住宅営業が次回アポを取るコツ|取材300人中NO1の寸止め接客

住宅営業が次回アポを取るコツ|取材300人中NO1の寸止め接客

住宅展示場の初回接客で会話が弾むと、お客さんは大満足で帰っていきます。

ところが、住宅営業は次回アポの口実をなくし、最後は「プランを描いてみませんか?」というワンパターンのトークになりがちです。

私が取材した300人の中で次回アポを取るのがNO1だった住宅営業のFさんは、展示場で話を全部出し切らず、続きを次回に残していました。私も積水ハウス時代に、8割方話したところで「この続きはここでは話せない」と伝え、お客さんを現場見学会に誘っていました。

本記事では、Fさんへの取材と私のトーク例をもとに、住宅営業が初回接客で次回アポを取る進め方と、現場見学会への誘い方を解説します。

住宅営業の次回アポは話を8割で止めると取れる

住宅展示場での初回面談で次回アポを取る能力が高い住宅営業ほど、それに比例して受注成績も上がります。

あるフランチャイズの加盟店に在籍する男性営業のFさんは、この能力が極めて高い人でした。

Fさんは特別な高等テクニックを使っているわけではありませんが、お客さんの心理を巧みに突いています。

取材300人中NO1のFさんに会うまで

私はコンサルティング歴23年の中で、10社近いフランチャイズと関わってきました。

小規模なフランチャイズでも加盟店が全国に15から20あり、大型のフランチャイズになると47都道府県のすべてに加盟店がある住宅会社もあります。

加盟店が多ければ営業社員の数も相当数に上るので、成績がまったく上がらない人もいれば、飛び抜けた才能を発揮する人もいます。

私がFさんを知ったのは、比較的大きなフランチャイズから加盟店の営業研修を依頼され、本部へ打ち合わせに出向いたときです。

私は研修を現場に即した内容にするため、住宅展示場や興味深い営業社員を事前に取材することを基本にしています。

打ち合わせの中で私が「加盟店でアポイント取得のうまい営業マンはいませんか?」と本部に聞いたところ、展示場接客で次回のアポイントを取るのが突出してうまい営業社員が、地方のある県にいると分かりました。

私はためらうことなく取材を希望し、本部に話をつないでもらうと、Fさんも快諾してくれました。私は風光明媚な場所にある加盟店にお邪魔して、Fさんから1時間ほど話を聞いています。

話を出し尽くすと次回アポの口実がなくなる

Fさんが私の質問に最初に答えてくれたのは、住宅展示場で話が弾むと、営業社員は話したいことを全部話し切ってしまいがちだという点でした。

お客さんは大満足でお腹いっぱいになりますが、営業の側から見ると、営業社員とお客さんの双方にとってそこで一区切りついてしまいます。

次回アポの口実をなくした営業社員は、「プランを描いてみませんか?」というワンパターンのトークに頼りがちになります。

奥さん一人の来場客に「次回はご主人と」と次回の来場を促して、検討から外された住宅会社の例は、ハウスメーカーの営業トーク事例で解説しています。

Fさんは、話の一部だけを見せて続きを残す接客を、こう表現していました。

「チラ見せっていうんですかね(笑)」

実は私も現役時代に、まったく同じことをしていました。

いわば話を寸止めする接客です。

初回接客そのものの進め方は、住宅営業の初回接客のコツで解説しています。

住宅展示場で次回アポを取ったトーク例(積水ハウス時代)

私が積水ハウスの営業だったころのトークを、簡単にまとめて紹介します。

森「……こんな感じなんですよね。このご説明をさせていただきますと、ほとんどの方が積水ハウスに強い興味を抱いてくれるんですよ」

お客様「確かに今のお話を伺うと興味が湧きますよね」

森「ありがとうございます。それとこれに加えて、さらに興味深い資料といいますか実験データの話がありまして、これをお聞きいただけると今の気持ちが確信に変わると思いますよ」

お客様「それはどんなデータですか?」

森「申し訳ないんですが、その資料が今すぐに出せないということと、今1時間ぐらいお話をさせていただいたんですが、私がすぐに出なくてはいけないんですよ。そこでいかがでしょうか、来週に弊社の現場見学会があるのですが……」

