工務店のリフォーム受注はOB施主から|カレンダー配りの事例

工務店のリフォーム受注はOB施主から|カレンダー配りの事例

大手の経済研究所などが「新築激減」「中小工務店の半分は淘汰」と伝え始めています。その一方で、東北のB工務店では、新築を建てたOB施主からリフォームの相談が来ず、仲良くしていた施主が近隣の大工さんに室内リフォームを任せていた、ということが起きていました。

B工務店では、社長が年末にカレンダーを配りながらOB施主を回りました。築18年のお宅で「どこか直したいところは出てきていませんか」と直接聞いたところ、部屋の改装とトイレ・洗面台のリフォームを受注できました。

本記事では、新築一辺倒だったB工務店がOB施主からリフォームを受注するまでの経緯と、リフォームの相談が自社に来ない2つの理由を解説します。

新築一辺倒だった工務店がリフォーム受注に踏み切れなかった理由

B工務店は東北地方の工務店です。

零細ではありませんが、県のトップテンに入るような会社でもなく、それなりに着実な業績を積み上げている住宅会社です。

私は社長と10年以上の面識があります。

知り合った当初の社長は、リフォームなど全く眼中にない状態でした。

大手の経済研究所などがこぞって「新築激減」「中小工務店の半分は淘汰」と伝え始め、B工務店の社長もそのニュースを耳にしました。社長の口からは、こんな言葉も出ていました。

「新築激減のニュースを見てから不安になってきた」

それでも社長が感じたのは漠然とした不安だけで、現実には新築を狙い続けていました。

リフォームをやろうという気には全くならなかったのです。

心の片隅では「やばいかな~」と思っていましたが、具体的なリフォーム受注に踏み切れない日々が続きました。

そのB工務店のリフォーム比率は、今では1割を超えています。社長はさらにこの比率を上げようと考えています。

新築中心の工務店がリフォーム受注を始めるときに最初にやることは、リフォーム受注を始める工務店の事例で解説しています。

工務店のリフォーム受注はOB施主回りから始める

私はことあるごとに、社長に「とりあえずOB施主を回ってみませんか?」と声をかけていました。

あるとき、社長がやっと重い腰を上げてくれました。

小規模工務店がいきなり新規のリフォーム客を取りに行くのは、相当無理があります。

リフォーム専門の会社はいくらでもあるので、真っ向から対抗するのは得策ではありません。

営業の面から考えると、自社で建築したお客さんを回るほうが圧倒的に有利です。

新築が減るなかでOB施主からリフォームを受注する考え方は、工務店のリフォーム受注の進め方で解説しています。

組織立ったフォロー体制がなかったB工務店

B工務店の社長は、OB施主をほったらかしにしていたわけではありません。

ただし、定期的な訪問など組織立ったフォロー体制は築いていませんでした。

社長が密にやり取りしていたのは、一部の仲の良いお客さんと、お客さんのほうから訪ねてくる人だけです。

ごく普通の施主や、ちょっとしたトラブルがあった施主とは、引き渡し以降の接点がほぼありませんでした。

そのため、紹介情報もごく一部のお客さんからしか上がってこない状態でした。OB施主から紹介をもらう頼み方は、紹介営業のコツで解説しています。

OB施主に紹介をお願いするときに渡すカードと添える手紙は、紹介カードテンプレートで解説しています。

仲の良いOB施主が他社にリフォームを頼んだ2つの理由

B工務店の社長が話した次の言葉が、私の脳裏に強く残っています。

「非常に仲良くしていたお施主さんでもちろんクレームは皆無。そして建物の出来栄えにも極めて満足していたんだけど、引き渡し後15年目を迎えたときに室内のリフォームを近隣の大工さんに任せてしまったんだよね。これを聞いた時とにかく愕然としちゃって・・・」

社長の気持ちは大いに理解できます。

それほど懇意にしていたのですから、リフォームの相談は自分に来て、そのまま任せてもらえると考えるのが当たり前です。

それでも受注を取れなかった理由は単純明快で、2つしかありません。

「リフォームのときはよろしく」と声をかけていなかった

普段から付き合いがあって仲が良くても、工務店の側から「リフォームの予定ができたらうちに相談してね」と言わなければ、お客さんはいざリフォームが必要になったときにその工務店を思いつきません。

