壁と床が薄い賃貸の騒音|断熱材を抜いた大家と管理会社の実例

私が下北沢の賃貸マンションに住んでいたとき、壁や床から届く騒音は引っ越し早々に始まりました。
私の物件の騒音は、原因が建物の構造や大家の家族にありました。
私の部屋の壁は、大家の指示で断熱材が抜かれていました。
上階には大家の息子一家が住んでいて、音が減ったのは私が大家に直接話をしに行ったあとでした。
本記事では、下北沢の賃貸マンションで遭遇した騒音トラブルの体験談と、アパートの騒音を管理会社に相談するときの対応の手順を解説します。
家賃30万超の下北沢の賃貸マンションで続いた騒音トラブル
前編の学芸大学編で書いたとおり、私は学芸大学の賃貸物件で近隣住民の騒音に悩みました。
殺人事件(ではなかったのですが)のような騒ぎにも困り果て、急いで次の物件を探しました。
いろいろ迷った末に選んだのは、交通の便が最高の下北沢です。
家賃は跳ね上がりましたが、一刻も早く引っ越したかったうえに自宅兼事務所でもあったので、私は交通の便だけはどうしても譲れませんでした。
学芸大学のマンションで上階の足音を注意して嫌がらせを受け、転居を決めた経緯は、騒音に悩んだ客への住宅営業の配慮で解説しています。
物件は場所もよく80㎡近いマンションで、駐車場代を入れると家賃は30万円を超えました。
私は「さすがに高いかな」と思いつつ住み始めました。
ところが引っ越し早々から問題が続き、学芸大学の2倍あるいは3倍の騒音問題に遭遇することになりました。
不動産会社の担当者は「ここにはかつてプロ野球の1軍選手も住んでいたんですよ」と熱弁をふるっていました。
営業トークとしては面白いのですが、この物件はさまざまな意味で最低な賃貸マンションでした。
建物が完成したのはバブル期で、全国で粗製濫造が問題になった時期とも重なります。
壁と床が薄い賃貸マンションの騒音(断熱材を抜かせた大家)
隣の住戸のロックが壁全体から聞こえた
同じ住戸の中の壁が薄いのは仕方がないので、私も我慢できます。しかし、全くの他人である隣の住戸との壁の薄さは尋常ではありませんでした。
最初は、地響きのようなロックのリズムが壁全体から聞こえることが頻繁にありました。
私は、壁の薄さというよりも隣の住人のモラルの問題だと思っていました。
ことを荒立てたくなかったので、すぐに隣家へクレームは入れず、しばらく様子を見ていました。
その後、私は自腹で防音素材を買って壁一面に貼りましたが、ほとんど効果はありませんでした。
保守点検の業者が明かした断熱材の手抜き
何の用事だったかは覚えていませんが、ある日、保守点検の業者が我が家にやってきました。
私「ひょっとして、この建物を建てるときにも携わった方ですか?」
業者「そうですよ」
私「実は隣の騒音がひどくて、この壁が異常に薄いような気がするんですけども」
業者「それはね……大家さんの指示なんですよ。通常入れるべき断熱材を経費節減のために抜けって言われましてね(笑)」
こんなことが本当にあるのです。
しかも、施工したのは有名大手ハウスメーカーでした。
私がこの耳で聞いた事実なので疑いようがありません。
こうした手抜きが実際にあった以上、いまでも同様の手抜きがあってもおかしくないと私は考えています。
壁に入れる断熱材の違いを住宅営業でお客さんへの説明に使えるかどうかは、ロックウール断熱材の営業トークで解説しています。
上階に住む大家の息子一家の足音と話し声
壁でここまでやる大家ですから、ほかの箇所も同じでした。
床も非常に薄く、私は上階を走り回る5年生の子どもに辟易としていました。
子どもが走り回ればそれなりにうるさいのは想像できますが、音の伝わり方が半端ではありませんでした。
その上階で暮らしていたのは、なんと大家の息子一家でした。
さらにその上の階には、大家一家が住んでいました。
大家一家には、階下に住む入居者への配慮が一切なかったのだと私は思います。
私たち夫婦は、6畳の部屋を寝室にしていました。
その寝室では、夜になると上階から人の話し声らしきものが聞こえてきました。
何を言っているかまでは分かりませんが、人の会話だということはよく分かります。
上階のその部屋は、おそらく息子一家の寝室だったのでしょう。
あまりに我慢できなかったので、私はある日、大家に文句を言いに行きました。
「息子さんご夫婦の会話も聞こえてくるんですが」
さすがの大家も絶句していました。この日以降、上階からの騒音はいくらか収まり、私もほっとしました。
建物の外から届いたアパートの騒音と同じフロアの犬の鳴き声
夜中に奇声をあげる前のアパートの住人
私たちの寝室から5〜6mしか離れていない場所に、単身者用のアパートがありました。
