「Youtubeを積極活用しよう!」これは私も口を酸っぱくして言い続けていることですが、私が関わっているある工務店で、その効果がぼちぼちと出始めました。
一年というと長く感じるかもしれませんが、あれやこれやと動画をあげているうちにあっという間に過ぎ去る時間です。
これまでに動画を30本ほどあげましたが、この一年間にどんな反響が具体的にあったかを時系列で皆さんにご紹介しましょう。
従業員規模は十人程度の工務店ですが、ここではS工務店とさせていただきます。
ユーチューブに関しては皆さんも非常に気になっているはずですが、 最初の立ち上げが厄介なので2の足を踏んでいる工務店がほとんどです。
一度開設してしまえば、あとは動画を上げていくだけです。
YouTube開設1年で効果がやっと出始めたS工務店
Youtubeサイトを作ったのは撮影開始から二か月後
S工務店のユーチューブ記録を時系列に追ってみましょう。
2022年の4月に社長と打ち合わせをしてYoutube撮影を開始しました。
毎月2本ずつ上げていく約束をしたのですが、私の腹積もりでは4本完成した段階でサイトを立ち上げることに。
一本作ったらとりあえずあげたくなりますが、ある程度の見栄えも欲しかったので、4本作成するまで社長には待ってもらい、初めてアップしたのは6月の中旬のことでした。
私はユーチューブに慣れているので何てことはないのですが、制作に関わっていなければ、何をどうしたらいいのかわかるわけはありません。
基本的には一切合切私に任せてもらい、社長の事務所のパソコンをたたきながら最初の形を作っていったのです。
「おー、いいね!」
社長はなかなかご満悦でしたね。
その日は7割仕上げて事務所を後にしたのですが、あとの細かいことはメールやリモートによるやり取りで社長に私から指示を出させていただき、2週間後にはほぼほぼ原型が完成したのです。
ただ、動画はまだ4本しか上がっていないので、見るからに寂しいサイトであったのは致し方ないところです。
動画撮影にあたって社長にこんなことを聞いた
Youtube開設における技術的な内容は問題ないのですが、厄介なのは撮影内容です。
私の頭の中にもある程度の絵は書かれていましたが、社長に改めていろんな話を伺い内容を決定していきました。
私 「普段の折衝でお客さんに強くアピールすることって何かあります?」
社長「耐震性だね。最近はスキップフロアなんてのが流行りみたいで、イメージだけでやる会社があるけど、あれはどう考えてもおかしいんだよ」
私 「確かにスキップフロアは一般に認知されてますし、有名ハウスメーカーでもそれを武器にしているところを私は知っています」
社長「そうでしょう。でも、あれはやっちゃダメなんだよ」
私 「わかりました。では耐震性を主張する内容の動画一本取りますか」
こんな感じで話を進めていきました。
また、いまでは値段がつかないような珍しい大工道具も数多く所有している社長なので、それを説明してもらう内容もなかなか面白いのではないかと思い撮影することにしました。
こうして話を聞いていくとネタはどんどん出てくる
「動画といってもネタが思いつかないんだよね」
S工務店の社長は最初このように話をしていたのですが、私が根掘り葉掘り聞いていくと、いくらでも題材などは湧いて出てくるのです。
これはみなさんも同じだと思いますよ。
動画に関してはみんなネタに窮するのですが、このような形で雑談を交わしていくと、皆さんもS工務店の社長と同じようにネタに困ることはまずないと思います。
動画を10本アップさせた頃の話
昨年の10月ごろの話をしましょう。
撮影本数は結構な数字になったのですが、実際にユーチューブ上にアップされた動画が10本になったときのお話です。
S工務店の事務所に撮影で伺ったときのこと、社長からこんな話が出てきました。
「この前びっくりしたことがあってさ、20年ぐらい前に新築を建てたお客さんなんだけど、近く寄ったからふらっと挨拶に行ったら、 “ユーチューブ始めたの?”って奥さんがいきなり僕に言うんだよ」
Youtubeを始めて初めて具体的にあった反応でした。
これが即何らかの受注につながるなんてことはありえませんが、S工務店の社長にとってみれば「まさかあの人がユーチューブを見てるなんて」となったわけです。
