住宅営業がやばいと言われる理由|私が見た超ブラック住宅会社2社

住宅営業がやばいと言われる理由|私が見た超ブラック住宅会社2社

ビッグモーターの騒動が世間をにぎわせていますが、住宅業界にも同じような体質の会社がまだ残っています。

私が実際に見た地域有力ビルダーのK社では、社長が数字の悪い営業社員の人格を否定していました。

大手住宅メーカーのT社では、夜10時に新卒社員が連帯責任で正座させられていました。

住宅営業がやばいと言われる原因は、仕事の中身ではなく、こうした体育会系の住宅会社の体質にあります。

本記事では、私がこの目で見た2社の実例をもとに、住宅営業がやばいと言われる体質の中身と、その体質が残る理由を解説します。

住宅営業がやばいと言われるのは時代錯誤な営業指導のせい

もう時効でしょう(笑)。

本記事で紹介するのは、BIGMOTORもびっくりの超ブラックな住宅会社の話で、どれも私が実際にこの目で見たものです。

会社名はもちろん伏せ、場所も明かしませんが、会社の規模だけは大・中・小で表します。

住宅営業の指導を生業にしている私は、住宅会社の経営者からよく次のように勘違いされます。

「住宅営業指導っていうことはパワハラもどきの指導ではないのか?」

経営者がそう連想するのは住宅営業指導という言葉のせいでしょうが、こうした根性営業は私が最も嫌うものです。

私の指導は、不動産・住宅業界にありがちなくだらない部分を徹底的に排除しています。

そのうえで、お客さんの声を精査したり営業心理学を考えたりしながら、どうやって受注を取るかを目指しています。

それでも、時代錯誤な営業指導をしている住宅会社は、未だに結構あるのが実態です。

土下座で契約を取るような昭和の根性営業の実態は、住宅営業がブラックと言われる背景で解説しています。

やばい住宅営業指導をしていた地域有力ビルダーK社(中規模)

地域有力ビルダーのK社は、異常さが際立っていました。K社長がカリスマ性で会社を大きくした功績は評価せざるをえませんが、K社のパワハラ体質は劣悪を極めていました。

「売る社員が正義」が行き過ぎた社風

K社は、すべてを「売る社員が正義」という理念で押し通す住宅会社でした。

営業出身の私は、方向性としてはこの理念に賛同します。

営業が仕事を取ってこなければ設計もインテリアコーディネーターもへったくれもなく、営業が取ってきた仕事からさまざまな仕事が生まれ、お客様からいただいたお金がみんなの給料になるからです。

しかし、この理念が行き過ぎると、住宅会社は訳のわからない会社になってしまいます。

K社長は小柄な方で、いつも仕立てのよさそうなスーツをビシッと決めていましたが、営業に対する姿勢は半端なく厳しいものでした。

どの住宅会社でも営業に厳しいこと自体は悪くなく、ある意味当然ですが、K社長の厳しさは度を越えていました。

数字を達成できない営業社員の人格を否定する

数字が足りない営業を社長が罵倒する話はよく聞きますが、私がこれまで出会った中では、K社長がダントツでこれに当てはまります。私は部外者ですが、K社長は本社で数字の悪い営業マンを見つけると、私との話を中断し、その営業マンを直立不動で立たせたまま罵倒を始めるのです。

私は初め「虫の居所でも悪いのかな」と思っていましたが、K社長の罵倒は日常茶飯事のようで、営業社員もかなり参っていました。

経営者は社員はもちろん、その家族や協力業者の生活まで責任を負っているので、数字に真剣になるのは当然です。

しかし、人格を否定するような罵詈雑言(ばりぞうごん)は論外だと私は思います。

「数字が出てないやつが休むなんてもってのほかだ」という口癖

K社の休日出勤の話は、働き方改革が話題になる少し前のことです。

働き方改革以前であれば、ブラック企業の休日出勤は当たり前といえば当たり前でした。

それでも私は、休日出勤を当然とする風潮はいかがなものかとK社長に意見し、多少口論気味になりました。

「数字が出てないやつが休むなんてもってのほかだ」

K社長はこれが口癖でした。今なら論外ですが、20年前であっても本当におかしな話です。

実は、私が積水ハウスの現役だった頃も似たようなもので、当時の支店長もまったく同じことを日常的に口にしていました。

そのため、2〜3か月に一度ある泊まりがけの研修は、火曜日と水曜日の休みに当てるのが当たり前という風潮でした。では数字が出ている営業はどうなるのかという疑問が湧きますが、支店長はこう言い放ちました。

