工務店の集客方法|新規客ゼロから初契約を取った名簿活用の事例

新規客がゼロになった工務店の集客方法として私が勧めるのは、ベテランが敬遠しがちなセンターハウス名簿への電話です。2年前には、ストックがゼロだった新卒営業がこの名簿に軒並み電話をかけ、10件目ほどでアポを取って初契約につなげました。
本記事では、センターハウス名簿の使い方とSNSでの発信を中心に、新規客がゼロになったときの工務店の集客方法を解説します。
新規客ゼロの工務店にも集客方法は残っている
新規客がゼロになる事態は、工務店の経営者でも大手ハウスメーカーの営業社員でも、実際に直面すれば背筋が凍る課題です。
しかし、住宅営業はもともと新規客ゼロから始めて、そこからお客さんを探し出すのが本来の仕事です。
新築着工数が従来の1/100に減ったのならどうしようもありませんが、半減した程度であれば、営業力でかなりの部分を取り戻せると私は考えています。
実際、住宅展示場の中には、昔も今もフリーのお客さんが全くと言っていいほど来ないところがあります。そうした住宅展示場でも、営業社員がなんとかお客さんを見つけ出して接触し、契約につなげた例はいくらでもあります。
住宅展示場の集客方法で定番のセンターハウス名簿
センターハウス名簿への電話はコテコテの営業手法ですが、住宅会社はこういう地道な作業を忘れてはならないと私は思います。
センターハウス名簿の仕組み
センターハウス名簿は、総合住宅展示場の中で各ハウスメーカーが個別に受付をするのではなく、センターハウスで一括して受け付けたときに入手できる来場者の名簿です。お客さんは各モデルハウスで記入する必要がなく、一般的にはQRコードを読み取ってスマホ1つで手続きを済ませます。
各社に情報が渡るのを嫌うお客さんは受付に応じませんが、気にせず応じるお客さんもたくさんいます。総合住宅展示場によってルールは違いますが、各ハウスメーカーはセンターハウス名簿のお客さんに自社の裁量でアプローチしてよいことになっています。
ベテランが敬遠するから若手の狙い目になる
ところが、中堅以上のベテラン営業になると、センターハウス名簿を敬遠するのが常です。名簿だけではお客さんの真剣度や中身がよく分からないこともありますが、ベテラン営業の偽らざる本音は、仲介会社から来るお客さんとがっつり折衝したいというところにあります。
ベテランが敬遠するセンターハウス名簿にこそ、目を付ける価値があります。名簿の分母が多ければ、その中に当たりのお客さんが紛れています。
センターハウス名簿で新卒営業が初契約を取った事例(2年前・群馬県)
ここで紹介するのは、工務店の経営幹部はもちろん、できれば入社1年目・2年目の営業社員にも聞いてほしい実例です。住宅業界の人間なら誰もが知っている、破竹の勢いで伸び続けているハウスメーカーがあり、そのハウスメーカーの当時の新卒社員が、2年前の9月に初めて契約を取りました。
仲介会社経由のお客さんは若手に回ってこない
新卒社員の彼が配属されたのは群馬県の総合住宅展示場で、この住宅展示場は4〜5年前から集客がガタ落ちになり、フリーのお客さんを取るのが極めて難しい状況にありました。いまはフリーのお客さんではなく、LIFULLやSUUMOといった仲介会社を経由してお客さんが来るので、さほど深刻ではないと思われるかもしれません。
しかし、それは中堅社員以上の話です。
仲介会社の紹介で来るお客さんは、基本的に力のある社員が担当し、住宅会社にもよりますが、若手社員にはほぼ当たらないケースが多くあります。
新卒社員の彼もまさにこのケースで、住宅展示場には予約のお客さんがそれなりにいたものの、フリーのお客さんが本当に来ないため、手元にはストックが全くと言っていいほどありませんでした。
名簿に軒並み電話をかけて10件目ほどでアポが取れた
新規客を手に入れるルートがセンターハウス名簿くらいしかなかったので、新卒社員の彼は名簿のお客さんに軒並み電話をかけました。10件目ぐらいで偶然つながったお客さんとは、次のやり取りで二つ返事でアポが取れました。
新卒社員「一度お話をしたいのですが」
お客さん「分かりました」
このお客さんはかなり特殊なケースでした。
センターハウスで住所や氏名を記入したお客さんは、通常その足で複数の住宅会社のモデルハウスに入ります。
ところが、このお客さんは受付の直後に勤務先から緊急の電話が入り、一社も見学せずに帰っていたのです。
その後もしばらく住宅展示場に足を運ばなかったので、結果としてどの住宅会社もこのお客さんにアプローチしていませんでした。
