ヒートショックを商談で伝えるには?リフォーム営業の資料と会話例

11月に入ると急に寒い日が増えます。
ところが、カタログなどの資料が充実した住宅会社でも、ヒートショックについて細かく説明した資料が無い会社が意外なほど多く、私は驚いています。
こうした住宅会社では、営業社員が口頭でヒートショックをさらっと説明して終わってしまいます。
ヒートショックによる死者は交通事故の4倍にも上ります。
一方で、新築やリフォームを考えているお客さんのうち、この事実を知っている人の比率はかなり低いのが現状です。
そのため、11月からの住宅営業はヒートショックを商談に持ち出すべきで、効果がより大きいのは家の寒さが要望の筆頭に来やすいリフォーム営業です。
本記事では、ヒートショックの基礎、リフォーム営業で効果が大きい理由、説明に使う資料の作り方、熱中症と両建てで話す会話例を解説します。
住宅営業がお客さんに説明できるべきヒートショックの基礎
ヒートショックの認知度は日増しに上がっていますが、名前すら聞いたことがない人もまだ多くいます。住宅会社の営業社員がお客さんに的確に説明できることが、ヒートショックの話をするうえでの大前提です。
ヒートショックとは、暖かい部屋から寒い部屋へ移るなどの急激な温度変化で血圧が大きく変動し、心筋梗塞や脳卒中などの健康被害を引き起こすことです。
冬場や入浴時に起こりやすく、死亡に至ることもあります。
概略はここまでですが、営業社員は詳細をネットで徹底的に調べておいてください。
今の日本では、夏は熱中症、冬はヒートショックを心配しなくてはなりません。
家の中を暖かく快適にする流れは年々強まっていて、政府の方針を受けた大手ハウスメーカーがヒートショックの危険性を前面に出して営業してくるのは目に見えています。
営業社員がこの話をお客さんに伝えれば、お客さんのためにもなり、受注の確率も高まるので住宅会社のためにもなります。
ヒートショックの話はリフォーム営業で効果が大きい
新築営業でもリフォーム営業でもヒートショックの話はすべきですが、営業効果が大きいのはリフォーム営業です。お客さんが住宅に求める要望の順番が、新築とリフォームでは違います。
新築のお客さんには数ある要望の1つにとどまる
新築のお客さんは、現在の住まいが賃貸マンションであることが圧倒的に多いです。そのため、お客さんにとってヒートショックの問題は、数ある住宅への要望の中の1つになってしまいます。
新築を考えるお客さんは「素敵な一戸建てが欲しい!」という要望から入るのであって、「今の賃貸が寒いから新築が欲しい!」と考えているわけではありません。
寒さを改善したい気持ちも要望には含まれていますが、それが要望の筆頭に上がることはまずないでしょう。
リフォームでは家の寒さの改善が要望の筆頭に来ることもある
リフォームのお客さんの場合は、家が寒いのを改善したいという要望がトップに来ることも十分にあります。水回りのリフォームの商談中に、寒さの問題が浮上することもあります。
ですから、夏が終わって秋に差し掛かったら、リフォーム営業はお客さんの要望がキッチンなどの水回りであっても、ヒートショックの話を持ち出すべきだと私は考えています。OB施主へのリフォーム提案の進め方は、工務店のリフォーム受注の進め方で解説しています。
家の寒さを玄関から切り出す提案と温度計を使った寒さの伝え方は、玄関リフォームの提案ポイントで解説しています。
ヒートショックの怖さを伝える営業資料の作り方
お客さんに効果的なプレゼンテーションをするには、住宅会社として事前に資料を準備しておく必要があります。
漫画やイラストで危険性を見せる
次の画像は総合東京病院のサイトから転載したイラストです。総合東京病院は、患者さんにこのような分かりやすい漫画を使ってヒートショックの危険性を説明しています。

※総合東京病院HPより転載
住宅関連の営業社員も、病院と同じです。ヒートショックの怖さをお客さんに説明するときは、イラストや漫画を使うことが大切です。
お風呂での死者数を資料で示してから自社の家の暖かさを説明する話し方は、ヒートショック対策の営業トークで解説しています。
