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住宅メーカーが取り組むべきAI戦略(現場編)

住宅メーカーが取り組むべきAI戦略(現場編)

AIの波がいやおうなしにも住宅業界にもやって来るでしょう。

好き嫌いではなく、どう頑張っても抗えない時代がやってくると私は思っていますが、まだ現実的ではないのでさほど身近に感じていない方も多いのではないでしょうか。

しかし、住宅会社の上層部の方々は、常に先を見据えた戦略を打っているので、水面下ではすでにいろいろな動きがあるようです。

「AIって今後どうなると思いますか?」

さまざまな席で、住宅メーカーの方から直接このように聞かれることもあれば、住宅とは全く関係ない業種の方々からも、新規事業として提案したいという思惑からAIに関するご質問をいただく機会が増えました。

私の考える住宅メーカーのAI戦略の可能性お話します。

住宅メーカーが取り組むべきAI戦略(現場編)

「アフターサービスにAIを投入したら住宅会社は採用してくれますかね?」

こうした質問を複数の業者の方から、直接ある会合で聞かれました。

AIを活用してもらえそうな分野に参入しようという企業がたくさんあるわけですが、ハウスメーカーをはじめ大きな住宅会社にこのような企画を売り込めないかと思っているわけです。

「積極的に話を聞いてくれると思いますよ」

私はこのように答えました。

ハウスメーカーの担当者であっても、同じように聞く耳を持つはずです。

引き渡し後3年経ったお客さんが、リビングに貼ってあるクロスのはがれに気づいたとしましょう。

実に微妙な話です。

3年経過すればクロスのはがれも充分に考えられますが、問題はその程度です。

業者とお客さんとの認識の違いは大きいので、あるお客さんは施工が悪かったとクレームをつけるかもしれませんが、私たち業者から見れば、業者責任ではなくごく自然なはがれと判断できるのかもしれません。

①15年前

お客さんからアフターサービス部門にメールか電話が入り担当者が現場に足を運びました。

担当者は初めてそこでクレーム箇所を確認して、自分の目で判断したのです。

②7年前

手持ちのスマホなどで問題箇所の撮影をしてもらい、担当者が行く前に事前送信してもらいました。

こうすれば、担当者も訪問する前に方針をある程度決めていくことができるので、業務内容の効率化に大きく貢献したのです。

③これから

ここにAIが参入します。

考えられるのは、お客さんが問題箇所を撮影し会社に画像を転送するところまでは同じですが、それをAI解析するのです。

その情報をお客さんに担当者を通じて知らせることになるのですが、微妙な判断の時に発生する担当者の性格や技量によるブレがなくなるわけですね。

担当者Aさんであれば「これは弊社の責任かもしれませんので誠意を持って対応します」となるところが、毅然とした対応をするBさんであれば「申し訳ありませんが、これは許容範囲ですので弊社で無償修補はできません」と対応が分かれることでしょう。

これをAIが担当すれば、こうしたぶれもなくなるし、お客さんに対しても「AIが判定したのでこの基準でいかせていただきます」とはっきり言えるわけです。

場合によっては、会社にデータを転送するのと同時に、お客さんのスマホ画面に、診断結果が即時に出るシステムもあるかもしれません。

どこまで行っても揉める種は残るが

ただ、いくらAIが安定したといっても、納得できない人にとっては納得できないでしょう。

「撮影する角度が悪いんじゃないか」
「もう一回判定してほしい」

間違いなくこういう意見が出てくるので、何回もやり直すことになるかもしれません。

そして、問題なのは最初の判定と2回目の判定が違うことも充分に考えられることでしょう。

GoogleBardで調べてみた

チャットGPTは日本でもかなり知名度がありますが、つい先日同じようなサービスをGoogleが開始しました。

GoogleBardと銘打ち日本に乗りこんで来たのですが、そこでこんな検索をし、どのような答えが返ってくるかを調べてみました。

剥がれたクロスを判定してもらうシステムはないので、こんな質問を入れてみました。

【質問】
担当の住宅営業さんに値引きを断られました。今後どうすればいいですか。

このような質問をぶつけたのですが、同じ質問を繰り返すとその答えは毎回違うのです。

【回答例1】
値引きの条件を緩める。 値引き額を下げたり、値引きの代わりに他の特典を求めたりするなど、値引きの条件を緩めてみるとよいでしょう。そうすることで、営業担当者が値引きに応じてくれるかもしれません。

