現場見学会の接客は外観の感想を聞くことから|九州の取材実話

現場見学会の接客は外観の感想を聞くことから|九州の取材実話

自社の外観デザインに自信があっても、来場者が建物の外観をおしゃれだと感じたかどうかは、営業社員が聞かない限り分かりません。

私が九州で取材したお客さんは、事前に気に入っていた積水ハウスの現場見学会に出かけました。

見学した家が好みと違う重厚なお屋敷風だったため、お客さんの気持ちは冷め、別の住宅会社と契約しています。

来場者は、目の前にある1棟の外観を見て、その住宅会社の外観を判断します。

本記事では、現場見学会や住宅展示場で外観の感想を聞くタイミングと、感想に合わせた外観事例集・夜の写真・同じ間取りの比較資料の使い方を解説します。

現場見学会・住宅展示場の接客は外観の感想から始める

住宅営業が外観の感想を聞くのは、室内の接客に入る前です。接客をしながら聞いても構いませんが、私は可能な限り室内に入る前の段階で聞き取ってほしいと考えています。

あなたの勤める住宅会社のデザイン性が極めて高く、あなた自身もそれを自負しているとします。

しかし、それが危険です。

営業社員が「お客さんもおしゃれだと思うはずだ」と思い込むと、足元をすくわれます。

念のためにも、営業社員は接客の前に、建物を外から見た正直な感想をお客さんに聞いておいてください。外観の感想を先に聞いておけば、営業社員はその後の接客で修正がききます。

外観の感想とあわせて接客前に聞いておきたい来場動機やこだわりの優先順位は、住宅展示場の接客前に聞くことで解説しています。

外観で住宅会社を選んだお客さんの取材話(九州の現場見学会)

決め手は最初に見た現場見学会の外観だった

九州の話は、私がお客さんから直接取材した実話です。

九州でそこそこ知名度のある住宅会社が現場見学会を企画し、そこに一組のお客さんが来場しました。

お客さんは来場から三か月後にその住宅会社と契約しており、私は最初の接点だった現場見学会の話を徹底的に聞き込みました。

現場見学会にお客さんを呼び込む案内の工夫は、動画を使った現場見学会の案内で解説しています。

私「こちらの会社以外に三社を検討されたとのことですが、こちらはやはり初回の印象も良かったのでしょうかね」

奥様「それは確かにあります。初めて見学した現場見学会のお宅ですが、外観のセンスが私達とピッタリ合致していたんですよ。それは極めて大きかったと思います」

私「ではほかの会社の外観はピンと来なかったのですか」

奥様「事前の情報集め段階では気に入っていたメーカーさんがあったのですが、実際の現場を見に行ったら外観のイメージがダメだったんですよ」

積水ハウスの現場見学会で「なんか違う」と感じた理由

奥さんが話してくれたメーカーは積水ハウスです。

奥さんは積水ハウスの現場見学会に出かけ、がっかりして帰ってきたそうです。

積水ハウスはありとあらゆる外観の住宅に対応でき、お客さんの要望のほとんどに合わせられるメーカーのはずですが、奥さんのケースには落とし穴がありました。

奥様「私たちが望んでいる外観は南欧風の明るい感じなんですよね。積水ハウスでもこんな家が建てられるのかな?と思っていたのですが、見学した家は重厚長大なお屋敷風でした。なんか違うな・・・って感じだったんですよ」

見学した1棟がその住宅会社の外観のイメージになる

住宅会社は、お客さんの要望に応じてバリエーションに富んだ外観をつくれます。しかし、住宅会社が現場見学会で見せられるのは、その中の1つのパターンだけです。

営業社員は「弊社はさまざまな外観を作ることができますよ」と口頭で説明できますが、お客さんにとっては視覚的なインパクトのほうが大きく、目の前にあるもので判断してしまいます。取材した奥さんも、積水ハウスがいろいろな外観に対応できることは頭で分かっていながら、目の前の家の外観が意に沿わなかったために、なんとなくトーンダウンしたのです。

外観の感想を聞いた後の住宅営業の対応

来場者に感想を聞きたい住宅の外観

外観の印象をストレートに聞いて反応を分ける

住宅展示場の接客の初期段階で、営業社員は外から見た建物の印象をお客さんにストレートに聞きます。お客さんから次のような反応があれば、営業社員はそのままぐいぐい押して構いません。

