住宅FC本部社員の悩みとは?成功する加盟店5社に共通する社長像

住宅FC本部社員の悩みとは?成功する加盟店5社に共通する社長像

住宅フランチャイズに加盟した工務店は、毎月本部にチャージを払い、本部のアドバイザーの訪問を受けています。

7月16日の日曜日、私はJR神戸駅前の喫茶店で、昔から懇意にしている某住宅FC本部のSさんと2時間ほど話し込みました。住宅FC本部にとっては加盟店もお客様なので、Sさんたち本部社員は、全加盟店向けの研修一つでさえ有力オーナーの顔色をうかがって決めています。

本記事では、Sさんとの話から差し支えのない範囲で、住宅FC本部社員が抱える悩みと、フランチャイズに加盟して成功する工務店の共通点を解説します。

住宅FC本部が加盟店オーナーの顔色をうかがう理由

私がSさんと会ったのは3連休の中日で、ニュースが外出を控えるよう何度も呼びかけるほどの、その夏一番の酷暑でした。

私は本来、別のテーマでコラムを書くつもりでしたが、Sさんの話を聞いて急きょテーマを変えました。

Sさんと会うたびに、住宅FC本部はさまざまな悩みを抱えているものだと私は痛感します。

全加盟店向けの研修が有力オーナーの反対で流れた

Sさんとの話は、私が前日に行った住宅会社の研修の話題から始まりました。

私「昨日はある住宅会社の研修をズームでやりましたけども、全国の支店から集まってきたので全部で100人は楽に越えていましたね」

Sさん「いいですよね~社員が何百人いようとも一つの会社ですから、営業部長の鶴の一声で皆さんちゃんと時間に集合して研修を受けるわけでしょう?」

私「もちろんそうですよ」

Sさん「私たちはフランチャイズですから、全加盟店で研修をやろうと思っても、ある程度加盟店さんの顔色をうかがって決めなくちゃいけないんですよ」

私はさまざまな住宅フランチャイズと付き合いがあるので、Sさんの気持ちはよく分かります。

私も以前、Sさんに加盟店向けの研修を提案しましたが、一部の加盟店から後ろ向きな意見が出て、その研修はお流れになりました。

Sさんを含めた本部の方々と多くの加盟店は賛同してくれたものの、有力加盟店のオーナーが首を縦に振らなかったのです。

エンドユーザーと加盟店、住宅FC本部には2種類のお客様がいる

住宅FCの難しさは、お客様が複数いることにあります。

1種類目のお客様は家を建てるエンドユーザーで、2種類目は加盟金を払って入会した工務店です。

住宅FC本部は最終的にはエンドユーザーを見ていますが、加盟店というもう一方のお客様にも気を遣わなくてはなりません。

加盟金やロイヤリティの負担など、工務店から見た住宅フランチャイズの弱みは、住宅フランチャイズのデメリットで解説しています。

本来なら本部は住宅を売るノウハウの提供に専念すればよいのですが、現実にはそうはいきません。加盟店のオーナーにへそを曲げられると話が前に進まないため、本部の担当アドバイザーは毎日神経をすり減らしながら加盟店訪問を続けています。

「何のためにチャージ払ってんだよ」と言われる住宅FC本部の板挟み

住宅FC本部の社員にとって、加盟店から言われて一番つらいのが次の一言です。

「何のためにチャージ払ってんだよ」

フランチャイズの加盟店は、大なり小なり毎月本部にチャージを支払っており、平均すると25万円から30万円といったところでしょうか。

本部はこのお金を、宣伝や商品開発などの経費に充てています。

チャージには加盟店指導の料金も入っているので、本部が有料で営業研修を開こうとすると、加盟店から「そのお金はチャージで払っているのだから無料でできないの?」と言われる始末です。

ただ、私は加盟店オーナーの気持ちも分かります。

本部の指導には目に見えない部分が多いので、オーナーが「ある程度のことは毎月払っている30万円で見てくれよ」と考えるのもうなずけます。

私は部外者なので気楽な立場ですが、Sさんと会うたびに、本部社員の気苦労に思わず同情してしまいます。

チャージに見合う本部指導があるかどうかを含めた加盟前の確認点は、住宅フランチャイズ加盟の注意点と選び方で解説しています。

最新情報を求められる本部アドバイザーの重圧

チャージの見返りとして新しい情報を期待される

住宅FC本部の社員は、常に新しいものを追い求めなくてはならず、私はこれを相当なプレッシャーだと考えています。

加盟店は毎月のチャージに見合う、中身の濃い見返りを本部に期待しています。

営業の指導やブランディングは基本で、加盟店がフランチャイズに入っていなければ得られない最新の情報を求めるのも当然です。

私とSさんは定期的に会っていますが、Sさんは私から何かしら新鮮な情報を得たいと考えていますし、私もSさんから、一人では入手しにくい話をいろいろ聞くことができます。

