化粧スペースの提案で奥さんをつかむ|女性営業の初回面談の体験談

化粧スペースの提案で奥さんをつかむ|女性営業の初回面談の体験談

化粧スペースの間取りは、水が使えるかどうかで決まります。

私が住宅営業2年目に訪ねた店長の家では、奥さんの希望で寝室の片隅に洗面コーナーが作ってありました。

奥さんは「化粧する時には水があるとめちゃくちゃ便利」と話していました。

本記事では、店長の家の事例と、美容の話から窓の提案につなげた女性営業Kさんの初回面談をもとに、化粧スペースの間取りの提案の仕方と奥さんとの話し方を解説します。

寝室に水が出る化粧スペースを作った店長の家(住宅営業2年目の体験談)

私は男性なので、化粧のことはよく分からない部分があります。その私が化粧スペースを提案するようになったきっかけは、住宅営業2年目に所属したチームの店長が言った次の一言でした。

店長「今度、俺の家に遊びに来いよ。なかなかユニークな間取りになってるんだけどさ、うちの女房がたっての希望で作ったのが寝室にある洗面台なんだよね。そこでどうしても化粧したいっていうから作ったんだけど、お前のお客さんにも提案してみろ」

寝室の片隅に袖壁で囲った洗面コーナー

ほどなくして営業全員で店長の家に遊びに行き、店長はその寝室も見せてくれました。

寝室の片隅には袖壁が作ってあり、その内側に洗面所のようなコーナーがありました。

私が見ても、一般的な間取りでないことは明らかでした。

横にいた店長の奥さんが説明してくれたので、私はものすごく納得しました。

奥さん「森君には分からないと思うけど、女の人が化粧する時には水があるとめちゃくちゃ便利なんだよね。でも、普通の家というのは寝室に鏡台を設けたとしても水が出ないでしょ。だから脱衣洗面所で立ちながら化粧をやってしまうんだよね。こうして寝室に化粧する鏡をつけてちょっと水が出ると、とにかく便利だから私はこういう風にしたの。あなたもお客さんに勧めてごらんなさい」

奥さんの話をトークにし、寝室の写真を営業資料にした

私はこのとき「そういうもんなんですね」と答えただけでした。

それでも店長の奥さんの話は、その後の私の営業活動でそのまま使わせてもらうトークになりました。

店長が寝室の写真を撮らせてくれたので、私はその写真を営業資料にして、お客さんの奥さんによく見せたものです。

身近な人の話を営業トークに変える方法は、新人の経験から作る住宅営業トークで解説しています。

化粧品の話で奥さんとの距離を詰めた女性営業Kさん

化粧の話を住宅の提案につなげた住宅営業として、私が初回面談に同席して見た女性営業のKさんを紹介します。

Kさんは入社5年目の27歳で、営業職を強く希望して入社しました。

Kさんは資格もいくつか取得しており、頭の中は仕事一色という勉強熱心な女性です。

Kさんの成績は全営業社員の中で中の上くらいですが、会社から見ればKさんは損益分岐点をクリアして実績をあげています。受注棟数はそこそこでも、Kさんにはなぜか利益率が猛烈に高いという特徴があり、私が見た初回面談にもその片鱗がうかがえました。

紫外線カットの窓の説明から化粧品の話へ

Kさんは服装も化粧もバッチリするタイプで、そのあたりには相当気を使っている女性です。この日の奥さんも、同じようにバチッと決めた感じの女性だったとのことでした。

戸建ての窓は面積が大きいほどよいのですが、窓が大きい分だけ紫外線が家の中に入ってくるため、紫外線を嫌う女性が多いのも事実です。Kさんは以前の折衝でこのことをすごく心配するお客さんにあたったことがあり、それ以来、直感的に「この奥さんは美容にうるさいな」と感じたら、紫外線をカットする窓の説明を毎回するそうです。

この日もKさんがいつもの調子でUVカットの話をしだすと、奥さんが俄然身を乗り出して饒舌になりました。その流れで、Kさんと奥さんの使っている化粧品が同じメーカーだと分かり、しばらくは家とまったく関係ない化粧品の良し悪しについて雑談が続きました。

旦那さんは完全に蚊帳の外でしたが、傍から聞いていた私は、お客さんとの距離を詰めるのに成功した雑談だと感じました。家の中で紫外線をカットするという美容の話はサッシの話にもなるので、Kさんは結果的に家の話をしていたことになります。

