土地活用営業のコツ|アパート営業で地主を落とす体験談と提案4つ

土地活用営業のコツ|アパート営業で地主を落とす体験談と提案4つ

SNSには、「〇〇建託の営業が突然やってきてとにかく迷惑だし、しつこいの何ので頭きた!」という書き込みがあちこちにあります。

それでも、アパートで受注を取っている土地活用営業の営業社員は、30年前と変わらず地主の家を直接訪ねる手法をメインにしており、繰り返せば一定の数字が取れています。

ただし、地主さんとの商談では、収支の説明だけでなく、10年目以降の入居率を説明できる提案が大事です。熊本県のように、現在アパートの大特需が起きている地域も数多くあります。

本記事では、積水ハウスのアパート課にいた私の経験と、田舎の地主から受注した営業社員の事例をもとに、土地活用営業の仕事内容と受注のコツを解説します。

土地活用営業の仕事内容と戸建て住宅営業との違い

私は積水ハウスで戸建て一本の住宅営業人生を送ってきましたが、実はアパート課に籍を置いたこともあります。研修やセミナーでは一切しない話ですが、私自身もアパート課で営業をしましたし、アパート部門の情報もいろいろ入ってきます。

アパート課の土地活用営業は、地主さんを探し出し、空いている土地にアパートを建てませんかと持ちかける営業です。

新築の戸建てとは働き方がまったく違い、アパート課の営業社員は住宅展示場ではなく支店のビルに出社しました。

営業社員はお客さんを待つのではなく、さまざまな手法を使って自分から地主さんに当たっていきます。

私がいたアパート課は、朝から晩まで外回りをするようなハードな営業ではありませんでした。

それでも私は、1週間に1回程度は名簿を頼りに地主さんを回ったことを覚えています。

地主さんを探す前の地域の調べ方は、住宅営業の探客方法で解説しています。

アパート建築の土地活用営業は今も地主回りが基本

土地活用営業でいちばん効果がある手法は、今も昔も地主回りです。地主を徹底的に訪問して落としていく有名なアパート建築会社がありますが、そのアパート建築会社も30年前と今とで、やり方は基本的に変わっていません。

高額な歩合給と営業社員の退社の多さ

地主回りで有名なそのアパート建築会社は、退社する営業社員が多いことでも有名なので、元社員があちこちにいて、私のもとにも情報はいくらでも入ってきます。

元社員の話では、そのアパート建築会社は高額な歩合給を設定し、建築請負契約を取った営業社員にドンと報酬を出しています。

パソコンやSNSを使った営業を取り入れているケースもありますが、営業社員は基本的に地主の家を直接訪ねて、アパート計画の話に持っていきます。

数字が上がれば相当の収入が約束されるので、営業社員もガンガン地主の家を回ります。

評判が悪くても一定の数字が取れる理由

地主回りは、地主さんの根負けを狙う営業手法です。

私としてはおすすめできない手法ですが、繰り返せば一定の数字が取れるのも事実で、いつまでたっても廃れないのは一定の営業効果があるからです。

地主さんの中には、こうした営業を「熱心だ」と受け止める人もいれば、「根負けしたよ」と言う人もいます。

土地活用の提案は10年目以降の入居率で組み立てる

地主さんを具体的な話に持ち込むまでは大変ですが、ここではその後の提案について説明します。地主さんが商談でいちばん気にするのは収支で、営業社員もそれに合わせて収支の話ばかりしてしまうケースが、30年前ならともかく今もまだ見られます。

アパート営業で大事なのは10年目以降の入居率で、営業社員がいちばんアピールしなければならないのは、古くなっても入居者にとって魅力のあるアパートだということです。この部分が抜けている営業社員がいかに多いかというのが、私のいつわらざる感想です。

間取りと外観で20年後も選ばれる理由を説明する

古くなっても魅力があることを伝える手段の一つが間取りです。営業社員は具体的な家族構成を示したうえで、提案したプランがその入居者に魅力的に映る理由を地主さんに説明してください。

