住宅フランチャイズ加盟の注意点と選び方|本部社長に聞いた話

住宅フランチャイズ加盟の注意点と選び方|本部社長に聞いた話

同じ住宅フランチャイズに加盟していても、本部の指導に満足している加盟店オーナーがいます。その一方で、月1回やって来て通り一遍の話をするだけのスーパーバイザーに腹を立てるオーナーもいます。

加盟店の満足度を分けるのは、チャージの高い安いではありません。

チャージに見合った指導と営業ツールが本部から届くかどうかです。

業績の良い住宅フランチャイズI社の社長に久しぶりに会ったときも、社長は「加盟店を増やす時代は終わった」と話していました。

本記事では、工務店経営者が住宅フランチャイズへの加盟を考えるときの注意点とメリット、加盟前に本部へ確認したい項目を解説します。

工務店が住宅フランチャイズ加盟で負う展示場とチャージの負担

住宅展示場の建設費は本部の仕組みで軽くできる

工務店が住宅フランチャイズに加盟するとき、いちばん大きな負担になるのは住宅展示場の建設費です。

ただ、私の見たところ、以前と比べるとこの負担はずいぶん改善されてきました。

加盟店が自社でモデルハウスを建ててもかまいませんが、本部が建てた住宅展示場を加盟店が借りるスタイルを取れるフランチャイズも実際にあります。

また、ロイヤルハウスのように、そもそも住宅展示場の建設を想定していないフランチャイズも存在します。

ロイヤルハウスは一般的な知名度こそ低いものの、加盟金やロイヤルティーのハードルが非常に低いです。

そのため、加盟を検討する工務店から見ると面白い選択肢かもしれません。

チャージに見合う本部指導があるか

住宅フランチャイズに加盟すると、加盟店は毎月一定の金額をチャージとして本部に支払うのが一般的です。

チャージの金額が高いか安いかも気になりますが、加盟後のトラブルに発展しやすいのは別の点です。

チャージに見合った指導や営業ツールが、本部から供給されているかどうかです。

知名度のある大手フランチャイズなら、本部からきめ細やかな営業指導があると考えるのが普通で、一般論としてはそれで合っています。

ところが、実際の加盟店オーナーに話を聞くと、同じフランチャイズに属しながら満足度に大きな差が出るケースがあります。

大手だから安心とは言い切れず、その差を生んでいるのは本部の担当者という人の差です。

スーパーバイザーの当たり外れと担当の変更

呼び名はフランチャイズごとにスーパーバイザーなどさまざまですが、本部の担当者は月1回程度加盟店を訪問します。

そして、アドバイスや指導をしてくれます。

担当者は本部で一定の教育を受けてから加盟店に足を運びますが、本部が担当者のレベルを完全に均一にするのは到底不可能です。

ある程度の差や個性は仕方がないとしても、明らかに不適格と思われるスーパーバイザーがいるのも現実です。そうしたスーパーバイザーの中には、毎月加盟店にやって来て通り一遍の話をし、店長やオーナーからヒアリングをして本部に帰るだけの人がいるのです。

「こんなことはリモートでやれば済む話だろ!」

こうぶち切れるオーナーがいるのも、私には理解できます。

ただ、加盟前に工務店側が担当者のレベルを知ることはできないので、この部分はギャンブルと言っていいかもしれません。

私が見てきた事例の中には、あまりの相性の悪さに加盟店のオーナーが本部に掛け合い、担当を変えてもらったケースもそれなりにありました。

担当者との相性のほかに、加盟後に工務店がつまずきやすい場面は、工務店フランチャイズ加盟で失敗するケースで解説しています。

住宅フランチャイズの同系列店で起きる顧客の重複トラブル

県内にその住宅フランチャイズの加盟店が1店しかなければ、何の問題も起きません。

ところが、比較的近くに同じフランチャイズの看板を掲げた別の工務店があると、話が変わります。

本部もエリア分けをして、加盟店どうしが揉めないように考えてはいます。

顧客が重なったときのルールも、各フランチャイズで決められています。

それでも現実には、些細なトラブルがどうしても起きます。

たとえば、私が家を買おうと考え、あるフランチャイズに目星を付けたとします。

自宅から車で10分ほどの場所に、私が普段から見かけるそのフランチャイズの住宅展示場があったので、私はまずそこへ足を運びます。

その住宅展示場の営業マンは商談を持ちかけてきますが、私は住所と氏名を書くだけで、ひとまず帰ったとしましょう。

その10日後、私は別の方向へ車を走らせた先で、同じフランチャイズの他店の住宅展示場を見つけます。

「ここにもあるな、ちょっと入ってみようか」

こう考えた私は、2つ目の住宅展示場にも入って接客を受け、前回と同じように名簿のアンケートに記入して帰宅します。こうしたことは頻繁に起こりますが、トラブルの元になるのは、私が2つの加盟店の住宅展示場に住所と氏名を書いてしまった点です。

