土地を求めるお客さんへの効果的な接客

土地を求めるお客さんへの効果的な接客

前回のコラムの続きになりますが、ある住宅会社の展示場をはしごして  、4組の接客を実際に見てきました。

実に様々な方がいらっしゃったのですが、そのうちの2組が土地を探してるお客さんだったのです。

営業社員としては、提案した土地に何とか決めて欲しいという気持ちが強いので、押したり引いたりしながらお客さんに決断を流すのですが、そんなに簡単にことは進みません。

お客さんにとっては一生住む場所になりますので、土地の選定を慎重に行うのは当たり前の話だからです。

このような状況の中、接客を2件見たのですが、1件は特筆すべきところがなかったものの、もう1件は担当営業が実に的確なアドバイスやツールを使ってお客さんと折衝していました。

基本的なことはしっかり押さえた上で、お客さんがその土地に決めるのを促すような提案もしっかり行ったのです。

全部で1時間半ぐらいの商談だったのですが、その中から私の目に留まったものをいくつかピックアップして皆さんに紹介していきましょう。

ストリートビューを使うのはイロハのイ

読者のほとんどの方には話しても意味のない内容かもしれませんが、念のためにこの話からスタートさせてもらいます。

Google ストリートビューはほとんどの皆さんがご存知でしょう。

初めて出た時には「何てすごい技術だ!」と感嘆したはずです。

今では当たり前に使っていますが、私たち住宅会社の営業活動にとっては なくてはならないツール となりました。

・事務所には大きなモニターを置いて商談を

私がお邪魔した会社は、展示場の中に商談で使える50型のモニターが3箇所に設置してあります。

今回土地を探してるお客さんとの商談もこの大型テレビを使ったのですが、営業社員は自分のパソコンとこのモニターをつなげ、お客さんに提案する土地をストリートビューで確認するところから始めたのです。

私が営業していた時代は、ストリートビューはおろかパソコンすらなかったので、お客さんに土地提案する時はB4サイズの物件概要書に加え、私が自ら撮影した周囲の写真を添えて紹介するのが普通の時代でした。

しかし、そのような時代であっても、私はある工夫をして他の営業と差別化を図っていたのです。

私有物のビデオカメラを使って周辺を撮影

今のように手軽ではありませんが、その当時私は大きめのビデオカメラを持っていました。

お客さんに土地を紹介する時は必ずそのカメラで現地を撮影するとともに、車のダッシュボードにそれを置いて周囲を走ったものです。

その映像をVHSビデオに入れて、展示場のテレビ、もしくはお客さんのご自宅に行った場合はそこでテレビを借りて映像を投影しました。

今では何の苦労もない作業ですが、その時は他社 営業でこのような込み入ったことをする人間がいなかったので、お客さんからは「ものすごく分かりやすくていい」との評価をいただいたのです。

現地の様子を映像で見せる工夫をほかの営業がどう実践していたかは、周辺環境を映像で見せる土地提案で解説しています。

今ここまでしなくてもストリートビューの画像を見せれば、ほぼそのイメージがつくので問題ないと思われますが、そのような時代だからこそ ストリートビューに加え、現地に足を運び手持ちのスマートフォンで周囲を撮影したり、あるいは学区内の小学校までの道のりを撮影するなど工夫を凝らして欲しいのです。

街の発展予測を事前に調べていた

今回折衝を見た営業社員は10年前から知っている男性営業でしたが、彼は土地をお客さんに紹介する際、その土地や地域がこれからどのように発展する予想になってるのかを事前に調べて提案するのを常としています。

