契約後のフォローで紹介が消える|施主が騙されたと感じた住宅営業

契約後のフォローで紹介が消える|施主が騙されたと感じた住宅営業

Hハウスで家を建てた施主によると、契約前は何を頼んでもHハウスの営業がすぐに動いてくれたのに、契約した途端に対応が遅くなったそうです。

施主のご夫婦は、営業が契約前にやたら強調した「契約後の対応を大事にする」という言葉に騙されたと悔しがっていました。施主によると、内部の工事を終えた家には巾木とクロスの隙間が10箇所近く、クロスの剥がれが10箇所程度ありました。

本記事では、Hハウスで起きた施工不良と営業対応の実例をもとに、住宅会社が同じ失敗をしないための対策を解説します。

ハウスメーカーに「騙された」と施主が悔しがった営業の言葉

名の通ったハウスメーカーはいくつもあり、その中には評判がいい会社もあれば、悪評が目立つ会社もあります。

先週、私の高校時代の同級生から連絡がありました。

同級生の娘さんの友人が有名ハウスメーカーのHハウスでマイホームを建てたものの、契約後からトラブルが頻発しているので、現場の写真を見てほしいという相談でした。

私が施主のご夫婦から直接お話を伺うと、話を盛っているのではないかと思うほどの内容でした。住宅会社の営業は、商談の中でよくこんなことを口にします。

「住宅は契約までよりも契約後のお付き合いが長いのです。私はその後の対応を大事にさせていただきます」

Hハウスの営業はこの言葉をやたら強調したそうで、施主はこの言葉に騙されたとものすごく悔しがっていました。

契約前の営業は何を言っても秒速で対応してくれたのに、契約後はすべてがスローモーションのように遅くなったそうです。

挙句の果てに、施主は営業から「それはもういいんじゃないですか」と言わんばかりの対応までされました。

契約後に営業の動きが鈍くなったと施主が感じたときに起きるクレームの防ぎ方は、契約後の住宅営業のクレームで解説しています。

私は個別の具体例もずいぶん聞きましたが、話半分だとしても、かなり深刻でひどい対応だと考えています。

引き渡し前の新築で見つかったハウスメーカーの施工不良

私に送られてきた写真を見ると、建築の素人が見ても「これはどうだろう」と感じる部分が多数ありました。

Hハウスの現場は内部の工事がすべて終わり、あとは引き渡しを待つだけの段階だそうですが、この状態のまま引き渡すのは私の常識では考えられません。

Hハウスの家はデザインがおしゃれで悪くはないのですが、Hハウスについては他からも同じような声がよく聞かれます。

なお、施主ご本人から「写真を掲載するのは勘弁して……」という要望があったので、写真は掲載できません。

リビングと子供部屋の巾木とクロスの隙間

問題の箇所は、リビングと子供部屋の巾木(はばき)の施工です。

巾木は壁にぴったりと付いていなければいけませんが、写真で上から見ると、巾木とクロスの間に1ミリ程度の隙間が確認できます。

施主によると、この隙間は1箇所ではなく10箇所近くあるそうです。

私は大工ではないので施工の技術はありませんが、普通に考えても巾木と壁の間がそこまで空くことはありえないと思います。どういう事情があったのかは分かりませんが、私に送られた写真はそのような状態でした。

石膏ボードが丸見えになったクロスの剥がれ

クロスの剥がれは定番中の定番のトラブルですが、Hハウスの現場では、何かの角をぶつけて剥がれたような跡が室内に10箇所程度あるそうです。

施主にひどい場所の写真を3枚送ってもらったところ、クロスが剥がれて下の石膏ボードが丸見えになっていました。

私が住宅営業としてお客さんからこれを指摘されれば、次のように謝るレベルです。

「失礼しました。これはさすがにまずいですよね。すぐに現場監督に連絡します」

庭のアプローチの真ん中に来た汚水桝と営業の返答

施主が庭をきれいに整備しようと思っていたのに、目立つ場所に水道やガス関連の桝が来てしまうのも、よくあるトラブルの一つです。

Hハウスの施主の家では、庭のアプローチのど真ん中に汚水桝(おすいます)が来ていました。

奥さんは「事前に教えてくれればまだ良かったのですけどね」と、かなり落胆した様子でした。

桝の位置自体はポピュラーなミスですが、問題はHハウスの営業の対応にありました。

普通の営業であれば、しまったという顔をして「いや、申し訳ありませんが……」と謝るでしょう。

ところがHハウスの営業は、施主から指摘されると「そのうち慣れますよ」というニュアンスの言葉を言い放ったそうです。

営業がそのものずばりの言い方をしたわけではありませんが、言葉全体からにじみ出ていたのは「もういいじゃん、そんなことぐちゃぐちゃ言うなよ」という態度でした。施主が怒るのも無理はありません。

