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事業再構築補助金の第10回公募の変更点を解説!工務店が補助金を活用する際に知っておくべきポイントとは?

事業再構築補助金の第10回公募の変更点を解説!工務店が補助金を活用する際に知っておくべきポイントとは?

コロナ禍によって、働き方や変化や経済社会は大きく変化しました。

事業再構築補助金は、こういった変化に対応するため、中小企業等の事業の再構築、新事業へのチャレンジを支援する補助金制度です。

厳しい状況が続く中、新市場の開拓、事業転換、規模の拡大など思い切った事業再構築を目指す中小企業を支援することを目的としています。

この制度では、社会情勢に合わせて、公募のたびに少しずつ必要要件や対象事業者、募集枠などが変化してきました。

そのなかでアフターコロナとなる2023年度の第10回公募では、大幅な変更が発表されました。

第9回までとどういった点が変更になったのかわかりやすく解説します。

事業再構築補助金の第10回公募の変更点

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第10回公募では大きく分けて 15の変更があります。それぞれの項目について説明します。

① 「事業再構築指針」が変更されたこと

2023年3月に大幅改訂された「事業再構築指針の手引き」の中で、事業再構築の形態が明記されました。

下記の5つに該当する事業再構築が補助金助成の対象です。

(1)新市場進出(新分野展開、業態転換)・・・今までと違う業種や分野に進出すること
(2)事業転換・・・メインとなる事業を変更すること
(3)業種転換・・・メインとなる業種を変更すること
(4)事業再編・・・事業を見直して、再編後(1)~(3)のいずれかを行うこと
(5)国内回帰・・・海外製造している製品の製造拠点を国内で整備すること

② 事業の事前着手が可能になったこと

補助事業の着手は、原則として交付決定後です。

特例として、「最低賃金枠」「物価高騰対策・回復再生応援枠」「サプライチェーン強靭化枠」において事前着手が可能です。

事前に届出を行い、受理された場合は、設備の購入などの事前着手した分について遡って該当させることができます。

ただし、事前着手が受理された場合でも、補助金が受けられると確約されたわけではありません。

大きな支出が発生するリスクを理解した上で事前着手を利用するか検討しましょう。

③ 「事業計画書の参考様式(表紙)」が指定されたこと

第9回までは書式の指定がなくフリーフォーマットでした。

しかし、申請内容の確認や認定に関する効率をあげるため、第10回より1ページ目(表紙)に記載するべき内容が指定されました。

既存製品と新製品、既存市場(顧客)と真摯能(顧客)、既存事業と新事業などについて、「これまでやってきたこと」と「これからやろうとすること」でどういった点が異なるかを具体的に記載する必要があります。

