不動産・住宅の飛び込み営業で家は売れる?9棟売った訪問先の選び方

飛び込み営業でも戸建て住宅は売れます。
私は積水ハウス時代に飛び込み営業で9棟を販売しました。
築42年の市営住宅30世帯を回ったときには、2世帯から「建築予定はありますよ」という答えをもらいました。
本記事では、不動産・住宅の飛び込み営業で回るべき訪問先と実際の訪問結果、かつて行われたナンバープレートの飛び込み営業の手口を解説します。
飛び込み営業で戸建て住宅は売れるのか(不動産・住宅営業の源泉営業)
不動産業界で源泉営業と呼ばれる飛び込み営業は、お客さんからの問い合わせを待つ反響営業とは真逆の手法です。不動産営業と住宅営業では仕事の内容が異なりますが、住宅展示場の集客がなくなれば、住宅会社の営業社員も、飛び込み営業とまではいかなくても自分の足で新規客を見つけに行くしかありません。
工務店が自社の工事現場の周辺を訪問して見学会に誘う方法は、工務店の源泉営業の進め方で解説しています。
闇雲な飛び込み訪問で戸建て住宅が売れるのか、という疑問はもっともです。
私は積水ハウスに在職していた時代に飛び込み訪問をさんざんやりました。
その結果、9棟を飛び込み営業で販売しました。
積水ハウスの知名度が有利に働いたケースもありました。
それでも、私が飛び込み訪問で家を建てる予定の人を見つけたことは動かしがたい事実です。
住宅営業の世界でも飛び込み営業は厳然と存在し、大手ハウスメーカーを中心に、この手法をとる住宅会社は今もたくさんあります。
新型コロナウイルスが世界中で流行している状態では、飛び込み訪問は下火になっています。
それでも私は、流行が収まって正常に戻れば、飛び込み訪問で高額な商品が売れる時代が再び来ると思います。
飛び込み以外の新規客の探し方は、住宅営業の探客方法で解説しています。
住宅営業の飛び込み営業で回るのはアパートと公営団地
住宅営業の飛び込み訪問は、アパートへの訪問を徹底的に繰り返すのが基本です。
アパートに住んでいる若年層は住宅取得の予備軍です。
そのため、営業社員が訪問を重ねていけば、必ず家を建てる人に当たります。
アパートに住む人ではなく、アパートを建てる地主を回る営業の進め方は、土地活用営業での地主への提案のコツで解説しています。
関東地方のある県庁所在地には、次のようなデータがあります。
某ハウスメーカーが市内の県営団地と市営団地を調査しました。
その結果、1年につき40世帯あたり1.5世帯が家を新築して団地を出ていることが分かりました。
大手ハウスメーカーには膨大な契約データが存在します。
例えば、群馬県高崎市内で10年間に契約したお客さんのデータを調べるとします。
その場合、県営住宅や市営住宅の居住者が契約した数は一瞬で出てきます。
ハウスメーカーはその数を公営住宅の全戸数と比べるだけで、契約者の比率を簡単に出せます。
仮に、100世帯あたり1世帯が1年間にそのハウスメーカーと契約し、戸建て住宅を手に入れているとします。
この場合、高崎市内の県営住宅から100世帯をピックアップすれば、理論上はその中の1世帯が1年以内に契約するという計算が成り立ちます。
実際にはほかのハウスメーカーや工務店で家を建てる人もいます。
そのため、潜在顧客はこの2倍以上眠っていると想定できます。
あとは数の理論です。営業社員がこの比率をもとに動けば、県営団地に的を絞った営業戦略が成り立ちます。
社内の契約履歴から見込客の多い場所を絞り込む方法は、住宅営業のデータ活用術で解説しています。
古い公営住宅が飛び込み営業の狙い目になる理由
きれいなアパートでももちろん良いのですが、古い公営住宅は、飛び込み訪問で超狙い目と言ってもいいターゲットです。
例えば、家賃25,000円で築45年の公営住宅があるとします。
周辺にあるほぼ同じ平米数の新しくおしゃれな民間マンションは、家賃が3倍から4倍はすると思います。
仮に3倍の75,000円だとすると、差額は毎月5万円、年間で60万円になります。
5年間では300万円の現金が手元に残る計算です。