【回答例2】
最終的には、住宅営業担当者と交渉して、納得できる金額に達するかどうかが重要です。値引きに応じてくれない場合は、無理に契約する必要はありません。

これはテキストベースの答えですから写真の判定とは違います。

しかしAIで現場写真を判定すると、1回目の判定と2回目のそれでは、結果が違う可能性は充分に想定できます。

もしアフターサービスの現場でこんなことが起これば、お客さんと揉めるのは必至でしょう。

それでもAI化は進む

AI,ビジネスマン

私はAIの専門家ではありませんので、技術的なことをわかっているわけではありません。

ですから、専門家に言わせれば「そんなことはまず起こらない」と怒られるかもしれません。

しかし、AIは質問を重ねるたびに、経験値を積んでいくので、スタート時と1年後ではその回答が異なる可能性は充分にあるのではないでしょうか。

AI化は間違いなく進行

しかし、私の周りの動きを見ても、ハウスメーカーにAIシステムを持ち込もうとする人たちが、ものすごくいることを肌で感じています。

このコラムをご覧の中にも大手ハウスメーカーの方がいらっしゃると思いますが、まごまごしていると他の競合ハウスメーカーが画期的なAIシステムを導入して一気に業界の先頭を走ることになるかもしれません。

現場の安全管理にもAIは入り込んでくる

業界の中では誰もが知る規模の非常に大きなハウスメーカーがあるのですが、その会社が抱える問題の一つが現場の安全管理です。

急成長する住宅メーカーはどこでも抱える問題ですが、営業力が強すぎて現場の施工がバタバタになってしまうために、労災事故の発生率も他社と比べて高くなるケースがあります。

AIを使うとこんなことができる

施工現場にカメラを取り付けて、職人の様子を常にチェックするシステムを取り入れているハウスメーカーは既に存在します。

ただし、これを導入している目的は、あくまでも労災防止です。

屋根の上で危ない作業していないか、気が緩んだような行動してないかなどをチェックして、悪い点があったら翌日に現場監督を通じて注意するという手法です。

これを代わりにAIがやればどうでしょうか。

AIなら人間と違って見落としもありませんし、疲れることもありません。

情報をしっかり蓄積すれば、どんな行動が労災につながるのかを事前に察知して注意を与えることができます。

また、現場の職人にとっても、人間に監視されているよりは機械に監視されている方がある意味気楽かもしれません。

まとめ

今回は住宅業界における AI導入について触れました。

現場の改善についてAIは大きな効果をもたらすと思いますし、おそらく今後数年の間にどんどんと入ってくるのは間違いないでしょう。

基本はあくまでも人間の目がいいのでしょうが、人手不足を考えるとAIにこの種のものが移行するのは必然的な流れだと思います。

次回は現場ではなく営業編を取り上げます。

現場のAI化が先に進むのは間違いない話ですが、これを営業分野に取り入れる余地も多分にあると思っています。

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森住宅コンサルタント株式会社 森 雅樹

森住宅コンサルタント株式会社 森 雅樹

積水ハウスと超零細工務店での営業経験を積み独立。現在は工務店のコンサルティングや、セミナー、執筆などをメイン業務に活動。現場見学会は企画から携わり、営業マンロープレも自らが設定を考え客役となり実施。国土交通省の認可組織である住活協リフォームにおいては全国加盟店向けに営業アドバイスなどを行う。 twitter・・https://twitter.com/iezukuri21 Instagram・・https://www.instagram.com/iezukuri21/ note・・https://note.com/91008082 youtube・・https://www.youtube.com/user/mo9100/videos

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