住宅営業が競合に勝つ方法|敵の資金計画書を上回る工務店の事例

住宅営業が競合に勝つ方法|敵の資金計画書を上回る工務店の事例

住宅会社は競合他社のホームページで会社の方針を知ることはできますが、相手の営業マンがどんな図面や資金計画書を出してくるかまでは分かりません。

私のコンサル先である東海地方の住宅会社T社は、競合に勝って契約したお客さんから、相手のプレゼン図面や資金計画書のコピーをもらう取り決めにしています。T社は集めた資料を上回る書類を作り、競り合いになった商談での勝率を高めています。

本記事では、T社の事例をもとに、競合他社の資料の集め方、相手を上回る書類の作り方、商談で使うキラートークを解説します。

住宅会社が競合に勝つには敵の営業資料を手に入れる

住宅会社が競合に勝つには、まず敵が何者であるかを知ることが重要だと私は考えています。

競合の勝率が高い東海地方のT社

私は10年以上前からT社の社長を知っています。T社は営業専属の社員を5人抱え、地道に頑張っている住宅会社です。

T社の取り組みは営業個人ではなく会社全体で行っているもので、T社は他社と比べて競合での勝率が比較的高いと私は感じています。

お客さんの趣味に合わなかったり、価格差が圧倒的だったりすれば、T社でも勝つのは難しいです。

それでも、商談がもつれて競り合う場面になると、T社の戦略が威力を発揮します。

契約したお客さんに競合他社の図面と資金計画書のコピーを頼む

T社では、営業マンが競合に勝って契約したとき、お客さんに次のお願いをする取り決めになっています。

営業「この度は弊社とご契約いただきありがとうございます。これからが本当のお付き合いになりますので、営業担当の私も一生懸命やらせていただきます」

主人「こちらこそよろしくお願いしますね。もう一社の営業さんも頑張ってくれたし、外観や間取も魅力だったんだけども、泣く泣く断らせていただきましたよ(笑)」

営業「あちらの営業さんも頑張っていたと思うので、同じ営業として断られた気分を想像すると辛いものがありますが、私も仕事ですのでそうは言っていられません(笑)」

主人「確かにそうだね」

営業「ところで、もしよろしければですが、お願いが一点あります。〇〇社さんも色々と資料を作ってきたと思うのですが、例えばプレゼンテーションに使用した図面とか資金計画書のコピーを取らせていただけないでしょうか」

主人「えっと・・・そうだね・・・特に問題はないと思うんだけど・・・コピーでいいの?」

お客さんへのお願いの切り出し方は紹介営業のコツで解説しています。

会社のパソコンに貯まったRホームの提出資料

T社のパソコンには、こうして集めた競合他社の資料が膨大に入っており、私もその中身を見ています。

T社とよく競合するのはRホームです。

T社はRホームとの競合で勝ったり負けたりしていますが、勝ったときには9割方の確率で、Rホームの提出資料をお客さんからコピーできています。

競合に勝ったお客さんから他社のプレゼン図面や資金計画書をコピーさせてもらう聞き込み方は、他社資料を集める住宅営業のコツで解説しています。

住宅営業の競合対策は相手の資料を上回る書類づくり

同じ住宅会社が作る書類は、何十件とコピーを集めれば、だいたい同じ書式になっているはずです。

そのため、T社の営業マンは、次に同じ相手と競合したときも同じ書式の書類が出てくると推測できます。

T社の営業マンは、その書式よりも中身の濃い書類を作って提出します。

敷地調査報告書はページ数と写真の枚数で上回る

敷地調査報告書は、住宅会社がお客さんの土地を測量したり、スウェーデン式貫入法で地耐力を調べたりした結果を一冊にまとめたものです。

T社の営業マンは、相手が10ページの報告書をまとめたなら、15ページで作成します。

営業マンは報告の内容も細かくし、土地の写真も相手が5枚なら10枚にします。

2冊を比べたお客さんは、「おたくの会社は、あちらさんよりもしっかりとした内容を作るんだね」と受け止めるほかありません。敷地調査を申し出るアポの取り方は住宅営業の敷地調査のアポ取りで解説しています。

