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「現場の業務効率化とは?」➡「お客さんとの連絡回数を減らしましょう!」実話です(笑)

「現場の業務効率化とは?」➡「お客さんとの連絡回数を減らしましょう!」実話です(笑)

私は生粋の営業上がりコンサルタントです。

コンサル先や営業研修では営業面のことにしか触れませんし、現場に関する知識も通り一遍のものしかありません。

ただ、この仕事をやっていると、現場の情報も入ってきますし、問題解決のための意見を求められることもしばしばです。

ソコデ、今日のテーマは現場監督にしました。

ある住宅会社の現場監督改革をすることになったのですが、改革の前に現状の問題点を幹部社員からいろいろと聞きました。

「この会社も結局は同じ問題を抱えているんだな」

他社にも共通する悩みがバンバン出てきたのですが、そのあたりを解説していきましょう。

「現場の業務効率化とは?」➡「お客さんとの連絡回数を減らしましょう!」実話です(笑)

「働き方改革の影響が現場にも押し寄せていましてね」

ある会社の営業研修の下打ち合わせをしていた時のことです。

現状の問題点や毎月の数字なども含めて営業部長とリモートで話をしていました。

2回目の打ち合わせでしたが、営業部長から「今日は現場の工事部長も参加させてもらうのでよろしくお願いします」と突然の告知がありました。

営業と現場との連携に関する問題などの話をするのだろうと思っていたのですが、実際には全く違い純粋に現場の困った話をぶつけられたのです。

現場監督の意欲が落ちている

これは重大な問題でしょう。

最悪です。

工事部長Aさんとの会話です。

Aさん「森先生は営業指導のコンサルトと知った上でお話をしますけども、現場監督の意欲低下はどうすれば改善するのでしょうね?」
私  「モチベーションが下がっているんですか?」
Aさん「お客様と家づくりを一緒にするのではなく、ただただ流れ作業的に業務をこなす雰囲気が蔓延してるのですよ」
私  「クレームなどで嫌になっているのですかね?」
Aさん「もちろんクレームの問題もありますが、働き方改革によって、仕事を何かしら削らなくては前に進まなくなってしまっているんです。だから淡々と目の前の業務をこなす だけになっているんでしょうね」
私  「現場監督からどんな意見が出るんですか?」
Aさん「現場監督にお客さんへの連絡業務を削れば良いのでは?と言うんです」
私  「それはおかしいと思いますよ。お客さんとの接点がなければ余計にクレーム発生の原因になるでしょう」

