経済産業省が実名公表に踏み切る ①タマホーム ②一建設 ③美和ロック

経済産業省が実名公表に踏み切る ①タマホーム ②一建設 ③美和ロック

1月21日に経済産業省が、タイトルにある3社を実名公表に踏み切ったのはご存知でしょうか。

役所が実名公表というと、悪徳企業を発表するイメージしかありませんが、今回はどういうことなのでしょう。

一般的に悪徳企業を公表するときは、消費者庁のはずです。

ところが、今回は経済産業省が発表していることに着目してください。

これは消費者に対する悪徳行為ではなく、相手は法人になるからです。

ただ、悪徳行為という言葉はちょっときつすぎるかもしれません。

しかし、関係する企業にとっては「ひどい会社だよな」 と思うのも仕方がないと私は思います。

具体的に何があったのかは、本編を是非ご覧ください。

価格交渉に応じなかった下請けいじめに該当したか

まずは新聞記事をそのままご紹介したいと思います。

【時事通信社より】

経済産業省は21日、取引先中小企業との価格交渉や価格転嫁に後ろ向きな発注企業名を公表し、大手住宅建設会社のタマホームや一建設(東京)、錠前メーカーの美和ロック(同)の3社に価格交渉の項目で最低評価を付けた。

タマホームは昨年の前回調査でも最低評価を受けており、2度目となる。国は低評価の企業経営者に指導や助言を行い、取引改善を求める。

タマホームの担当者は「実態を調査確認の上、適宜対応していく」と回答した。

経産省は昨年9~11月に全国の中小企業約30万社を対象にアンケート調査を実施し、約5万1000社から回答があった。

うち10社以上の中小企業から主要取引先として名前が挙がった211の企業について、価格交渉と価格転嫁の状況をそれぞれ4段階で評価。

国土交通省や東京都など中央省庁や自治体についても、初めて評価結果を公表した。

引用はここまでにします。

昨今の異常な物資の高騰は皆さんご存知の通りですが、 住宅会社としては当然のことながら、下請けに入る業者さんから値上げの要望があちらこちらから入る現状になっています。

もちろん、そのまま全て受けるわけにはいかないので交渉が発生するのですが、その交渉がめちゃくちゃ渋いということです。

タマホームにおいては2年連続でこれに該当したので、経済産業省が実名公表に踏み切ったというのが事の顛末 です。

業者には辛いがお客さんはこれをどう捉えるのだろうか

該当の業者さんにとってはたまらないと思います。

資材は上がるのにそれを受けてくれるタマホームが値上げ交渉に応じないわけですから、自社の利益がどんどん 圧迫されることになるからです。

しかしながら、エンドユーザーがこのニュースを見ればどのような感想を抱くでしょうか。

本来であれば住宅価格が高騰するのに、下請けを叩いてることによって本体価格が安く抑えられているのではないか、と考えるかもしれません。

ただ、現実問題としては、それがお客さんのメリットになる価格にはなっていないでしょう。

タマホームの決算をここで長々と解説する気はありませんが、色々と厳しい数字が出てるのは事実です。

こう考えると、下請けからの価格値上げ交渉を抑え込んだとしても、それがそのまま消費者に還元するとは考えにくいでしょう。

タマホームが消費者からどう見られるかという点では、展示場の階段のビスを写したX投稿から和解までの経緯と、写真撮影やアンケートの扱いを住宅展示場のSNS投稿への備えで解説しています。

タマホームはなぜあんなに元気なのか

話は横道にそれますが、20年ほど前のタマホームは業界で悪評だらけでした。

私も当然いろいろな話を耳にしましたが、話す人話す人 すべてが「いつまで持つだろうね、あの会社は」 というものばかり。

あのやり方を見ていればこう考えるのが自然でしょう。

しかし、その後の大躍進は皆様の知るところです。

なぜここまで大きくなったかは私もよくわかりませんが、その当時噂をしていた人たちの予想はことごとく 外れたということになります。

これと同じようなことは、アイ工務店に関してもちょくちょく言われています。

当時のタマホームを彷彿とさせるような快進撃を続ける アイ工務店ですが、本当にこのまま 順調に伸びるかどうか不安視する人がいるのはやむを得ないでしょう。

しかし、タマホームの予想を大きく外した人たちは、なんだかんだと言って、アイ工務店 もこのまま確固たる地位を築く可能性も十分にあると思っているようです。

一建設

記事の中には一建設も出ていますが、一般的には知名度はほぼない会社となります。

業界人の我々はもちろん知っているわけですが、おそらく普通の方は「そんな会社聞いたことがない」となるでしょう。

タマホームと同様に低価格の住宅を大量に供給している会社ですが、会社の営業方針を考えると、価格を上げるということは極めて危険な選択となります。

その影響で価格交渉には極めて厳しい態度をとっているのでしょう。

今回このような形で経済産業省が会社名を公表しましたが、いわゆる消費者に対する悪徳営業ではないので、影響は、ほぼないと私は考えています。

ローコスト住宅は今後どうなるのだろうか

タマホームといえばローコストメーカーの代名詞でしたが、ここ最近はそのようなイメージからはかなり遠ざかった感じがします。

色々オプションをつけていくと、タマホームで家を建てても一般的なメーカーと ほぼ変わらないどころか、逆に高くなるケースもあります。

しかし、若い方にとっては、タマホームがローコストメーカーとのポジションだったことを知らない人も多いと思うので、その観点からも特に問題はないような気がします。

ローコストの時代は終わったという論調が業界の主流を占めてる感じがしますが、あえてそちらの方に舵を切る会社があるのも事実です。

詳しくは別のコラムでお話ししたいと思いますが、あるフランチャイズは、メインで売っている商品の価格高騰があまりにも激しいので、それとは別に単価の安いブランドを新たに立ち上げて販売を開始しました。

しかし、資材をケチるとか安くしてるわけではありません。

売り方をシンプルにして、手間を省くことによりコストを下げているのです。

今度こちらの社長とリモートで打ち合わせをするので、その時に「内容を少し書いてもいいですか?」と許可だけ取らせてください。

おそらくは全く問題ないと思いますが、念のために許可を取った後記事にさせていただきます。

まとめ

細かい内容を私は知る由もありませんが、あのような形で国から名前が公表されることは、少なくともプラスにはならないでしょう。

大きなマイナスにもならないとは思いますが、私がエンドユーザーであれば、おそらく避けてしまうでしょう。

ただし、それは私が業界の人間だからかもしれません。

ところで、本文では美和ロックのことは紹介しませんでしたが、タマホーム、一建設、と合わせて3社とも住宅関連企業だったというのが、何とも言えないニュースでした。

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