工務店のYouTubeは1年で効果が出る?開設から反響までの事例

工務店のYouTubeは1年で効果が出る?開設から反響までの事例

YouTubeは工務店の経営者の方も非常に気になっているはずですが、最初のチャンネルの立ち上げが厄介なので、二の足を踏んでいる工務店がほとんどです。

私が関わっている従業員10人程度のS工務店は、2022年4月に撮影を始めました。

YouTubeにアップした動画が10本になった2022年10月ごろ、S工務店の社長はOB施主の奥さんから「ユーチューブ始めたの?」と声をかけられ、これが最初の反響になりました。

本記事では、S工務店がYouTubeを開設してから1年間の経過をもとに、チャンネルの立ち上げ方、動画のネタの集め方、反響の中身、仕事につなげる告知の方法を解説します。

工務店のYouTubeチャンネルを開設するまでの流れ(S工務店の場合)

2022年4月に私がS工務店の社長と打ち合わせをして、YouTubeの撮影を始めました。社長とは、毎月2本ずつ動画を上げていく約束をしています。

動画が4本そろうまで公開を待った

動画は1本作ると、すぐにアップしたくなるものです。

それでも私はチャンネルにある程度の見栄えが欲しかったので、4本完成した段階でチャンネルを立ち上げると決めていました。

社長には4本そろうまで待ってもらい、最初の動画をアップしたのは2022年6月中旬です。

社長の事務所のパソコンで初日に7割を作った

私はYouTubeに慣れているので、チャンネルの立ち上げは何てことはありません。

しかし、制作に関わったことがない社長には、何をどうしたらいいのか分かるわけがありません。

そこで作業は一切合切私に任せてもらい、私が社長の事務所のパソコンを操作しながら最初の形を作っていきました。

「おー、いいね!」

社長はなかなかご満悦でした。

私は初日に7割を仕上げて事務所を後にし、残りの細かい作業はメールやリモートで私から社長に指示を出して進めてもらいました。

2週間後には、チャンネルの原型がほぼ完成しています。

ただ、動画はまだ4本しか上がっていなかったので、見るからに寂しいチャンネルだったのは仕方がないところです。それでも一度開設してしまえば、工務店がやることは動画を上げていくだけになります。

チャンネルを開設したあと、動画を上げ続ける運用の進め方は、工務店のYouTube導入から運用までで解説しています。

工務店のYouTube動画のネタは社長への聞き取りで決まる

YouTube開設の技術的な作業は問題ありませんでしたが、厄介なのは撮影の内容です。私の頭の中にもある程度の絵はありましたが、社長に改めていろいろな話を聞いて、動画の中身を決めていきました。

耐震性とスキップフロアの会話から企画が決まった

社長への聞き取りは、たとえば次のような会話で進めました。

私 「普段の折衝でお客さんに強くアピールすることって何かあります?」

社長「耐震性だね。最近はスキップフロアなんてのが流行りみたいで、イメージだけでやる会社があるけど、あれはどう考えてもおかしいんだよ」

私 「確かにスキップフロアは一般に認知されてますし、有名ハウスメーカーでもそれを武器にしているところを私は知っています」

社長「そうでしょう。でも、あれはやっちゃダメなんだよ」

私 「わかりました。では耐震性を主張する内容の動画一本撮りますか」

また、社長はいまでは値段がつかないような珍しい大工道具を数多く持っていたので、私はその大工道具を社長に説明してもらう動画も面白いと考えて撮影することにしました。

「ネタが思いつかない」社長からも題材は出てくる

「動画といってもネタが思いつかないんだよね」

S工務店の社長も、最初はこのように話していました。ところが、私が根掘り葉掘り聞いていくと、題材はいくらでも湧いて出てきたのです。

動画のネタにはどの工務店も困るものですが、このような形で社長と雑談を交わしていけば、S工務店の社長と同じようにネタに困ることはまずないと私は思っています。

社長に質問して答えてもらう形は撮影そのものにも使え、その進め方は取材形式でのYouTube撮影で解説しています。

動画10本でOB施主から最初の反響が出た(2022年10月ごろ)

撮影した本数はかなりの数になっていましたが、YouTubeにアップした動画が10本になったのは2022年10月ごろです。私が撮影でS工務店の事務所に伺ったとき、社長からこんな話が出てきました。

「この前びっくりしたことがあってさ、20年ぐらい前に新築を建てたお客さんなんだけど、近く寄ったからふらっと挨拶に行ったら、“ユーチューブ始めたの?”って奥さんがいきなり僕に言うんだよ」

