住宅営業で競合に勝つ方法|日本一の営業マンに勝率85%で勝てた理由

住宅営業で競合に勝つ方法|日本一の営業マンに勝率85%で勝てた理由

競合に勝つには、相手の住宅会社がお客さんに出した資料を回収し、相手が手を抜いている項目で上回る資料を出すことです。私はこの方法で、大手ハウスメーカーA社の全国No.1営業マンY氏との競合を、勝率85%以上まで持ち込みました。

本記事では、日本一の営業マンに完敗した初戦から勝ち続けるまでの体験談をもとに、競合資料の集め方と使い方を解説します。

住宅営業の競合で日本一の営業マンに完敗した新卒の8月

競合にどう勝つかは、不動産、住宅、リフォームのどの営業マンにとっても、昔からの難題です。

それでも、私は営業時代、競合が大好きでした。

競合があると白黒の決着がつきやすく、自分の提案を相手と比べて際立たせることもできるからです。

Y氏は元設計士の大手ハウスメーカー営業

私が住宅営業をしていた当時、競合でよく当たった営業マンがいました。具体的な名前は出せませんが、そのY氏は大手ハウスメーカーA社の営業マンで、全国No.1のトップ営業マンでした。

Y氏の経歴は異例で、元は設計士です。

販社の社長が眼力のすこぶる高い人だったのでしょう。

Y氏は社長から次のように言われたそうです。

「お前は営業に向いているから設計をやめて来月から営業だ」

社長の指示を素直に受けたY氏もすごいですが、営業に移って全国トップになったことにも私は驚きました。

初戦の負けは奥さんからの電話で知った

私が初めてY氏と競合したのは、新卒で入社した年の8月です。

商談の細かい内容はまったく覚えていませんが、とにかく私は競合負けしました。

私が覚えているのは、お客さんの奥さんが電話口で申し訳なさそうに話した言葉だけです。

「ごめんね森君。今回はA社に決めたわ」

ところが、次の勝負では私がこの日本一の営業マンに勝ちました。

私の商談力が格段に上がったわけでも、Y氏が下手を打ったわけでもないと私は思っています。

私が勝てたのは、初戦で負けたときにとった、ある行動のおかげでした。

競合に勝つ住宅営業は相手の資料を回収する

初戦で負けた私がとった行動は、Y氏がお客さんに出した資料を回収することでした。

店長の教えは「勝っても負けても資料を回収」

当時の店長は、私たち営業社員に次のように教えていました。

「競合したときは敵の提出した資料を競合に勝とうが負けようが必ず回収してこい」

私は店長の教えに従ってお客さんにお願いし、Y氏のプレゼン関連資料から資金計画書まで手に入れました。

回収の目的は、次回以降の競合対策です。

私は、その後A社やY氏に当たったときにこの資料を持ち出し、質と量の両方で上回る資料を出すつもりでいました。

初めて当たる相手には勝てない

この方法は、初めて当たる相手との競合では使えません。

相手の素性も、その営業マンが出すプレゼン資料の中身も、営業社員の側には分からないからです。

そのため、私は初めて当たる会社と競合したときには、何とかお客さんにお願いして、相手が出した資料をコピーさせてもらっていました。

日本一の営業マンY氏の強みは手書きのプレゼン

日本一の住宅営業マンであるY氏の強みは何だったのでしょうか。

噂によると、Y氏はなかなかの豪傑で、人間味あふれる人柄だったそうです。

当時40代で現場経験も豊富、設計図面も描けるベテランに、新卒の私がかなうわけもありません。

回収した資料を見て私が感心したのは、Y氏がお客さんに出したプレゼンテーションがすべて手書きで、とにかく上手かったことです。

Y氏のプレゼンには犬のイラストがあり、車はお客さんが実際に乗っている車種の写真やミニカーまで用意され、ほかにも楽しい仕掛けがいくつも施されていました。

私のほうは、立面図・配置図・平面図のワンパターンの3点セットに、設備仕様図を付けただけでした。

加えて、Y氏には独特の面白トークがあったと聞いています。私はY氏と面識がないので、トークについては噂で伝わってきた話です。

これだけのハンディを背負った私は、初戦で完敗しました。

「一式」と書かれた資金計画書がY氏の弱点だった

次戦で私が勝ったのは、偶然ではありません。

日本一の住宅営業マンがお客さんに出した資料を、私が手にしていたからです。

私は当時、手に入れた資料を精査し、資金計画書に目を付けました。

諸経費が「一式」とだけ書かれていた

Y氏の資金計画書を見た私の第一印象は、「やけに雑な資金計画書だな」でした。書式はA社が通常使っているものでしたが、諸経費などの欄に【一式】と手書きで書き込まれていたのです。

