工務店の源泉営業とは?工事現場の近隣訪問で見学会に人を呼ぶ

工務店の源泉営業とは?工事現場の近隣訪問で見学会に人を呼ぶ

住宅展示場の来場者は減少傾向にあります。

営業社員が4人詰めている住宅展示場に1か月で4組しか来なければ、1人あたりの新規客は1組です。

工務店の住宅営業がこの状況で打てる源泉営業は、自社の工事現場の周辺を挨拶を兼ねて訪問し、「家を建てる予定がなくても構いません」と言い切って現場見学会に誘う方法です。

住宅展示場では「あと5年は予定がない」と話した客が、資金計画の話でその気になることがあります。

東北では、斜向かいの外壁工事を見ていた奥さんが、飛び込みの業者と200万円を超える契約をしました。

どちらのお客さんも、実物や近所の工事を目にしたことがきっかけでした。

本記事では、工事現場の近隣訪問を使った源泉営業の進め方と、建築予定のない人まで見学会に呼ぶ理由を解説します。

工務店の源泉営業は工事現場の近隣挨拶から始める

住宅展示場に来る1組が、建築計画のまったくない人や、家を建てたばかりで純粋に見学に来た人ということもあります。

住宅総合展示場ならまだしも、1社だけで単独で建っている住宅展示場はそもそも来場が少ない状況です。

運が悪いと、住宅営業が2〜3か月活動しても新規客をほとんど引けないことも珍しくありません。

そのため住宅営業は、来場を待つだけでなく、工夫した源泉営業を自分から積極的に行う必要があります。

工務店の住宅営業は、自社で施工する現場の情報を把握しています。

そのため、工事現場そのものを源泉営業の拠点にできます。

地域の調べ方を含めた新規客の探し方は、住宅営業の探客方法で解説しています。

上棟の頃に周辺のアパートや古い戸建てを訪ねる

たとえば7月1日に着工する現場があれば、工事が順当に進むと2か月ほどで上棟します。住宅営業はこの時期を見計らい、建築現場の周辺のアパートや古そうな一軒家を、こんな会話で訪問します。

営業「こんにちは。すぐそばで工事をしています〇〇工務店と申しますが、工事で何かお困り事とかないですか?」

住人「いえ、特には何もないですよ」

営業「そうですか、安心しました。ところで弊社は〇〇工務店と申しますけども、今回のお宅が完成した時に新築現場見学会と銘打ちましてお披露目会を行います。その際にはご近所さんにも是非色々ご覧頂きたいので、またお声かけするかと思いますのでよろしくお願いいたします」

住人「でも、うちは家を建てる予定なんかないわよ」

営業「いえいえ、建築のご予定とは関係なく、我々の家づくりをぜひご覧いただきたいという企画ですので、それこそ新築したばかりの方でもお越し頂きたいんですよ」

工事の挨拶の延長で見学会の話ができるので、純粋な飛び込み訪問に比べると住宅営業の気持ちはずいぶん楽です。

「建築を考えています」という返事は期待しない

住宅営業は、この訪問を工事現場の周囲で数十件行います。

時間がなければ、古めの戸建てやアパートなどの賃貸住宅を優先して回ります。

時間があれば、明らかに新築直後と思われるお宅にも同じように声をかけます。

公営住宅のような古い住宅を中心にどこを訪問するかの考え方は、住宅の飛び込み営業での訪問先の選び方で解説しています。

営業社員が狙うのは、「実はちょうど考えているんですよ」という返事ではありません。

とにかくたくさんの人に声をかけ、現場見学会に誘います。

住宅会社がチラシをまいただけではなかなか集客できませんが、営業社員が一度でも顔を合わせると話は変わります。

住宅営業が来場を頼むときは、口頭で「家を建てる予定などなくても構いません」と明確に言い切ってください。工務店が現場見学会を企画し、その周辺を回るところまで含めて考えると、見学会の企画そのものが源泉営業の一つになります。

建築予定のない人も源泉営業の対象になる理由(住宅展示場の接客から)

家を建てたばかりの人や、まず新築をしない人が来場したら無駄ではないか、と考える住宅営業がいます。

しかし私は、その考えは明らかに間違っていると断言します。

工務店の立場からすれば、自社の建物を見学してもらい、その感想が口伝で誰かに伝われば御の字です。

理由はもう一つあります。

訪問したときには「家を建てるお金なんかないわよ」と言っていた人でも、いざ実物の建物を見ると急に風向きが変わることが頻繁に起こります。

住宅展示場を持っていない工務店の住宅営業は、この現象に気づきにくいかもしれません。

一方で、ハウスメーカーの住宅営業のように住宅展示場でたくさんの接客をこなしていると、この法則に気づきます。

営業「いらっしゃいませ。住宅のご予定は結構固まっていらっしゃるんですか?」

客「いつかはマイホームが欲しいなあ、とは思っているんですけどね。あと5年はしっかりと自己資金を貯めてそれからなんて考えてるとこです。ですから現状では全く予定がありません、すいませんね(笑)」

