工務店の現場見学会の開催方法|家を借りるコツと工事中の見学会4つ

工務店の現場見学会の開催方法|家を借りるコツと工事中の見学会4つ

新築見学会の時期が近づいてから開催する現場を探し、引き渡し間近の施主に頼み込んで悩ませてしまう工務店を、私はよく目にします。小規模工務店の社長からも、「最近はなかなかお客さんが家を貸してくれないんだよね」という声をよく聞きます。

新築見学会の家は、建築請負契約の直前の値引き交渉で「引き渡し直前の二日間を貸してほしい」と条件を出すと、施主からイエスをもらいやすくなります。

また、工務店は建築途中の現場でも見学会を開けます。

私が2022年6月に地場工務店と開いた80%完成現場見学会には、5組のお客さんが来場しました。

本記事では、新築見学会の家を施主から借りるコツと、上棟・80%完成・基礎打設・誰もいない現場の4つの見学会の開き方を解説します。

工務店にとって新築見学会は住宅展示場の代わりになる

施主の家を借りて開くイベントの定番は、完成時に開く新築現場見学会です。

工務店は通常、土日の二日間を使って新規のお客さんを呼びます。

住宅展示場を持つ会社なら別ですが、展示場を持たない住宅会社にとって、施主の家を借りたイベントは有力な新規客獲得の機会です。

そのため、工務店がなんとか施主にお願いして、最低二日間だけでも新築現場見学会を開こうとするのは当然です。

展示場を持たない小規模工務店が完成見学会で新規客を集める方法は、小規模工務店の完成見学会の集客で解説しています。

ところが、現場見学会と聞くと「新築」という発想が頭にこびりつき、この固定概念をなかなか崩せない工務店が多いと私は考えています。

新築の現場は建築途中であっても、施主の了解が得られればほかのイベントを開いて問題はありません。とはいえ私自身も、積水ハウスの現役時代はほぼすべてが新築現場見学会で、あとは上棟見学会を少しやった経験しかありません。

コンサルティングの仕事を始めてから、あれこれ考えて企画をひねり出してきました。

私がこれまで開いてきた現場見学会を、開くタイミングと集客の目安で並べたのが下の表です。

見学会の種類開くタイミング集客の目安手間と経費
新築現場見学会引き渡し直前の土日二日間有力な新規客獲得の機会施主から家を借りる交渉が必要
上棟現場見学会上棟後さほど多くない(餅まきを付けると高い)経費を抑えて開く。餅まきは準備と費用がかかる
80%完成現場見学会上棟と完成のあいだ2022年6月に5組当日は営業か社長が現場に張り付く
基礎打設見学会基礎の打設時0組か1組手の空いた社員が打設時間に行くだけ
誰もいない現場見学会職人が入らない日曜日冊子10部、確認できた来場5組経費はほとんどかからない

新築見学会の家を施主に貸してもらう工務店のコツ

防犯面などから施主が家を貸すことに以前より渋くなったうえ、コロナの追い打ちもあって、工務店が新築の家を借りるのは極めて難しくなっています。それでも工務店は、この状況に少しでも抵抗するために積極的に動いてください。

引き渡しの1か月前に頼むと施主は迷う

工務店が見学会を開く10月ごろになって慌てて開催現場を探すと、翌月に引き渡しを迎える施主のところへ行き、こう頼むことになります。

「来月なんですけども、引き渡しの直前の土日に二日ほど家をお借りできませんか」

施主の立場からすると、引き渡し間際になってこう言われても悩んでしまいます。

契約直前の値引き交渉でバーター取引を持ちかける

この事態を避けるには、住宅営業が建築請負契約の直前の交渉で見学会の話を持ち出します。

いちばんうまく話が進むのはバーター取引です。

たとえば100万円の値引きを条件に契約するお客さんなら、住宅営業はこのタイミングで次のように話します。

「分かりました。では100万円の値引きを検討させていただきたいのですが、我々からも一点だけ要望を言わせてください。引き渡しの直前の二日間で結構なんですが、新築現場見学会ということで家をお借りしたいのですがいかがでしょうか」

実際に持ちかけてみると、施主からイエスを引き出せる確率はかなり上がります。こうしておけば工務店は1年後の新築現場見学会の予定を立てられ、そこで新規客名簿を得られる可能性も出てきます。

