受注テクニック

工務店がすべき心地よい追客手法とは?

工務店がすべき心地よい追客手法とは?

お客さんから工務店に連絡が入り、事務所で会って商談を行ない、次回も是非会いましょうとスケジューリングまでお客さんがしてくれれば最高ですよね。

工務店サイドから追客しなくても、お客さんからこちら側に寄ってきてくれれば私たちは苦労をしません。

ところが、実際にはそんなケースはほぼなく、こちらから工夫をしながら追客をするのが現状です。

しかし、やみくもに追いかけるわけにもいかないしですし、毎日のように電話をして「あれから話が進みましたか?」では単なる押し売りです。

ビジネスとして追客をしなくてはいけないのですが、お客さんに嫌悪感を抱かれず、その上、情報だけはしっかりと伝えるような追客とはどんなものなのでしょうか。

今日はこんなテーマで話を進めましょう。

工務店がすべき心地よい追客手法とは?

昔のコテコテ追客は通用するのか?

90年代のハウスメーカーはこう追客した

積水ハウスで私が営業をしていた時の話をしましょう。

その当時重要視されていたのは訪問数とスピードです。

大いなる疑問を持ちながら営業していましたが、会社組織に属する営業社員としては、自分の我を通すわけにはいかないので、このルールに従って仕事をしていました。

しかし、結論から言うとこのやり方は正しかったのです。

展示場で接客をしたり、資料請求があったりした場合は、とにかくその後のスピードを上げお客さんに接触することに全精力を注いでいました。

嫌悪感を示す方が多かったのも事実ですが、量をたくさんこなすことにより、受注数字がついていった厳然たる結果がありました。

新卒の頃、直属の上司とこんな会話をしたことを思い出しました。

私 「今日は先輩が誰もいなかったので一組だけ私が接客しました」
上司「どんな人だった? アンケート見せてみろ」
私 「家を建てる予定は全くないって言っていましたね」
上司「そうか、とりあえず明日すぐに行ってあいさつしてこい」

意味不明ですよね(笑)

いくら新卒であっても、実際にお客さんと顔を合わせて話したのは私なのです。

この案件は今でもよく覚えていますが、誰がどうやっても家など建てるわけがないお客さんでした。

しかし、上の指示ですから翌日お客さんの家に行ったのです。

その時の会話はこんな感じでした。

私 「積水ハウスですが昨日はありがとうございました」
奥さん「(インターホン越しに)何か御用ですか?」
私 「あっ・・・昨日のお礼ということでお伺いしました」
奥さん「・・・そうですか・・・特に必要ありませんので(ブチっ!)」

当たり前ですよ。

でも、信じられない話ですが、こんな原始的なやり方を繰り返していたのです。

ところが、数多くのお客さんに同じ行動を繰り返すと、中には話が繋がる案件が出てくることがありました。

上司が私に指示した狙いはここにあったのです。

問題はこの手法が今通じるのかどうかですが、結論からいうと今でも充分に通じます。

小規模工務店には向かないやり方ではある

このコテコテ追客はいまでも成果を収めることは可能ですが、その当時はもちろん、今の方が拒否感が大きくなっているのは間違いない事実でしょう。

ただし、営業の世界は昔も今も確率論が働きます。

理論的には数多く回れば必ず成果が表れるのですが、小規模工務店は追いかける数も少ないですし、人員も限られているので、この手法は取らない方が良いと思います。

とりあえず何でもかんでも接触してお客さんの真意を確かめるやり方は一つの手段ではありますが、もっと効率の良い方法を考えるべきでしょう。

ほぼ追客をせずに放置する

ほったらかしにするとどうなるか

一度でもいいので接点があったお客さんを、そのまま放置したらどうなるでしょうか。

結論を先に言うと、完全には間違っていない追客方法となります。

中堅規模の某ビルダーですが、年間を通してみていくと、必ず次のような事象が発生します。

住宅展示場にお客さんが“ふらっ”とやってきて、たまたまいた営業が接客したところ、こんな会話になりました。

営業「弊社は初めてですか?」
客 「3年ほど前に1度来たのですが、新築の話が立ち消えになってそれっきりです」
営業「その時接客した営業担当から、ダイレクトメールが送られたり電話などでご連絡とかあるでしょうか」
客 「ダイレクトメールは来ますけど、営業さんとは展示場でお会いしただけです」

