追客DMは送る時期で読まれ方が変わる|積水ハウス時代の体験談

私が積水ハウス時代に実践していたのは、耐震性のDMを平時から作っておき、大きな地震が起きた直後に管理客へ一斉に送る方法です。同じ文面でも、2022年3月1日に送るのと、震度6強の地震があった翌日の3月17日に送るのとでは、お客さんの読み方が大きく変わります。
本記事では、地震直後に送る追客DMの中身と発送のタイミング、メールや防犯DMへの応用を解説します。
住宅営業の追客DMは送るタイミングで読まれ方が変わる
私が積水ハウス時代にダイレクトメール(DM)で気を配っていたのは、文面よりも、お客さんの手元に届く日でした。
同じ耐震性DMを2022年3月1日と3月17日に送った場合
2022年3月16日の夜遅くに、久しぶりに震度6強の大きな地震がありました。東北地方の人はもちろん、日本中の人が地震の怖さを改めて感じたはずです。
例えば、住宅営業が2022年3月1日に、耐震性に関する資料を管理客へDMで送ったとします。
封書には、分かりやすく「耐震性に関する大事なお話」と書いておきます。
次に、全く同じDMを2022年3月17日に発送したとします。
地震が起きたのは3月16日の夜遅くなので、住宅営業がDMを発送できるのは翌日の17日で、お客さんの手元に届くのは早くて18日、もしくは19日です。
地震の翌々日に封書を受け取ったお客さんの気持ち
もともと耐震性に強い関心を持っているお客さんは別ですが、ごく一般的なお客さんでも、地震の翌々日あたりに住宅会社から「耐震性に関する大事なお話」と書かれた封書が届けば、封を開けてくれる確率が上がります。さらに、お客さんは文面も関心を持って読んでくれると私は考えています。
極めて単純で、筋の通った理屈です。全く同じ内容のDMでも、お客さんがその問題に関心を持っている時期かどうかで、効果が大きく違ってきます。
積水ハウスの住宅営業時代に準備していた地震直後の追客DM
私が積水ハウスに在籍していた頃は、今のようにSNSやメールがありませんでした。
そのため、私は担当する管理客に、定期的あるいは不定期にDMを送っていました。
2022年3月の地震の後、私は当時のことをこう思い出したのです。
「そういえば大きな地震があった後には必ずダイレクトメールを出していたよな」
「積水ハウスの耐震性」「耐震性は大事」と題した文面と資料
細かいことは覚えていませんが、私はだいたいこのようなタイトルを付けたDMの文面を、平時から準備していました。
中身は特に変わったものではなく、積水ハウスは地震に強いこと、構造は〇〇のようになっていること、地震保険をご存じかどうか、といった話を書いた文章と資料です。
耐震性は誰もが関心を持つ話題なので、住宅営業のDMの題材としては珍しいものではありません。
耐震性を住宅会社選びの重要事項としてお客さんにどう伝えるかは、住宅営業の耐震性の説明トークで解説しています。
私は、地震で家が壊れることがいかに恐ろしいかを伝えるために、図書館へ足を運んで過去の大地震の被害状況を調べ、写真を手に入れてDMに使っていました。
当時はインターネットがなかったので、こうした地道な作業が必要で、ものすごく大変でした。
今のネット時代であれば、住宅営業は同じような資料を簡単に作れます。
耐震性の資料を作ってお客さんに送ること自体は昔も今も変わらず、阪神淡路大震災と東日本大震災を経験した今のほうが、お客さんの関心ははるかに高いはずです。
震度6以上の地震が起きたら大急ぎで発送した
日本では、震度6以上の大地震が数年に1度は国内のどこかで起きています。
震度6クラスになるとテレビは速報体制になり、ニュースも被害を大きく取り上げ、古い家が崩れた現場があれば各局が競ってその映像を流します。
たまたま建築計画がある家庭であれば、夫婦の間でこんな会話が交わされるのが自然だと私は思います。
「家を建てるときの耐震性ってやはり大事だよな」
大きな地震が起こるたびに、建築計画のある家庭では同じような会話が繰り返されます。
私はそれを見越して、大きな地震が来るのを待っていたのです。
そして地震が起きたときには、準備していた文章と資料を手元にある管理客の分だけ大急ぎでコピーし、切手を貼ってお客さんの家に送りました。
地震直後のDMをメールやSNSに置き換える方法
メールなら10分で一斉配信できる
紙のDMでも構いませんが、住宅営業がメールを使っても理屈は全く同じです。
住宅営業はあらかじめメールの文面を作っておき、添付する写真なども揃えておきます。
この2つが揃っていれば、大地震が起きた当日か翌日に、管理客へ一斉にメールを送るだけで済み、配信は10分あれば終わります。
管理客に短い文面を送る書き方は、口下手な住宅営業のお礼状とショートメールの活用法で解説しています。
SNSは追客しない追客
住宅営業の追客には、もっとも原始的なノーアポの直接訪問のほか、電話、メール、DM、そしてInstagramやTwitterなどのSNSがあります。
SNSは、住宅営業が一方的に発信する場をお客さんが自分から覗きに来るので、追客しない追客と言えます。
そのため、営業として効率がいい手法はSNSですが、お客さんの関心が高まった直後に耐震性の話を届けるという発想は、紙のDMでもSNSの投稿でも同じように通用します。
訪問・メール・DM・SNSをどう組み合わせて追客するかは、工務店の追客方法と効果で解説しています。
「女の子がいるご家庭へ」と題した防犯の追客DM
地震は家に直結する話なので、住宅営業のDMの題材としては申し分ありません。
しかし私は、地震以外にも別の種類のDMを準備していました。
その1つが「女の子がいるご家庭へ」というタイトルを付けた記憶のあるDMで、数年に1度起こる幼女や少女を狙った凶悪事件を念頭に置いたものです。
小学3年生の女の子が空き巣に殺された事件の翌日に送った
私が積水ハウスの現役だった頃に、実際にあった事件です。東京都で起きたと記憶していますが、自宅で留守番をしていた小学校3年生の女の子が、家の人が留守だと思って入った空き巣に殺されるという事件がありました。
私が「女の子がいるご家庭へ」のDMを送ったのは、その事件の翌日です。
中身は、一戸建ての防犯性の大切さと、防犯ガラスなどのさまざまな防犯商品についてでした。
送る相手は地震のDMほど広くなく、小学生以下の女の子がいる家庭に絞りました。
このような事件が起きたとき、小学生の女の子がいる家庭であれば、関心を持って読んでくれるDMになります。
数年に1度の事件や事故に合わせて文面を用意しておく
この発想で考えていくと、住宅営業が作れるDMはまだ何種類もあります。東日本大震災で起きた大津波は1,000年に1度の出来事かもしれませんが、数年に1度起こるような社会を震撼させる事故や事件であれば、それに合わせた文面を準備しておく価値があります。
まとめ
ダイレクトメールをむやみに出している住宅会社が多いと私は感じています。
DMは、まず開封してもらわなければ話になりませんし、中身に興味を持って読み込んでもらわなければ意味がありません。
私が大地震や凶悪事件の直後にDMを送っていたのは、そのための戦略でした。
何げないことかもしれませんが、営業は心理学です。同じ内容のDMでも、お客さんに真剣に目を通してもらうには、発送する時期に気を配る必要があります。
ぜひ本記事の地震直後と事件直後の追客DMの事例を参考に、出来事が起きた翌日に送れる文面と資料を平時から用意してください。