お客さんである私には、2つの住宅展示場に行った認識はあります。

しかし、2つの住宅展示場を運営する会社がまったくの別会社かどうかは知るよしもありません。

悪意なく2か所に足を運んだ私に、2社の営業マンがまったく同時に電話などで営業をかけてきたら、私はどう対応すればいいのでしょう。

お互いの存在を知ったとき、2人の営業マンはどう対応すればいいのでしょう。

フランチャイズ加盟のメリットはブランド力と営業指導

問題点を先に書きましたが、工務店が住宅フランチャイズに加盟するメリットも多くあります。

アイフルホームのブランド力がお客さんに与える安心感

有名どころでは、アイフルホームが挙げられます。

アイフルホームはローコストフランチャイズの老舗で、CMも打っているので知名度はかなりあります。

また、運営元がLIXILなので、加盟店はお客さんに「アイフルホームなら安心だろう」と考えてもらいやすいメリットがあります。

フランチャイズの仕組みをよく分かっているお客さんの中には、運営はLIXILでも実際には地元の工務店が看板を借りている点を不安に思う人もいます。

しかし、看板を借りるのはどのフランチャイズでも同じです。

フランチャイズに加盟していなければもともと地域の工務店ですから、この点は大きな問題にはなりません。

信用不安を抱くお客さんがいるのは事実ですが、営業マンが倒産保証などの話をしっかりすれば、多くの方が理解してくれるはずです。

お客さんに倒産保証の話をする前提となる住宅保証会社の選び方は、住宅保証会社の選び方ガイドで解説しています。

私も2000年頃、アイフルホームの加盟店研修を2年にわたって担当しました。

そのときは全国の加盟店を回り、九州では九州の加盟店だけが集まる研修も1年間担当しました。

あの頃のアイフルホームは実に強く、知名度も抜群で、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いでした。

現在はクレバリーホームなど有力なフランチャイズも大きくなり、フランチャイズ間の競争が激しくなっています。

スーパーバイザー全員が住宅営業経験者のI社

本部が営業のポイントを教えてくれるかどうかも、住宅フランチャイズによってレベルに差があります。

今回私がお会いした社長の住宅フランチャイズI社は、この点のレベルがかなり高いと言われています。

I社でもスーパーバイザー個人の力量の差は生じますが、I社のスーパーバイザーは全員が住宅営業経験者です。

そのため、I社の指導は机上の空論にならず、I社のスーパーバイザーは現場の営業マンと話しても信頼を得やすいのです。

加盟後に営業現場の接客がどう変わるかは、住宅フランチャイズのデメリットで解説しています。加盟して成果を出すための条件は、住宅フランチャイズ加盟で成功する条件で解説しています。

加盟前に住宅フランチャイズ本部へ確認したい5項目

住宅フランチャイズには、ずさんな経営をしている本部もあれば、指導が行き届いている本部もあります。

工務店が加盟前に両者を見分けるのは至難の業です。

それでも、担当者のレベルとは違い、仕組みとして決まっている部分は本部に質問すれば確かめられます。

本部へ質問する前に押さえておきたいフランチャイズの仕組みや利点と欠点は、工務店フランチャイズのメリット・デメリットで解説しています。

確認項目本部への聞き方
住宅展示場加盟店が自社で建てる必要があるか、本部が建てたものを借りられるか
毎月のチャージチャージの中で、どんな指導と営業ツールを受けられるか
スーパーバイザー担当者は住宅営業の経験者か、相性が悪いときに担当を変えてもらえるか
同系列店近くの加盟店とのエリア分けと、同じお客さんが2店に来たときのルール
新築以外の事業新築と合わせてリフォームも扱えるか

I社の社長が語る加盟店の質と住宅フランチャイズの今後

I社の業績は、他の住宅フランチャイズと比べるとかなり良いと言えます。

I社は広い範囲に展開しており、年間受注棟数も多いので知名度があります。

そして何といっても、コスパの良さが魅力の住宅フランチャイズです。

加盟店を増やすより1展示場あたりの契約棟数を増やす

I社の社長とは久しぶりにお会いしたので、神戸の喫茶店で3時間近く話し込んでしまいました。その中で、社長はため息をつきながらこう話してくれました。

「加盟店を増やして勢力争いをする時代はとうに終わりましたね。もちろん、これはうちの場合ってことになりますが、いかにして今加盟してもらっているお店が1展示場あたりの契約棟数を増やしていくかにかかっているんですよ」

たしかに、このことに尽きると私も思います。

I社も新規の加盟店開拓は続けていますが、現在はなかなか新しく加盟しようという工務店は出てこないのが現状です。

新築の数がどんどん減ることは見えていますが、新築需要は半減するのであって、0になるわけではありません。

自社に合う住宅フランチャイズを見つければ、この厳しい時代も新築1本で十分に乗り切っていけると私は考えています。

そのうえで、これから加盟する工務店にとっては、新築に加えてリフォームもできるフランチャイズが脚光を浴びるかもしれません。

本部社員との対話をもとに、加盟して成果を出している工務店の社長の共通点は、成功する加盟店に共通する社長像で解説しています。

リフォームフランチャイズは過去に失敗している

私はI社の社長とリフォームの話もしましたが、社長はリフォームフランチャイズだけはやる気がまったくないとのことでした。

別の会社の話ですが、あるフランチャイズ本部はかつてリフォームのフランチャイズを展開したことがあります。

しかし、時代がまだ追いついていなかったのでしょう。

その本部のリフォームフランチャイズは結果的に尻すぼみになり、そのままフェードアウトしました。

その後時代は移り、リフォームが脚光を浴びるようになりました。私は、そろそろ新しいリフォームフランチャイズが生まれてもよいころだと感じています。

まとめ

工務店が住宅フランチャイズに加盟するときは、3つの点に注意が必要です。

住宅展示場の建設費、毎月のチャージに見合う本部指導があるか、同系列店との顧客の重複です。

一方で、アイフルホームのようなブランド力や、I社のように住宅営業経験者が指導してくれる体制は、加盟店にとって大きなメリットになります。

スーパーバイザーの当たり外れは加盟前には分かりません。

ただ、住宅展示場の建て方やチャージの中身、エリアのルールは事前に確かめられます。

ぜひ本記事の5つの確認項目を参考に、加盟を検討している住宅フランチャイズの本部に質問してみてください。

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