ライバルより多くの新築受注 受注テクニック

ライバルより多くの新築受注を私ができた理由をお話しします⑤・・・想定問答集を作成した

ライバルより多くの注文住宅を私が受注できた理由をお話しします①・・・行動量

想定問答集と聞くと立派なものを想像するかもしれませんが、端的に申し上げますと、ある程度の応酬話法を考えてメモをしたものとお考え下さい。

「積水ハウスは鉄骨構造です」と話した時に「鉄骨の家はあまりピンとこない」と言われたら、どのように対応しようかという想定問答集です。

これはまだ初歩的ですが、例えば「積水ハウスは鉄骨構造です」に対して「火災の時は木造住宅よりもかえって危険だと耳にしたのですが」と切り替えされたら若干戸惑いますよね。

私が臆病だったせいもあるかもしれませんが、お客さんに何かを聞かれて答えられなかったらどうしようという恐怖感は、常に持ち続けていたのです。

ライバルより多くの新築受注を私ができた理由をお話しします⑤・・・想定問答集を作成した

ベテラン営業になれば、お客さんに何を言われてもほぼ答えることは可能でしょうし、きわどい質問をされてもうまくかわせる方法を身に付けているはずでしょう。

しかし、そんなベテランであっても、お客さんから極端なクセ玉を投げられると思わず「そうですね・・・う~ん」となることもたまにはあると思います。

この質問に私は答えに窮した

私「積水ハウスは 3.2ミリの厚さがある軽量鉄骨で建物をしっかり支えています」
客「たった3.2ミリしかないの?」
私「えっと・・・」

これには面食らいました。

それまで何度となくこの説明をしてきましたが、3.2ミリの厚みをこのようにマイナスイメージで捉えられたことが初めてだったからです。

心の中でこのように思ったお客さんはいたかもしれませんが、ほぼ反射的にこう切り返されたのは、後にも先にもこれだけでした。

実家の柱は四寸ある

私が答えに窮していると畳みかけるように奥さんからこのように追撃を受けました。

「うちの実家の柱は四寸はあるわよ」

30代前半の若いご夫婦でしたが、この世代の方で四寸、五寸という表現を使う方はまずいないことも、私の混乱に拍車をかけたのです。

細かいこと覚えていませんが、とにかく3.2ミリしかない薄い鉄骨で作られた家には、安心して住めないと言われました。

私もなんだかんだと言い返しましたが、話している内容が支離滅裂気味になったことだけは今でもはっきりと覚えています(笑)

「3.2ミリって何寸になるの?」

さらに、畳みかけるようにこのような質問をされたのですが、皆さんこれを瞬時に計算できますか?

とにかく、お客さんの頭の中では、3.2ミリの薄い鉄骨と四寸ある実家の柱を単純に並べて比較していたのです。

もちろんこの方とは、展示場で30分ほど話してそれっきりです(笑)

目からウロコだった工場長の話

このやり取りの後、しばらくしてから滋賀にある積水ハウスの工場で研修があったのですが、いい機会だと思った私はお客さんからされたこの質問を工場長にそのままぶつけました。

工場長「一通り見学したと思うけど何か質問はあるかな?」

私 「展示場来場のお客様から積水ハウスの鉄骨の厚みは3.2ミリしかないのかと聞かれて困ったのですが、この場合どのように説明すればよいのでしょうか?」

この質問に工場長は瞬時にこう答えたのです。

工場長「3.2ミリもあるじゃないか。3.2ミリしかないと言うのは君の先入観じゃないの?」

この後3.2ミリが決して薄くなく充分な厚さである理論的な説明を工場長はしてくれたのですが、この応酬話法は私にとっては強烈なインパクトがありました。

想定問答集を作り始めた

工場長の件がきっかけとなり、支店に帰った私は早速想定問答集を作り始めました。

ただ、一気に作り上げたわけではなく、暇な時間を見つけては 一つ二つとワープロに打ち込んでいったのです。

最終的にはこうした想定問答集が、千パターンを楽に突破するほどの量に膨れ上がりました。

これをしっかりまとめて、事務所のデスクで座りながらパラパラと見たり、新たなトークパターンを考えつくとすぐさまそれに対する応酬話法も付け加えたりしていったのです。

この頃にはお客さんも怖くなくなり、何を聞かれてもどうとでも言い返す自信が身につきました。

たまに分からないことやあやふやなことがあれば、その都度新しい応酬話法を積み重ねていきましたし、既存の応酬話法にも若干の変化をつけながら、派生バージョンも作成しました。

