ハウスメーカー紹介サイトで契約した施主の事例|工務店の対抗策

ハウスメーカーにも工務店にも直接コンタクトを取らないまま、ハウスメーカー紹介サイトから紹介された住宅会社と契約するお客さんが増えています。7月に私が取材したお客さん4人は、たまたまかもしれませんが、全員がSUUMOに代表されるような紹介サイトを経由してハウスメーカーとコンタクトを取っていました。
そのうちのAさんは、YouTubeで紹介サイトB社を知り、B社の担当者が選んだハウスメーカー3社とだけ商談して契約しています。大手資本に正面から対抗するのは無理でも、紹介サイトの戦略を把握すれば、小規模な工務店にも対抗する手をひねり出せる可能性は十分にあります。
本記事では、Aさんが紹介サイト経由で契約するまでの流れと、紹介サイトの担当者が紹介先を左右する問題点、工務店がYouTubeで対抗する方法を解説します。
ハウスメーカー紹介サイト経由で契約したAさんの事例(工務店への接触はゼロ)
10年前であれば、家づくりを考え始めた人は、ひとまず住宅展示場に行くか、折り込みチラシで見た新築現場見学会に足を運んだかもしれません。
このやり方は今も残っていますが、ここしばらく大きく台頭してきたのがハウスメーカー紹介サイトです。
取材したAさんも、最初は家づくりをなんとなく考え始め、「何から手をつけようかな」と迷っていたそうです。
家づくりの入口は住宅系のYouTubeだった
Aさんは、いきなり紹介サイトを開いたわけではなく、なんとなくYouTubeを見始めたといいます。
YouTubeには住宅系YouTuberの動画もあれば、ハウスメーカーが公式に運営しているチャンネルもあります。
数ある動画の中でAさんの目に止まったのが、大手の紹介サイトB社のチャンネルでした。
家づくりを考える人が住宅系YouTuberの動画から受ける影響は、住宅系YouTuberの影響力で解説しています。
Aさんは、B社の名前も、紹介サイトという仕組みがあることも知りませんでした。それでもAさんは、B社が大手ハウスメーカーS社について上げていた長時間の動画を、一気に見てしまったそうです。
B社の社名を検索して口コミで信用した
Aさんは、YouTubeのチャンネル名をもとにB社を調べ、手広く事業をしていそうなことと、動画の内容に納得したことから、B社に興味を持ちました。
ただ、Aさんは、B社が怪しい会社ではないかと警戒を怠らず、B社の社名で検索して口コミを探しています。
口コミを読んだAさんは、B社が信用できる会社で、メジャーな紹介サイトの一角を占めていることに初めて気づきました。
紹介サイトの担当者が選んだ3社とだけ商談した
住宅会社の選び方がまったく分からなかったAさんは、この時点で、B社を通じてハウスメーカーを紹介してもらおうとほぼ決めていたそうです。
Aさんはすぐにネットで問い合わせ、B社の担当者との面談に進みました。
B社の担当者は親切で知識も豊富だったので、Aさんは担当者の話にいちいち納得したといいます。
Aさんは担当者から紹介されたハウスメーカー3社とアポイントを取って商談を始め、先月契約に至りました。
この流れの中で、Aさんはハウスメーカーにも工務店にも直接連絡を取っておらず、商談先はすべて仲介に入ったB社が差配しています。
工務店がいくら努力しても、お客さんの候補にすら入らないケースが増えているのです。
ハウスメーカー紹介サイトの担当者次第で紹介先の住宅会社が変わる
Aさんの希望と最も親和性が高いと考えられたのは、有名ハウスメーカーのG社でした。
ところが、G社は紹介サイトから紹介されず、Aさんと一度も接触しないまま候補から外れています。
G社が外れた理由について、私はAさんに直接聞きました。
私「今回は3社を紹介されて商談に臨んだわけですが、この他にも気になったメーカーはありましたか?」
Aさん「G社が良かったですね。性能は非常に高い会社ですが、私は耐震性とか気密性などものすごく重要視していたので、気になっていたんです」
私「紹介サイトの担当者さんから名前は出なかったのですか?」
Aさん「いいえ、名前は出ましたし、いい会社ですとも言ってもらいました」
私「では、なぜ断ったんでしょう」
Aさん「耐震性とか気密性は非常にいい会社だけども、間取りの自由性が低いなどの問題点をいろいろ話してくれたので、思いとどまってしまいました」
担当者がG社を強く推さなかったと私が考える理由
