住宅営業の土地のプレゼン術|福岡の分譲地を車で走った事例

住宅営業の土地のプレゼン術|福岡の分譲地を車で走った事例

住宅営業の本音は、「建物の提案を早くしたいので、土地は適当なところで手を打って、とっとと決めてくださいよ」というものです。私がコンサル先で土地なしのお客さんに対応する営業社員を見ていても、土地のプレゼンには工夫の無さや準備不足が目立ちます。

私がライバルより多くの新築を受注できたのは、紹介する土地の周りを自分で車で走り、お客さんがそこでどのような生活を送るのかを映像と写真で見せていたからです。土地を紹介するシステムには最先端のやり方が続々と出ていますが、住宅営業の土地の見せ方という根本は変わっていません。

本記事では、福岡県の分譲地を実際に車で走った事例をもとに、土地のプレゼンで調べる3つのポイントと、提案資料の見せ方を解説します。

住宅営業の土地のプレゼンで他社と差がつく理由

住宅営業が土地を早く決めてほしいと思っていると、その気持ちはお客さんにもなんとなく伝わってしまいます。

営業社員の焦りは、土地のプレゼン手法のマンネリや工夫の無さという形でも表に出ます。

私は、プレゼン手法だけでなく、土地を紹介するときの考え方から他の営業マンと圧倒的に違っていたと、自信を持って言い切れます。

土地紹介の基本は、お客さんの要望を聞き、不動産業者などをあたって、希望に合う土地かそれに近い土地があれば連絡を取ってご案内する流れです。

このやり方自体は王道で、間違いはありません。

要望の聞き方は住宅営業の土地提案の進め方で解説しています。

そのうえで、他社との差は、お客さんがその土地に住んでどのような生活を送るのかをプレゼンできるかどうかで決まります。

土地を求めるお客さんとの接し方は、土地を求めるお客さんへの接客で解説しています。

住宅営業は土地のプレゼン前に分譲地から駅まで車で走る

写真は、福岡県にある30区画以上の分譲地です。私はあえて雨模様の日に現地へ行き、レンタカーのダッシュボードにiPhoneを乗せて、最寄りの駅まで車で7~8分の道のりを撮影しながら走りました。

住宅会社が土地を紹介するのに、営業社員がその土地に行かないのは論外です。営業社員が現場に足を運ぶと、さまざまなことに気づきます。

道路の向かいの崖と林はハザードマップで説明する

写真の左側は分譲地の一角で、道路を挟んだ反対側にはこんもりとした林が写っています。現地に行くと林は崖のようになっていて、ほとんどの人は見ただけで一定の圧迫感を感じると私は思います。

夏場には災害のニュースがテレビを賑わすので、お客さんが崖に面した区画の安全性に疑問を持つのは当然です。営業社員が現地でそう感じるのであれば、お客さんはその二倍も三倍も心配になります。

この崖を見たら、営業社員はまずハザードマップを取り寄せて、崖に面した区画の安全性をアピールする材料をそろえます。そして土地の提案書にハザードマップを織り込み、お客さんに安全性を主張します。

「夏場になったら大量の虫が発生しそう」への答え方

ハザードマップを用意しても、営業社員がうまくプレゼンしきれない場面は出てきます。この分譲地では、お客さんから虫についての質問が実際に出ました。

「夏場になったら大量の虫が発生しそうだよね」

この質問は定番で、女性である奥様から出る典型的な指摘です。

営業社員は、情報もないのに「そんなに虫が発生することはないと思いますよ」と適当に答えることはできません。

山沿いや川沿いはむしろ虫が発生して当然の場所なので、私もこの質問への対応は難しいと考えています。

隣にどんな人が住んでいるかも土地のプレゼンで伝える

土地の周囲にどんな人が住んでいるかも重要な要素ですが、住宅会社の営業マンがここに神経を尖らせる場面を、私はあまり目にしません。

土地を買ったお客さんの隣にとんでもない迷惑住人が住んでいたら、お客さんの暮らしは大きく変わってしまいます。

住宅地にある公園の使用を閉鎖する方針を出した長野県の自治体もあり、こうした問題が起きる比率は以前と比べて格段に高くなっています。

集合住宅の間取り図を提案資料に入れる

写真は分譲地に接する場所で、左側に戸建て、右側に集合住宅が建っています。

右側の集合住宅は外観からファミリー層向けだと推測でき、建物の最上階に数字の5がふってあるので、県営か市営の住宅だと思われます。

私であれば、この集合住宅の間取り図を入手して、お客さんへの提案資料に入れ込みます。

一般論ですが、近隣に単身者向けのアパートがあると、お客さんは若者がたむろして夜中に騒いだり、マフラーを改造した車が夜中に爆音を轟かせて出入りしたりする危険を想像してしまいます。