これは市役所などに行けば分かりますし、自治体によってはホームページを見ると将来的な都市計画が全て分かります。

ですから、今は周りも寂しくお店も近くにないような場所であっても、10年後にはかなり発展することが予想される場所かもしれません。

そうであれば、その情報を土地提案の際にしっかり盛り込むべきでしょう。

事実これと全く同じことが私の目の前で繰り広げられました。

お客さんがどの程度納得して腹に落ちたのかは判別できませんでしたが、この切り口を営業の武器として使うべきだと私は考えています。

土地の利点欠点も徹底的に調べていた

当たり前のようでなかなかこの作業を皆さんも行っていないのではないでしょうか。

お客さんに土地を紹介して、2つ返事でOKをもらうことは絶対にありえません。

たとえなかなかいい土地だと評価してもらえても、お客さんは何とかして問題点を見つけ出そうとします。

実際今回あった話を再現しましょう。

営業「・・・ということで今回ご紹介した土地は、ほぼお客さんの希望を満たしていると思うのですが」

客 「そうですね・・・ なかなかいいと思いますけども・・・ ただ、強いて言えば駅まで歩いて10分以内だといいんですけども」

営業「この土地だと12分ぐらいかかると思いますが、2分というのは距離にすると160m程度です。 この160mを満たすような土地を再度探すという手はありますが、ここはそれを払拭するプラス面がものすごくあるんですよ」

実はこの営業、お客さんからこの反論が出ることを予期していました。

駅から10分以内という縛りがあったので、紹介する時に12分というのは、当然営業は気づいていたのです。

ですから、お客さんからこう言われることを予期して、それに対する反論トークも全て準備して臨んでいました。

実際の現場では、この土地が持つメリットを5ポイント 提示して「160m問題を解決する土地が出るかもしれませんが、その土地がこの5つのポイントを満たす可能性はほぼゼロだと言えます」と説得していったのです。

この商談の結果がどうなったかは、まだ結論が出ていないので何とも言えませんが、お客さんのそれに対する答えを聞いた限りでは、腹に落ちてる感がありました。

土地は常にプラスマイナスで考える

我々の常套文句は「ご要望を100% 満たす土地は絶対にありません」でしょう。

お客さんにこれを伝えると、お客さんも必ず理解をしてくれます。

しかし、それと同時に「それは分かっているんだけどもね」となって沈黙の時間が訪れるのです。

このお客さんの気持ちも、もちろん理解できますので、営業としてはこれ以上突っ込みづらい気持ちになってしまいます。

だから、その土地が持つプラスのメリットを可能な限りたくさん準備した上で、そのプラスからお客さんが考えている、マイナスを引いた残りの上積みがいくらあるかを提示するのです。

もちろん、いくらプラスが多くても、お客さんが最も重要だと考えるポイントを満たしていなければ話になりませんが、そうでなければ十分に突き崩せるのです。

事実、他社で視察した接客では、こんなやり取りがあって営業が一撃でノックアウトされました。

営業「こちらの土地はかなりいいと思うのですがいかがでしょうか」

客 「この地域はハザードマップに引っかかってる場所じゃなかったかな・・・」

営業「・・・」

これは現在の住宅営業においては、お話にならない事例です。

災害大国日本ですが、年々この傾向は強まっており、お客さんがハザードマップを確認して土地を購入する比率も、これまたどんどん高まっているのです。

営業がハザードマップを意識していないのは論外と言っていいでしょう。

ハザードマップのほかに、崖や隣人、通学路といった土地の周りの調べ方は、住宅営業の土地のプレゼン術で解説しています。

年末に取材した長野県で土地を求めているお客さんも、このことを強く話していました。

土地を決める際の最優先事項が3つから4つあったのですが、そのうちの1つがハザードマップで安全な地域にあることだったのです。

その理由を聞いたところ、ご実家が今から40年前の水害で床上浸水の被害を被ったらしく、その影響で親から「水で浸るようなとこは絶対ダメだよ」と言われたのが頭に残っていたとのことでした。

まとめ

今回は土地なしのお客さんに対する折衝を私が現場で見てきたので、その内容からピックアップしてお話をしました。

2人のお客さんと商談をすれば、そのうち1人はほぼ間違いなく土地を探しているのが今の現状です。

こう考えると、土地なしのお客さんに対する営業 商談力を磨くことが、あなたの新築受注成績を上げることに直結することがお分かりになるかと思います。

あなたへのおすすめ