住宅営業のクレームは契約後に注意|お茶出しで怒った施主の体験談

住宅営業のクレームは契約後に注意|お茶出しで怒った施主の体験談

建築請負契約を結び、契約金も期日までに入金されたお客さんから、着工前に「キャンセルするかもしれません」と言われることがあります。

私が契約直後に取材した30代の奥さんのK子さんは、契約後の打ち合わせでお茶が出なかったこと、打ち合わせ部屋が薄暗い部屋に変わったこと、担当営業の動きが鈍ったことの3点に怒っていました。K子さんのクレームは、契約前と契約後で住宅会社の対応に差が出たことから生まれていたのです。

本記事では、契約直後の取材で起きたクレームの体験談をもとに、契約後に不満が生まれる原因と、住宅会社が取るべき対応を解説します。

住宅営業のクレームが契約直後の取材で出てきた体験談

私は住宅会社のお客さんへの取材を長く続けてきましたが、いつも想定どおりの穏やかな取材になるとは限りません。

中には、いきなり不満をぶつけてくるお客さんもいました。

取材のアポイントは担当営業が取るので、怒っているお客さんはそもそも取材を受けないはずですが、K子さんの場合は取材前の段階で不満の情報がまったくありませんでした。

4社競合を勝ち抜いたK子さんへのビデオ取材

K子さんは30代のかわいらしい感じの奥さんで、地域の有力な住宅会社と建築請負契約を結び、契約金として100万円を期日までに入金していました。住宅会社から見れば、このまま問題なく着工し、引き渡しを迎えるはずのお客さんです。

K子さんの案件は4社の競合を勝ち抜いて契約に至ったものだったので、私が担当営業に頼んでビデオ取材を受けてもらうことになりました。担当営業のH君から「いいですよ~と快く引き受けてくれました」と聞いた私は、取材場所であるK子さんが契約した住宅会社の支店で待機し、ほどなくしてK子さんが一人で支店にやって来ました。

取材の最初は、いつもどおり和やかでした。

事前に了解を得ていたものの、撮影用のビデオをセッティングすると、K子さんは少し緊張した顔を見せました。

私が神戸在住だと伝えると、K子さんは「私は大阪出身なんですよ~同じ関西ですね!」と応じてくれ、雑談の後に私は本題を切り出しました。

「今回は4社競合ということでしたが、最終的にはこちらの○○ホームさんに決めたわけです。一番の決定要因を教えてくれませんか?」

K子さんは、この質問に当たり障りのない受け答えをしてくれていました。

取材開始3分で出た「一点だけ言わせていただきたい」

取材を始めて3分も経っていなかったと記憶していますが、K子さんの表情がいきなり変わり、怒りのスイッチが入りました。

K子さん「あっ……一点だけ言わせていただきたいことがあるのですが……いいですか?しゃべらせてもらって」

私「あっ、はい、どうぞ」

K子さん「今日はこうしてお茶が出ていますね。ただ、契約をこの前しましたが、その時はちゃんとお茶が出たものの、契約してからの後日に行った打ち合わせではお茶が出なかったんですよ。だから今日もどうせお茶は出ないだろうと思って……ほら……こうしてペットボトルのお茶を持参しました」

私「あっ……そうなんですか……私は社外の人間ですので事情は分かりませんが、たしかに気分悪いですよね」

取材でいきなりこのような話を切り出されたのは、私にとって初めての経験でした。本来聞きたかった営業手法や競合会社とのやり取りとはまったく違う内容でしたが、取材を依頼した住宅会社にとっては参考になる話だと考え、私はあえて話を切らずにK子さんの話に合わせて聞き続けました。

契約客への取材で本来聞き出す住宅会社の決め手は、契約客取材で分かった決め手の事例で解説しています。

契約後の住宅営業に向けられた3つのクレーム

契約後の打ち合わせでお茶が出なかった

K子さんが言いたかったのは、契約前は気を使ってお茶でもコーヒーでも出すのに、契約が終わったらお茶を出すのももったいないからやめるのかということです。

もちろん住宅会社の側にそんな意図はなく、通常の営業日に事務の女性社員が何かの手違いで出し忘れただけでした。

それでも、お茶が出ていないことには担当営業がすぐに気づくべきで、私は担当営業が気づかなかった点に落ち度があったと考えています。

K子さんも、住宅会社がお茶代をケチっていると本気で思っていたとは考えられません。

気分を害したので嫌味半分で言ったと推測するのが妥当だと私は思います。

K子さんは、こんな興味深い話もしていました。

「私は○○(大手飲食企業)に勤めていますけど、うちの会社だったらこんなことは絶対にありませんよ。そのくらい大事なことだと私は思います。こういうところで企業姿勢のボロがでるのですよね」

