住宅の消費者相談で増えた施主の不満|600万円値引きとInstagram

住宅の消費者相談で増えた施主の不満|600万円値引きとInstagram

私が毎月応じている住宅の消費者相談では、大幅な値引きへの不信と、写真で伝えたイメージが工務店に伝わらない不満の2つが目立っています。積水ハウスに決めた直後に地元ハウスメーカーから600万円の値引きを示された相談者もいれば、指定した蛇口は付いたのに家全体のバランスがおかしくなった相談者もいます。

本記事では、消費者相談の実例をもとに、いまのお客さんが値引きや家づくりの打ち合わせで何に不安を持っているかを解説します。

住宅の消費者相談に30年応じてきた私の経緯

住宅営業の指導と並行して続けてきた相談

私の本業は住宅会社の営業全般に関する指導ですが、一般消費者からの住宅相談にも毎月のように応じています。

私はもともと一般消費者向けに独立したこともあり、今でも消費者向けのWeb記事をたくさん書いています。

相談者の多くは、その記事を読んで私にたどり着いた方です。

私は消費者相談を30年にわたって続けています。

初期の頃は相談料の3,000円を切手で郵送してもらうという懐かしいやり方で、そのときのお手紙や参考写真は今も手元にあります。

相談を受けていると、面白い内容や時代の傾向がはっきり現れるので、私にとっても興味深い仕事です。

ミサワホームの掘り込み駐車場の相談

手元に残る相談の中には、ミサワホームの案件もあります。

お客さんが掘り込み駐車場に車を入れたところ、幅が狭くて車のドアを十分に開けられないという相談でした。

結果としては、お客さんが泣き寝入りした形になりました。

今も昔も、こうした消費者の不満はたくさんあるのでしょう。

消費者相談で増えた値引きへの不信(ハウスメーカーの600万円値引き)

住宅業界で横行する「今月まで」の値引きトーク

住宅業界では、契約条件として、最後の最後に次のようなトークが横行しています。

「今月までに契約してくれれば50万円を引きましょう」「決算月になりますので支店長に相談すれば結構引けると思います」

住宅会社が出す値引きの中には、契約を取りたいがためのデタラメなインチキ値引きもあれば、純然たる問題のない値引きもあります。

積水ハウスに決めた後に600万円引くと言われたAさん

相談者のAさんとは、リモートで住宅相談をしました。Aさんの相談の1つが、地元の住宅業者による値引きの件です。

「色々検討した結果最終的には積水ハウスに決めましたが、並行して2社の地元ハウスメーカーと交渉もしました。その中の1社が私が積水ハウスに決めると言ったら、見積もりから600万円引くって言ったんですよね。にわかに信じられないのですが、こんなことってあるんですか?」

私はその見積もりを見たわけではありませんし、実際に見積もりを見ても、中身がふかしてあるかどうかは簡単に判断できません。ただ、いきなり600万円という大きな額の値引きを提示されれば、お客さんが「最初に言われた金額は何だったのだろうか」と疑問を持つのは当たり前のことです。

値引きに関する相談は以前からありましたが、私の肌感覚では、大手も含めて値引き額を大きく見せる値引き商法が以前より激しくなっています。値引きの情報が激しくなった分、お客さんが疑いの目で見るケースも増えたと私は感じています。

値引き以外にも、何を聞かれても即答する受け答えでお客さんが不信感を持つことがあり、その場面は住宅営業の即答が招く不信感で解説しています。

消費者相談で最も多い「イメージが工務店に伝わらない」不満

昔も今も、お客さんは工務店の営業や社長に自分のイメージを伝えるのに四苦八苦しています。

私がお客さんから聞く意見の中で最も多いのは、自分たちの意見を工務店がうまく汲み取ってくれないという不満です。

ただし、伝え方の中身は昔と比べてかなり変わりました。

SNSの普及で変わったイメージの伝え方

SNSが普及する前は、プロである工務店がお客さんにイメージヒアリングをするとき、分かりやすい言葉で語りかけたり、写真を見せて「どの写真があなたのイメージに近いですか」と聞いたりしていたはずです。今は逆に、お客さんがInstagramなどの写真を見せて、「こんな風にして欲しい」と次から次へと要望を伝えてくるようになりました。

お客さんは自分のイメージにぴったりな写真を見せているので、工務店が自分の要望をほぼパーフェクトに理解してくれていると考えています。ところが、工務店側の感性が鈍いと、施工結果がお客さんの見た写真と大きく違ってしまい、トラブルになるケースが散見されるようです。

「うちの会社でそんな事例はないよ」という工務店は、たまたま事例がなかったか、一定のレベルをクリアしている工務店ということになるでしょう。現実には、お客さんのイメージがうまく伝わっていないケースが多いのです。

ドアの枠が和風になったBさんの家

今から1年ほど前に、Bさん(女性)から次のような話を聞きました。

「InstagramはもちろんですがPinterestなども駆使して工務店の社長にイメージを伝えました。それに対して社長は分かったという表情を浮かべていたのでかなり安心してたのですが、実際に物ができると明らかにおかしいんですよ。例えば寝室のライティングや洗面台の蛇口などは指定したものをしっかり納品してくれたのですが、バランスがおかしいんです。言葉では説明しづらいのですが入り口のドアの部分の枠がなんだか和風な仕様になっていて・・・」

Bさんの家は、品番を特定できるものは間違いなく付いていたものの、全体的な色合いなどのバランスがおかしく、妙な家になってしまったのです。打ち合わせで奥さんの好みを聞き出す接客は、ハウスメーカーの営業トーク事例で解説しています。

まとめ

住宅の消費者相談には、その時代のお客さんの不安がはっきり現れます。値引き額を大きく見せる商法が激しくなったことでお客さんの疑いの目も増え、InstagramやPinterestの写真で伝えたイメージが工務店に伝わらないという不満も多く寄せられています。

ぜひ本記事の消費者相談の事例を参考に、値引きの出し方と写真での要望の受け止め方を自社の商談で見直してください。

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