本来、諸経費の欄はつなぎ融資、所有権移転登記、印紙税などに細かく分かれていて、それぞれに金額を書き込むようになっています。

その欄がひとくくりで【一式】と書かれていたので、新卒の私から見ても手抜きだと感じました。

私はそこでひらめきました。

「そうだ! 次回Y氏と競合したら、いつも出している積水ハウスの資金計画書の書式に加えていろいろと出してやろう!!」

タオル代から光熱費まで資料にして出した

当時の資料は残っていませんが、私がいつもの資金計画書にプラスして出した資料には、例えば次のようなものがありました。

  • 引っ越し時のあいさつ回りに配るタオル代
  • 地鎮祭に必要な鯛一匹の値段
  • 引っ越し代を業者別・月別にまとめた表
  • 一軒家とアパートの光熱費の比較

私はこうした項目を徹底的に考え、それぞれを資料にしてお客さんに渡しました。Y氏との2回目の競合で、私とご主人が交わした会話です。

私「マイホームで一番重要なことは資金計画ですからね。今日はこれだけの資料をお持ちしました」

ご主人「おー、すごいね、こんなにいろいろと作ってくれたんだ」

私「はい、住宅会社であればどこでもこの程度は最低でも出しますから。おそらくA社さんもこれと同等の資料は出すはずです」

「A社さんも出すはず」と先に伝えた狙い

私は、Y氏の出す資金計画が雑なことを、2回目の競合の時点で知っていました。そのうえで、次の流れを作ったのです。

  • お金の話は大事だからと、資金の資料を徹底的に出す
  • この程度の提案は当たり前だと、当然のように話す
  • A社のY氏も同じ程度の資料を出すはずだと伝える
  • お客さんがY氏の資金計画書を見る
  • お客さんが「Yさんの資金の話は手抜きだな」と気づく

確固たる証拠があるわけではありませんが、あのときの勝因はこの流れでほぼ間違いないと私は肌で感じました。「森さんはお金のことをこれでもかと調べて提案してくれるが、Yさんはいい加減で信用できない」と、お客さんは感じたはずです。

お客さんが競合の営業マンを信用できなくなる原因は、競合が自滅する3つの理由で解説しています。

地場工務店との競合で勝った敷地調査の事例

Y氏に勝った成功体験が、その後の私の常勝街道の源になりました。相手の資料を回収し、相手が手を抜いた項目で上回るという同じ理屈で、私は競合で勝つ確率を大きく高めることができました。

周囲の長さを測るだけの敷地調査

地場工務店と競合したときのことです。

その工務店の弱点は敷地調査でした。

工務店の敷地調査は名ばかりで、現地に行って土地の周囲の長さを測るだけという、実にお粗末なものでした。

そこで私は、通常以上の手間をかけて敷地調査を行い、提出する資料も手をかけて作りました。お客さんとの会話は次のような感じでした。

私「敷地調査をお持ちしました。全部で30ページ近くあるものですからかいつまんでご説明します」

ご主人「すごいね!ここまでやるんだ」

私「工務店さんからも同じようなものを出してもらったのではないですか?」

ご主人「いいえ、なんだか知らないけど1枚の簡単な紙でしたよ」

私「そうですか。普通はこの程度の細かい調査書を出すのがこの業界の常識なのですがね・・・手を抜いているわけではないでしょうが(笑)」

敷地調査のアポの取り方は住宅営業のアポ取りのコツで解説しています。

価格とプランが合っていることが前提

もちろん、競合の勝ち負けにはほかの要因も大きく影響します。価格が合わなければダメですし、プランが見劣りしたら話になりません。

価格やプラン以外の面で地場工務店との競合に勝つ進め方は、地場工務店に勝つ競合対策で解説しています。

競合資料を会社全体で集めて武器にする

支店単位で集めれば大きな武器になる

ハウスメーカーであれば、一店舗に4〜5人程度の営業マンがいて、一つの支店単位になると30人から40人いるでしょう。営業マン一人ひとりが意識して競合会社の資料を集めれば、支店にはすさまじい量の武器がたまります。

例えば、あなたが積水ハウスと競合したとします。そのときは、過去に積水ハウスが出した資料に目を通し、それを上回る質と量の資料を作ればよいのです。

工務店の側から大手ハウスメーカーとの競合に挑むときの進め方は、大手ハウスメーカーとの競合に勝つ方法で解説しています。

まとめ

住宅営業で競合に勝つには、相手がお客さんに出した資料を回収し、相手が手を抜いている項目で上回る資料を出すことです。

私は新卒の8月に日本一の営業マンY氏に完敗しましたが、回収した資金計画書の【一式】という書き込みに気づき、次戦で勝ちました。

地場工務店との競合でも、同じ理屈で30ページ近い敷地調査を出して勝っています。

価格とプランが合っていることを前提に、相手の弱点を上回る資料を出せば、私はトップ営業マンとの競合でも勝てました。営業社員一人ひとりが競合会社の資料を集めれば、支店の武器はさらに大きくなります。

ぜひ本記事の体験談を参考に、次の競合ではお客さんに相手の資料を見せてもらえないか頼んでみてください。

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