リフォーム案件の取り方|2000万円の商談事例と工務店の打ち手

リフォーム案件の取り方|2000万円の商談事例と工務店の打ち手

リフォームに受注体制を移したものの、入ってくるのは営繕に近い小さな仕事ばかりで、水回りなどの大きな工事やフルリフォームはほとんど回ってこないという声を、私は工務店の経営者から多く聞きます。

福岡のある総合住宅展示場では、見積もり2000万円ほどのフルリフォームの商談が動いています。私の見るかぎり、リフォーム案件は取りに行く姿勢をはっきり示した住宅会社に集まっています。

本記事では、住宅展示場で起きているリフォーム需要の変化と、工務店がリフォーム案件を取りにいくための第一歩を解説します。

住宅展示場にリフォーム案件のお客さんが来るようになった理由

私がお話しするのは、主に総合住宅展示場の話です。

2000年ごろまでは、総合住宅展示場に来たお客さんが「リフォームを考えています」と話すケースはまれでした。

そんなお客さんが来たら住宅営業の社員が驚いた、というのが実際のところでしょう。

リフォームを希望するお客さんが住宅展示場に足を運ばなかった理由は明快です。住宅展示場は新築を考えている人が行くところで、リフォームを考えている人が行くところではないと、お客さんに認識されていたからです。

この流れを変えたのは、住友不動産の「新築そっくりさん」の影響が大きいと私は見ています。新築そっくりさんを希望するお客さんは、住宅展示場に足を運ぶことになるからです。

もう1つの理由は、大手ハウスメーカーの宣伝です。

大手ハウスメーカーは新築が伸び悩むと分かってきたので、リフォームを強く打ち出すようになりました。

その結果、大手ハウスメーカーでもリフォームをやってくれるという認識がお客さんに広まりました。

福岡の住宅展示場で動いた2000万円のリフォーム案件

福岡のある総合住宅展示場に出展している大手ハウスメーカーでの話です。60歳前後のご夫婦が予約なしでふらっと住宅展示場を訪れ、応対に出た営業社員にこう話したそうです。

「リフォームを考えてるんですけども、おたくでもやってもらえるんですか」

営業社員はもちろん対応できると答えました。すると、ご夫婦は続けてこう話しました。

「実は新築そっくりさんを検討中で、いろいろ話を聞いたんですが、他の会社も話を聞いてみたいなと思っていたんです」

新築そっくりさんを検討した客が他社に話を聞きに来る

このルートが意外に多いと私は感じています。

新築そっくりさんは知名度が高く、世間に浸透しています。

そのため、新築そっくりさんと折衝を始めたお客さんは「他のハウスメーカーでもリフォームをやっているのかな?」と考え、その流れで福岡のような案件が生まれます。

福岡の案件は現在商談中で、おおよその見積もりは2000万円程度とのことでした。2000万円という金額は、小さめの一戸建てを新築するのと変わりません。

大型リフォームの受注は住友不動産と住友林業に集中している

福岡の例のように、大型のリフォーム案件は結構動いています。しかし、全面フルリフォームのような物件は、大手ハウスメーカーに流れがちです。

展示場の初回面談から大型リフォームを受注した事例は、全面リフォーム4000万円の受注事例で解説しています。

2023年のデータでは、住友不動産は1年間で7000件もの大型リフォーム案件を受注しました。

2位の住友林業グループはその半分なので、住友不動産がいかにおいしい案件を多く取っているかが分かります。

住友林業にも住友不動産の影響で流れてくる大型物件が多く、この2社を合わせると3位以下を大きく引き離しているのが実態です。

工務店のリフォーム案件は取りに行くかどうかで二分される

私は地元の小規模工務店から大手ハウスメーカーまで横断的に関わっているので、各社の事情がよく分かります。その中で、大手ハウスメーカーやそれに準ずるパワービルダーの担当者が口を揃えて言うことがあります。