その結果、最終的には千を超えるどころか二千近いパターンが完成したのです。

私の想定問答集はひねりがあった

やっている方はそのまま聞き流していただきたいのですが、私の想定問答集には、ひとひねりというか、もう一段深掘りをした内容になっていました。

① 一般的な想定問答集
客 「木造住宅は火災に弱いのではないですか?」
営業「それは誤解です。火災にあったとき木は芯まで燃えず周りだけが炭化する性質があります。そのため、表面的には焼け焦げても芯まで 燃えることはないので、家が崩れて命を落とす危険性は低いメリットがあります」

② 私の想定問答集
客 「木造住宅は火災に弱いのではないですか?」
営業「それは誤解です。火災にあったとき木は芯まで燃えず周りだけが炭化する性質があります。そのため、表面的には焼け焦げても芯まで燃えることはないので、家が崩れて命を落とす危険性が低いメリットがあります」

ここまでは①一般的な想定問答集と同じですが、この先の想定問答も作成しました。

例えばこのように続きます。

客 「それは分かるのですが、鉄骨住宅でも燃え尽きるまでには普通逃げることができますよね?」

つまり、お客さんの質問に対して営業が答える一往復だけでなく、 その先の二往復もしくは三往復目までも想定して問答集を作成したのです。

このような作り方をすると、必然的に問答のパターンはねずみ算式増えていきます。

このように黙々と作業を続けていくうちに、滅多に出ないようなレアな質問も当然入り込んできますが、そのおかげで厄介な質問に対しても、ほぼパーフェクトに応えられるようになったのです。

当時の資料が手元にないので記憶をたどるしかないのですが、このような派生型質問の中には「支店長ってどんな方?」という想定質問まで登場しました。

これは、お客さんが積水ハウスという会社のことを質問したときに、 ある一定の流れの先に登場した想定質問です。

私はこの質問が出た時の答えも自分なりに考えて、ワープロにしっかりと打ち込みました。

皆さんもぜひ真似してほしい

いかがでしょうか。

作るのは非常に大変で地道な作業を伴いますが、 いったん作り始めると面白くなってやめられなくなります。

少なくとも私はそのような流れで、分厚い辞書のような膨大なノウハウの集積体を作り上げたのです。

これを全部手書きでやれば大変なことになりますが、WordやExcelなどでまとめれば簡単にできると思いますし、文章ではなく動画で撮影してYouTubeチャンネルに限定動画で上げるのもありでしょう。

社長や幹部社員の皆様へ

家族経営工務店でも同じですが、もし営業マンと名のつく職種の社員が少なくとも一人いる工務店ならば、こうした想定問答集をしっかりと作ることを推奨いたします。

作成には半年から一年は楽にかかってしまいますが、これを一度作成すれば、その後の営業展開がものすごく楽になるとお考えください。

一般的な想定問答集に加えて、わかりやすく説明するのが難しい質問をされた時の対応集も作成しましょう。

「ZEHってなんですか?」

業界の人間ならば誰しも知っている言葉ですが、ストレートにこう聞かれると、うまく説明できる人はどれだけいるでしょうか。

専門的な内容をズラズラと並べてもわけが分からないので、極力簡潔に一般の方にもわかるように説明する必要が生じるでしょう。

だから、これを想定問答集として準備するのです。

まとめ

原稿を書きながら、その当時のことを思い出してしまいました。

仕事でも勉強でもそうですが、物事を体系的に理論的にしっかりまとめて書き残すことは極めて重要です。

この重要性をわかっている住宅会社の方は、引き続き頑張って欲しいのですが、いろいろなものをまとめていない住宅会社の方がいらっしゃれば、良い機会ですので重い腰を上げていただきまとめる作業に手をつけてください。

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森住宅コンサルタント株式会社 森 雅樹

森住宅コンサルタント株式会社 森 雅樹

積水ハウスと超零細工務店での営業経験を積み独立。現在は工務店のコンサルティングや、セミナー、執筆などをメイン業務に活動。現場見学会は企画から携わり、営業マンロープレも自らが設定を考え客役となり実施。国土交通省の認可組織である住活協リフォームにおいては全国加盟店向けに営業アドバイスなどを行う。 twitter・・https://twitter.com/iezukuri21 Instagram・・https://www.instagram.com/iezukuri21/ note・・https://note.com/91008082 youtube・・https://www.youtube.com/user/mo9100/videos

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