工務店の側から声をかけておく考え方はリフォームを受注した後にも当てはまり、工事完了時にお客さんへ伝える一言は、リフォームのリピート受注のコツで解説しています。

B工務店は新築専門だとお客さんが思い込んでいた

工務店の側は、新築はもちろん、リフォームも当然やると考えています。

しかし、お客さんにとってB工務店はあくまで新築を建ててくれた会社で、リフォームとは結びつきません。

そのため、自宅でリフォームの需要が出たときにB工務店は頭に浮かばず、お客さんはネットで近隣のリフォーム会社を検索し始めます。

私は数多くの小規模工務店と付き合いがありますが、ほとんどのケースがこの2つに当てはまります。

多くの社長は「うちの仕事には満足しているはずなのに、なぜリフォームの話がうちに来ないんだろう?」と首をひねります。

ですが、この2つの理由を念頭に置かない限り、リフォームの受注は来ません。

年末のカレンダー配りでOB施主からリフォームを受注した事例

B工務店が最初に手を付けた営業戦略は、年末にカレンダーを配るという、平成どころか昭和のやり方でした。

ところが、このカレンダー配りがリフォーム受注を引っ張ってくるきっかけになりました。

私も初年度だけ、このカレンダー配りに同行しました。

年末のカレンダー配りの受注実例とカレンダーの選び方は、工務店の年末カレンダー配りの実例で解説しています。

築18年の施主宅での社長と施主の会話

カレンダー配りの場で、社長と施主の間で次のような会話がありました。

社長「B工務店です。年末のご挨拶に伺いました。これまでやったことなかったんですけどもカレンダーでも配ってみようかと思いましてね(笑)」

施主「えー、びっくりした(笑)でも、カレンダー全員に配るなんつったらとんでもない手間でしょう。どうしちゃったのよ」

社長「いろいろとうちは頑張ってみようと思いましてね・・・ところで建築18年になるでしょう。そろそろリフォームというかどっか直したいとかおかしくなったとか出てきたんじゃないですか?」

施主「あー・・・確かにね。上のお兄ちゃんがもう家を出ちゃったんで部屋が余ってるのよ。それとトイレもね、随分古くなったし。今は節水トイレとかそういうのがあるらしいじゃない」

結果として、部屋の改装に加えて、トイレと洗面台のリフォーム工事にもつながりました。いちばん驚いたのは社長本人で、私にこう言いました。

「森さん!こんなことあるんだね!いやびっくりしたよ。顔出してみるもんだな。これも営業だよね」

直接聞いたことで「B工務店もリフォームをやる」と伝わった

社長は施主と実際に顔を合わせ、リフォームを考えていないかを直接はっきり口に出して聞きました。

築18年は、リフォームの話が出てきてもおかしくない時期です。

ストレートに聞いてみると、意外にこうした反応が返ってきます。

B工務店に限らず、ほかの工務店でもほぼ同じ状況が多数起きています。

この施主には、B工務店がリフォームをやるという認識がなかったと私は推測しています。

社長が訪ねていなければ、施主は本格的にリフォームを考えた時点でネットなどを探し、リフォーム専業の業者に見積もりを依頼した可能性が濃厚です。

実際には、目の前に社長が現れて「リフォームを考えていませんか?」と聞いたので、施主は「B工務店もリフォームをやってくれるんだ」と考えたのが自然です。

施主にとって社長は新築を建ててくれた人で、クレームもなく信頼を置いていました。

そのため、施主が「見積もりをお願いします」と言うのに、ほとんどハードルはありませんでした。

まとめ

B工務店は、新築激減のニュースに不安を感じながらも、長くリフォームに踏み切れずにいました。

社長がOB施主を回り始めたことで、状況が変わりました。

仲の良い施主が他社にリフォームを頼んだのは、工務店から声をかけていなかったことと、新築専門の会社だと思われていたことが原因です。

年末のカレンダー配りという昭和のやり方でも、社長が顔を合わせてリフォームの有無を直接聞いたことで、築18年の施主から部屋の改装とトイレ・洗面台の工事を受注できました。

ぜひ本記事のB工務店の事例を参考に、OB施主を訪ね、リフォームの予定がないか直接聞いてみてください。

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