住宅営業のトップセールスは人たらし?紹介受注が続く2人の共通点

紹介で売れ続ける住宅営業のトップセールス2人に共通していたのは、お客さんとの距離を一気に詰める「人たらし」の接し方と、OB施主と頻繁に接点を持ち続ける習慣でした。
つい最近、私のセミナーに参加した住宅営業15年目のAさんは、契約のほぼすべてが紹介受注でしたが、本人に理由を聞いても「本当に思い浮かばない」と答えました。積水ハウスで伝説と呼ばれた営業マンも、同じく人たらしで知られた人です。
本記事では、2人のトップセールスの実例をもとに、紹介受注を生む行動と、自分の住宅営業に取り入れる方法を解説します。
住宅営業のトップセールスに共通する「人たらし」の接し方
つい最近、私はコンサル先ではなく、オープンセミナーに参加してくれた住宅営業のAさんから話を聞きました。
昨年はコロナの影響で集合式のセミナーや勉強会がほとんど開かれませんでしたが、さすがにその風潮も薄れてきました。
私は、やはり一堂に会する形式にかなうものはないと感じています。
Aさんの話は、いわゆる感動営業マンタイプ、コテコテ営業マンタイプの話です。私は、どんな時代になってもこうしたベタベタの営業手法は健在だと考えています。
初対面の私を夕食に誘った15年目の住宅営業
Aさんは、住宅営業として15年目の大ベテランです。
コロナのためセミナー後の懇親会はありませんでしたが、Aさんは地元においしい店があると言って私を夕食に誘ってくれました。
私も断る理由がなく、「まぁまぁまぁ……」と楽しそうに話しかけてくるAさんの勢いに押されてしまいました。
店にはAさんと同じ住宅会社の設計と事務の社員も来て、私たちは2時間ほど席をともにしました。Aさんは、初対面の私にこう言いながらビールを勧めてきました。
「本日は本当に勉強になりました。直接お聞きしたいことがたくさんあったので、急遽お食事に誘わせていただきました」
元暴走族の頭とは思えない腰の低さ
食事の席で、事務の女性社員が何気なくこんな話を振ってきました。
「Aさんはその昔は地元で有名な〇〇っていう暴走族の頭だったんですよ。そんな感じは微塵もしないと思いますが(笑)」
Aさんは「おいおい、やめろよ~」と返していましたが、たしかに現在の風貌からは想像もつきません。業界のあるあるかもしれませんが、建設業界の営業マンや職人さんには、若いころ傍若無人だった人が他業界より若干多い気が私はしています。
Aさんを一言で表すなら、人たらしです。
Aさんは、住宅の知識や提案力で売っている営業ではありません。
この手の営業マンは、住宅業界に限らずどの業界にもいるでしょう。
知識と即答の準備で信頼を得るタイプのトップ営業の接客は、即答で信頼を得るトップ営業の接客で解説しています。
トップセールスのAさんは住宅営業でLINEを使い倒していた
個人LINEを禁止する住宅会社も多いなかでの使い方
住宅営業に限らず、お客さんと営業マンがLINEでやり取りするケースは多いと思います。
その一方で、ビジネス用のLINEはよくても個人のLINEは使用不可、と決めている住宅会社も相当数あるようです。
私自身も「使っていいような、避けたほうがいいような……」と明快な答えを出せておらず、LINEの使用は賛否が分かれる問題です。
しかし、Aさんは自他ともに認めるLINE論者です。Aさんはどんなお客さんにも積極的にLINEでのやり取りをすすめ、仕事の話はもちろん、プライベートのどうでもいいようなこともガンガン送るそうです。
やり取りに乗ってくるお客さんほど契約になる
Aさんも、前向きではないお客さんには雰囲気を察知してやり取りを控えます。逆に、乗ってくるお客さんとは延々とLINEを続けて半ば遊んでいるような状態になり、契約の前から完全にお友達になっているそうです。
ところが、そうしたお客さんとは高い確率で契約になるといいます。
周囲の社員はハラハラしながら見ているそうですが、Aさんは結果として契約を上げてきますし、トラブルも一切ありません。
そのため、周囲の社員にもAさんを止める理由がないのです。
契約のほぼすべてが紹介受注になるトップセールスの日課
食事をしながらいろいろな話をしましたが、私がもっとも興味を持ったのは、Aさんの紹介受注の多さでした。
Aさんは契約のほぼすべてが紹介で、私はAさんがどうやってそれだけの紹介情報を集めているのかを知りたかったのです。
Aさん本人は、私にこう話してくれました。
「自分ではよくわからないのですが、おそらくは普段からのつながりでしょうね。私の日々の行動予定はお客さんへのメール、LINE、直接訪問、電話をOBの施主さんに対して頻繁に行っていることですからね……それだけかな」
