ZEH対策は進んでいますか。
今日はいつもより強めの言葉で皆さん方にアドバイスをさせていただきます。
2030年からZEHが事実上の義務化になりますが、まだ7年あるので、工務店の皆さんものんびりしていますし、お客さんの認知度も低いのが現状です。
しかし、蟻の一穴という言葉があるように、おそらくはこの一年のうちに大きく状況が変わると私は予想しています。
ZEHに関してはことあるたびに、ここでウェブ記事にしたいと思っているぐらい重要な内容なので、まだまだのんびりしている皆さんには、一早く目を覚ましてもらいたいと思います。
ZEHの話は外せない
ZEH啓蒙ビデオがやっと完成しました
今回はプロの撮影会社に依頼をし、役者など出演者も4人を揃えて撮影に臨みました。
当日は撮影会社から監督を筆頭に、6人のスタッフが現場に到着し撮影をスタート。
その6人に加えて役者が4人、そしてビデオ撮影現場の住宅展示場の社長と私の総勢12名です。
かなり大がかりな撮影でしたが、カメラも三台使って何とか一日で終えました。
映像の販売はしておりません
この映像は私が運営するYouTube上にアップしておりますので皆さんぜひご覧いただいて、この動画の中にあるハウスメーカーの営業トークをそのまま活用してください。
商用使用は不可ですが、自社内で勉強のために使う分にはまったく問題ございませんので、何回も見ていただきたいと思います。
当初からこの動画を販売する意図などは毛頭ありませんでした。
全国の工務店さんに生き残ってもらうために私が作成したものですので、徹底的に活用していただきたいと思います。
ZEHがじわじわと来ている
すでにZEHに対して前向きに取り組んでいる工務店の皆さんには、今回のコラムは関係ありません。
それ以外の人に向かって話していることを再度念押しさせて頂きますが、みなさんが思っている以上に、家を建てるお客さんの認知度はどんどんと高まってきています。
九州の某工務店事例
今回のビデオのトップにこのようなシーンを私は入れ込みました。
ある小規模工務店の社長の事務所を昨年訪れたのですが、 その面談の途中で「30分程度だけど商談客の来場があるから少し待ってもらえる?」と社長。
ちょうどいい休憩時間だと思った私は、パーテーション一枚を挟んだところでお茶を飲みながら一服していました。
そのとき、お客さんから衝撃の一言が発せられたのです。
「ZEHが義務になると聞いたのですが、こちらでも対応してもらえるのですか?」
表情は見ていませんが、社長が明らかに慌てていたのが手に取るように分かりました。
社長もある程度の知識を持ち合わせてはいたようですが、お客さんから詳しい話を聞かせてほしいとガンガン突っ込まれてあたふたしていたのです。
挙句の果てに、お客さんが不信感を持ったのでしょう、それ以来連絡が取れなくなって商談は終わってしまったのです。
社長とその後お話をしましたが「ZEHの受け答え方が明らかにまずかったよね。まさかZEHの話を急に振ってくると思わないじゃない」
初めての経験だったらしく、驚いたのは分かるのですが、今後はこのようなケースが多発することが容易に想像できます。
ZEHへの関心度もさることながら、認知率もどんどん上がっていることをわかってください。
「ZEHはこれからの常識です!」
つい半年前まではこんなことを考えてもみなかったような住宅会社が、見事なまでにこのように堂々たる宣言をするようになるでしょう。
遅れをとっては負けです。
あなたの工務店が社員10人程度の規模だとしましょう。
同程度の工務店と競合になったと仮定したとき、相手方の工務店が「ZEHはこれからの常識です。義務化されるのは2030年からですが、来年建てる住宅であってもZEH仕様にするのが業界では常識となっています」
このようにやられたらどうでしょうか。
お客さんの気持ちになれば、こちらの工務店に信頼を寄せるのは火を見るより明らかでしょう。
だから私は皆さんに強い言葉で申し上げたいのです。
ZEHを甘く見て「まだまだ先の話じゃない」とのんびりしていると、お客さんから簡単に見切られるのです。
