全面リフォーム4000万円の受注事例|展示場の初回面談で決まった理由

全面リフォーム4000万円の受注事例|展示場の初回面談で決まった理由

住宅展示場にふらりと来たお客さんから、「おたくはリフォームもやるんですかね?」と聞かれることがあります。

全面リフォームを考えているお客さんは新築に匹敵する支出をするので、工務店の技術力やデザイン力に加えて、会社を信頼できるかどうかを見ています。

関東に本社がある工務店A社では、入社4年目の営業社員C君がこの問いに「大型も得意」と言い切りました。さらに国交省が認めるリフォーム団体への加盟を伝え、奥さんに直接話を聞く提案をしたことで、全面リフォーム4000万円を受注しています。

本記事では、この受注事例をもとに、大型のリフォーム受注につながった営業社員の受け答えと、会社の信頼性の伝え方を解説します。

全面リフォーム4000万円を受注した工務店A社の事例

小さなリフォームをコツコツ取ることも大事です。

しかし本音を言えば、大きな受注を一発で「ドカン」と取るのがいちばんの理想です。

私がリフォーム会社を経営していれば、当然、大きな受注を営業社員に取らせにいきます。

とはいえ、大型案件は簡単には取れません。

小規模な工務店がハウスメーカーに対抗するには、会社の信頼性をどう伝えるかまで考えて動く必要があります。

ただ、これは簡単に解決できる問題ではありません。

地域の工務店がリフォームに力を入れる意味は、工務店がリフォーム事業を手がけるメリットで解説しています。

今回の事例のA社は、関東に本社がある工務店です。

具体的な規模は示せませんので、そこはご了承ください。

A社は、さほど大きくもなく、さほど小さくもない会社とだけ言っておきます。

極端に小規模な工務店ではないので、地域でそれなりの知名度はあります。

それでも社歴が浅いため、会社の信用という意味では、さほどあるとは私には思えません。

A社は展示場を持っています。

お客さんのBさんは、暑い夏の日にノーアポイントでこの展示場へふらりとやってきました。

応対に出たのは、入社4年目の営業社員C君です。

A社の受注には、高い設計力や現場調査の能力ももちろん影響しました。

それでも一番の立役者は、担当営業のC君でした。

C君は私もよく知っている人物ですが、とにかくよくやったの一言です。

住宅展示場の初回接客で「大型リフォームも得意」と言い切る

BさんがA社の展示場に入ってきたときのやり取りは、次のようなものでした。

C君「いらっしゃいませ」

Bさん「ちょっと展示場を見させてください」

C君「どうぞ」

Bさん「おたくはリフォームもやるんですかね?」

C君「もちろんです。小規模リフォームも得意ですが、大型も得意でけっこうやるんですよ。たまたまですが、先日大きな案件を私が受注し、今工事に取り掛かってるところです」

Bさん「そうですか……実は私も全面リフォームを考えているところなんですけども、今日こちらが1社目なんです」

契約した後、C君はBさんに受注の理由を聞いています。

C君「どうしてうちと契約してくれたんですか」

Bさん「最初に会った時、大型案件もやってるんだ、とあなたが言ったことがきっかけかな」

C君の受け答えが曖昧であれば、今回の巨額受注はなかったと私は考えています。この事例では、まさに言い切ったことが功を奏しました。

新築のついでに見える言葉は使わない

私が常々言っているのは、リフォームを新築のついでにやっているようなイメージを抱かせる言葉を使ってはいけない、ということです。

工務店の営業社員は、新築を上回るぐらいの力をかけてリフォームをやっていると伝えるべきです。

そうしないと、お客さんに片手間でリフォームをやっていると受け取られかねません。

新築受注が減るなかでリフォームへ営業を切り替える工務店の動きは、新築受注の減少とリフォーム転換で解説しています。

便器の取り替え程度の工事なら、それでも構いません。しかし、数千万円をかけて全面リフォームをしようという人は、そんな工務店にリフォームを頼む気にはならないでしょう。