紹介サイトの担当者が挙げたG社のマイナス点は、確かに誰もが口にすることです。しかし、紹介された3社にもそれなりに問題点はあり、なぜG社だけが落ちたのか、私は腑に落ちませんでした。
この謎は、Aさんと話を続けるうちに解けました。
私の推測も入りますが、担当者はAさんに対してG社を強く推薦していなかったと思われます。
担当者は「G社はいい会社ですよ」と言いながら、G社のマイナス点をかなり強くAさんに吹き込んでいたと、私は感じたからです。
社内の事情は知りませんが、紹介サイト側がG社をあまり推薦しないようにしていたのか、担当者個人がG社をあまり好きではなかったのかと、私は勘ぐってしまいます。
真実はもちろん分かりません。
それでも、担当者の裁量で紹介先が大きく変わることは、この事例から明らかだと私は考えています。
お客さんは紹介先の偏りに気づけない
ほかに聞いた事実も含めて考えると、紹介サイトの担当者や紹介サイトの会社の事情によって、紹介されるハウスメーカーに一定の偏りがあるのは間違いないでしょう。
様々な大人の理由が働いているわけですが、お客さんはその理由を知る由もありません。
目の前の担当者に博識を披露されれば、お客さんが「この人に従おう」という気になるのもうなずけます。
お客さん自身が徹底的に勉強しているなら話は別ですが、ごく一般のお客さんには知識がないので、プロの言うことになびくのは至極当然です。
工務店が紹介サイトに頼らず集客するならYouTubeから始める
ハウスメーカー紹介サイトに頼らずに住宅営業を続けるために、工務店がいの一番に手がけていただきたいのはYouTubeです。
Aさんは、なんとなく家づくりを考え始め、なんとなくYouTubeを見て回るうちに紹介サイトにたどり着きました。
この流れをたどるお客さんがものすごく多いのが現状なので、工務店がYouTubeで何かしらの情報を出すことは必須だと私は考えています。
もちろん、YouTubeに動画を上げても再生回数が伸びない、検索に引っかからないといった問題はあるでしょう。
しかし、YouTubeに取り組まないのは明らかに間違いで、取り組まなければあなたの会社は大きな機会損失をしていると私は断言できます。
YouTube以外で新しいお客さんを探す方法は、住宅営業の探客方法で解説しています。
YouTubeは参入のハードルが少し高いから工務店に有利になる
InstagramやTikTokより参入する住宅会社が少ない
YouTubeはハードルが高いと考えている人は、実に多いのが現状です。
InstagramやTikTokは簡単に始められるので、ライバルの住宅会社も同じように簡単に参入しています。
一方のYouTubeは、それなりにしっかり撮影しなければならないうえに、アカウントを作って形を整えるまでの手間も、ほかのプラットフォームより少し大変です。
しかし、ハードルが少し高いだけで他社が入り込めないなら、あなたの会社がそこに潜り込めば有利な立場に立てると私は考えています。
撮影ネタは他の住宅会社の動画から探す
撮影する内容は、他の住宅会社がやっていることを研究して、そこからヒントを得れば十分です。私もいろいろな住宅会社のYouTube制作をお手伝いしていますが、ネタはいくらでもあります。
社長自らが発信する場合の動画ネタの作り方や、編集・アップ方法といったハードルの越え方は、工務店のYouTube発信の動画ネタで解説しています。
よくある質問
工務店のYouTubeは制作会社に外注しないと始められませんか?
外注しなくても始められます。
外部の業者を使わなければ、制作費は基本的に0円で済みます。
私もいまでこそYouTubeの作り方を熟知していますが、最初はYouTubeを見ながら作成方法を1から手探りで勉強しました。
まとめ
SUUMOに代表されるハウスメーカー紹介サイトの存在感は、日に日に高まっています。Aさんのように、YouTubeで紹介サイトを知り、紹介サイトの担当者が選んだ住宅会社とだけ商談するお客さんに対して、工務店は接点を持つことすらできません。
規模の小さい工務店が紹介サイトに対抗するのは簡単ではありませんが、私は、とにかくYouTubeに着手していただきたいと考えています。お客さんとあなたの会社をYouTubeでつなぎ、そこを起点に住宅営業を展開してほしいと思います。
ぜひ本記事のAさんの事例を参考に、自社のYouTubeチャンネルで最初の1本を撮影してください。



