住宅営業の探客方法|地域調査のチラシで約80組が来場した事例

住宅展示場への自然来場はコロナで軒並み減りました。
住宅営業の探客方法として私がまず勧めるのは、自社の営業エリアを徹底的に調べることです。
そのうえで、古い家が建つ場所に合わせたチラシや訪問で見込み客を取りに行きます。
国道1号線沿いの古い家に絞って新築現場見学会のチラシを撒いた住宅会社では、2日間で80組程度が来場しました。
本記事では、地域調査から始める探客の手順、チラシの文言の作り方、新築工事現場の近隣への飛び込み訪問を解説します。
住宅営業の探客とは|来場が減った分を住宅会社から取りに行く活動
この原稿を書き始める直前まで、私は神奈川県のある住宅会社の社長と話をしていました。その住宅会社はグループで1000人を超える大規模な会社で、社長は次のように話していました。
「来場は減りましたね。それでも何とか受注は保っていますよ。来場が減った分だけ発掘に力を入れていますから」
住宅展示場への自然来場が減るのは当たり前のことです。
それでも、減った分は住宅会社のほうから取りに行けばよいのです。
新築は今後急減すると予想されていますが、3年後に半減するわけではありません。
住宅営業がこれまでやってこなかった集客や探客活動を始めれば、十分に補える数字です。
住宅展示場や見学会にお客さんを呼ぶ活動を集客とすると、住宅会社の側から見込み客を探しに行く活動が探客です。Webで来場を呼び込む集客の方法は、ハウスメーカー・工務店のSNS集客で解説しています。
工務店の探客は営業エリアの徹底した地域調査から始める
地域調査はかなり骨が折れます。
それを承知のうえで、私は自社の営業エリアを徹底的に調べるところから探客を始めるよう勧めています。
調べ方は、私が実際に行った方法を紹介します。
築30年以上の古い家が「どこ」に建っているかを調べる
建築後一定の年数がたった古い住宅を狙うのは、住宅営業として当たり前のことです。
それ自体は何ら特殊な戦略ではありません。
私が調べるのは、古い家が「どこ」に建っているかです。
「どこ」とは接道方位のことです。
たとえば、東南の角地に建つ建築後40年ほどの家があります。
北接道で、間口が7m程度の狭小地に建つ家もあります。
私はこうした分類で家を分けます。
ただ古い家だというだけで終わらせず、方位や土地の形状まで含めて徹底的に調べます。
古い住宅の中から飛び込みで訪ねる先を選ぶ方法は、住宅の飛び込み営業での訪問先の選び方で解説しています。
探客チラシの文言は「我が家とのダブり」で書く
北接道で隣家に囲まれた家へ投函するチラシの文例
北接道で、周囲をすべて隣家に囲まれたお宅があるとします。私であれば、そうしたお宅に次のような文言のチラシを投函します。
【1月29日(日)、30日(月)の二日間にわたって○○において新築現場見学会を開催します。今回のお宅は北接道の土地に建っていた築40年のお宅の建て替えです。同じ環境にお住まいの方にとって大変参考になると思うイベントですので、是非ご家族でお越しください】
チラシを見た住人の3つの反応
このチラシを見た住人の反応は、だいたい3つに分かれると私は考えています。
①「建て替えることなど全く考えていないから興味ないや」
②「今すぐの建て替え計画はないけどたしかにこの家は暗いしな。うちと同じ環境の家での新築だから明るいように設計をしているのかな?面白そうだ」
③「ちょうど建て替え計画が家族で出ていたところだった。この現場は我が家と同じ境遇の家なんだ。うちと状況がダブっているな。行ってみよう」
「現場見学会があります」と書くだけでも告知にはなります。しかし住人を動かすのは、自分たちと同じ問題を抱えた家族が建て替えた家を見られるという我が家とのダブりだと私は考えています。
見学会チラシのキャッチコピーの書き方は、工務店のチラシ集客と作り方で解説しています。