こうして始まったお客さんが、見学をしているうちにだんだんその気になっていきます。

住宅営業がうまく着座してもらって資金計画の話をすると、奥さんから「うちだって今いけるんじゃないの?」という声が漏れたりします。

そういう瞬間があるので、私はこの仕事を面白いと感じています。

住宅展示場に来たときは建築計画が本当に希薄でも、お客さんは実際に建物を見ると気分が高揚します。

ハウスメーカーと工務店の差は「ふわふわした客」との接点

工務店の住宅営業が目指すべきなのは、とにかく自社の建物を見てもらうことです。私は、これに尽きると考えています。

ハウスメーカーのように住宅展示場を持つ住宅会社と、展示場を基本的に持たない地元の工務店では、ふわふわしたお客さんとの接点があるかないかが違います。

地元の工務店に足を運ぶお客さんは、それなりに話が固まっていることがほぼすべてです。

競合する住宅会社があったとしても、商談の土俵にはしっかり乗ってきます。

見極めの作業がないことは工務店のメリットかもしれません。

それでも、数多くのお客さんと接点を持てるハウスメーカーのほうが、そのぶん有利といえます。

展示場を持たない工務店がお客さんとの接点を増やす源泉営業には、1年以上接点のない過去名簿の客を掘り起こす方法もあり、過去名簿を使った源泉営業で解説しています。

過去名簿のほかに、企業の工場長や総務部長に手紙を出して社員への情報提供を申し出る方法は、住宅営業の法人開拓で解説しています。

リフォームの源泉営業でも近所の工事が受注のきっかけになる

リフォーム営業でも、新築と同じ理屈が働きます。

ある家で外壁のリフォーム工事が始まると、近隣の古い家でも外壁リフォームが始まることがあります。

訪問販売専門の外壁業者は、1軒の工事現場ができると、周囲の古い家を軒並み訪問します。

そして驚いたことに、外壁業者はそれなりに受注を取っていきます。

工務店がOB施主からリフォームを受注する進め方は、工務店のリフォーム受注の進め方で解説しています。

築7年で外壁が傷んだ家が200万円超で契約した東北の事例

東北地方に、建築後7年程度しか経っていない新築の家がありました。施工に問題があったのか、この家は外壁のコーキングがボロボロになり、外壁そのものも傷んでいました。

この家の斜向かいでは、外壁リフォームの工事をしていたそうです。

ある日、その工事業者の営業マンが突然自宅にやってきて、奥さんに「外壁に問題があるように見えるので、急いで外壁リフォームをやった方が良い」と言いました。

営業マンはその場で、通常より明らかに高い200万円を超えるような金額を提示しました。

奥さんは、そのままハンコを押して契約してしまいました。

古い住宅に飛び込む外壁業者の手法や点検商法の実態は、外壁リフォームの営業方法で解説しています。

私の手元には、このお宅の奥さんを取材したビデオがあります。ビデオの中で、奥さんは飛び込み訪問の業者と簡単に契約した理由として、5つの事柄を挙げていました。

  • 前々から外壁のことは気になっていた
  • 気になってはいたが、工事のお願いをするところまでは行かなかった
  • 気になっていたところに、突然外壁リフォームの訪販営業がやってきた
  • 値段が適正か分からなかったが、熱心だったので押し込まれた
  • はす向かいでの工事を見て「うちも考えた方がいいかもしれない」という気持ちになっていた

奥さんは、ほかにも細かいことをいろいろ話していました。

その中で私が注目してほしいのは、最後の項目です。

奥さんが前々から外壁を気にしていたのは事実ですが、目の前の家で外壁工事をしていたことが契約の大きな原動力になりました。

工務店が新築の現場見学会に近所の人を呼ぶのも、近所で工事を目にした人が自宅のことを考え始めるという、この奥さんの事例と同じ理屈に立っています。

まとめ

工務店の源泉営業は、自社の工事現場が上棟する頃に周辺のアパートや古い戸建てを数十件回ることから始められます。

住宅営業はそこで「家を建てる予定がなくても構いません」と言い切り、現場見学会に誘います。

建築予定のない人でも、実物や近所の工事を目にすると気持ちが動きます。

そのことは、住宅展示場の接客でも、東北の外壁リフォームの事例でも同じでした。

ぜひ本記事の工事現場での近隣訪問の進め方を参考に、次の現場見学会の集客を始めてください。

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