「大型リフォームはもちろんのこと、小規模なリフォーム案件も、こちらから積極的に取りに行けばいくらでも話は転がっている」

私も、工務店がリフォーム案件を取る出発点は、この言葉に尽きると考えています。

小規模工務店の中には、「これからはリフォームだ」と世間で言われていても、なかなか案件が伸びない会社が多くあります。

一方、すでにリフォーム案件をうまく取り込んでいる工務店は「うちはうまくいってるよ」と言います。

小規模工務店はきれいに真っ二つに割れているというのが、私の感想です。

従業員10人ほどの地域密着の工務店を例に考えます。同じ規模の工務店でも、リフォーム受注が多い工務店は、リフォームを取りにいく姿勢を明快にしています。

新築で勝負できない工務店ほど早くリフォームに軸を移す

誤解しないでいただきたいのですが、私は何でもかんでもリフォームに軸を移せと言っているのではありません。新築で勝負できる技術とデザイン性とアピール力がある工務店は、新築で勝負すべきだと思います。

ただ、新築は細っていくので、よほどとんがった工務店でなければ新築1本で続けるのは難しいのが実情です。他社と差別化できる大きなポイントがない工務店は、新築をやりたい気持ちはよく分かるものの、いち早くリフォームに軸を移すべきだと私は考えています。

リフォームに軸を移すことで工務店が得られるメリットは、工務店のリフォーム事業のメリットで解説しています。

私が知っている一人親方も、完全にこのタイプです。私は会うたびにリフォームの話をするのですが、親方はなかなか首を縦に振ってくれません。

リフォーム案件を取るために工務店が最初にやること

リフォームを新築の格下と見ない(積水ハウス時代のY先輩)

精神的な話になりますが、極めて重要なことです。かつてハウスメーカーでは、新築営業で数字を出せない社員がリフォーム部門に回されるという現象が起きていました。

私が積水ハウスで営業していたときも全く同じで、数字が全く振るわないY先輩が、ある日突然リフォーム部門に回されました。

「あー・・・ついに新築営業外されちゃったよ。俺もリフォームだ。もうだめだ、終わった(笑)」

Y先輩がこう自虐的に言っていたことを、私は昨日のことのように思い出します。

Y先輩は入社当時、破竹の勢いで新築受注を上げたものの、2年目から急激に落ち込み、浮上することなく潜水艦状態になってしまいました。

私の1つ上の先輩でしたが、私が入社4年目のときにリフォーム部門に左遷されたのです。

左遷と書きましたが、当時はまさにこの表現がぴったりくるのがリフォーム部門だったのです。

ところが時代は大きく変わり、ハウスメーカーには左遷どころか一線級の営業をリフォーム部門に投入する動きすらあります。リフォームのボリュームが大きくなり、商談数も増えてきたので、ハウスメーカーの考え方が変わりました。

ホームページにリフォームをやっていることを明示する

お客さんは、工務店が考えていることを理解していないと思ってください。

工務店の経営者がリフォームを積極的にやると固く誓っても、お客さんはその工務店を新築だけを手がける専門会社だと認識しています。

お客さんがそう思っている以上、工務店が全力で告知しなければ、リフォームを受けていることは伝わりません。

リフォームを受けていることをまずOB施主に伝える進め方は、OB施主へのカレンダー配りによるリフォーム受注で解説しています。

告知の基本はホームページです。

工務店がホームページでリフォームを手がけていると明示するだけで、お客さんの動きは大きく変わります。

ホームページを使ったリフォーム集客の進め方は、工務店のリフォーム集客をホームページで解決する方法で解説しています。

まとめ

私はもともと新築専門のコンサルタントでしたが、ここ最近では仕事の3割がリフォーム関連になっています。

私が意図してそう動いたのではなく、市場の原理で自然にそうなりました。

そのため、私はリフォームの動きを肌身で感じています。

総合住宅展示場には2000万円規模のフルリフォームを考えるお客さんも来ていて、リフォーム案件は取りに行く工務店に集まります。新築で勝負する自信がある工務店は新築で勝負すべきですが、そこまでとんがった強みがない工務店は、これまで以上の努力をリフォームに傾けて受注に邁進してほしいと私は思います。

ぜひ本記事の福岡の事例とY先輩の話を参考に、自社がリフォームをやっていることをホームページで伝えるところから始めてください。

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