ごく簡単な事例で説明します。

提案する図面が対面キッチンで、キッチンに立った奥さんがアパートの部屋中を見渡せる間取りだったとします。

この場合、営業社員と地主さんの会話はこうなります。

営業「この間取りは小さなお子さんがいらっしゃるご夫婦には非常に訴求力があります」

地主「対面キッチンなどよくあるじゃない」

営業「確かにおっしゃる通りです。対面キッチンのアパートはたくさんありますが、私が今ご提案してる間取りは、対面キッチンから部屋のほぼ全てが見渡せるので、小さなお子さんがいても目が届くんです」

地主「なるほどね」

建築後20年たっても、不動産屋さんがこの点をアピールすれば入居者は十分に入ります。

外観も、借主さんがアパートを決める要因の一つです。

室内があまりにもしょぼくては話になりませんが、古くても外観がきれいに保たれているアパートは、入居率が高くなる傾向があります。

営業社員は「おしゃれですよ」と言うだけで終わらせず、20年たってもおしゃれに見える理由を地主さんに説明してください。

入居率の保証と借主の需要予測

保証の話をしなければ、営業社員は建築請負契約を取れません。

ただ、地主さんにも昔と違って情報が相当入っているので、「10年目までは入居率を保証しますが、その後は家賃交渉させていただきます」という営業は通じなくなっています。

新築後10年のアパートは黙っていても借主さんがつくので、地主さんがさほど心配する必要はなく、問題はその後の入居率です。

需要と供給の説明も欠かせません。

熊本県では、台湾の半導体メーカーの進出によってアパートの特需が起きています。

5年前にこの情報を得るのは普通は無理ですが、営業社員はアパート営業をするときに、借主が現状より減るのか増えるのか、競合となる新築アパートがどの程度建つと予測するのか、といったシミュレーションもしてください。

簡単にできる内容ではないので、できるならばという話です。

田舎の地主から8世帯のアパートを受注したお土産の体験談

提案の中身を固めるのが前提ですが、田舎の地主さんを落とすときには、今でもコテコテ営業が通用するケースが多々あるようです。半年前に、私が某営業社員から直接聞いた話を紹介します。

その営業社員は40代半ばの男性で、飛び込み訪問を繰り返して地主さんを捕まえるという古典的なやり方をしています。

戸建て住宅を飛び込み訪問で売る場合に、どの家を回るかの考え方は、住宅の飛び込み営業で狙う訪問先の選び方で解説しています。

自腹で用意した田舎のお土産

40代半ばの営業社員は、ある田舎の地主さんに目をつけ、3~4回ほど通った後に、自分の田舎から買ってきたお土産を70代の地主さんに持って行きました。地主さんの男性も最初は断ったそうですが、営業社員の一言で受け取ってくれたそうです。

営業「回らせてもらってるお宅に全部配らせてもらってますので、お気にせずにどうぞ!」

地主「そうかい、ありがとう」

しかし、全部に配っているというのは営業社員の大嘘です。営業社員はこの地主さんをもうひと押ししたいと考え、自腹を切ってお土産を用意したのです。

縁側で1時間話した次の訪問で受注

お土産を渡した次の訪問では、なんと地主さんの奥さんがお茶を出してくれて、営業社員は縁側で1時間ぐらいどうでもいいような話をして過ごしたそうです。その後、営業社員はお茶を飲みながらタイミングを見計らってアパートの話を出し、収支計画書を出して1棟8世帯のアパートを受注しました。

いつの時代になっても、コテコテ営業は一定の力を発揮します。訪問の後にお礼を伝える方法は、口下手な住宅営業のお礼状とショートメール活用で解説しています。

まとめ

土地活用営業は、住宅展示場でお客さんを待つ戸建ての住宅営業と違い、営業社員が地主さんを探して当たっていく仕事です。私は朝から晩まで地主への飛び込み訪問を続けるやり方は好きではありませんが、地主回りは今も昔も立派に通用し、受注も取れます。

地主さんとの商談では、収支だけでなく、間取りや外観が20年後も入居者に選ばれる理由、10年目以降の保証、借主の需要予測まで説明できるかで差がつきます。

ぜひ本記事のアパート営業の事例を参考に、地主さんへの提案を10年目以降の入居率から組み立て直してください。

あなたへのおすすめ