こんな会話を営業部長を含めて一時間ほどにわたりしていました。

それにしても驚いたのは、働き方改革の一環としてお客さんへの連絡をやめることを求めてきた現場監督たちです。

秋に研修をやることになりました

この打ち合わせを受けて現場監督を対象にした研修を秋に行うのですが、今からどんなネタを持っていこうかと思案中です。

若手の現場監督の中には、人と接すること自体に苦手意識を持っている人もいるようで、とにかくお客さんとのやり取りが心理的な大きな負担になっているのです。

クレームを減らすべく業務改革を

これは現場監督だけではありませんが、クレーム産業と言われる住宅業界において、この問題を減らすのは主題目標というか喫緊の解決問題でしょう。

現場においてクレームを減らすことを目標にするのはもちろんですが、現場でクレームが度々出てしまうと紹介受注を目指している営業にとっても大きな痛手になります。

お客さんとの連絡は欠かさず行う

クレームを減らす重要ポイントはやはりこれでしょう。

難しい問題ではありますし、現場監督の心理的な負担も私は十二分にしています。

今はSNSの時代になり、現場監督とお客さんがLINEでやりとりするのが当たり前の時代になりました。

昔であればわざわざ連絡してこなかったような些細なことであっても、お客さんは気楽にスマホで送信してくるのです。

現場監督の中にはLINEの着信音を聞くたびに心臓がドキドキするような人もかなりいると思います。

しかし、 LINEの対応時間だけをしっかり決めた上で、 SNSによる施主とのやり取りをしっかりすべきです。

LINE➡ 携帯電話➡ ポケベル➡ 固定電話

時代をさかのぼっていくとこのような流れになるわけですが、わたくしが営業をやっていたのはポケベル時代です。

しかも、勤務していた支店ではポケベルを営業が持たされていなかったので、会社やお客さんから追い回されることはありませんでした。

事務所に帰って連絡用の大学ノートを見て、初めてどこからか電話があったことが分かる時代でした。

ポケベルを持たされていた支店の同期営業は「お前のとこはいいな、ポケベルがなくて。これが鳴ると心臓が止まりそうになるんだよ(笑)」

時代は全く違いますが、心臓が止まりそうになる気持ちは今も昔も同じでしょう。

巷では毎日のようにビッグモーターの事件をニュースやワイドショーが取り上げていますが、その中の一つに社内のLINE問題も毎日のように出ています。

あれは話にならない事件ですが、我々建設業界においては 現場監督とお客さんの連絡が疎遠になるようなシステムは 構築すべきではありません。

経営者の方に言いたいのですが、現場監督とお客さんの連絡は密に取らせるように徹底的に指導してください。

現場のトラブルをなくす基本的事項を徹底する

電球,男性

私は積水ハウス出身ですが、その当時何気なく行っていた業務が、実はトラブル防止の為の極めて有効策だったことに会社を辞めてから気づきました。

追加工事のトラブルをなくす

追加工事はトラブルの定番と言ってもいいでしょう。

最終図面を決めお客さんに印鑑をもらって工事に入るわけですが、工事の途中で追加工事を依頼されるケースは日常茶飯の事です。

しかし、これがトラブルの元に。

要は言った言わない問題なのですが、これを阻止するために積水ハウスではこんな手法をとっていました。

もったいぶってはなしていますが、内容はいたってシンプルかつ基本的なことの徹底です。

その都度追加工事契約書に印鑑をもらう

新卒で積水ハウスに入社したので、積水ハウスで教えてもらったことが世間の常識だと思っていました。

初契約のお客さんだったのですが、着工した日に私に電話が入ったのです。

お客様「森さん、ちょっとお願いがあるんだけど」
私  「何ですか?」
お客様「よく考えたんだけど神棚をやっぱりつけてほしいんだよね」
私  「はい、題ないと思いますので値段だけ聞いときますね」
お客様「金額ができたら教えてくれる?大した金額じゃないよね」

だいたいこんな会話を電話でかわしました。

金額は全く記憶にありませんが、設計から聞いた数字をお客さんに伝えて、それを店長に報告したところ「追加工事の契約書はどうなった?」と聞かれてキョトンとしたのを覚えています。

大きな金額ではないですし、お客さんも了承してくれたので、 引き渡しの時に請求書を渡して振り込んでもらえばいいかと思っていたのです。

ところが、店長にこう叱責されました。

「一円であっても追加工事が発生したら追加工事契約書を切ってサインと印鑑を貰え」

内心は「そんなこと教えてもらってないよ」と思いましたがその後はこのルールに従って業務を進めてきました。

後から気がついたのですが、これが言った言わないというトラブルを防ぎ、結果的にお客さんも私も気持ちよく家づくりを行うための最低限のルールだったのです。

とにかく文章で残す

積水ハウスでは色々教えてもらいましたが、その中でも大変勉強になったのが、すべてのことを文章で残すことです。

これを怠ると、厳しく叱責された記憶があります。

トラブルを避ける為には、どんな小さな金額でもしっかり処理するのです。

まとめ

「現場監督かやる気をなくしている」

非常に大きな問題です。

これは比較的規模の大きな住宅会社に現れる現象でしょう。

日常業務の中で、お客さんからいかに怒られないかだけをひたすら念じながら仕事をしているようでは、本人も不幸ですし会社にとってもいい状態ではありません。

あなたの会社の現場監督は大丈夫でしょうか。

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森住宅コンサルタント株式会社 森 雅樹

森住宅コンサルタント株式会社 森 雅樹

積水ハウスと超零細工務店での営業経験を積み独立。現在は工務店のコンサルティングや、セミナー、執筆などをメイン業務に活動。現場見学会は企画から携わり、営業マンロープレも自らが設定を考え客役となり実施。国土交通省の認可組織である住活協リフォームにおいては全国加盟店向けに営業アドバイスなどを行う。 twitter・・https://twitter.com/iezukuri21 Instagram・・https://www.instagram.com/iezukuri21/ note・・https://note.com/91008082 youtube・・https://www.youtube.com/user/mo9100/videos

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