紹介が減った工務店のYouTube発信|3つのハードルと動画ネタ

地方にある従業員10人以下の工務店の社長は、「技術は〇〇ハウスより明らかに上なんだけど」と嘆いています。この工務店は創業から25年間、紹介受注で回ってきましたが、コロナ禍に入ってから紹介が急に減りました。
この社長に私が最初に提案したのは、社長自らが出演するYouTubeでの動画発信です。社長が動画発信を始められないのは、ネタ・編集・アップ方法という3つのハードルがあるからで、これを取り除けば発信は続けられます。
本記事では、現在進行形で私が関わっているこの工務店の実例をもとに、紹介受注が減った工務店がYouTube発信を始める手順と、動画ネタの作り方を解説します。
紹介受注で25年回ってきた工務店がYouTube発信に踏み出すまで
この工務店の社長は設計畑を歩んだ方で、紆余曲折を経て独立し、工務店を開業しました。
腕がよく評判もいいので、この工務店は紹介受注で会社が回ってきました。
クレームが少なく出来栄えもいい工務店であれば、紹介が続くのは当然です。
「会社創業以来25年間にわたってお客さんなどからの紹介受注に事欠いたことはなかったのですが、コロナになってからその紹介がなぜか急に減りました」
社長はかなりの危機感を持っていて、体力のあるうちに何か手を打とうと動き始めたのです。
施主・寺社仏閣・職人からの紹介がそろって細った
この工務店の紹介の柱は、お施主さんからの王道の紹介でした。
私が「その紹介を得るために何か特別なことをしたのか」と聞くと、社長の答えは「特に何もしていません」でした。
社長には、いいものを作っていれば紹介は自然と出てくるという発想があり、これは地場の工務店によくあるパターンです。
もちろん、会社側から仕掛けなくても、お客さんが自らの意思で友人知人を紹介してくれるのが理想です。
しかし、お施主さんからの紹介ルートが急にしぼんだことで、社長は危機感を持ち始めました。
施主に紹介をお願いする頼み方は、紹介営業のコツで解説しています。
この工務店は行政と提携して寺社仏閣などのリフォームも手広く行っていたので、寺社仏閣の方面からの紹介も少なからずありました。
社長は「コロナになってからぱったりなんですよね」と残念がりますが、理由はよく分からないとも話していました。
どの会社にもある職人からの紹介も、最近細ったそうです。
現場見学会もイベントも追客もやってこなかった
この工務店は紹介に依存しっぱなしで、一般的な住宅会社が行う現場見学会やイベント、それに伴う追客活動をほとんどやってきませんでした。これが問題だったのです。
紹介受注が多い工務店ほどYouTubeで別の入口を作るべき理由
紹介受注の多さを自負してきた工務店は、注意が必要です。
紹介が多いことは、その工務店の技術レベルと信頼性が高い証拠ではあります。
この工務店も技術は確かで、社長の人柄を皆が信頼し、社員の意識や技術のレベルも高い会社でした。
ただ、紹介が多い工務店には、紹介にあぐらをかく傾向があるのではないかと私は考えています。
私はいつも、紹介が多い時期だからこそ、工務店はその他のルートを探るべきだと思っています。
紹介以外で新しいお客さんを見つける方法は、住宅営業の探客方法で解説しています。
そこで私がこの工務店に最初に仕掛けたのが、YouTubeでの動画発信です。
社長が自らYouTubeに出演して発信する手法は、工務店の営業戦略としてもっとも注目されています。
目鼻の利く全国の小規模工務店の経営者は、自分が出演した動画をYouTubeに上げて告知活動を行っています。
こちらの社長もこの戦略は知っていて、次のように話していました。
「YouTubeを使って自らをアピールしている工務店って最近多いよね」
工務店社長がYouTube発信を始められない3つのハードル
多くの工務店経営者は、動画発信が重要だと頭では分かっています。
それでも、経営者が自分でカメラの前に立ち、会社や家づくりのことを話そうとすると、そこには高いハードルがあります。
こちらの工務店では、私が社長の背中を押すことにしました。
実際にやってみると、誰かに背中を押されるだけで物事は簡単に動き出します。
社長がカメラの前に立って撮る1本目の動画の作り方は、工務店のYouTubeの成功と失敗の実例で解説しています。
工務店の経営者がYouTube発信でつまずくハードルは3つあります。1つ目は、動画のネタが思いつかないことです。
2つ目は、撮った動画の編集です。
動画の編集作業は、撮影作業と比べて十倍の労力がかかります。
テレビの世界でも、1分のニュースをまとめるのにかなりの時間をかけています。
3つ目は、YouTubeへの具体的なアップ方法が分からないことです。この3つのやり方さえ分かってしまえば、工務店は動画配信を比較的簡単に続けられます。
工務店のYouTube動画ネタの見つけ方
動画のネタは、次の3つの型から簡単に着想できます。
家づくりの失敗事例を間取りで説明する
家づくりの失敗事例は、多くの人が関心を寄せるテーマです。工務店の社長は、これまでの経験から「このような間取りは良くない」という失敗事例を複数集め、その間取りを実際に指し示しながら説明します。
「このリビングは良くない」「この動線は良くない」「この壁はよくない」「この窓は良くない」
もちろん、社長はそれぞれ良くない理由もしっかり説明します。
他の住宅系YouTuberの動画を見ると分かりますが、家づくりの失敗事例は間違いなく再生数が伸びます。
工務店の社長がプロの立場で失敗事例を取り上げれば、視聴者は興味を持って見てくれると予想できます。
住宅系YouTuberや他の工務店の動画をアレンジする
他の動画からヒントをもらうと言うと聞こえは悪いのですが、端的に言えば、他の人の動画を参考にすることです。
どんな分野でも、自分だけの発想では限界があります。
社長は住宅系YouTuberや他の工務店の社長が流している動画を見て、そのままでは真似になるので少しアレンジし、独自の視点を付け加えてネタを作り込みます。
工務店とハウスメーカーの違いを客観的に比べる
工務店とハウスメーカーの違いも、多くの人が興味を持って見るテーマです。社長は工務店側の視点でもハウスメーカー側の視点でも構いませんが、悪口ではなく、冷静で客観的な分析にしてください。
調べるのに手間はかかりますが、有名ハウスメーカーの比較はもっとも関心を呼ぶコンテンツです。積水ハウス、ミサワホーム、パナソニックホーム、三菱地所ホーム、セキスイハイムといったハウスメーカーを、価格・構造・保証などの要素で比べてみてください。
ハウスメーカーと比べながら住宅会社を選ぶ施主に工務店がYouTubeで対抗する方法は、ハウスメーカー紹介サイトへの工務店の対抗策で解説しています。
まとめ
創業から25年間紹介受注で回ってきた地方の工務店でも、コロナ禍に入って施主・寺社仏閣・職人からの紹介がそろって細りました。紹介が多い時期こそ工務店は別のルートを探るべきで、この工務店に私が最初に提案したのが社長自らのYouTube発信です。
動画発信を止めるネタ・編集・アップ方法の3つのハードルは、それぞれのやり方さえ分かれば越えられます。ネタは、失敗事例・他の動画のアレンジ・ハウスメーカーとの違いの型から選べます。
ぜひ本記事の3つのハードルと動画ネタの型を参考に、社長自らが出演するYouTube動画の1本目を撮ってください。