なかなか無いケースですが、確かに考えられるパターンではあります。
新卒社員の彼はまだ契約を取ったことがなかったため、初回面談から先輩がびっちり付き、実際の商談はほぼ先輩が取ったに等しいものでした。それでも結果的には彼の初契約となり、実績も付きました。
新卒の営業社員が早い時期に初受注を取った進め方は、新人営業の初受注の事例で解説しています。
新卒研修で教えていたセンターハウス名簿の電話作戦
実は、新卒社員の彼が所属するハウスメーカーの新卒研修を私が引き受けていて、研修の題材としてセンターハウス名簿への電話作戦を取り上げていました。彼はその内容を覚えていて、新規客がなかなか手に入らないときに名簿へ電話をかけたのです。
「私が教えてやったんだ」
ちょっと偉そうに書きましたが、この手法は定番中の定番です。
私が言わなくても、ほかの人もみんな同じことを言っているので、間違いなく正しいやり方の一つと言えます。
総合住宅展示場にモデルハウスを構える住宅会社に勤めているなら、営業社員はこのコテコテのやり方を常に頭に入れておいてください。
SNSによる集客はInstagram以外も総動員して続ける
住宅営業のSNSと言うと、まず頭に浮かぶのはInstagramです。Instagramは住宅会社が主導で運用するのが主だと思うので、それはそれで続けていただき、そのうえでYouTube、X、LINEなど、ほかのSNSもすべて総動員することがポイントです。
とはいえ、すべてを同時並行で続けるのは至難の業です。
私もYouTubeとXをやっていますが、この2つだけでもかなりの手間がかかり、InstagramやFacebookはアカウントを持っているものの全く手が回っていないのが実情です。
どこまでやるかは各社の事情によるので私からあれこれ言えませんが、その事情を横に置いて言わせていただくと、可能な限りSNSで発信することが必ず新規獲得につながると考えてください。
「こんなことやっても誰も見てないだろう」
住宅会社の担当者はどうしてもこう考えがちですが、SNSはそういうものではありません。
もちろん完成度が低ければ話になりません。
それでも、一定のレベルを保つことと、諦めずに地道に続けることの2つの条件がそろえば、SNSの発信は高い確率で新規客の獲得に結びつくと私は断言します。
工務店がInstagramで見学会に人を集めた実例は、工務店のSNS集客事例で解説しています。
工務店の集客方法は他社がやっていないことから選ぶ
Instagramのように、どの住宅会社もやっている集客方法は、自社もやらざるを得ません。
しかし、最も効果が大きいのは、他の住宅会社がやっていないことを自社がやることです。
センターハウス名簿の攻略法は、みんなが知っているのに面倒くさいのでなかなか手を付けない方法の典型です。
総合住宅展示場に出展していない工務店は自社の名簿を掘り起こす
センターハウス名簿を使えるのは、総合住宅展示場に出展している住宅会社だけです。出展していない工務店でも、過去の見学会や資料請求で集めたまま追客が止まっている名簿があれば、センターハウス名簿と同じ考え方で使えます。
追客が止まった名簿の掘り起こし方は、過去名簿を使った源泉営業の進め方で解説しています。
工務店の営業社員は、名簿の中でまだ誰も電話していないお客さんを洗い出し、軒並み電話をかけて「一度お話をしたい」とアポを打診します。地域を回って新規客を探す方法は住宅営業の探客方法で解説しています。
アポが取れた案件に先輩が同席する体制を決めておく
工務店でも、群馬県の事例のように、名簿への電話は若手に任せ、アポが取れた案件には初回面談から経験のある社員が同席すると先に決めておけば、若手はアポ取りに専念できます。アポの取り方は住宅営業のアポ取りと他社との差別化で解説しています。
まとめ
新規客がゼロになっても、住宅営業はもともとゼロから顧客を探し出す仕事です。
群馬県の新卒営業は、ベテランが敬遠するセンターハウス名簿に軒並み電話をかけ、2年前の9月に初契約を取りました。
SNSも、一定の完成度を保って諦めずに続ければ、新規獲得の手段になります。
工務店の集客は、どの住宅会社もやっている方法を続けながら、他社が面倒で手を付けない名簿の掘り起こしを自社がやることで差が付きます。
ぜひ本記事の新卒営業の事例を参考に、センターハウス名簿や自社の名簿の地道な掘り起こしを始めてください。