ホームページにZEHに関する記載はあるか
今一度自社ホームページを確認してみましょう。
ZEHについて触れている工務店は何社あるでしょうか。
かなりの少数派だと私は思いますが、皆さんの会社はどうでしょう。
仮にZEHに触れているとしても、申し訳程度に書いているだけでは、会社として全面に押し出している感じがしなくてはダメです。
競合になりそうな会社を調べてみる
競合になりそうな工務店、今現実的に競合している住宅会社、 普段競合することはない大きな地元の住宅会社も含めて、ホームページをチェックしてみましょう。
あなたが知らないだけで「ZEHはこれからのスタンダード」 といった論調で大きく掲載しているかもしれません。
これが実際に競合する工務店であれば、あなたにとっては悲劇的な結末となります。
では、競合する事がまずない住宅会社がZEHを謳っていたらどうでしょうか。
これもやはり危険です。
折衝客がその会社とは商談しなくても、ホームページをのぞいたらZEHが重要だと書いてあるわけです。
それを目にしたお客さんがあなたの工務店に抱く感想はこんなところではないでしょうか。
「この工務店の雰囲気は悪くないんだけども、ホームページにZEHのことは書いていないな、問い合わせしようかどうか迷ったけど、ZEHを推進しないような地場工務店じゃ話にならないからやめておこう」
このように接点すら持てない可能性すらあるのです。
ホームページは今すぐ見直して、ZEHに言及しましょう。
ハウスメーカーなどを見ると、いずれもしっかり書いてありますし、家は性能を謳い文句にする一条工務店になるとZEHどころか超ZEHとその上を行く表現を使って、お客さんの目をひいています。
補助金は大丈夫ですか
このビデオの後半で触れているのですが、ZEH仕様にすると住宅ローン減税やフラット35で恩恵を受ける部分が多々にあります。
そして、もっとも目を引くのは補助金でしょう。
こどもエコすまい支援事業などでは、ざっくり言うと100万円がお客さんに補助されます。
お客さんの気持ちになればZEH推しの工務店のおかげで100万円もの補助金を貰えるのです。
受注に大きく近づくのはもちろんのこと、契約した後も感謝されるのは目に見えていることではないでしょうか。
補助金から逃げる工務店
本当に多いですね。
補助金の申請がややこしいのは私も百も承知ですが、だからこそ逃げては絶対にダメなのです。
特に小規模な工務店と日頃から競合する会社の場合、相手方も補助金について逃げている可能性が高いと推測されます。
これはチャンスですよ。
相手が逃げているのならば、こちらは先手を打ってこう言いましょう。
「ZEHは2030年義務化されますが、今から建てるのであればZEH仕様にすべきです。フラット35や住宅ローン減税でも優遇されますし、何より補助金が魅力です。補助金はこどもエコすまい支援事業で100万円が・・・」
このように言い切るのです。
これだけで競合力が2倍になることは明白です。
ただし、補助金の問題点は申請書類にミスがあって受けられないと、かえってお客さんを怒らせてしまうという大きなリスクをはらんでいます。
しかし、そこは安心してください。
お取引先の建材会社住宅設備会社は「補助金の申請は我々にご相談ください」と言っているはずです。
彼らにとっては、補助金申請で自分たちに抱きついてもらうことを望んでいるのです。
頼りにしてもらい、補助金申請の手伝いをすれば、彼らにとっては皆さん方に恩を売ることができるのです。
そうすれば受注増も望めますから、お互いウィンウィンの関係になるわけです。
こうして補助金についてはミスのないよう、こういった人たちに頼るのも得策ではないでしょうか。
まとめ
ZEHについては、しばらくしたらまた違う切り口で必ず書きます。
私はそのぐらい危機感を持っているとご理解ください。
本文にも書きましたが、私が作成したZEH推進ビデオの中には、お客さんに対する有効トークもしっかり入っています。
社内で使うなら、ご自由に何回でもお使いください。
「あの時コラムを読んで本当に助かったよ」
こう思ってもらえるよう心の底から願っております。