「数字が出ている営業にとっては、勉強してさらに数字を上げる絶好の機会だ。自分のためにやるのだから、業務時間をそれに割くのは社会人としての常識だ」

今はずいぶん良い時代になりました。

体育会系の住宅営業現場が残る住宅メーカーT社(大規模)

T社については、大きな会社とだけお伝えします。

小規模な住宅会社がパワハラまがいの行為に満ちているケースはよくありますが、全国区の大きな会社なら社会の目もあるので、そこまでめちゃくちゃなことはできないと普通は思います。

しかし、ビッグモーターの例があるように、従業員6,000人を抱えるような会社であっても、びっくりするような体質の会社は存在し、T社もこれに当てはまります。

T社は数字に厳しいのは当然として、現場の雰囲気は体育会系そのもので、営業現場では上司の手足が出ることもしばしばでした。

この数年は、さすがにそうしたことはなくなったと私は聞いています。

ただ、T社は数字に厳しい会社なので、その風土はしっかり残っているでしょう。

夜10時の新卒研修で見た連帯責任

私はT社の新卒研修をのぞいたことがあります。

私が研修を担当したわけではなく、別件で本社を訪れたときに、T社がたまたま新卒研修をやっていました。

時間は夜の10時で、なぜか10人ぐらいの新卒社員が正座をしていました。

私を招き入れた幹部社員は、こう説明しました。

「見てください、このくだらない連中を。一番端っこにいる〇〇がレベルの低い課題を出したもんですからチームの連帯責任ですよ。本当にレベルの低いクソみたいな連中です。こいつらの面をよく見てください!」

私はどうリアクションしたらいいのでしょうか(笑)。

私には答えようがありませんでした。

新卒社員がどんな事情で正座しているのかもよく分かりませんでしたし、夜の10時にこんなことをやっているのは、いくらなんでも明らかにおかしいことです。

新卒社員の育成で抜けがちな資金計画の教え方は、新人営業マンの育成の進め方で解説しています。

営業社員に課された人間ピラミッド

人間ピラミッドの話には、私も正直耳を疑いました。

何のタイミングだったかは忘れましたが、T社の営業社員はチームを組んで人間ピラミッドに挑まなくてはならないのです。

T社としてはチームの協調性や目的完遂能力を育てるためなのでしょうが、私の頭の中は疑問符でいっぱいになりました。

私は人間ピラミッドを作る様子を実際には見ていませんが、幹部社員から事細かに話を聞きました。

営業社員はチームに分かれ、できるだけ素早くピラミッドを完成させるための戦略をみんなで練って、それを実践します。

幹部社員ははっきりとは教えてくれませんでしたが、以前にはちょっとした事故も何回か起きたようでした。

私たちの仕事は住宅営業であり、なぜ人間ピラミッドを作る必要があるのか、私は当時疑問に思いました。

住宅営業に体育会系の体質が残るのは提案力不足のせい

大規模なハウスメーカーでも少数精鋭の工務店でも、住宅営業は本来、繊細な神経を必要とする細かい仕事のはずです。ところが、不動産も含めた住宅の世界には、意味不明な体育会系の体質を前面に押し出した住宅会社がまだまだ多く存在します。

提案をおろそかにする住宅会社ほど根性に頼る

私は、こうした体質が残る理由の一つは提案力不足だと考えています。

営業社員がお客さんから要望を聞き取り、考えたプランを魅力的に見せることができれば、お客さんはおのずと契約してくれます。

ところが、そうした提案をおろそかにする住宅会社ほど、受注を根性に頼ることになります。

社員が楽しく働ける住宅会社をつくる

私はコンサルタント歴25年になりますが、こうした業界の体質を少しでもなくそうと努力してきました。

幸い、私が今関わっている住宅会社や建材会社には、こうした体質の会社は一社もありません。

私自身がそういう体質を嫌っているので、お付き合いする会社も自然とそうなるのでしょう。

住宅会社は、会社が儲かるだけでなく、社員も楽しくリラックスして働ける会社を目指すべきだと私は考えています。

まとめ

ビッグモーター騒動に寄せた話になりましたが、住宅・不動産業界に限らず、多くの業界がこの事件を他山の石とすべきだと私は考えています。

住宅営業がやばいと言われる原因は、数字が出ない営業社員の人格否定や休日出勤の強要、住宅営業と関係のない根性主義など、提案力不足を根性で補おうとする住宅会社の体質です。

そうしたおかしな会社は、どんどん淘汰されるべきです。

ぜひ本記事の2社の実例を参考に、自社の営業指導に根性頼みの部分が残っていないかを見直してください。

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