住宅営業のポスティングは効果ある?反響を記録する設計事務所の事例

住宅営業のポスティングは、配布エリアと反響を記録し、反応が薄かった紙面を改良しながら続ければ受注につながります。
家族経営のS設計事務所は、ポスティングを営業活動の中心に置いています。
そのうえで、新築とリフォームの受注を安定して確保しています。
本記事では、S設計事務所の事例をもとに、住宅営業のポスティングで反響を出す方法と、SNSの時代でも紙のチラシが届く理由を解説します。
住宅営業のポスティングで受注を続けるS設計事務所の事例
23区内ではない地域に、S設計事務所という設計事務所があります。
S設計事務所の社長は60歳くらいで、家族経営ですが業績は順調そのものです。
S設計事務所は新築受注とリフォーム受注を安定して確保しており、社長はその理由の一つをこう断言します。
「ポスティングはうちにとって中心的な営業活動だよ」
S設計事務所がポスティングを続けているのは、ポスティングに一定数の反響があり、その反響が受注に結び付いているからです。もちろん、S設計事務所は適当にチラシを撒いているわけではありません。
チラシ以外の紙を配って受注につなげる方法として、年末にカレンダーを配るやり方は、工務店の年末カレンダー配りの効果で解説しています。
住宅地図の区割り図に配布日・部数・紙面を書き込む
私は社長から、住宅地図を貼り合わせた大きな地図を見せてもらいました。
その地図は、ポスティングのエリアをきれいに色分けした区割り図でした。
区割り図には、地区ごとに配ったチラシの紙面と部数、配布日が事細かに書き込まれていました。
「〇〇地区に〇〇のキャッチコピーを書いたチラシを3500部 4月30日にポスティング」
「▲▲地区には▲▲の写真を大きく掲載したA4サイズのチラシを1000部 6月3日にポスティング」
S設計事務所では、区割り図の内容をパソコンにも保存しています。
反響を記録し、反応が薄い紙面は改良して撒き直す
S設計事務所の記録には、ポスティングごとにどのような反響があったかも書かれていました。
「問い合わせ電話が3件」
「見積もり依頼1件」
「トイレリフォーム問い合わせ1件」
残念ながら、「反響皆無」という記述もありました。しかし、社長は反応が薄かったポスティングの原因を分析し、次回は紙面構成を改良してポスティングを行います。
配る地区を決めるための地域の調べ方は、住宅営業の探客方法で解説しています。
工務店のポスティングはイベント前だけでは効果が出ない
S設計事務所の社長は、「イベントの時だけバーっと撒いてもダメだよ」とも話していました。私もこの意見には同感です。
私はコンサル先で、見学会直前のポスティングの失敗例をよく話します。
新築現場見学会の集客のために、住宅会社が1週間前にチラシを10000枚配り、来場は1組だったという例です。
世の中の住宅業者はほとんどがこのやり方です。
しかし、この結果だけで紙のチラシは効果がないと判断するのは早計です。
イベントそのものの集客の工夫は、寄席イベントによる工務店の集客で解説しています。
見学会の集客をポスティングに頼らず、DMやSNSで行った場合の来場の見込みは、ポスティングなしの現場見学会の集客で解説しています。
SNSの時代でもポスティングのチラシが届く3つの理由
SNSが事実上存在しなかった20年前は、住宅会社がイベントを告知する方法といえば新聞折込みやポスティングが主流でした。
今はその状況が全く様変わりしています。
それでも私は、紙媒体の宣伝を完全に手放すのはどうかと考えています。
コンサル先の現場やお客さんの動向を取材するなかで、紙媒体が効果を発揮する場面もそれなりにあると体感しているからです。
紙媒体による集客が近年どう変わってきたかは、工務店のポスティング・チラシ集客の現状で解説しています。
SNSの時代といっても、SNSを使わない人にとっては関係のない話です。
住宅会社がTwitterやInstagramでいくらアピールしても、SNSを使わない人には全く届きません。