敷地を接する住人は外から分かる範囲で伝える

近隣の中でも、敷地を接するところの住人は極めて重要です。

営業社員は探偵ではないので徹底的に調べ上げるのは無理ですが、小さな子どもが乗るような自転車があれば、その情報をお客さんに伝えても構わないと私は思います。

年季の入った和風住宅で、庭に松の木が植えてあったり盆栽が並べてあったりする場合も、営業社員はその情報を伝えるべきです。

土地提案で小学校までの通学路を親の目で確かめる

写真は、分譲地から800mほど走ったところで、右側に小学校があります。

お客さんに小学生のお子さんがいれば、お子さんはこのルートを通って毎日小学校に通うことになります。

親にとって、子どもが通う小学校への通学ルートは大変重要な問題です。

小学校までの距離

「小学校までどのくらいの距離なの?」という質問は、決まってお客さんから出ます。

私が親であっても、真っ先に目がいくのは距離です。

この分譲地の場合は800mで、大人の足なら10分で着きますが、子どもなら場合によっては道草をしながら30分ほどかけて帰る距離です。

通学路の交通事故の危険性

交通事故の危険性は、都市部でも農村部でも避けて通れない問題です。飲酒運転の車が子どもの列に突っ込み、複数の死者を出した事故もあったので、営業社員は通学路の危険性もしっかりチェックしておきます。

写真は映像の切り抜きなので全体像は分かりにくいと思いますが、この分譲地に限っては、通学路の安全性がかなり高いとお客さんに説明できます。

私が担当営業であれば、通学路の安全性を高評価のポイントとしてお客さんに大きくアピールします。

ほかの土地のほうが小学校に近くても、通学の危険性に大きな差があれば、私はこちらの分譲地を勧めます。

お子さんが女の子なら夜道と不審者も調べる

お客さんのお子さんが女の子かどうかも、極めて重要です。

この分譲地は小学校まで1キロ以内で通学路の安全性も高い場所ですが、近隣に変質者が出たり、日が落ちると急に真っ暗になったりするようでは不安材料になります。

男の子なら問題ありませんが、女の子の場合は、親にとって変質者や夜道の暗さが大きな懸念材料です。

広島の分譲地で治安や通学路の安全を説明した事例は、子育て世代向けの防犯と間取りの提案で解説しています。

営業社員が所轄の警察に行けば、こうした情報はある程度聞くことができます。街灯の設置状況は、営業社員が夜に実際の通学路を車で流せば把握できます。

土地のプレゼンは映像と写真で見せる

崖や近隣の住人、通学路といった細かい点に着目して土地を紹介しても、営業社員がプレゼンテーションの仕方を間違えるとすべてが台無しになります。やり方は簡単で、現地で調べた内容を口頭で伝えるのではなく、視覚に訴える資料に作り込むだけです。

社用車のビデオカメラで土地から小学校までを撮る

福岡の分譲地の写真はiPhoneで撮った映像を切り抜いたものですが、私は当時も社用車のダッシュボードにビデオカメラを置き、紹介する土地から小学校までを撮影していました。最寄り駅や大型スーパーまでの道のりも、同じ手法で映像に収めました。

通学路や通勤経路の動画を使う土地提案の手法は、土地なし客への土地提案の手法で解説しています。

お客さんのご自宅にも住宅展示場にもテレビがあるので、私はテレビの背面の端子とビデオカメラをつないで映像を流しました。

現在ならパソコンで簡単にできるので、営業社員には、映像を使うとお客さんに強くアピールできることを認識してほしいと思います。

私は写真も資料に入れましたが、視覚に訴えるという目的は映像と同じです。

分譲地で立地を説明するときの話し方は住宅営業の初回接客のコツで解説しています。

土地の提案資料に入れる項目と調べ方

本記事で取り上げた項目を、調べ方と合わせて表にしました。

項目調べ方提案資料に入れるもの
崖や林など周辺の地形現地を車で走って確認するハザードマップ
近隣・隣接地の住人建物の外観、自転車、庭の松の木や盆栽を見る集合住宅の間取り図、外から分かる住人の情報
小学校までの距離と通学路土地から小学校まで車で走って撮影する通学路の映像と距離
夜道と変質者の情報所轄の警察に聞く、夜に通学路を車で流す街灯の設置状況、警察で聞いた情報
最寄り駅・大型スーパーまでの道のりダッシュボードにカメラを置いて走る移動の映像

まとめ

住宅営業が土地のプレゼンで他社と差をつけるには、紹介する土地を自分で車で走り、崖や近隣の住人、小学校までの通学路を確かめて、お客さんがそこでどう暮らすかを映像と写真で見せます。

私は土地紹介についてまだまだ書き足りませんが、本記事の内容を真似するだけでも成果は出ると自信を持って断言します。コンサル先で準備不足の土地紹介が多いということは、裏を返せば、入念に準備して徹底したプレゼンテーションを仕掛けた営業社員ほど、土地提案が成功する可能性が高まるということです。

ぜひ本記事の福岡の分譲地の事例を参考に、次に紹介する土地の周りを車で走り、提案資料に映像と写真を入れてください。

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