住宅営業のモジュールの話し方|メーターと尺の違いと競合トーク

住宅営業のモジュールの話し方|メーターと尺の違いと競合トーク

メーターモジュールと尺モジュールは、住宅営業にとっては日常的に使う言葉ですが、お客さんにとってはほぼ初耳の言葉です。たまたま他の展示場で営業マンから聞いたお客さんでも、いきなり聞かされて分かるわけがありません。

メーターモジュールと尺モジュールの違いは間取りの基準になる寸法で、尺モジュールは約90cm、メーターモジュールは1mを1マスにします。

本記事では、メーターモジュールと尺モジュールの違いと採用しているハウスメーカー、競合したときに住宅営業が使うトークを解説します。

メーターモジュールと尺モジュールの違いは間取りの基準寸法

住宅のモジュールとは、間取りを設計するときに使う基準寸法のことです。

尺モジュールは尺貫法の約90cmが基準

尺モジュールは、日本古来の尺貫法(しゃっかんほう)による建築の寸法を元にしています。

押し入れでいえば幅180cmが約一間(いっけん)で、その半分の約90cmが基準の1マスです。

尺貫法による建築には長い歴史があります。

メーターモジュールは1mが基準で部屋が広くなる

メーターモジュールは、1mを基準の1マスにします。

1マスが約90cmから1mに広がるので、同じ畳数で作っても部屋は広くなり、メーターモジュールで作った6畳の和室は、従来の尺で計算すると7.2畳に匹敵します。

部屋に限らず、家のすべての場所がゆったり作れることがメーターモジュールの特徴です。

尺モジュールとメーターモジュールを採用する主なハウスメーカー

両方に対応するハウスメーカーもありますが、ここではそれを除き、代表的なハウスメーカーを大きく2つに分けました。

メーターモジュールを採用尺モジュールを採用
積水ハウスミサワホーム
タマホームへーベルハウス
日本ハウスHDセキスイハイム
トヨタホームダイワハウス
住友林業一条工務店

住友林業はどちらにも柔軟に対応しますが、ここではメーターモジュールの会社に分類しています。

メーターモジュールの住宅営業が使う定番トーク

私が在籍した積水ハウスはメーターモジュールの会社で、当然、営業でもメーターモジュールを推奨していました。メーターモジュールの住宅営業が使う定番トークは、体格・押し入れ・車いすの3つです。

戦後に大きくなった日本人の体格

私が真っ先に思いつくのは、日本人の体格の話です。尺貫法による建築は小柄な日本人の体格に合ったものでしたが、大東亜戦争以降に日本人の体格が目覚ましく向上したので、尺モジュールが日本人の生活に合わなくなってきた、という流れで説明します。

そのため、メーターモジュールの会社で働く住宅営業は、接客の際にまずお客さんの体格を見てください。夫婦ともに一見して高身長であれば、住宅営業は次のように言い切ればよいのです。

「時代はメーターモジュールです。尺モジュールでは狭くて後悔します」

初回接客の進め方は、住宅営業の初回接客のコツで解説しています。

押し入れの開口部と布団の収まり

話を簡単にするため、尺モジュールの押し入れを一間幅とすると、片方の戸を引いたときの開口部の幅は90cmです。

お客さんが布団を両手で抱えて押し入れにしまう場面を想像すると、90cmでは少し窮屈ですが、メーターモジュールの押し入れは開口部が100cmになるので、ずいぶん入れやすくなります。