そのため、SNSを主軸にする住宅会社でも、紙媒体のポスティングには一定の効果があります。
紙のチラシは情報を一度に見渡せる
住宅会社が新築イベントの情報を、SNSとポスティングの両方で流したとします。
情報量はスマホも紙媒体も全く同じだと仮定します。
お客さんがスマホに流れた情報をすべて見ようとすると、スクロールが欠かせません。
小さめの文字は、拡大して確認することにもなります。
ところが、紙媒体には情報を一気に俯瞰(ふかん)で把握できるという特徴があります。
お客さんがイベントの全体像をつかむのは、紙のチラシを一度に見たほうが早いはずです。
新聞はとうとう3000万部を割り込んだと発表されましたが、情報を俯瞰するという点では優れた面があると私は考えています。
大きな文字のチラシはシニア層のリフォーム客に読まれやすい
リフォーム営業の対象顧客は年齢層が比較的高く、年齢のために視力が落ちている人もいます。そのため、住宅会社はリフォームイベントを告知するポスティングでは、紙のチラシに大きめの文字で情報を書きます。
スマホでも、お客さんは文字を簡単に拡大できます。
しかし、文字を大きくするとその分ほかの文字が画面から外れてしまい、文章を追うのが大変になります。
こう考えると、リフォームのチラシは、アナログのチラシをポスティングしたほうが訴求しやすい面もあります。
ポスティングは集合ポストのマンションより一戸建てに配る
S設計事務所の社長からは、ポスティングの配り先について興味深い話も聞きました。
集合ポストのあるマンションでは、3日もポストを開けないと、中は投函された広告で山のようになります。
一戸建てにも業者のチラシは次々に入りますが、投函されるチラシの数は、集合ポストのあるマンションのほうが多くなる傾向があります。
「配布するアルバイトの気持ちになると分かるけど、集合ポストのあるマンションへどうしても足が向かうんだよね(笑)」
アルバイトが集合ポストに向かうのは、一気に大量のチラシを処理できるからです。
住宅会社はアルバイトに一戸建てにも配るよう指示を出しますが、それでもアルバイトの足はマンションに向きやすくなります。
加えて、デリバリーなどのチラシは、共働きや若い世帯が多い賃貸マンションに多く配られる傾向があります。
つまり、住宅会社のチラシは、集合マンションに配るより一戸建てに配ったほうが、お客さんの目に留まりやすくなります。大きな差はないような気もしますが、あるポスティング会社の社長も全く同じ話をしていたと私は記憶しています。
住宅会社はSNSを主軸にして紙のチラシも配り続ける
ここまで読むと、私がSNSを否定しているように思われるかもしれませんが、そこは誤解しないでください。
私自身もTwitter、Instagram、noteをやっています。
YouTubeも運営しており、登録者数が1000人を超えたところです。
私はSNSの重要性と可能性を認めて取り組んでいます。
そのうえで「ポスティングは効果がある」と話しています。
私はポスティングを勧めていますが、SNSも必須だと考えています。
SNSをやっていない工務店は、SNSを毛嫌いせずに大至急着手してください。
そのうえで、SNSと並行してアナログのポスティングを続けてください。
SNS集客の始め方は、ハウスメーカー・工務店のSNS集客で解説しています。
まとめ
住宅営業のポスティングは、イベントの前に一度だけ大量に撒いても効果が出ません。
しかし、S設計事務所のように配布エリアと反響を記録し、反応が薄かった紙面を改良しながら続ければ受注につながります。
紙のチラシは、SNSを使わない人に届き、一度に全体を見渡せて、大きな文字でシニア層にも読んでもらえる媒体です。
配布先は集合ポストのマンションより一戸建てを選び、SNSを主軸にしながらポスティングを並行してください。
ぜひ本記事のS設計事務所の事例を参考に、自社の配布エリアと反響を記録する区割り図を作ってください。