SNSで叩かれるHハウスと泣き寝入りしそうな施主

Hハウスは、主にXで評判が悪い部類に入ると私は見ています。

HハウスはYouTubeでも叩かれていて、その他の掲示板でもあまりいい噂を聞きません。

Hハウスは契約自体がかなり粗く、実際に工事が始まると粗さに拍車がかかるという感じです。

私はこの噂を耳にしていましたが、今回は実際に噂どおりの目にあった施主を取材できました。

XやYouTubeに書かれた悪評に住宅会社がどう向き合うかは、悪い口コミへの住宅会社の対応で解説しています。

私はたまたまHハウスの上層部の方を知っているので、私からこの案件を直接先方に知らせても構わないと施主に伝えました。

ところが施主の答えは「それは大事になりそうだからやめておきます」でした。

施主は不満で怒ってはいるものの、外部の人間を通して上層部に話が入ると、話がややこしく面倒になりそうだと感じたのでしょう。

取材した限りでは、強気に出るタイプのご夫婦には見えなかったので、施主は最後に妥協して泣き寝入りに近い形になると私は考えています。何千万円もかけてこうなってしまっては、泣くに泣けないと思います。

契約後の対応が悪い住宅会社に紹介は出ない

Hハウスのような対応をしている住宅会社に、OB客からの紹介は当然出ません。Hハウスがいまだに伸びているのは新規開拓力が強いからで、紹介の多い安定した受注体制を築いているわけではありません。

規模の大小はあれ、お客さんにこのような対応をしている住宅会社は、目先の受注が良くても、近い将来を見据えれば会社のためになりません。

私は経営者の方に、営業が受注を取るまではよくチェックするのに、契約後の目配りが圧倒的に緩くなっていないかを確かめていただきたいと考えています。

契約後の満足度を上げる方法はいくらでもあるので、経営者は営業をしっかり指導してください。

契約後に返信を早めることや、契約後も提案を続けることで満足度を上げる方法は、紹介営業のコツと契約後の3つの対応で解説しています。

新建新聞のメールにあったアフターサービスの記事タイトル

新建新聞からは、メール登録をしている私の携帯に毎日のようにメールが届きます。

つい先日受信したメールの中に、「アフターサービスに目を向けよう。それがあなたの会社の利益につながる」という趣旨の記事タイトルがありました。

私はメールを消してしまったので文言はそのものずばりではなく、記事の中身も読んでいませんが、結論は私の考えと同じだと推測しています。

私は、今のご時世では新規のお客さんがどんどん減っていくと考えていて、住宅会社が目を付けなければならない一つがOB客からの紹介です。

そのため、アフターサービスを充実させようという話につながります。

アフターサービスは紹介のためだけでなく、10年、15年経ったときのリフォーム受注の布石にもなります。

OB客の工事には10万円程度の軽いものもありますが、住宅会社が長くお世話をしていれば、いずれ大きなリフォーム工事の相談が来ます。

OB客との付き合いを密にしていれば、住宅会社は新築の紹介だけでなくリフォームの紹介も得られます。

OB施主からの受注の進め方は工務店のリフォーム受注の進め方で解説しています。

毎日顔を合わせてもリフォームの紹介が出ない理由

毎日のように顔を合わせ、プライベートのお出かけまで一緒にするほどの仲になったOB客がいたと仮定します。

ところが、住宅営業がただこのような付き合いをしているだけでは、リフォームの紹介は出ません。

お客さんは住宅営業のことを「新築を建てる住宅会社の人」と認識していて、リフォームもやってくれる会社だとは思っていないからです。

そのため、お客さんの友人にリフォームを検討している人がいても、お客さんは住宅営業に紹介するという考えにたどり着きません。

住宅会社は普段から、新築はもちろん、リフォームもしっかりやる会社だとOB客にアピールしてください。

紹介の頼み方は紹介営業のコツで解説しています。

Hハウスとの競合で9割方勝つ住宅会社の社長の話

Hハウスはいまのところ順調に業績を伸ばしていますが、このままいくとどこかで大きな落とし穴にはまると私は考えています。実際に、Hハウスとよく競合していた住宅会社の社長は、私に次のように言い切っていました。

「最近は9割方競合で勝ってんだよね。もう怖くないよ、あの会社は」

この社長の会社は、Hハウスの弱点を研究し尽くし、その弱点に合わせて潰す営業を展開して成功したのです。

まとめ

Hハウスの施主が「騙された」と悔しがったのは、営業が契約前に強調した契約後の対応が、契約後に手のひら返しされたからでした。引き渡し前の家には巾木の隙間やクロスの剥がれが残り、汚水桝の位置を指摘しても営業は「そのうち慣れますよ」という態度でした。

契約後の目配りが緩い住宅会社にはOB客の紹介が出ず、Hハウスのように競合相手に弱点を研究されることにもなります。

ぜひ本記事のHハウスの実例を参考に、施主の方は引き渡し前の点検を、住宅会社の方は契約後の対応を見直してください。

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