女性営業なら美容と健康の話を振ってみる

Kさんの面談を見て、私から住宅営業にアドバイスをさせてもらいます。

奥さんをよく観察してからという条件は付きますが、一般論としては、女性である奥さんと化粧品を含めた美容や健康の話をすると、共通の話題として盛り上がるといえます。

男性の住宅営業がこの話をリードするのはなかなか難しいのですが、女性の住宅営業であれば、ぜひ振ってみてください。

契約したお客さんへの取材から分かった奥さんへの接客は、ハウスメーカー営業の奥さん向けトークで解説しています。

おむつの寸法から収納スペースを話したKさんのヒアリング

Kさんの面談で私が耳を疑ったのは、収納の説明と解説が高度なレベルだったことです。そもそもKさんは、ヒアリングの仕方からほかの住宅営業と違っていました。

初回面談のヒアリングで確かめる項目と聞き方は、住宅営業の初回面談で聞くべきことで解説しています。

住生活を学んだ大学の知識を住宅営業で使う

Kさんの出身学部は、住生活なんとか(詳しいことは覚えていません)という特殊な学部です。少なくとも工学部ではないので、Kさんは完全な文系の出身ですが、この大学を卒業して住宅会社だけに絞って就職活動をしたそうです。

設計職であれば、建築学科で学んだ知識がそのまま仕事に生かされます。

しかし住宅営業の大半は、建築と関係のない文系の学部を卒業し、知識ゼロの状態で入社してきます。

私はKさんほど、大学で勉強した知識をそのまま仕事に活かしている住宅営業を見たことがありません。

パンパースの高さから収納の話へ

Kさんのヒアリングの一つを紹介します。

Kさん「可愛らしい男の子ですね~今何歳ですか」

奥さん「もうすぐ2歳です」

Kさん「まだおむつが取れないと思いますけども、おむつはどこの会社を使っていますか?」

奥さん「うちはパンパースです」

Kさん「パンパースの方多いですよね。パンパースは通常のもので高さ〇〇CMくらいあったと思いますけども、まとめて収納するとなかなかに場所が厄介なんですよね」

Kさんは、お客さんが連れていた男の子をきっかけに、まずおむつの種類を聞きました。そしてパンパースだと分かると、頭の引き出しから縦・横・高さの寸法を瞬時に引き出し、そのまま収納の話にもっていったのです。

Kさんによると、このあたりのノウハウは大学時代に習ったそうです。私は法政大学経営学部の出身ですが、営業をしていた当時にこんな技術はありませんでしたし、その発想すらありませんでした。

子どものいないKさんが夜泣きの悩みに答えた場面

Kさんの折衝で、もう一つ印象的な場面がありました。

Kさんは独身なので、子どもはいません。

子育て中のお客さんが来たとき、普通の住宅営業なら「私は子供がいないのでよく分からないんですが」という言い回しになりますが、Kさんの会話は違いました。

Kさん「お子さんの夜泣きとかはひどくないですか?」

奥さん「夜泣きもそうですけども、一旦ぐずりだすともう止まらなくてどうしようもないんですよ……ところで、あなたまだ若いと思いますけどお子さんはいるんですか?」

Kさん「いえいえ、私まだ独身ですので子供はもちろんいません」

奥さん「将来子供を持つようになると夜泣きは本当に大変ですよ(笑)どんなに温厚な人でも頭に血が上りますからね」

Kさん「きっとそうなるんでしょうね。ところで、お子さんがぐずるという話なんですけども、これは居住環境にも大きく影響されまして、ある程度家の作りや内装などによって抑えることができるかもしれないんですよね。その理屈なのですが……」

ここから先のKさんの説明は長くなるので割愛しますが、Kさんに後で聞くと、やはり大学で習った内容だったそうです。

奥さんはかなり納得して「へ~それは知りませんでした」と感心している様子がありありと分かりました。

Kさんは独身で子どもがいないにもかかわらず、子どもがいるお客さんの悩みを解決する提案をしたことになります。

私は話を聞きながら「よくこれだけ堂々と言えるもんだな(笑)」と感心していましたが、どんなことでも自信を持って言い切ることが大事だと、改めて認識した場面でした。初回面談の進め方は、住宅営業の初回接客のコツで解説しています。

まとめ

化粧スペースの間取りは、水が使えるかどうかで決まります。

店長の奥さんが寝室に洗面コーナーを作ったのは、寝室の鏡台には水が出ず、結局は脱衣洗面所で立ちながら化粧していたからでした。

女性営業のKさんは、紫外線カットの窓や化粧品の話で奥さんとの距離を詰め、おむつの寸法から収納の話へ進めていました。

住宅営業の多くは文系出身で、学生時代の勉強内容は仕事とほぼ関係がありません。しかし、Kさんのように住生活や住環境を大学で学んだ知識は、住宅営業にとって大きな武器になることが、今回の接客でよく分かりました。

ぜひ本記事の店長の家の事例とKさんのヒアリングを参考に、次の打ち合わせで奥さんに「今どこでお化粧されていますか」と聞いてください。

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