商談の進め方を順番に分けると、下の表のようになります。

順番住宅営業がやること
1次回のアポイントを取ることを前提に話を進める
2お客さんの関心を引く話をする
3お客さんの心を掴んだと確信したら、話を最後までしないと決める
48割方話したところで「この続きはここでは話せない」と伝える
5場所を変えるか日にちを改めれば続きを話せると伝える

商談をわざと中断するリスク

私はこのやり方について、いろいろな人から「そんなやり方でよく成功したね」と言われました。

お客さんの心を掴んだのなら、そのまま話を続ければよいという考え方も確かにあります。

それでも私は、話の腰をわざわざ折って商談を中断させることをよくやっていました。

リスクが高いと言われれば、私は「おっしゃるとおり」と答えるしかありませんし、このやり方で逃げるお客さんもいます。

そのため、私から読者に「真似しよう」とは言えず、数ある成功手段の中の一つにすぎないと考えています。

ただ、Fさんも私も同じ発想で住宅展示場の接客をしていたのは事実で、二人ともそれまでの経験から、この手法のほうが成功確率が高いという結論に至りました。

初回面談で話す内容をあらかじめ決めておくトークの作り方は、初回面談で話す住宅営業トークの定番で解説しています。

現場見学会が近いときは次回アポの誘い先を決め打ちにする

住宅展示場での接客日から2週間後に、リアルの現場見学会があると仮定します。

この場合、住宅営業は現場見学会へ誘うトークを接客の最後に持ってくると、接客の前から決めておきます。

話が横道にそれて違う形でアポイントが取れるなら、それでもかまいません。

住宅展示場で接客する住宅営業のイメージ

現場見学会が近いと、営業社員は接客の最終段階で慌てて「この現場見学会に来ませんか?」と振るのが一般的だと思います。

しかし、Fさんの誘い方は違いました。

檜風呂の現場見学会に誘ったFさんの前振り

Fさんはある時、現場見学会を企画しました。

その現場は比較的普通のお宅でしたが、お風呂だけは一点豪華主義で徹底的にこだわり、檜(ひのき)風呂が入っていたそうです。

Fさんは、このお宅に誘う接客について次のように考えました。

「檜のお風呂を入れるなんていうのはそうそうありませんよね。だから展示場で接客する時の最後の落としどころは“この檜風呂を絶対に見るべきです”を目標に寄せていったのです」

この決め打ちの考え方も、私の接客と同じです。

Fさんは接客をしながら、一戸建ては心からリラックスできる場所でなくてはならない、とお客さんに話を振っていきました。

リラックスできる場所は寝室やリビングなど人それぞれですが、Fさんは人生においてお風呂がいかに大事かを、接客の途中に散りばめていったのです。

展示場のTOTOのお風呂から現場見学会へつなぐ

Fさんは住宅展示場のお風呂を案内するとき、お客さんにこう話していたそうです。

「これはTOTO製のお風呂なのですが、サイズも一坪タイプでごく一般的なものです。もちろんこれでも十分なんですけども、見学されるお客さんの多くはもう少し広くしたりとか、さらに豪華なものが欲しいなって皆さんおっしゃいますよね」

Fさんはこうした前振りをして、タイミングを見計らって、檜風呂を設置した現場見学会の話へつなげていました。

誘った現場見学会に来場したお客さんを次のアポにつなげる接客は、現場見学会の接客の成功事例と失敗事例で解説しています。

次回アポにつなげるために接客前に準備すること

接客日の後にイベントがあっても、「次回イベントがあるので来ませんか」だけでは芸がありません。住宅営業は前振りをした上で、お客さんにとってそのイベントに足を運ぶメリットがあるという論理立てをする必要があります。

まとめ

住宅営業は、住宅展示場で話を出し尽くさず続きを次の機会に残すと、次回アポを取りやすくなります。

取材した300人の中でNO1だったFさんも積水ハウス時代の私も、8割方話したところで止める同じ発想で接客していました。

逃げるお客さんもいるリスクの高いやり方ですが、Fさんも私も経験から成功確率が高いと判断しています。

現場見学会が近いときは、住宅営業が誘い先を接客の前に決め打ちし、イベントに足を運ぶメリットにつながる前振りを接客の途中に散りばめます。

展示場で出し切らない話と誘う先のイベントまで決めてから接客に臨めば、「プランを描いてみませんか?」だけに頼らずに済みます。

ぜひ本記事のFさんの檜風呂の事例と私のトーク例を参考に、次の住宅展示場の接客では、残しておく話と誘う先のイベントを決めてから臨んでください。

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