そのアパートの2階のある一室の住人は、クーラーがなかったのか、夜になると窓を開けっぱなしで生活していました。
その住人は夜な夜な意味不明な奇声をあげ、テレビも音量を最大にしているのではないかというほどの音で見ていました。
ほかの近隣住民も業を煮やしたのでしょう。
私が気づいただけでも、住み始めた最初の夏に3回、パトカーがアパートに横付けして、警官が階段を上がっていくのが見えました。
それでも、この迷惑行為は私たちが転居するまで止みませんでした。
真冬も玄関ドアを開けっぱなしにする小型犬の家
私が住んでいた物件はペット飼育可だったので、我が家ではゴールデンレトリバーを飼っていました。
同じフロアにも、小型犬を飼っている住人がいました。
そのお宅は、夏どころか真冬でも玄関ドアを開けっぱなしにしていました。
室内では、小型犬がキャンキャンと延々と鳴き続けていました。フロアのホールは鳴き声であふれるカオス状態で、その声は我が家の中にもそれなりに入ってきました。
騒音以外にもあった大家と管理会社の手抜き
17畳のリビングに付いていた8畳用エアコン
この賃貸マンションのリビングは17畳ほどあり、入居時からエアコンが付いていました。
賃貸住宅ではエアコンは入居者が持ち込むのが一般的で、すべての部屋に自分で付けなければなりません。
そのため、いちばん広いリビングに付いていたのはポイントが高いと私は思っていました。
引っ越したのは4月上旬だったので、エアコンは不要でした。
ところが7月にフル稼働させると、なぜか猛然と冷えが悪いのです。
私は「エアコンが古いせいかな」と漠然と思いながら暮らしていました。
あまりに冷えないので、ある日エアコンの下に貼ってあるラベルをのぞき込み、驚愕しました。
17畳のリビングに、なんと8畳用のエアコンが付いていました。
信じられますか。
さすがに唖然としました。
下見で物件を決めるとき、私もエアコンが付いていることは確認しました。
しかし、「このエアコンは容量が足りていますよね」とは普通聞きません。
このエアコンを付けたのも、もちろん大家の指示です。
この一件で、私の大家への懸念は深まりました。
クリーニング代を取りながら汚れたままのトイレ
賃貸マンションを出るときには、クリーニング代として1万円から2万円の代金を取られます。ところがこの物件では、マンション管理会社がその代金を取りながら実際にはクリーニングをせず、形だけの掃除で事実上の利益にしていると思わざるを得ないことが起こりました。
入居してすぐに私が気づいたのは、トイレの水がたまる部分の輪染みです。
管理会社は前の入居者からクリーニング代を取っているはずなので、入居直後にこの状態はどう考えてもおかしいわけです。
私は管理会社に電話をし、すぐに担当者に来てもらいました。
来たのは若いお兄ちゃんでした。
その担当者はたまたま私の単行本を読んだことがあったらしく、「森先生ですよね!私は本を買いましたよ!」とハイテンションでした。
私はクレームを入れている立場なので、内心はいい加減にしろよと思っていました。
それでも本を買ってくれた相手なので、何とも言えない複雑な気分で対応しました。
私「本の話はいいんだけど、このトイレ、掃除していないでしょ?」
担当「ちゃんとしてますよ。この汚れはどんなに頑張っても取れなかったんですよね。ごめんなさい」
私はこのとき「まあ、そんなこともあるかもしれない」と思い、担当者に帰ってもらいました。
その後、市販の洗浄剤を買ってトイレに入れてみると、輪染みは跡形もなく消えました。
管理会社は前の入居者からクリーニング代を取っておきながら、トイレの洗浄をしていなかったわけです。
アパートの騒音を管理会社に相談するときの対応の手順
発生源が建物の中か外かで相談先を分ける
管理会社が注意できる相手は、同じ建物の入居者です。
前のアパートのように別の建物の住人が発生源だと、入居者が自分の管理会社に相談しても、管理会社には相手に注意する手段がありません。
住宅会社が土地や建売を案内する前に周辺を調べる手順は、建売住宅の販売方法で解説しています。
まとめ
私が住んだ下北沢の賃貸マンションは、大家の指示で断熱材が抜かれた壁、大家の息子一家が住む上階の薄い床、寝室の目の前のアパートの奇声と、騒音の発生源がいくつも重なった物件でした。8畳用のエアコンや掃除されていないトイレまで含め、大家と管理会社の手抜きが積み重なっていました。
私の物件では、騒音の発生源が建物の中か外か、入居者か大家の家族かで、相談先も結果も違いました。
ぜひ本記事の体験談と相談の手順を参考に、いま悩んでいる騒音の発生源と相談先を見直してください。