資金計画書には地鎮祭や引っ越しの費用まで書く

資金計画書もその典型です。敵の資金計画書はだいたい想定内の書式なので、T社の営業マンは入手した資金計画書を上回る内容で作ります。

「資金計画書で敵を上回る内容など作れるのか?」という疑問の声も聞こえてきそうですが、私の答えは簡単明瞭でイエスです。

営業マンは、他社が書かないような細かい費用を資金計画書に計上します。

  • 地鎮祭で神主さんに包む費用
  • 地鎮祭で供える鯛の値段
  • 引っ越し先で周囲に配るタオルの値段
  • 複数社を比べた引っ越しトラックの手配費用

引っ越し費用は同じ引っ越しでも閑散期と3月の繁忙期で雲泥の差が出るので、営業マンはその違いも資金計画に織り込みます。ごく一般的な資金計画書とこの資金計画書を見比べれば、お客さんがどちらを評価するかははっきりしています。

建築費用・土地費用・諸費用から借入額と毎月の返済額を自動で計算できる書式は、資金計画書テンプレートで解説しています。

T社の営業マンは、このようにすべての書類を敵より上回る品質で作ります。この形で対抗すれば、住宅会社が競合に勝つ確率は上がります。

競合の勝率をさらに上げるキラートーク「どの会社もこの程度はやりますよ」

敵の書類を上回る資料を作ったうえで、私はちょっとしたトーク術を使っていました。

私がキラートークと呼んでいるのが「どの会社もこの程度はやりますよ」です。

資金計画書を例にすると、営業マンとお客さんの会話は次のようになります。

営業「こちらが今回の資金計画書になります。内容は今ご説明したとおりですが、何かご不明点はございますか」

主人「特にありませんけども、すごく内容が充実しているというか細かいことまで書いてありますね」

営業「マイホームを建てるとき資金計画書は一番大事なことですからね。引っ越し代とか地鎮祭とか、どこの住宅会社でもこの程度は最低限調べて書くはずです」

主人「でも、昨日会った〇〇ホームさんにもらった資金計画書はやけにあっさりしていましたよ」

私は内心では、ここまで細かく資金計画書を書く営業マンなどいないと思っています。

営業マンは、そのハイレベルな資金計画書を最低限のラインに据えてしまえばよいのです。

この会話をすると、お客さんは敵の住宅会社が出した資金計画書を見て、不信感までは抱かないものの、少し物足りない気持ちになるはずです。

営業マンはプレゼンテーション図面や外部仕様書、内部仕様書も同じ理屈で作成し、このキラートークを添えます。そうすれば、競合の勝率はさらに高くなります。

競合の提出資料を読み込み、反論の資料とトークを事前に用意する準備の方法は、住宅営業のカウンタートークで解説しています。

年間5~6棟の工務店が競合資料を集める進め方

競合他社の資料を見比べて対策を練る住宅会社の打ち合わせ

セミナーで話しても実行する住宅会社はほとんどない

T社のこの手法とアイデアは、コンサルタントとして私が伝えたものです。

私はオープンセミナーなどあちこちで同じ話をしていますが、忠実に実行している住宅会社はほぼないと言ってよいでしょう。

この話はノウハウとして十分に通用する内容です。

それでも実行している会社が少ないのは、話を聞くだけで実行に移すのがいかに難しいかを示しています。

小さな工務店は数年かけて社内で貯める

競合資料の収集には時間がかかります。営業マンが大勢いる大きな住宅会社なら資料は簡単に集まりますが、年間5~6棟の工務店が一定数の資料を集めるには、どうしても数年かかります。

全件から資料を回収するのは無理ですが、工務店が数多くの案件であたれば相当数が集まります。競合負けが多い住宅会社は、次の案件から始めてください。

回収した競合の資料をもとに、相手が手を抜いた項目で上回る資料を出した資金計画書と敷地調査の事例は、競合他社の資料を上回る営業の事例で解説しています。

まとめ

T社の競合対策は、契約したお客さんから競合他社の図面や資金計画書のコピーをもらい、相手を丸裸にしたうえで、それを上回る書類を作るものでした。営業マンは「どこの住宅会社でもこの程度はやります」と添えることで、相手の書類を物足りなく見せられます。

この戦略にかかる経費は、せいぜいコピー代です。これほど安価な戦略はありませんので、住宅会社は途中であきらめず、数年かかっても地道に資料を集めてください。

ぜひ本記事のT社の事例を参考に、次に契約したお客さんから競合他社の資料のコピーをもらってください。

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