尺モジュールでも慣れてしまえば問題はありませんが、メーターモジュールをアピールするなら、このトークは定番です。

押し入れの中にもアピールポイントがあります。

尺モジュールの押し入れに布団を2組横に並べて収納すると、どうしても布団の端が重なってしまい、見た目がよくないうえに、厳密にいえば布団も傷みやすくなります。

メーターモジュールの押し入れなら幅が2mあるので、お客さんは布団の端を重ねずにゆったり置けます。

車いすで移動しやすい

車いすの話も、定番中の定番トークです。

写真は、なかやしき(本社:北九州)のホームページから引用しています。

メーターモジュールの家なら車いすでも楽々移動できるのに対し、尺モジュールの家では右の写真のように苦労する、という説明です。

最もポピュラーなトークですので、メーターモジュールの住宅営業はこの基本中の基本をしっかり押さえてください。

尺モジュールの住宅営業が競合で使う切り返しトーク

メーターモジュールの住宅営業がこう言うなら、反対の尺モジュールの住宅営業はどうやって応戦するのでしょうか。

既製の家具や桐ダンスとサイズが合わない

家具のサイズは、家具店に行っても、ネットで調べてもすぐに分かります。

「メーターモジュールが時代の趨勢(すうせい)だ」と叫んでも、家具は昔のままのサイズが圧倒的に多いのが実情です。

そのため、お客さんがメーターモジュールで家を建てていざ家具を購入すると、中途半端にスペースが余ってしまう可能性があります。

たとえば、親から受け継いだ嫁入り道具の桐ダンスは、尺モジュールのクローゼットならきれいに収まりますが、メーターモジュールの家に置くと20cmほど隙間が空いてしまうことがあります。

私個人はあまり気になりませんが、言われてみればそのとおりです。

尺モジュールの住宅営業は、メーターモジュールの会社と競合したら、いの一番にこの話をお客さんにぶつけて、積極的に応戦してください。

メーターモジュールの会社と競合したときの反論の準備は、競合に勝つカウンタートークの準備で解説しています。

同じ要望でも建坪が増えて敷地に収まらない

お客さんから、次のような要望が出たとします。

「一階に6畳の和室と18畳のリビングは欲しいですね。それとキッチンは4畳かな……」

この要望に合わせて尺モジュールとメーターモジュールでプランを設計すると、当然、メーターモジュールのほうが建坪は増えます。敷地が200坪もあれば関係ありませんが、実際の商談ではシビアな広さの敷地で勝負しているので、このちょっとした建坪の違いがいろいろと影響してきます。

尺モジュールの住宅営業であれば、「お隣さんとの距離は日照を考えると少しでも確保したほうがいいですよ」とお客さんに勧めてください。

メーターモジュールを阻止するための営業トークです。

土地探しから一緒に進めるお客さんへの提案は、住宅営業の土地提案の進め方で解説しています。

ミサワホームの営業マンが使う「ヒューマンモジュール」

ヒューマンモジュールという言葉は聞き慣れませんが、尺モジュールのことと解釈してもよいかもしれません。私はミサワホームのある営業マンから、次のように聞きました。

「僕はミサワホームだから尺モジュールを勧めているのだよね。そのときよく使うのがヒューマンモジュール。人にやさしいというか……メーターモジュールと競合するときはそうやって対応するよ」

参考になったかどうかよく分かりませんが(笑)、こんな対応策もあることを覚えておいてください。

注文住宅はメーター、建売は尺で使い分ける住宅会社の注意点

同じ住宅会社でも、価格の高い注文住宅はメーターモジュールで、価格の安い建売住宅は尺モジュールと使い分けているケースが多いと私は思います。こうした住宅会社では、お客さんへの説明がうまくいかないことが問題です。

「これからの時代は絶対にメーターモジュールしかありません!」

住宅営業がこう力強く宣言しておきながら、その一方で自社が尺モジュールの建売住宅を販売していては、何となく示しがつきません。この矛盾の解決方法は私も思いつきませんが、両方を扱う住宅会社の住宅営業は、商談の初期から「メーターがいい」「尺こそが人間の基本だ」と偏った話をしないほうが無難です。

商談の初期に住宅営業が話す内容は、初回面談で話す住宅営業トークの定番で解説しています。

まとめ

メーターモジュールと尺モジュールの違いは基準寸法で、尺モジュールは約90cm、メーターモジュールは1mを1マスにします。メーターモジュールの住宅営業は体格・押し入れ・車いすの話で広さを訴え、尺モジュールの住宅営業は家具のサイズや敷地に収まる建坪、ヒューマンモジュールという言葉で切り返します。

注文住宅と建売住宅でモジュールを使い分けている住宅会社では、商談の初期にどちらか一方へ偏った話をしないことが無難です。

ぜひ本記事の定番トークを参考に、競合相手のモジュールに合わせた切り返しを次の商談で試してください。

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