小規模工務店が避けられる3つの理由|ホームページで解く誤解

住宅展示場で、ある住宅グループのモデルハウスに入ると「工務店に対して〇〇なイメージを持っていませんか?」と書かれたパネルが掲げてあります。
小規模工務店がお客さんに避けられるのは、このパネルが問いかけているとおり、「工務店」という名前がデザイン性・会社の安全性・施主の満足度の3つに不安を抱かせるからです。
私は2月27日に「小規模工務店をお客さんが避ける理由」というテーマでウェブセミナーを開き、この3つの不安への対策を話しました。
本記事では、「工務店」という名前が生む3つの誤解と、小規模工務店がホームページやSNSで打てる対策を解説します。
小規模工務店が「工務店」という名前で誤解される理由
住宅展示場のパネルが問いかける3つのイメージ
積水ハウスや三井ホームといった大手ハウスメーカーではありませんが、かなりの勢力を誇る住宅グループがあります。この住宅グループは社名を〇〇工務店といい、住宅展示場のモデルハウスの中に、一般のお客さんが工務店に持っているイメージを問うパネルを置いています。
「工務店に対して〇〇なイメージを持っていませんか?」
パネルはこのフレーズで始まり、デザイン性が低いと誤解していないか、会社の安全性に不安を持っていないか、依頼したお客さんは満足していないのではないか、という文言が続きます。このパネルがすべてを物語っているといってもよいでしょう。
〇〇工務店はよく分かっているのです。
一般のお客さんが「〇〇工務店」と耳にすると、ある種のマイナスイメージを抱くことを、マーケティングでつかんでいる証拠だと私は考えます。
小規模工務店の経営者には、このパネルの3つの問いを真正面から受け止めていただきたいと思います。
建材会社や住宅設備機器会社もセミナーに参加した理由
このウェブセミナーは弊社の主催で開きました。当日は多くの小規模工務店の方に集まっていただきましたが、私にとって予想外だったのは、建材会社や住宅設備機器会社の方にも参加していただいたことです。
建材会社や住宅設備機器会社は小規模工務店を多数お客さんとして抱えているので、ある意味で運命共同体といえます。小規模工務店1社あたりの取引高は少なくても、取引先の数が多いため、小規模工務店がじり貧になれば建材会社や住宅設備機器会社自体が傾く危険があるからです。
小規模工務店のデザイン性はSNSとホームページで伝える
自社がハウスメーカーに引けを取らないほど独創的なデザインを持ち、建てたお客さんも満足しているとします。
それでも、工務店がそのデザイン性を前面に出してアピールしなければ、お客さんに誤解される可能性があります。
特に社名が「〇〇工務店」の場合は要注意で、自社を深く調べないうちに「工務店じゃおしゃれな家はできそうにないわよね」と、奥さんに先入観を持たれる危険があります。
インスタグラムなどのSNSで発信する
今はよい時代になりました。
20年ほど前は、デザイン性に自信がある工務店でも、それをアピールする場がありませんでした。
SNSは存在せず、ホームページを持っている工務店もごく一部だったので、工務店の発信はお客さんまで届かなかったのです。
そのため、工務店にはホームページはもちろん、インスタグラムやその他のSNSを使って目いっぱいの発信をしていただきたいと思います。セミナーでも話しましたが、SNSを使っていない工務店は致命的といっていいほど危険だと私は考えています。
現状で心配のない受注をしている工務店は、それなりの信頼を得ているので焦る必要はありません。
それでも、そうした工務店もインスタグラムなどのSNSには早急に進出すべきだと私は思います。
工務店のSNS活用はハウスメーカー・工務店のSNS集客で、Twitterの運用は工務店のSNS集客の事例で解説しています。
インスタグラムに偏ってホームページをおろそかにしない
注意してほしいのは、工務店がインスタグラムに力を入れるあまり、ホームページをおろそかにしてしまうケースです。インスタグラムにはおしゃれな写真がたくさん載っているのに、会社のホームページを見るとがっくりしてしまう工務店が、私の目には多く付きます。
インスタグラムは一度始めると手軽にどんどん投稿でき、投稿する人のスキルも上がるので、見る人へのアピール度は高まっていきます。ただ、インスタグラムを見たお客さんは最終的にホームページもチェックしに来るので、工務店はそこで足をすくわれないよう注意してください。
インスタグラムから訪れたお客さんを受け止めるホームページづくりは、小さな工務店のホームページ集客の対策で解説しています。
会社の安全性への不安は工務店のアフターサービスで補う
いくら財務体質が強く安心できる工務店でも、一般のお客さんは単純に企業規模で会社の安全性を判断してしまいます。この点は、小規模工務店の経営者なら実感しているところでしょう。
大手ハウスメーカーは財務体質までプレゼンする
大手ハウスメーカーは、自社の財務体質が強いことをプレゼンテーションするほどです。
私はある大手メーカーのプレゼンテーションを受けたことがありますが、その大手メーカーはグループ全体を説明した後、資本金や取引実績などさまざまな数値を使って会社の基盤が強いことをアピールしてきました。