この方はもう少しで70に手が届くくらいの奥さんですが、このぐらいの年代の方がユーチューブを見るわけがないと、社長は勝手に先入観で思っていたのです。
10年前ならいざ知らず、かなり高齢の方でもユーチューブを見てる方が多いことを皆さんも認識してください。
これはインスタグラムにも言えることですが、勝手な思い込みで年齢制限をするのは早計な行為となります。
この後も件数は多くありませんが、Youtubeを見たと近所の方から言われたり、あるいは実際に問い合わせもありました。
ただ、その問い合わせは500キロも離れた他県の方で、勿論仕事になる可能性はゼロです。
しかし、これは私の目論見どうりで、10本から15本程度のユーチューブの動画を上げると、そろそろこんな反応があることは経験上わかっていたのです。
そろそろ仕掛けにかかる時期
社長自体も楽しみ半分、ノリノリでやってくれているのですが、ユーチューブをやっているからには、これをなんとか仕事につなげたいと私は思っています。
そろそろ仕掛け時かなと感じているのですが、今後はYoutubeの存在をプッシュ型で近隣の人に告知していく作戦を取ります。
これまでは宣伝などは一切していないので、たまたま検索をしてみた人がいれば、それでいいじゃないかというスタンスでした。
しかし、積極的に仕掛ければ、今までの反応とは必ず違う効果があらわれます。
最も原始的な方法はこれ
ユーチューブという時代の最先端のシステムをお客さんに伝える方法はいろいろ考えられますが、最も簡単かつ原始的な方法は紙媒体によるチラシ投函です。
私は今でもセミナーでお話しするのですが、お客さんに対する告知活動はSNSなどを中心には据えるものの、紙媒体によるアナログ告知を完全放棄するのは得策ではないと思っています。
みんながSNSをやる時代と勝手に我々は捉えていますが、そうではない人も多数いることを忘れてはいけません。
SNSをやる人だけを相手に商売をして、それで利益が確保できるのであれば、こうした特化戦略をとるのもありでしょう。
しかし、これだけで充分でないと判断すれば、SNSを全くやらない 、もしくは苦手な層を意識してアナログで攻めていくのも筋のとおった話だと思いませんか。
こうした話をすると反論も結構私には返ってきます。
それを承知でセミナーでは話をしていますし、このようなWEB記事でも一貫して同じ主張をとっています。
なぜこのように強気に断言できるかというと、実際にこうした行動をして、それなりの成果を得ている体験があるからにほかなりません。
皆さんは私の文章を読んでどう考えるかわかりませんが、私は自信を持ってこのように断言させていただきます。
S工務店の今後の戦略
S工務店ではユーチューブをまだまだ継続して行うのですが、今後はプッシュ型の告知をして世の中の人に知らせるとお話をしました。
もう一つの戦略は、やはり動画のネタとなるでしょう。
これまでに14本程度をアップしたのですが、社長のやりたいことや主張はほぼ網羅してあげています。
お客さん取材を精力的に行っていく
さまざまな工務店も行っていますが、やはりお客さんの取材は欠かせません。
すでに3人のお客さん取材を終了していますが、思わず最後まで見てしまうような面白い映像をいかに撮れるかかが勝負となるでしょう。
これはインタビュアーの腕も大きく左右します。
S工務店における取材では私が出向くのですが、話をしながら頭の中で「〇〇なキーワードを話してくれないかなぁ・・・」と自分でいろいろアタリをつけて質問をぶつけて行きます。
これは営業と同じなんですよね。
お客さんをいかに誘導して自分が想定した場所に着地させるかです。
このように狙ったキーワードを引っ張れた時には、心の中でガッツポーズをするのですが、取材後はこのキーワードをいかに自然に動画の中に織り込ませるかに頭を悩ませます。
まとめ
Youtubeは関わっていて単純に楽しいです。
「よくそんなことやるよね」
私の妻は毎日不思議そうな顔で私に質問するのですが、確かに向かない人には向かない仕事だと思います。
動画を撮影するのも大変なのですが、編集作業は非常に大きな労力を伴います。
でも、動画編集は力を入れればキリがないのですが、別に販売する映像では無いですし、中身がしっかり伝わればある程度の素人感が出ても問題はありません。
皆さんもぜひチャレンジしてください。