インスタグラムを始めるだけでは済まなくなったSNS戦略

住宅会社のSNS戦略を考えるイメージ

SNSの悩みは、どこの住宅会社も同じように抱えているのではないでしょうか。

住宅業界はもはやSNSを避けて通れなくなりましたが、住宅FC本部は加盟店のために、常に最新のSNS戦略を探さなくてはなりません。

5年前であれば「インスタグラムをやりましょう」で十分だったものが、今は「ほかの工務店がやっていないインスタグラム戦略とは何か?」と、ハードルが2段階も3段階も上がっています。

傍から見ている私としては、「本部の人は大変だな……」としか言いようがありません。

しかし、住宅FC本部が毎日情報を探しまくっている分、加盟店は新鮮で太い情報を手に入れられます。

一方で私は、SNSについてはそろそろ手詰まりになってきたと感じており、どう打開すればよいかを日々考えています。

家庭持ちのアドバイザーを悩ませる加盟店訪問の移動

住宅フランチャイズの働き方はコロナで相当変わりましたが、収束に伴い、本部のアドバイザーが加盟店を直接訪問する形態が復活してきました。ある大手のフランチャイズでは、アドバイザーが月の半分程度は自宅を留守にする勤務形態になっています。

独身のアドバイザーの中には「旅行みたいな気分で楽しいですよ!」という声もあります。

しかし、家庭を持つアドバイザーにとってはこの移動が難題で、配置換えを申し出たり、退職して全く別の道に進んだりする人がいるのもうなずけます。

Sさんとは別の話ですが、ある大手住宅フランチャイズのアドバイザーは、移動の多さが原因で離婚に至り、結果的に会社も辞めることになってしまいました。

ただ、住宅FC本部でも加盟店でもリモート面談が完全に定着したので、アドバイザーの移動の負担はコロナ前よりは軽くなっています。

住宅フランチャイズに加盟して成功する工務店の共通点

住宅に限らず、フランチャイズに加盟して成功する会社と失敗する会社があります。Sさんが勤務するフランチャイズには、私が見ても明らかに成功している加盟店が5法人あり、私は5社すべてに共通する法則を見つけました。

営業社員の数字に厳しい社長ばかり

当然といえば当然ですが、5社とも、営業社員の数字に対する接し方が極めて厳しい社長ばかりです。

社長は数字についてかなりうるさく突っ込みますし、数字が取れない営業社員は会社に居づらくなる雰囲気も5社に共通しています。

社員みんなでほのぼのとやりたいところですが、住宅業界ではそれでは難しいと私は考えています。

5人の社長は、営業の数字を自ら管理し、契約予定に上げたお客さんが落ちると、その原因を徹底的に追及するタイプです。

本部にすべてを任せる加盟店は数字が上がらない

反対に伸びない加盟店は、本部にすべてを任せるタイプです。

加盟店はチャージを払っているわけですから、ある程度本部に頼るのは構いません。

しかし、すべてを本部に丸投げした状態で経営していても、勝手に数字が上がってくると思い込んでいる社長が多いのも事実です。

フランチャイズで成功するには、工務店が自ら積極的に営業努力をすることが基本で、そこにフランチャイズのブランド力や営業ノウハウを上手く載せる形になります。私は、これが成功するパターンだと考えています。

住宅フランチャイズの仕組みと加盟して成果を出す工務店の特徴は、住宅フランチャイズで成功する工務店の条件で解説しています。

まとめ

今回のコラムは、工務店の経営者の方にはあまり参考にならなかったかもしれません。

住宅フランチャイズに勤務する加盟店担当アドバイザーの愚痴を、私が代弁したと思ってください。

加盟店もお客様であるため研修一つにも気を遣い、チャージへの不満を受け止め、最新情報を探し続け、移動の負担にも耐えているのが本部社員の実情です。

工務店の経営が大変なのは私もよく分かりますが、本部の社員も、なんとかして加盟店の業績を上げようとがんばっています。成功している5社の社長は、本部に頼りきらず、自ら営業の数字を管理していました。

ぜひ本記事のSさんの話を参考に、自社が本部に何を任せ、何を自社でやるのかを見直してください。

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