古い公営住宅で我慢して暮らしている人は節約意識が高いので、より多くの頭金を確保していると想像できます。私はこの理論を頭から信じていたので、営業エリアにある古い公営住宅を徹底的に飛び込み訪問しました。
築42年の市営住宅30世帯を飛び込み訪問した結果
私が公営住宅をさんざん回って気づいたのは、公営住宅には2種類の人が住んでいるということです。
1つは家を建てるためにお金を徹底的に節約している人です。
もう1つは、所得が少ないので家賃の安い公営住宅に住んでいる人です。
築42年の古い市営住宅を飛び込み訪問したときのことです。
その市営住宅は1棟あたり30世帯あり、私は全世帯に2回ずつ訪問しました。
2回回っても不在か居留守で会えなかったのは13世帯でした。
玄関を開けてもらえず声だけ聞けた世帯も含めると、話ができたのは17世帯でした。
17世帯のうち、明らかにマイホームなど検討外という方が12組でした。
ところが、残る5世帯のうち、なんと2世帯が「建築予定はありますよ」と明快に言い切ったのです。
ただ、私は、30世帯の公営住宅があれば1件か2件は真剣にマイホームを考えている人がいると体感的に分かっていました。そのため私はさほど驚かず、「この棟には2人いたな」と思っただけでした。
残念ながら、このときは2件とも契約に至らないどころか、折衝状態に持ち込むことすらできませんでした。しかし、私は何の情報もない中で、家を建てる人を営業の足で見つけ出したのです。
飛び込み訪問を会話力を鍛える場として続ける考え方は、住宅営業のアポなし訪問で解説しています。
今はできないナンバープレートの飛び込み営業
50歳以上の営業社員であれば経験があるかもしれません。一方、20代や30代の営業社員はおそらく聞いたこともない飛び込み営業の手法が、かつて存在しました。
住宅展示場の駐車場で来場者の車のナンバーを控えた手口
住宅展示場には、お客さんが車でやって来ます。
総合住宅展示場に来た人は家を建てる強い意志を持っていると推測できるので、住宅営業ならアプローチしたいところです。
しかし、大きな総合住宅展示場では、お客さんが自社のモデルハウスに入ってくれるとは限りません。
自社のモデルハウスに入ってもらえなければアンケートを取れないので、営業社員には住所も氏名も分かりません。
そこで発明されたのが、お客さんの車のナンバーをこっそり控え、後日陸運局に行って住所を調べるという恐ろしい手口です。この手法が禁止される前の、30年以上前の時代には、こうした営業手法が可能でした。
大学の同級生が立ち上げたHホームの受注方法
私の大学時代の同級生の実話です。
同級生は大学卒業後に大手ハウスメーカーに就職し、いろいろあって8年後に退職しました。
退職と同時に、同級生は仲間4人と協力して北海道で住宅会社を立ち上げました。
同級生たちはHホームという名称で営業を始めましたが、Hホームには展示場もショールームもまったくありませんでした。
それでも、Hホームの受注は絶好調でした。
まさにコバンザメ商法です。
同級生たちは札幌市内の総合住宅展示場の駐車場が見える場所に陣取り、倍率の高い双眼鏡で駐車場に止まっている車のナンバーを全部チェックしたそうです。
同級生たちは土日に集めたナンバーをもとに、翌日の月曜日に陸運局で住所と氏名を調べ上げました。
あとは飛び込み訪問を装って、そのお宅に顔を出すわけです。
信じられない話ですが、個人情報保護法の気配すらなかった時代の実話です。
まとめ
飛び込み営業でも戸建て住宅は売れます。
訪問先はアパートと公営団地です。
なかでも、節約して頭金を貯めている人がいる古い公営住宅が狙い目です。
ハウスメーカーは自社の契約データから比率を出せば、県営団地に的を絞った営業戦略も立てられます。
築42年の市営住宅30世帯の訪問では、話ができた17世帯の中に2世帯の建築予定者がいました。ぜひ本記事の市営住宅での訪問結果を参考に、営業エリアの公営住宅から飛び込み訪問の計画を立ててください。