国道1号線沿いの古い家へのチラシで80組程度が来場した事例
これも私の指導事例です。
私はある住宅会社の営業マンを集め、「国道1号線沿いに建っている古い一軒家と古い分譲マンションに現場見学会チラシを撒こう」と指示を出しました。
営業マンたちは、次の文言を書いたチラシを投函しました。
【3月4日に開催予定の新築現場見学会のお知らせです。今回のお宅は国道1号線沿いに建っていた築46年のお宅を建て替えた新築のお宅を見学できるイベントです。国道1号線沿いの騒音と振動に悩まされてきましたが、この問題を見事に解決したお宅です】
来場者数は2日合わせて80組程度になりました。想像をはるかに超えたにぎわいで、私もかなり驚いた記憶があります。
このケースでも、効果を生んだのはダブりです。
国道1号線沿いに住む人は、多かれ少なかれ騒音と揺れに悩んでいるはずです。
この見学会は、集客の対象者の悩みを読んだうえで企画したイベントでした。
建て替えや住み替えの予定が当面ない人でも、このようなチラシを見たら現場に足を運びたくなるのではないでしょうか。
新築工事現場の近隣を回る住宅営業の探客(積水ハウス時代)
「新築工事現場の近隣には宝物がある」という格言
住宅営業を長く続けていると、経験から分かってくることがあります。その1つが次の格言です。
新築工事現場の近隣には宝物がある
ある場所で新築工事が始まったとします。
私が営業マンであれば、その近隣を調べて古そうな家を洗い出します。
対象は、密集地の場合でざっと50件程度です。
50件の中には新築の家もあり、まだ新しくてとても建て替えなど考えられない家も多くあります。
それでも、それ以外の家が10件から半数近くはあると私は見込んでいます。
私であれば、そのお宅にはひとまずアプローチしてみようと考えます。
対象の家に住む人たちの間では、「あそこが家を建て替えているな。うちと同じくらいの築年数でなかったっけ?」と話が出ているかもしれません。
もちろん推測にすぎませんが、住宅営業はとにかく仮説を立てて動くのです。
工事のあいさつを兼ねた飛び込み訪問のトーク
積水ハウス時代に、私が実際にやったことも紹介します。
ある現場のお宅の周辺で、私は先ほどの理屈に基づいて対象を絞り、20件程度の家を訪問しました。
訪問では、次のあいさつで入り、話をつなげました。
「積水ハウスと申します。そこで工事をしていますが、何か問題点はないですか?」
「ところで住宅展示場とかは行かれたことはありますか?」
話のつなぎ方はいろいろありますが、私が行ったのは工事のごあいさつを兼ねた飛び込み訪問です。
工事のあいさつであれば、営業マンの心理的な負担も少なくて済みます。
住人にとっても、突然の訪問が不自然になりません。
工事現場の近隣をあいさつを兼ねて訪問し、現場見学会に誘う進め方は、工務店の源泉営業の進め方で解説しています。
小規模な工務店では難しいものの、規模の大きな住宅会社になると、同じ町の中に新築現場が複数出てきます。
そうなれば、攻められる古い住宅もいくらでも出てきます。
訪問で話ができた家から敷地調査の約束を取る流れは、住宅営業のアポ取りのコツで解説しています。
コロナ禍の間は難しいかもしれません。それでもコロナが収束したら、住宅営業にぜひやってほしい探客活動です。
まとめ
住宅展示場への自然来場が減っても、見込み客は住宅会社の側から探しに行けます。
住宅営業が自社の営業エリアを調べ、古い家の建つ場所と住人の悩みを読むことが出発点です。
北接道や国道1号線沿いの家には「我が家とのダブり」を書いたチラシを使います。
新築工事現場の近隣には、工事のあいさつを兼ねた訪問で入ります。
ぜひ本記事の地域調査と現場近隣の訪問の事例を参考に、自社の営業エリアで古い家がどこに建っているかを調べることから始めてください。