欧米の住宅事情を調べて資料にまとめる
欧米のヒートショック対策も、営業社員が調べておくべき内容です。日本より平均気温が低い欧米では、室内のどの部屋に行っても均一の温度に保たれていることが常識になっています。
日本の住宅事情は欧米とは全く違い、古くは吉田兼好の「家の作りようは夏をもってむねとすべし」的な発想がまかり通っていました。
日本の住宅がこの考え方から抜け出し始めたのは、せいぜい40年ほど前ではないでしょうか。
その後、断熱技術が急速に発達して冬場でも家の中を暖かくしようという考えが出てきて、地球温暖化を受けてその流れが加速しています。
そのため、ヒートショックに対して先進的な考え方を持つ欧米の現状を資料にまとめ、お客さんに説明すべきです。資料に入れるネタの例は次のとおりで、ほかにも面白いネタがネットにはたくさんあります。
- 基本的にはセントラルヒーティング
- 室温が18℃以下になるつくりの家は法律違反の国もある
- 欧米人が日本に来て驚くのは室内の寒さ
私が営業社員に最もアピールしてほしいのは、欧米人が日本に来て驚くのは室内の寒さという話です。室内の寒さは旧来の日本型住宅が危険と言われる最大のポイントで、熱いお風呂に入って体を拭き、廊下に出た瞬間に倒れてしまう大きな原因になっています。
小さいころからセントラルヒーティングの一軒家に住んでいた日本人は、現状ではほぼいないと考えられます。
冬場の室内の温度差を経験したことがない人には「ヒートショックってそんなに重要な問題かな?」と思われてしまいますが、ほぼすべての日本人が嫌な経験をしているので、この話は誰に振っても共感を得られます。
熱中症と両建てで話すリフォーム商談の会話例
私がこの記事を書いたのは11月中旬なので、テーマはヒートショックにしています。
しかし、営業社員がヒートショックを前面に出して営業するときは、熱中症の話もあわせてすべきです。
寒くなる時期に熱中症の話をされてもお客さんはピンとこないかもしれませんが、営業の進め方としては、ヒートショックと熱中症の両建てで行くのがベストです。
営業「……ということで、ヒートショック対策がものすごく重要だということはお分かりいただいたと思うのですが、これと合わせて、夏場の熱中症対策も大変重要な問題となります」
お客様「確かにそうかもね……」
営業「こちらは建築後50年とのことで、冬場も廊下などはかなり冷えていますが、夏などはいかがですか、クーラーの効きが悪くて寝苦しいとかあるんではないでしょうか?」
お客様「今は冬だからピンと来ないけども、夏になると確かにすごいわよ。特に2階は日中の熱気が抜けなくて寝苦しいからね」
営業「やはりそうですか。家の断熱効果を上げるなどのリフォームは、ヒートショックだけではなく、夏場の熱中症対策にもなるんですよね」
営業社員には、この会話例のように2本立ての話をしてほしいと私は考えています。夏場の商談では、熱中症の話から入ってヒートショックにつなげる逆の順番になります。
日本には素晴らしい四季がありますが、残念ながら春と秋が極端に短くなる傾向がはっきりしてきました。
今の日本の気候を考えると、住宅営業がヒートショックと熱中症に的を絞って提案することは理にかなっています。
リフォームの受注を増やす全体の進め方は、リフォーム案件の取り方で解説しています。
まとめ
ヒートショックによる死者は交通事故の4倍にも上りますが、その事実を知るお客さんはまだ少数です。
11月からの商談では新築でもリフォームでもヒートショックを話題にすべきで、家の寒さが要望の筆頭に来やすいリフォーム営業ほど効果が大きくなります。
漫画やイラスト、欧米の住宅事情をまとめた資料を用意し、冬でも熱中症の話をあわせてする癖をつけてください。
ヒートショックと熱中症の話は、どちらもすべてのお客さんの共感を得られる話題で、新築・リフォームを問わず受注の大きなフックになります。ヒートショックの営業の成功事例や提案ポイントは、今後も取り上げていく予定です。
ぜひ本記事の資料の作り方と会話例を参考に、次のリフォーム商談でヒートショックと熱中症の話を両建てで切り出してください。



