで解説しています。

地域工務店がリフォームを取りに行くべき理由

新築着工数の激減予想と動きの遅い地場工務店

新築専門の住宅会社の経営者や幹部社員には、今から10年ほどで新築の着工数が激減するという予想が、情報としてすでに届いています。野村総研をはじめ、さまざまな研究機関がこうした数字を出しています。

それでも実際の現場では、リフォームをやらなくてはいけないと重々承知しながら、動けずにいる工務店が圧倒的に多いのが現状だと私は思います。

私もこの事情はよく分かりますし、私が工務店の経営者になったら同じことを考えて、知り合いの工務店や競合他社に「リフォームはどうしている?」と聞きまくると思います。

ウッドショックと住宅設備機器の値上げ

ここからは私の推測ですが、業界のさまざまな人と意見を交換し、いろいろなデータを見たうえで、私は15棟〜20棟前後の工務店やローコスト住宅の会社が、比較的早い段階で淘汰されていくと考えています。その根拠の一つが値上げです。

ウッドショックは日本の建築会社すべてが被害を受けている問題で、価格高騰はすでに現実のものになっています。次は住宅設備機器のおびただしい値上げの波が押し寄せ、5%、10%ならまだしも、それをはるかに上回る値上げがこれから起こると私は見ています。

特徴のない工務店とローコスト住宅が淘汰される

利幅の薄いローコスト住宅の会社は、価格を抑えることで他社との競合に勝ってきたので、この値上げは致命的だと私は思います。高い付加価値を付けて強気の価格で勝負している工務店は、小規模であっても荒波を乗り切るはずですが、何の特徴もなく業務を続けている工務店やローコストメーカーは厳しくなるでしょう。

小規模な工務店が棟数より利益率を優先して受注する考え方は、工務店の規模別の年間受注棟数と利益率で解説しています。

そのため私は、地域の工務店にはリフォームに活路を見いだしてほしいのです。

それでもリフォームに踏み込みたくない工務店は、他社とは違うコンセプトを打ち出した新築の形を早急に考えるべきです。

「うちには腕の良い大工がいる」「親切丁寧な真心を持った施工」「親子代々40年間やっています」といった項目を前面に出している工務店は危険で、お客さんに圧倒的にアピールできる内容がなければ、到底勝てないと私は考えています。

紹介受注だけでやってきた東北の工務店B社がリフォームを始めた事例

東北地方とだけさせていただきますが、私が10年以上前から知っている小規模工務店B社の社長がいます。

B社の年間棟数は10棟未満で、B社はこれまで新築の仕事を紹介だけで受注してきました。

社長も紹介受注には自信があり、昔から私にこう話していたくらいです。

「紹介受注が多いことだけはうちの強みだし私も非常に自信を持っているんだ」

社長の考えが変わったのは一年前、コロナがひどくなり新規の受注が落ち込んだ時期でした。Zoomで久しぶりに社長とたわいもない雑談をしていたところ、社長がこんな話をし始めたのです。

「最近紹介受注がどういうわけか急減しているんだよね。あなたが前からリフォームを取らなくちゃダメだよということを話していたけども、やはりうちもそのあたりを真剣に考えた方が良いのかな?」

私はそれ以前から何年も、「リフォームを並行してやるべきだ」と社長に進言してきました。しかし社長は、リフォームを取りに行くノウハウがないうえに、受注できても単価が小さく手間もかかることから、リフォームには消極的でした。

そのB社が一年前からリフォームを積極的に取るようになり、単価や手間の問題は残っているものの、全体売上の1割をリフォームが占めるまでになりました。

単価の小さいリフォームを取ることの意味は、工務店が少額リフォームをとるメリットで解説しています。

新築とリフォームのバランスを取った受注体制にする

誤解しないでほしいのですが、私は新築だけをやってきた工務店に、リフォーム業へ転換しようと言っているのではありません。新築がメインのままでいいと私は思っていますが、新築と同様にリフォームも重要だと考え、リフォームの比率を上げてほしいと言っています。

OB施主からのリフォーム受注が工務店の強みになる理由

私がB社の社長に進言したのは、自社のOB施主からリフォームを受注することです。新築一本でやってきた工務店が、リフォーム専門会社に対抗して新規客のリフォームを取りに行くのは、極めて難しいと考えてください。

B社がOB施主を回ってリフォームを受注した経緯は、OB施主へのカレンダー配りの受注事例で解説しています。

図面も家族構成も手元にあるのは新築を建てた工務店だけ

自社で新築を手伝ったお客さんであれば、話はまったく違ってきます。

工務店は昔からそのお客さんを知っていて懐具合もある程度分かり、家族構成から建物の構造、図面まで手元にそろっています。

これだけのアドバンテージがあるので、工務店はリフォーム専業の業者との競争でも圧倒的に有利になります。

私は、OB施主をターゲットにすることが、新築中心の工務店にとって比較的簡単なリフォーム受注術だと考えています。OB施主からリフォームを受注する進め方は、工務店のリフォーム受注の進め方で解説しています。

OB施主のフォローは少人数の工務店でもできる

施主のフォローをすれば、リフォームは比較的簡単に受注できます。こう書くと「そんなことは分かっているけど手が回らないのだ」という声が聞こえてきますが、5、6人でやっているような小さな工務店でも、お施主さんのフォローをしっかりやっている会社は、安定してリフォームを受注しています。

口下手な担当者でも続けやすい連絡の方法は、住宅営業のお礼状とショートメールの使い方で解説しています。

まとめ

工務店がリフォームを手がけるメリットは、資金回収が速いこと、利益率を確保しやすいこと、新築1軒に頼らずリスクを分けられることです。新築の着工数が減る予想に加えて、ウッドショックと住宅設備機器の値上げが続くなかで、特徴のない工務店やローコスト住宅の会社は厳しくなると私は見ています。

新築一本の工務店が新規客のリフォームで専門会社と競うのは難しいですが、図面も家族構成も手元にあるOB施主なら話は別です。紹介だけで新築を受注してきたB社も、リフォームを積極的に取るようになって売上の1割をリフォームが占めるまでになりました。

ぜひ本記事のメリットとB社の事例を参考に、自社のOB施主のフォローから始めてください。

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