「オシャレですね私たちのイメージにドンピシャです」

反対に、お客さんから次のようなネガティブな反応があった場合は、営業社員は即座に対応してください。

「こういうのはあまり趣味じゃないんですよね」

外観事例集を一気に並べて見せる

さまざまな外観に対応できると営業社員が口で言うのは簡単ですが、お客さんはなかなか腹落ちしません。

そこで役に立つ資料が、自社がこれまで建ててきた建物の外観事例集です。

営業社員はいろいろな外観を一気に並べてお客さんに見せ、さまざまな外観に対応できることを納得してもらいます。

外観事例集を見せるのは簡単で基礎的な行動ですが、これをおろそかにしている工務店が極めて多く、私はとても気になっています。外観の確認を終えて室内に入るときの接客は、住宅展示場の玄関を使った接客術で解説しています。

建築実例集に夜の外観写真を加える

どの住宅会社も、これまでの建築実例集は整備しているでしょう。

ところが、夜の写真まで撮影して準備している住宅会社となると激減します。

住宅会社が見落としがちな夜の写真は、今からでも間に合います。

例えば、五年前に引き渡しをした加藤邸があるとします。

住宅会社は加藤様に連絡し、日中と夜間の2パターンの写真を撮影させてほしいとお願いします。

住宅会社はこの手順を繰り返して、営業社員が使える資料を1邸ずつ増やしていきます。

新規のお客さんに建築実例集を見せるとき、営業社員は同じ家を昼間と夜に撮った写真を並べて見せます。

住宅会社は、夜の写真では室内の明かりが煌々(こうこう)と漏れ出る様子を撮りたいので、施主にカーテンなどを開けてもらった状態で撮影します。

撮影者の腕にも左右されますが、きれいに撮れば夜の写真はどれを見ても魅力的になり、お客さんの好感度が上がることは間違いありません。

夜の外観写真を含め、接客中にお客さんへ見せる写真の使い方は、自社展示場の写真を使った住宅営業ツールで解説しています。

同じ間取りで外観の差を見せる住宅FCのプレゼン

凝った外観の住宅展示場で客が「目立って仕方がない」と言う

知名度はさほど高くないかもしれませんが、全国にそれなりに展開している住宅のフランチャイズがあります。私はそのフランチャイズの部長といろいろ話をしたことがあり、いちばん感心したのが外観のアピール手法でした。

そのフランチャイズの住宅は外観が極めておしゃれで、高いデザイン性をアピールしています。

好き嫌いはあるにしても、基本的には誰が見ても「高級感あるな~」と感じる外観で、フランチャイズの住宅展示場はそれに輪をかけて繊細なデザインでできています。

来場者が中に入って接客を受けるとき、営業社員は必ず、外観について次の説明をします。

営業「この展示の外観はどうですか?かなり凝っていてデザイン性が高くて皆さんから評価をいただいています」

客「たしかにいいですよね。でも、こんな家を建てたら目立って仕方がないでしょうね(笑)」

営業「ありがとうございます。ちょっとお見せしたい資料があるのですがこちらをご覧ください。この展示場とまったく同じ間取りの家なのですが、いかがですか、外観を見るとものすごくつまらないと思うんですよ」

同じ間取りでつまらない外観のパースを並べて見せる

フランチャイズの営業社員の手元には、住宅展示場とまったく同じ間取りのプランが用意されていて、外観のパースも付いています。

ところが、パースの外観は住宅展示場とは似ても似つかない、何の面白みもないものです。

営業社員はそのパースを見せたうえで、自社のデザイン力をお客さんにアピールします。

「まったく同じ間取りであっても外観のデザイン能力がない住宅会社でやってしまうと、こんなつまらない外観になっちゃうんですよ。逆に言うと総2階調のあっさりとした間取りであっても、我々の手にかかれば重厚な外観に仕上げることが可能なのです」

資料を見ながら説明を聞けば一目瞭然で、おそらくどんな人も思わずうなるはずです。それほどよくできたプレゼンで、お客さんにはフランチャイズの外観デザイン力の高さが瞬時に伝わります。

まとめ

人間はなんだかんだ言っても第一印象で物事を決める傾向があり、お客さんが最初に目にした外観のイメージは極めて重要です。営業社員は現場見学会や住宅展示場で、室内の接客に入る前に、お客さんが外観を気に入ったのかどうかを確認してください。

外観の反応がよくなければ、営業社員は外観事例集を一気に並べ、昼と夜の写真や同じ間取りの比較資料を使って、自社の対応力とデザイン力をお客さんに見せます。

ぜひ本記事の九州の取材話と外観資料の作り方を参考に、次の来場者から外観の感想を聞いてください。

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