工務店のリフォーム受注はOB客から|アポ率90%の手紙と電話

工務店のリフォーム受注はOB客から|アポ率90%の手紙と電話

工務店の経営者の多くは、リフォームに取り組まなければいけないと分かっています。それでも新築がたまに取れると、細かい作業を伴うリフォームはつい後回しになります。

私が先月講師を務めたリフォームセミナーでは、参加した23社のうち、1か月後に動きが変わった工務店は2社だけでした。

OB客へのリフォーム営業は、新築したお客さんに手紙かメールを送り、電話で確認するだけで始められます。

この手順なら、アポイント率は90%程度になるでしょう。

本記事では、工務店がリフォームに動けない理由と、OB客からリフォーム受注を取る初期動作と提案の仕方を解説します。

工務店のリフォーム参入が進まない理由(セミナー主催者の話)

ハウスメーカーを中心に、規模の大きい住宅会社はリフォームに目をつけて動き出しています。

一方で、工務店の動きはまだ鈍いです。

新築が激減して多くの工務店が淘汰されることは、工務店の経営者も頭では分かっています。

ところが、現実の工務店はなかなか動かないのが実情です。

リフォームを絡めたセミナーには工務店が集まる

つい先日私が行ったリフォームに特化したリアルセミナーでは、通常の集客数より1.5倍ほど多い工務店が集まったと主催者の方が言っていました。工務店の経営者は、リフォームそのものに関心を持っていますし、意識しなければいけないことも分かっています。

セミナー主催者は、手を変え品を変え、集客をいかに図るかに頭を悩ませています。

私は講師を依頼されるだけなので、当日現場に赴いて「今日は何社ぐらいお見えになっているんですか」と質問して終わりです。

しかし、セミナー終了後に次回のテーマを含めて話をすると、主催者は、リフォームに絡めると人が集まるのは事実だと言っていました。

ところが主催者が現場の声を聞くと、実際にリフォームに舵を切っている工務店はあまりないそうです。加えて、セミナーで見聞きしたことを実践している工務店も少ないとのことでした。

新築にしがみつく工務店の本音(アンケートの5項目)

同じセミナー主催者は、参加した工務店に定期的にアンケートを取っており、私もその内容を教えてもらいました。他にもいろいろあった記憶はありますが、私がすぐに思い出せるのは次の5項目です。

  • 新築が減っているのは分かっているが、徐々に減っているので、ある種のゆでガエル状態になっているかもしれない
  • 暗にリフォームを馬鹿にしている
  • 新築一棟とリフォーム五軒が同じ金額なら、新築をやった方が一発で済むのでやりやすい
  • リフォームは剥がしてみないと分からないので怖い
  • リフォームに比重を置くと、新築を二度とやれないような恐怖感がある

なかなか面白い回答です。新築メインで工務店をやっている経営者からすれば、新築こそ腕を振るえる仕事であり、リフォームはなんとなく都落ちした気がするという気持ちは、私にも分からなくはありません。

事実、大手ハウスメーカーでも、かつてのリフォーム部門はそんな存在でした。

リフォーム部門は、新築営業で成績を上げられない営業社員の左遷先として見られていたのです。

ところが今は、全く時代が異なっています。

リフォームセミナーに参加した工務店23社の1か月後

私は先月、某所でリフォームセミナーを行いました。

リモートではなくリアルのセミナーで、工務店23社28名の方に参加していただきました。

主催者はある住宅関連企業で、出席した工務店にはそれぞれ主催企業の営業担当者がついています。

セミナーからちょうど1か月たった日に、私は主催企業の営業担当者に、参加した工務店のリフォームに対する動きを聞いてみました。その結果、ほとんどの工務店が全く動いていないことが分かりました。

営業担当C君との会話

私「この前のセミナーの後だけど、工務店の動きはなんか変わった?」

C君「アンケートも以前お見せしましたけど、リフォームを真剣にやらなくちゃいけないということは皆さん分かっています」

私「それで、実際の動きはどんな感じになった?」

C君「23社のうち2社は動きがかなり変わった感じがするのですが、その他の会社はまだまだなんですよね」

セミナー後のアンケートでは、「リフォームに真剣に取り組まないと間に合わなくなることが分かった」「弊社でも何かしらの動きを考えてみたい」など、前向きな意見が大多数を占めていました。それでも、工務店が実際に動くとなると話が違うようです。

もちろん、この傾向はすべてのセミナーに当てはまるでしょう。

よほどのポンコツ講師でない限り、講師が話す内容は理にかなっているでしょうし、参加者がハッとさせられる部分もたくさんあるはずです。

今回のリフォームセミナーでも、私は手持ちの現場映像など臨場感のある写真や映像を使い、かなり強く訴えました。

「今ここでリフォームに舵を切らないと知らないよ」ぐらいのノリで伝えたので、事の重要性は参加者に伝わったはずです。

「やらないとあかんとは毎日思っているよ」

主催企業の営業担当者は、工務店を訪問したときに、リフォームに対する前向き度合いをヒアリングしています。そこで工務店の経営者から最も多く返ってきた答えが、この一言でした。

工務店の経営者は、やらなければいけないことを分かっていますし、決して後ろ向きなわけではありません。しかし、工務店は日々の仕事をこなさなければならないうえに、これまでやってこなかった営業手法は、簡単にやれそうで実は難しいものです。