こうしたケースは結構おこります。

最初の接客で脈がないと営業が判断をしたのでしょう。

そして、事実お客さんもその時は建築をやめたのです。

ところが、時間が経って情勢が変わりその気になったのですが、たまたまこの会社のことが気になっていたので再来店したわけです。

こう考えると、完全放置してもお客さんが戻ってくることはあると言わざるを得ません。

ダイレクトメール程度は必要ですが、追客を全くしないことが間違ってはいないどころか、しつこい追客をしなかったことが功を奏した可能性も考えられるのです。

しかし、絶対的な条件が一つあることを明記しましょう。

初回接客で非常にいい印象をお客さんに持ってもらうことです。

初回の印象が悪ければ、さすがに再来場はありません。

メール、ダイレクトメールのみで追客する

訪問して顔を合わせることもないし、電話をして声を聞いてもらう機会も持たずに追客するやり方です。

これも結論を先に書きますが、内容をしっかり吟味してやっていけば、充分に効果があると言えるでしょう。

私が従業員5人の工務店を経営していると仮定しましょう。

手が空けば直接訪問や電話もある程度考えますが、基本戦略はメール、ダイレクトメール、ホームページ、SNS、この4本に絞って追客をするでしょう。

今までのコンサル実績から、このやり方で充分にいけると確信をもっているからです。

ただ前述したように、初回面談で一定レベル以上の満足をお客さんに与えなければ、このやり方では契約はできません。

つまり、工務店が契約をとるための追客をするには、基本前提として初回面談では絶対失敗しないことに加え、直接訪問や電話などをしない方法で追客することは充分にできると私は考えています。

工務店がやるべき心地よい追客とは

電球,ビジネスマン

お客さんにとって心地よい追客は、直接的な連絡を極力控えることでしょう。

ただし誤解しないでください。

営業的な数字を上げるためには、ある程度前に出る行動もせざるを得ません。

この行動が工務店の皆さんにとって、プレッシャーに感じるかもしれません。

しかし、極端な不快感を相手に与えなければ、それがお客さんとの接点を再び生むことになり契約につながっていくのです。

心地よい追客はこれ

基本はメールやダイレクトメールなどを使って、お客さんにプッシュ型の追客を行ない、それに加えSNSやホームページなどを充実させてください。

SNSなどはお客さんが見ようとしなければ目に留まるものではありません。

しかし、内容が濃ければお客さんから勝手に見てくれるようになります。

そのためには、内容の充実がとても重要になるのですが、ネタが尽きてしまい気がついてみると、ご飯の写真がひたすら毎日並んでるようなSNSになりかねません。

できないのであれば、毎日の発信をやめて1週間にいっぺんでも構いませんし、毎日やりたいのであれば長文を避け、2~3行ですべてが完結するような内容でもいいでしょう。

まとめ

お客さんに迷惑をかけるような追客はできませんし、工務店サイドに極度な負荷がかかるような追客では継続できません。

メールなどの飛び道具に加えて、受け身となるSNS戦略が基本となるでしょう。

その上で、電話や訪問などもたまに入れるスタイルが、工務店の追客には最適だと思っています。

私が唯一気にかかるのは、電話や訪問などを完全に放棄している工務店があることです。

手が回らないのなら仕方がありませんが、訪問や電話を鼻から悪だと決めているような工務店の経営者がたまにいます。

しかし、自分の会社に自信があるのなら、多少は押しても良いのではないでしょうか。

あくまでバランスの問題です。

少なくとも、追客を全くやってない工務店は追客の重要性を改めて考えなおしましょう。

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森住宅コンサルタント株式会社 森 雅樹

森住宅コンサルタント株式会社 森 雅樹

積水ハウスと超零細工務店での営業経験を積み独立。現在は工務店のコンサルティングや、セミナー、執筆などをメイン業務に活動。現場見学会は企画から携わり、営業マンロープレも自らが設定を考え客役となり実施。国土交通省の認可組織である住活協リフォームにおいては全国加盟店向けに営業アドバイスなどを行う。 twitter・・https://twitter.com/iezukuri21 Instagram・・https://www.instagram.com/iezukuri21/ note・・https://note.com/91008082 youtube・・https://www.youtube.com/user/mo9100/videos

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