社名が極めて有名なので、一般消費者は通常、その大手メーカーの倒産など心配しないにもかかわらずです。
小規模工務店が資本金や売上高で大手に対抗することはできません。そこで私が勧めるのは、アフターサービスのアピールです。
点検日程を区切らずにアフターサービスを宣言する
大手ハウスメーカーは、どこもアフターサービスの具体的な点検スケジュールをホームページに載せています。
一方で、アフターサービスにまったく触れていない工務店が圧倒的多数だと私は見ています。
工務店のホームページがアフターサービスに触れていても、ごく簡単に書いてあるだけで、具体的なスケジュールがないケースがほとんどです。
「何かありましたらお気軽にお電話ください」
このような一文で終わっているのではないでしょうか。
ただし、大手のように1か月後点検、3か月後点検、6か月後点検と具体的な日にちを区切ってアフターサービスをアピールするのは、小規模工務店には危険だと私は考えます。実行できる工務店にはぜひやっていただきたいのですが、本当に小規模な工務店では、日程を区切ったことで自社の動きが縛られ、最悪の場合はお客さんの不信感を買うことになりかねません。
人手が足りない工務店が点検の日程に幅を持たせて約束する方法は、小規模工務店のアフターサービスと10年点検で解説しています。
私も明快な答えは出せません。それでも工務店に最低限やっていただきたいのは、アフターサービスをしっかり行うとホームページで宣言し、2〜3行で終わらせずに、アフターサービスを重視していることが伝わる分量で掲載することです。
施主の満足度は工務店ホームページの「お客様の声」で伝える
「依頼したお客さんは満足していないのではないか」という不安に答えるのが、いわゆるお客様の声です。自社のホームページを、この観点で再チェックしてください。
そもそも、お客様の声のページがない工務店のホームページが半数以上を占めるのが実情です。お客様の声の欄を設けている工務店でも、申し訳程度の掲載や、内容が薄く、下手をすると架空ではないかと思われるような貧弱なものが多くを占めています。
お客様の声の欄を設けてもアクセスが集まらない理由と改善の進め方は、工務店のお客様の声の改善事例で解説しています。
写真1枚と文章のコメントが最低ライン
理想は、これまで建築したお客さんのインタビューを動画で撮り、ホームページに掲載することです。
工務店がそこまでできないのであれば、お客さんの写真を1枚載せたうえで、コメントを文章でそれなりの分量で掲載してください。
これが最低のラインです。
お客さんご一家が笑顔でリビングに集まった写真が1枚あり、その下にお客さんのコメントがしっかり載っていれば、お客さんが架空ではないことが伝わります。そのお客さんがこの工務店で家を建てて満足したことも、読む人に伝わるはずです。
掲載件数はリフォームのお客さんの声でも増やす
ただし、お客様の声が1件だけでは話になりません。
工務店は、できる限りたくさんのお施主さんの事例を掲載してください。
新築で引き渡したお客さんの数が少ない工務店は、小さなリフォームでも構わないので、お客さんの声を拾っていきましょう。
お客さんの許可を取ったうえで、リフォームの声も1件として数えてホームページに掲載します。
インタビュー動画はスマホ撮影で十分
大手ハウスメーカーは、お客様の声の掲載を徹底しています。大手はプロのカメラクルーを手配し、複数人でお客さんの自宅に取材に伺ってインタビューを行い、編集して効果音や字幕を付けてからホームページに掲載します。
小規模工務店がそこまでする必要はまったくなく、内容が勝負です。
カメラは当面スマホで十分で、スマホを固定してお客さんのインタビューを撮影し、あとは最低限の編集だけしてください。
インタビューにはどうしても無駄な間が入るので、工務店側で編集してカットし、できる限り字幕を付けると見やすい映像になります。
ウェブセミナー後に届いた工務店からの反応
このウェブセミナーで、私はこうした内容を45分にわたり、写真を交えながらいろいろな観点で話しました。
セミナー終了後には2社の方からメールをいただきましたが、2社ともお客様の声をホームページに掲載しておらず、掲載しようと考えたこともなかったということでした。
その一方で、参加した工務店の中の1社は、私がセミナーで話したことをほぼすべて実行していました。
私はセミナー前に参加各社のホームページをチェックしたのですが、その1社については「この工務店は私の話を聞いても得るものはないだろう(笑)」と思ったほどです。
まとめ
小規模工務店がお客さんに避けられるのは、「工務店」という名前がデザイン性・会社の安全性・施主の満足度の3つに不安を抱かせるからです。デザイン性はSNSとホームページの発信で、安全性はアフターサービスを重視する姿勢の掲載で、満足度は写真とコメント付きのお客様の声で、それぞれ誤解を解くことができます。
ぜひ本記事の3つの不安と対策を参考に、自社のホームページとSNSがお客さんの誤解に答えられているかを見直してください。



