新築受注がどんどん難しくなっているのは皆さんも肌で感じるはずです。
「リフォームにもっと目を向けよう」
巷ではこのような言葉がよく聞かれますし、皆さんもあちらこちらで耳にしたことがあるでしょう。
この私もセミナーなどがあれば必ずこのことを言いますから、同じように他の人 何回も言っているはずです。
ただ、現実論として何から手を付けたらいいのかわからないでしょうし、新築とリフォームの工事の内容の違いを考えると、結果的には一日延ばしの連続になっているでしょう。
ただ、今回のコラムはリフォームを勧めるコラムではありません。
リフォームの話はさておき、この状況で業績好調な工務店が何をやっているのか、またどのような考えのもとで日々の営業活動を行っているのかをご紹介しましょう。
おそらくほとんどの住宅会社で真似ができる考え方や、内容になることだけを初めに申し添えておきます。
今好調な工務店は〇〇をしている
ホームページを格安で刷新し成功した事例
某小規模工務店とだけご紹介いたします。
ホームページ自体は十年以上前から作っていたのですが、稚拙とまでは言わないものの、会社の良さや特徴が全く伝わらないつまらない内容の出来栄えでした。
専門の人に任せたのは良かったのですが、最低限の予算でやってもらったために、内容もどうしても陳腐なものになってしまったのです。
ところが、この状態に一念発起した社長がホームページの全面的な改定を行った結果、お客さんからの問い合わせがほぼ2倍に増えたのです。
① ホームページ リニューアル経費の圧縮
200万円300万円お金をかければホームページが素晴らしくなるのは当然のことでしょう。
しかし、元々がケチ精神を発揮して最低限のホームページしか作らなかった社長ですから、リニューアルしたところでお金を出しぶれば 、何のためのリニューアルか意味がなくなってしまうでしょう。
ところが、社長上手く考えました。
うまく考えたというか、実は私がアドバイスしたのですが、大学生のバイトにホームページ作成を依頼して格安で完成させることに成功したのです。
地元の某国立大学に求人を出した
なぜ皆さんもやらないのか不思議でならないのですが、大学の総務課などに話を持ち込んで「ホームページを作ってくれる学生を探している」と持っていけば断る大学はおそらくないと思います。
中間マージンはもちろん発生しませんし、プロに頼めば50万円するような内容であっても、学生であれば10万円払えば喜んでやってくれるようなことはいくらでもあります。
ウィンウィンとはまさにこのことでしょう。
この時のホームページ依頼に関して社長が提示した価格は30万円でした。
すると、工学部の学生を中心に20人ほどから瞬時に手があがったとのことです。
社長はホームページがどのような仕組みでできているのかまったくわからないのですが、工学部の学生でその手のことに詳しい知識があれば、 wordpressなどで簡単に作ってしまいます。
しかも、学生にとって一つのホームページを作り上げて30万円もらえるというのはどうでしょう。
私が学生であれば、目の玉が飛び出るような大金です。
すぐにでも手をあげて一生懸命やるでしょうね。
結果的に社長が依頼を出した学生は懇切丁寧にホームページを作り、メンテの仕方なども社長にしっかりと教えてくれたそうで「プロに頼むよりはるかに安くできるんだね。しかも、内容に全く不満もなく大満足ですよ!」と社長は大喜びでした。
収納重視に大きく舵を切って成功した工務店
新規の新築受注獲得において、収納提案が大きな影響を及ぼすことは議論の余地がないところだと思います。
皆さんも折衝中には、お客さんの要望に応じて収納の話を必ずするでしょうし、満足いくような充実した収納提案をすることでしょう。
収納に関する満足度が受注に近づく
このように、どんな住宅会社であっても、収納の話は必ずするわけですが、これはお客さんの収納に対する現状の強い不満と、住宅会社に対する収納提案への大きな期待の裏返しです。
コラムをご覧の工務店の皆さんにご提案したいのですが、収納に対するお客さんの期待は今も昔も極めて大きなものがあります。
この提案に関しては会社にそうしたノウハウが蓄積されていなくても、ネットから集める情報だけで かなりの理論武装ができることを 私からアドバイスさせていただきます。
つまり、簡単に言えばネットサーフィンをしながらネタを拾っていけば、それをお客さんへの提案材料としてどんどん活用できるということになります。
収納提案で激変した工務店
規模としては中規模と言える工務店ですが、以前と比べて大きく受注が伸びた原因が収納提案の充実にありました。
この会社がどんなことをやったのかお話ししましょう。
① ホームページをこう改善した
まずはホームページに手をつけました。
「弊社は収納提案に関する他社に追随できないノウハウがあります」 といった文言を大きく書いて、ページの目立つところに貼り付けたのです。
この工務店のホームページが目にとまった方で、収納にある程度関心があれば、ここに書いてあることが気になってクリックする率が高くなるでしょう。
② ネタはこうを探した
これは前述しましたように、設計総動員でインターネットをチェックして、収納に関するうまい提案や思わず納得してしまうような内容を徹底的に探したのです。
これについては法的にも何ら問題はありません。
無料で様々なノウハウを吸収する究極の手法といえるでしょう。
③ ネットから得たネタの事例・・・1
ちょっとしたことなら、ネタは豊富に転がっています。
たとえばミシン。
以前と比べるとミシンの 所有率はかなり落ちているのが現実です。
しかし、ミシンを所有している方は、その置き場に困っているという現実があります。
「結構値の張るミシンを持っているんだけども置き場所に困るし、 使う時に出すだけでも一苦労にで 困っているわ」
こうした主婦の意見が散見されます。
これを見た設計陣は、ミシンを持っている人に対してミシンの置き場や使うときの動線などを考慮した収納場所の提案のネタをネットから仕入れたわけです。
④ ネットから得たネタの事例・・・2
タオルの収納に関する面白いアイディアをネットで発見し具現化しました。
例えば、家にタオルが20枚あったとしましょう。
このタオルは家族4人がお風呂に入るときに使うものですが、どうしても使う頻度に偏りが出てしまい、まとめてどこかに置いてしまうと下の方に置かれたタオルはいつまでも使われず、上にあるタオルを使うことになり、洗ったタオルはまたその上に置くということになりがちです。
これを防ぐため、タオルを縦に並べて下から引っ張り出すような構造の収納を作ったのです。
言葉ではなんとも伝わりづらいのですが、イメージとしてはイオンなのでコーヒーを買うと、コーヒーマシンの横に紙コップが縦に何十個も重ねて置いてあり、それを下から一個ずつ引き抜くような形になっていますよね。
このタオル版だとお考えください。
こうすると、新しく洗濯したタオルを上からどんどん補給していくのですが、使うときは下から引き抜いていくので、タオルを使用する頻度に差が出ないのです。
この工務店ではこのアイディアをネットで発見し、即自分の会社でも採用しました。
著作権や使用権があるわけではないので、探したもの勝ちといえるでしょう。
まとめ
ホームページでうまくいった工務店と収納に特化して提案を強化した工務店をご紹介しました。
いずれの会社も、ちょっとした工夫をすることによって業績がアップしたのです。
皆さんもこのようなちょっとした工夫で営業改善することができるでしょう。
建物の構造を変える、あるいは使う部材を大幅に変更するのは大変な手間と時間がかかりますが、知恵を絞ることによって業績を上げる方法はまだまだあるのです。
さまざまな手法にチャレンジしてください。