新築中心の工務店がOB施主との接点づくりからリフォーム受注を始めた例は、OB施主へのカレンダー配り事例で解説しています。

工務店がOB客からリフォーム受注を取る初期動作

リフォームに前向きな工務店から多く聞かれたのが、具体的なアプローチが分からないという声です。工務店の経営者は、これまで新築の営業スタイル一本でやってきたので、リフォームの話をどのように持っていけばよいかが分からないと言います。

専業リフォーム会社のように、SNSなどで広告を打って新規のリフォーム客を集めるのは、なかなか難しいです。

そのため手っ取り早い方法は、工務店がこれまで建てた新築のお客さんにアプローチし、リフォーム受注を取ることです。

ところが、工務店の経営者からは、OB客へのアプローチもなかなか難しいという声が上がっています。

新築が減る中でOB施主からリフォームを受注する考え方は、新築減少下で工務店がOB施主からリフォームを受注する方法で解説しています。

手紙かメールで訪問を告知する

工務店が最初に行うのは、OB客に手紙かメールを出すことです。文面は、たとえば次のような告知にします。

「新築して15年が経過しましたが、弊社では15年経ったお客さんのお宅を全て回ることにさせていただきました」

文章を書くのが苦手な担当者向けの手紙やメールの書き方は、住宅営業のお礼状の書き方で解説しています。

告知の後に電話で訪問の日にちを決める

工務店は、告知の手紙やメールを送った後に、OB客へ電話をして確認します。

極めて簡単なことですが、基本的な初期動作はこれだけです。

この手法で進めれば、アポイント率は90%程度になるでしょう。

実際に私の指導先の工務店では、リフォーム受注についてはこの流れに沿って動いてもらっています。

手紙と電話でアプローチするOB客の選び方は、築15年以上のOB顧客リストの作り方で解説しています。

もちろん、工務店の担当者がお客さんに会ってからもいろいろあります。それでも、まずはお客さんに連絡し、日にちを決めてお宅にお邪魔しないことには、リフォームの話は何も進みません。

訪問先で仮説を立ててリフォームを提案する方法(高校生の姉妹の例)

OB客のお宅を訪問した後のアプローチも、極めて簡単です。そのテクニックの1つが、家族の今の暮らしに仮説を立てて質問する方法です。

15年前の家族構成から今の不便さを推測する

たとえば、工務店が新築から15年後にアポイントを取って訪問したとします。

15年前の商談の時には、1歳と2歳の年子の女の子がいたとしましょう。

計算すれば、今は2人とも高校生になっています。

次に、女子高生2人が抱えているかもしれない不便さは何かを考えてください。新築当時に思い切り収納を取った家なら話は異なりますが、この年頃の女の子がいる家では、服をしまうスペースが不足してくるケースが現実的に多いです。

では、そのお宅の家族はどうするでしょうか。ビニール製の安価な衣装ケースなどを買ってきて部屋の片隅に置いたり、クローゼットに服を無理やり押し込んだりしていると推測できます。

収納不足を確かめる会話

このような仮説を持って訪問すると、こんな会話が成立する可能性があります。

工務店「そういえば年子のお嬢さんも高校生じゃないですか?」

お客様「そうですよ、2人ともずいぶん大きくなったんですけども、夜遅く帰って来て喧嘩したり、そんな歳になってきましたね」

工務店「女の子ですし年頃ですから、かわいい服なんかいっぱい増えたじゃないですか」

お客様「それはもうものすごいですよ、2人とも競っておしゃれして、休日なんか出てきますからね」

工務店「あの当時作った収納はいわゆる一間(いっけん)のものだったので、服をしまうスペースが足りなくなっていませんか」

最後の質問に対してお客さんから「全く問題ありません」と言われれば、工務店の担当者は話を終わらせればいいだけです。

しかし、この質問に大きく同意するお客さんはかなりいると思ってください。

お客さんが同意すれば、そこにリフォームのチャンスが生まれることは、これ以上説明する必要はないでしょう。

お客さんが同意して現地調査へ進むときに、ご要望や建物と設備の現状、搬入と作業の条件を書き留める項目は、リフォーム現調シートのテンプレートで解説しています。

受注したリフォーム工事の完了後に次の依頼へつなげる伝え方は、リフォームのリピート受注のコツで解説しています。

まとめ

工務店の経営者はリフォームの必要性を分かっていながら、動けずにいます。

先月のリフォームセミナーでも、参加した23社のうち1か月後に動きが変わったのは2社だけでした。

それでも、OB客に手紙かメールで訪問を告知して電話で日にちを決め、訪問先で家族の暮らしに仮説を立てて質問するという手順は、簡単に始められます。

新築オンリーでやってきた工務店の経営者には、リフォームの可能性を早急に探ってほしいと、私は強く申し上げたいです。

新築だけで他社と圧倒的な差別化ができる自信とその根拠があれば、リフォームを無視してもいいでしょう。

しかし、よほどの特徴がない工務店には、傷が深くならないうちにリフォームの比率を上げることに注力するよう、強くお勧めします。

ぜひ本記事のOB客への手紙と電話の手順を参考に、これまで新築したお客さんへの連絡から始めてください。

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