YouTubeの動画を視聴するイメージ写真

70歳近い奥さんもYouTubeを見ている

この一言が、S工務店がYouTubeを始めてから初めての具体的な反応でした。

すぐに受注につながる話ではありませんが、社長にとっては「まさかあの人がユーチューブを見ているなんて」という出来事だったのです。

声をかけてきた奥さんは70歳に手が届くくらいの年齢で、社長はこの年代の人がYouTubeを見るわけがないと先入観で思い込んでいました。

実際には、かなり高齢の方でもYouTubeを見ている人は多く、インスタグラムでも同じことが言えます。

工務店が思い込みで見る人の年齢を区切るのは早計です。

OB施主とのつながりを仕事にする方法は、工務店のリフォーム受注の進め方で解説しています。

500キロ離れた他県から問い合わせが来た

その後も件数は多くありませんが、社長は近所の人から「YouTubeを見た」と言われたり、実際に問い合わせを受けたりしました。ただ、問い合わせは500キロも離れた他県の方からで、もちろん仕事になる可能性はゼロです。

それでも、この流れは私の目論見どおりでした。動画を10本から15本ほどアップすると、そろそろこうした反応が出てくることを、私は経験上知っていたのです。

YouTubeを近隣に知らせるプッシュ型の告知

社長は楽しみ半分で、ノリノリで動画づくりをやってくれています。

しかし、YouTubeをやっているからには、私はこれをなんとか仕事につなげたいと考えています。

ここまでS工務店は宣伝を一切しておらず、たまたま検索した人が見てくれればそれでいいというスタンスでした。

私はそろそろ仕掛けどきだと判断し、今後はYouTubeの存在をプッシュ型で近隣の人に告知していく作戦を取ります。

積極的に仕掛ければ、これまでの反応とは違う効果があらわれます。

最も簡単で原始的な告知はチラシ投函

YouTubeという時代の最先端の仕組みをお客さんに伝える方法はいろいろ考えられますが、最も簡単かつ原始的な方法は紙のチラシの投函です。近隣のどの地域に誰がいるかを調べる方法は、住宅営業の探客方法で解説しています。

紙で動画の存在を知らせる例として、名簿客へのDMでQRコードを読み込んでもらう方法は、既存客向けのYouTube活用法で解説しています。

SNSが苦手な層をアナログで攻める

私はセミナーでも話していますが、お客さんへの告知はSNSを中心に据えるものの、紙媒体によるアナログの告知を完全に捨てるのは得策ではありません。私たち住宅会社の側は、みんながSNSをやる時代だと勝手に捉えていますが、そうではない人も多数いるのです。

SNSをやる人だけを相手に商売をして利益が確保できるなら、そうした特化戦略をとるのもありです。しかし、それだけで十分でないと判断するなら、SNSをまったくやらない人や苦手な人を意識してアナログで攻めるのは、筋の通った話だと私は考えています。

この話をすると、私には反論も結構返ってきます。

私はそれを承知でセミナーでも話し、WEB記事でも一貫して同じ主張をしています。

強気に断言できるのは、私自身が実際にこうした行動をして、それなりの成果を得た体験があるからです。

お客さん取材の動画でキーワードを引き出す聞き方

S工務店がYouTubeにアップした動画は14本程度になり、社長のやりたいことや主張はほぼ網羅しました。

そこで告知と並ぶもう一つの戦略として、S工務店はお客さんへの取材を精力的に進めています。

お客さんの取材はさまざまな工務店も行っていますが、やはり欠かせません。

S工務店では、すでに3人のお客さんの取材を終えています。

最後まで見てしまう映像はインタビュアー次第

お客さん取材の動画は、思わず最後まで見てしまうような面白い映像をいかに撮れるかが勝負です。

取材動画の出来は、インタビュアーの腕に大きく左右されます。

S工務店の取材には私が出向き、話をしながら頭の中で「〇〇なキーワードを話してくれないかなぁ……」とアタリをつけて質問をぶつけていきます。

これは住宅営業と同じで、お客さんをいかに誘導して、私が想定した場所に着地させるかが勝負になります。契約したお客さんへの取材で分かることは、ハウスメーカーの営業トーク事例で解説しています。

引き出したキーワードを動画に自然に織り込む

私は狙ったキーワードをお客さんから引き出せたとき、心の中でガッツポーズをします。ただ、取材が終わると、今度は引き出したキーワードをいかに自然に動画の中に織り込むかに頭を悩ませることになります。

まとめ

S工務店は2022年4月に撮影を始め、動画が10本になった頃にOB施主の奥さんから最初の反響を得ました。今後は、近隣へのプッシュ型の告知と、お客さん取材の動画で、YouTubeを仕事につなげていきます。

私はYouTubeに関わるのが単純に楽しいのですが、妻は毎日不思議そうな顔で私にこう聞きます。

「よくそんなことやるよね」

確かに、向かない人には向かない仕事です。

撮影も大変ですが、編集作業はかなりの労力を伴い、力を入れればキリがありません。

それでも工務店のYouTubeは販売する映像ではないので、中身が伝われば、ある程度の素人感が出ても問題はありません。

ぜひ本記事のS工務店の1年間の経過を参考に、自社のYouTubeチャンネルづくりに挑戦してください。

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