国交省が認めるリフォーム団体への加盟で信頼性を伝える

このコラムでは以前にも同じテーマを取り上げており、そのときは1億円超えの受注の話でした。

今回の事例でも、同じことが受注につながっています。

団体に加盟する利点は、住宅リフォーム事業者団体登録制度で解説しています。

A社は、一般社団法人住活協リフォームという団体に加盟していました。

この団体は国交省が認可している団体なので、ここに加盟していることは、結果的に国に認められていることを意味します。

営業のC君は、このことをしっかりBさんに伝えました。

住活協リフォームの研修や加盟金、会員工務店の受注事例は、住活協リフォームの特徴と加盟事例で解説しています。

これも後から分かったことですが、Bさんは話を聞いた後、自宅に帰ると早速パソコンで団体のことを調べたそうです。

「いい加減な会社は入れないんだ」

Bさんにとって、この点が大きな加点になりました。

BさんはA社の存在をそれなりに知っていましたが、設立間もないことも知っていました。

そのため、信頼性にはまだ疑問符がついていたのです。

ところが、国のお墨付きがある団体に加盟していると知り、BさんのA社への評価は大きく変わりました。

この事例から分かるのは、第三者から高い評価を得ていることをお客さんに伝える重要性です。A社の場合は、評価を受けている団体に加盟していたことが、リフォーム受注の大きなポイントの一つになりました。

国交省が認めるリフォーム団体は20近くある

私は一つの団体を紹介しましたが、同じ位置づけの団体は20近くあります。

団体の一覧は、国土交通省のリフォーム事業者団体のページで確認できます。

加盟金などの条件は団体ごとにまったく違いますが、工務店が入ることによるメリットはかなり大きいと私は断言します。

全面リフォームを使う奥さんに直接ヒアリングを申し出た初回面談

入社4年目のC君が初回面談でBさんとしたやり取りを聞いて、私はびっくりしました。初回面談の時点で、ほぼ受注を決めていたからです。

展示場で動いた2000万円のフルリフォーム商談の事例は、リフォーム案件の取り方で解説しています。

4軒のうち1軒を奥さんのアトリエにするBさんの計画

C君は、まずリフォームする家がどこなのかを確認しました。

C君「今回の全面リフォームはご自宅になりますよね?」

Bさん「自宅は自宅なんだけども、家が4軒あってそのうちの1軒なんです。そこは妻がアトリエを兼ねて使ってるんですけども、かなり古くなってきたので、使い勝手よくしてやりたいと思いましてね」

こんなお客さんは、めったに展示場に来ません。

後で分かったことですが、Bさんは地元で飲食店を手広く経営しており、地元でもかなりの資産家でした。

奥さんは美術大学の卒業で、専門は水彩画です。

Bさんの今回の目的は、奥さん専用のアトリエとして一軒家を改築することでした。

「奥さんとお会いしたい」というC君の提案

私がC君の営業センスを感じたのは、その後のやり取りです。

C君「ということは奥様だけがそこを使われるのですね」

Bさん「そうですよ」

C君「1つご提案があるのですが、よろしければ奥さんとお会いさせていただき、奥さんのご要望を直接お聞きしたいのですがいかがでしょうか」

これも後で聞いた話ですが、C君のこの一言はBさんの心をつかんだようです。

Bさんは他の3~4社にも足を運びましたが、奥さんは連れていきませんでした。

そのため、他社の営業社員はBさんから直接要望をヒアリングしていました。

それに対してC君は、奥さんのためのリフォームなら奥さんから話を聞くべきだ、という進め方を取ったわけです。

A社の設計者が書いた提案内容のレベルが高く、コストパフォーマンスも良かったのでしょう。

それでも、受注の大きな要因の一つは、C君が初回面談で発したこの一言でした。

この点は、Bさん自身がそう話しているので間違いありません。

まとめ

A社の全面リフォーム4000万円の受注は、3つの要素が重なって生まれました。

C君が展示場で「大型も得意」と言い切ったこと、国交省が認める団体への加盟を伝えたこと、奥さんに直接話を聞く提案をしたことです。

リフォームで4000万円という物件は、通常はまずありません。

しかし、そんなお客さんがフリーでいきなり来場し、入社4年目の営業社員がそれを受注したことは実際に起こりました。

大型の受注であっても、営業社員のちょっとした気の利かせ方がお客さんの心をつかみます。営業トークや小さな気づきは、それほど重いものです。

ぜひ本記事のC君の受注事例を参考に、住宅展示場でリフォームについて聞かれたときの答え方と、初回面談での聞き方を見直してください。

あなたへのおすすめ