契約時の交渉で見学会の会場を確保するトークは、コロナ後の現場見学会の会場確保で解説しています。

上棟現場見学会は餅まきを付けると集客が増える

新築現場見学会の次に開きやすいのが上棟現場見学会です。

上棟すれば屋根もかかって見た目が家らしくなるので、工務店はイベントを開きやすくなります。

ただ、一般的には集客はさほどありません。

お客さんの立場で考えると、完成していない家の骨組みだけを見てもつまらないからです。

上棟現場見学会に足を運ぶのは、耐震性や耐火性に関心があり、建物の構造を自分の目で確かめたい層に限られます。それでもこうしたお客さんは確かにいるので、工務店は開催経費をできるだけ抑えたうえで開くべきです。

餅まきでイベント性を持たせる

集客を見込めない上棟現場見学会も、ちょっとしたイベント性を持たせると話が変わります。

それが餅まきで、上棟時に屋根やバルコニーから参加者に向かって餅やお菓子をまくお祝いごとです。

私は全国でこのイベントを開いてきましたが、まず間違いなく高い集客を望めます。

ただし、餅まきは準備に手間がかかり、餅などの費用を施主と住宅会社のどちらが持つかで経費も大きく変わるので、工務店はその点も含めて検討してください。現場以外でイベント性を持たせた集客の例は、寄席イベントを使った工務店の集客で解説しています。

工事途中に開く80%完成現場見学会と基礎打設見学会

2022年6月に5組が来た80%完成現場見学会

「そんなの聞いたことないぞ」と、ほとんどの方は言うでしょう。

しかし私は2022年6月に、このキャッチコピーを使って地場工務店と一緒にイベントを開きました。

来場したお客さんは全部で5組で、工事中の現場を見せるだけのイベントですから、費用対効果を考えれば大成功です。

見学会のチラシに載せるキャッチコピーの書き方は、工務店のチラシ集客と作り方で解説しています。

もちろん当日は営業か社長が現場に張り付く必要があり、人手は取られます。それでもショールームを持たない小規模工務店にとって、上棟と完成のあいだにこうしたイベントを開いて5組の集客が見込めるなら、誰でも開催すると私は思います。

展示場を持たない工務店が、見学会に加えてSNSでの発信や施工写真で家を見せる方法は、住宅展示場なしの工務店営業で解説しています。

基礎打設見学会は1組来れば十分

基礎打設見学会は、工事途中のある工程を披露する催しで、披露する工程は基礎でなくてもかまいません。

参加者は0人か1人かの世界ですが、1組来れば何の問題もありません。

手の空いた社員が基礎屋さんと相談し、打設の時間に現場へ行けばいいだけです。

営業が誰もいない現場見学会(4年前・兵庫県)

直近では4年前に兵庫県で開いたのが、誰もいない現場見学会です。

このときはたまたま上棟時の現場で、職人が入らない日曜日を使いました。

名前のとおり、現場には職人も営業もいません。

営業の代わりにパネルと手作り冊子を置く

私たちは現場を見に来たお客さんのために、柱や壁などあちこちに大きな文字のパネルを貼り、営業の説明がなくてもある程度のことが分かる仕掛けをしました。入り口には「ご自由にお取りください」と書いて10ページの手作り冊子を20部置いたところ、半分の10部がなくなりました。

当日の様子は、建物の2階に付けたWebカメラで事務所から見られるようにしました。録画はしておらず、事務所に社員がいない時間もあったので全部を確認したわけではありませんが、社員が確認しただけでも5組のお客さんが家の前に車を止め、外から見学していました。

営業がいないとお客さんは油断する

お客さんは建物を見てみたい気持ちはあるものの、現場に行けば営業が待ち構えていてアンケートの記入を求められることが目に見えています。そのため、お客さんにとっていちばん都合がいいのは、営業にまとわりつかれずに建物をゆっくり見られる環境だと私は考えています。

誰もいない現場見学会では接客はできず、お客さんと言葉を交わすこともできません。

しかし経費はほとんどかからず、休日の現場を使うだけなので、集客がゼロでも工務店に何のダメージもありません。

冊子を持ち帰ったお客さんのうち1組でも、数か月後か数年後にぶらりと現場に現れれば、それだけで大成功です。

見学会以外で新規客を掘り起こす方法は、住宅営業の探客方法で解説しています。

まとめ

工務店が施主の家を使って開ける見学会は、新築見学会だけではありません。新築見学会の家は契約直前の値引き交渉で借りる約束を取り、建築途中には上棟・80%完成・基礎打設・誰もいない現場の見学会を開けば、経費を抑えながら新規のお客さんと接点を持てます。

ぜひ本記事の現場見学会の事例を参考に、いま施工中の現場で開ける見学会の予定を立ててください。

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