④ 過去に採択された事業者の2度目の申請が一部可能になったこと

過去に採択された事業者の2度目の申請が可能となりました。

申請できるのは「グリーン成長枠」「産業構造転換枠」「サプライチェーン強靭化枠」の3つです。

ただし、以前「グリーン成長枠」で採択を受けている場合は「サプライチェーン強靭化枠」でのみ申請可能なので、注意が必要です。

⑤ 対象となる事業者を追加したこと

社会福祉法人の補助範囲が拡大され、労働者協同組合が補助対象者に追加されました。

⑥ 通常枠が廃止され「成長枠」へ変更されたこと

成長枠では、指定された業種や業態以外でも、補助対象となれる場合があります。

応募要件を満たす業種や業態であるデータを提出し、それが認められた場合は補助をうけることができます。

また、認められた業種は、次回の公募より補助対象に加えられます。

これによって、新規事業として取り組める範囲が大幅に広がります。

⑦ 回復・再生応援枠と緊急対策枠を統合して「物価高騰対策・回復再生応援枠」を新設したこと

「物価高騰対策・回復再生応援枠」では、「売上高減少要件」が30%から10%に緩和されました。

⑧ 「産業構造転換枠」が新設されたこと

産業構造転換枠には、市場縮小要件(今後10年間で市場規模が10%以上縮小する業種・業態に属する)が必要とされています。

成長枠に比べて補助率が大きく、廃業に関する費用がかかる場合廃業費用が上乗せされます。

賃金引上要件がないため、業績の厳しい事業者でも利用しやすい枠です。

⑨ 「卒業推進枠」が新設されたこと

「卒業推進枠」では、「成長枠」「グリーン成長枠」の上乗せ支援が可能です。

⑩ 「グリーン成長枠」にエントリー枠が追加されたこと

「グリーン成長枠」では、研究開発、技術開発や人材育成などの必要要件が緩和されたエントリー枠が追加されました。

⑪ 売上高減少が必須ではなくなったこと

第9回の公募までは、2020年4月以降のうち任意の連続した3ヶ月間の売上高が、それ以前と比べて10%以上減少していることが必要でした。(一部の申請型を除く)

第10回公募では、業況が厳しい事業者向けの補助金である「最低賃金枠」「物価高騰対策・回復再生応援枠」を除いて、「売上高減少要件」が必須ではなくなりました。

⑫ 「給与総額増加要件」が追加されたこと

「成長枠」「グリーン成長枠」に「事業終了後 3~5 年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること」上乗せ枠である「大規模賃金引上促進枠」に「成長枠又はグリーン成長枠の補助事業終了後3~5年の間、事業場内最低賃金を年額 45 円以上の水準で引上げること」が、給与増額増加要件として追記されました。

⑬ 補助率引上げ要件が追加されたこと

「成長枠」「グリーン成長枠」に「大規模賃金引上促進枠」で上乗せする場合、「事業終了時点で、①事業場内最低賃金+45円かつ②給与支給総額+6%」の両方を達成すること」が求められます。

⑭ 成長市場への転換が必要となったこと

「成長枠」の必須条件に、市場拡大要件(取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属していること)が追記されました。

⑮ 説明会への参加義務が生じること

申請前と採択後に事務局が実施する説明会への参加が推奨されています。

特に、採択された事業者は、採択後の説明会に参加しなければ交付申請を受け付けない場合があるので必ず参加しましょう。

まとめ

第10回事業再構築補助金について、これまでと変更になった点について解説しました。

改正前後の内容を見比べてみると、従業員の賃上げと衰退産業からの早期撤退、成長産業への転換を目的としていることがわかります。

今までと比べて、補助金の上限が下がってしまう反面、要件が緩和され利用しやすくなりました。

どこの工務店においても、ウッドショックや輸送費の大幅値上げなどコロナ禍や原価高騰の影響を大きく受けていることと思われます。

そういった原因で売上額が減少している場合は、「物価高騰対策・回復再生応援枠」へ申請できるケースが多いと考えられます。

また、場合によってはモデルハウスの建設費用などにも補助金が受けられることもあるようなので、事業内容の見直しを検討されている場合は、補助金を上手に利用してみてはいかがでしょうか。

ただし、補助金は申請~採択~申請内容の実施~結果報告を経てから振込されます。

入金されるまでにかかる経費は先に一旦準備する必要があるので、金融機関などとの調整や打合せも必要です。

第10回の要件緩和により、これまで申請が難しかった場合でも大きな補助金を受けられるチャンスが広がりました。

補助金の申請には、自社の将来のビジョンの検討、書類作成やデータの取り揃え、金融機関の調整など多くの時間を要するので、申請を考える場合には早めに準備をはじめましょう。

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二級建築士/WEBディレクター 斉藤伸義

斉藤伸義 二級建築士/WEBディレクター

住宅業界で10年間従事し、地域NO,1ハウスビルダーにて注文住宅年間売上4億円を達成。 トップセールスマンとして累計200組以上の家づくりに携わる。その後WEBディレクターに転身。工務店・ハウスメーカーの自社オウンドメディア運用にて担当クライアントの集客アップ率100%を達成。その後独立し、集客に課題のある工務店のオウンドメディア改善サポートや経営者様の右腕として活動。

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