私は、これが答えだと思います。普段からお客さんと頻繁に接点を持ち続けることが、Aさんの紹介受注の源泉になっています。
もちろん、ほかにも要因はあるはずです。
しかし、Aさんにいくら聞いても「なんだろうな……本当に思い浮かばないのですよ」と言うばかりで、何かを隠しているのではなく、本当に分からない様子でした。
人間力で紹介受注を取っている営業マンにはこのパターンが多く、Aさんも自分では説明できない人間力で受注を取り続けているのでしょう。
トップセールスの人間力に頼る属人的な営業から抜け出すための商談管理は、工務店のSFA(集客・商談管理)で解説しています。
積水ハウスの伝説のトップ営業マンも人たらしだった
年配層に受ける距離の近さ
積水ハウスには、すでに退社していますが、伝説と呼ばれた営業マンがいました。その営業マンはテレビ、ラジオ、新聞などの取材をたびたび受け、出演したことも複数ありますが、人たらしとしても有名でした。
私は、そのトップ営業マンと支店で同期だった社員の方と話す機会があり、いろいろと秘密を聞きました。同期の社員の方によると、売れる理由の核心はやはり「人たらし」だったそうです。
積水ハウスで紹介受注を生んだ紹介ハガキの配り方や契約翌日のノーアポ訪問は、住宅営業で紹介受注を増やす方法で解説しています。
「あいつはとにかく人との距離が近いというか、どんどん詰めていくのでうざいタイプなんですよね(笑)。でも、とくに年配層にはものすごく受けるんですよ」
若い層には疎ましく思われることがあっても、年配層にはその近い距離感や、コテコテのおもてなしや配慮がたまらないのだと私は思います。
直筆の年賀状から全速力のクレーム対応までの習慣
同期の社員の方が挙げてくれたトップ営業マンの習慣には、次のようなものがあります。
- 年賀状などは、びっちりと直筆で文章を書く
- 暇があれば電話で雑談する
- 実際に顔を出す
- 契約前の段階では、会うごとに直筆のお礼状を丁寧に書く
- クレームがあれば、全速力で自宅に急行して対応する
お客さんの奥さんに好かれるのも住宅営業で売れる条件
話をAさんに戻します。
紹介受注の理由は、本人よりも周囲の人に客観的に分析してもらうほうが核心をつけるかもしれません。
そう考えた私が、食事に同席した事務の女性社員に聞くと、こんな答えが返ってきました。
「Aさんは女性にものすごく優しいんですよね。ひょっとしたら、それもお客さんの奥さんに受ける要因かもしれませんね」
女性に好かれる方法は、仕事に関係なく世の男性ならみんなが知りたいことです。
それでも私は、女性に優しいという点は核心をついている気がしました。
お客さんの奥さんに気に入られることが住宅営業で成功する大きな要因の一つであることは、間違いないでしょう。
契約したお客さんへの取材から見えた奥さんへの接し方は、ハウスメーカーの営業トークと奥さんの接客で解説しています。
人たらしのトップセールスから真似できること・真似しにくいこと
人たらしの営業スタイルが通じやすいお客さん
Aさんの営業スタイルが通じやすい背景には、Aさんが勤める住宅会社の条件もあります。
| 項目 | Aさんの勤める住宅会社の条件 |
|---|---|
| 住宅会社のタイプ | ローコストの全国区フランチャイズの加盟店 |
| 客層 | お金の余裕があまりないお客さん |
| プランの要望 | さほどひねったものを求められない |
| 信頼感 | フランチャイズの名前がメジャーで、一定程度担保されている |
私は、こうした条件がそろうと人たらしの営業スタイルが通じやすい側面はたしかにあると考えています。一方で、シビアなお客さんには、Aさんのような接し方は通じません。
接点の頻度は行動予定に書けば真似できる
Aさんの日々の行動予定は、OB施主へのメール・LINE・直接訪問・電話でした。人柄そのものは真似しにくくても、連絡の回数は行動予定に組み込めます。
契約前のお客さんに会うたびに直筆のお礼状を書くのは、積水ハウスの営業マンの習慣でした。
礼状やショートメールの使い方は口下手な住宅営業のお礼状とショートメール活用で解説しています。
接点を続けたOB施主に紹介をお願いするときの言い方は、紹介営業のコツで解説しています。
まとめ
住宅営業のトップセールス2人に共通していたのは、お客さんとの距離を一気に詰める「人たらし」の接し方でした。契約のほぼすべてが紹介受注のAさんはLINEや訪問でOB施主と接点を持ち続け、積水ハウスの伝説の営業マンは直筆の手紙や雑談の電話で年配層に受けていました。
人柄そのものは真似しにくくても、OB施主や契約前のお客さんに連絡する回数は増やせます。
ぜひ本記事の2人のトップセールスの実例を参考に、OB施主への連絡を今週の行動予定に書き込んでください。