単純ミスとはいえ、住宅会社にとっては大きな失態です。

契約時と色決めで打ち合わせ部屋のグレードが違った

K子さんは、次から次へと指摘を続けました。

「契約の時はあそこの豪華な部屋でしたが、契約後に行った色決めの時はこっちの部屋でしたね。部屋のグレードが違いすぎませんか?契約は豪華な部屋でやるのに、その後の打ち合わせはこのショボくて暗い部屋ですよ」

写真を掲載できないのは残念ですが、K子さんの指摘は当たっていました。

言われてみれば部屋の格差は歴然で、K子さんは楽しいはずの色決めの打ち合わせを、倉庫のような薄暗い部屋でしていたわけです。

人によっては言いがかりと受け取るかもしれませんが、K子さんは住宅会社の問題点を的確に突いていました。

契約後に担当営業の動きが鈍った

契約後に担当営業の動きが鈍る問題は、多くの住宅会社で起きています。

私も住宅営業の出身なのでよく分かりますが、建築請負契約を結ぶまでは必死に動くものの、ひとたび契約を済ませると意欲がいったん落ちるのはやむを得ません。

営業である以上、これではだめだと頭で分かっていても、ある程度は仕方がないと私は思います。

そのうえで、住宅営業は契約後に意欲が落ちたことをお客さんに察知されてはいけません。

お客さんをだますという話ではなく、とにかく気づかれないように行動すべきです。

K子さんは担当営業のテンションが下がったことを肌で感じ、ぶち切れたのです。

契約後もお客さんへの連絡を途切れさせない方法は、口下手な住宅営業でも続けられるお礼状とショートメールで解説しています。

担当営業のH君と店長で分かれたクレームの受け止め方

私は取材の顛末を、担当営業のH君に伝えました。H君は明らかに意外だという表情を浮かべていましたが、取材を受けてくれたお客さんからこのような話が出るとは、H君も夢にも思っていなかったはずです。

一方、H君の上司である店長は、私にこう話していました。

「Hはたしかにそういうルーズな部分があるんですよ。ですから、契約済み客への対応は注意をして見てはいました」

取材ビデオは後日の研修でH君にも見てもらいましたが、H君はどうにも納得していない表情でした。それでも、K子さんが強い不満を持っていたことは変わりません。

新人の住宅営業にトラブルを防がせる教え方は、住宅のクレーム事例と新人営業への教え方で解説しています。

K子さんは取材の最後に、競合会社だった○○ホームの名前を出して「契約金を放棄しても構わないので契約をキャンセルする可能性もありますのでよろしく!」と言って帰っていきました。

結果的に建築請負契約は破棄されずに済みましたが、K子さんは契約金の100万円を捨ててもいいと思うほど怒っていたことになります。

契約後の住宅営業クレームを防ぐ住宅会社の対応

担当者任せにせず社内の決まりで直す

K子さんと契約した住宅会社は、取材の後に是正に動きました。住宅会社はお茶出しを忘れないようにその日の当番を明確に決め、薄暗い部屋は接客や打ち合わせに使わないと決めています。

現場監督がお客さんとの連絡を続ける方法は、住宅のクレームを防ぐ現場監督の連絡ルールで解説しています。

契約済みのお客さんの声を担当営業以外が聞く

K子さんは担当営業からの取材依頼は快く受け、不満は社外の人間である私に話しました。契約したお客さんへの取材で分かることは、ハウスメーカーの営業トーク事例で解説しています。

まとめ

K子さんのクレームは、契約後の打ち合わせで出なかったお茶、契約時より格段に劣る打ち合わせ部屋、鈍った担当営業の動きという、契約前と契約後の対応の差から生まれていました。どれも住宅会社に悪意はなく、担当営業のH君も不満に気づいていませんでした。

K子さんと契約した住宅会社は、取材の後にお茶出しの当番を決め、薄暗い部屋を接客や打ち合わせに使わないと決めました。

ぜひ本記事のK子さんの体験談を参考に、契約後のお客さんへの対応が契約前と変わっていないかを見直してください。

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