契約客取材で分かった住宅営業の競合勝ち理由|夫婦90分の本音

契約客取材で分かった住宅営業の競合勝ち理由|夫婦90分の本音

関西の新築専門工務店G社と契約したAさん夫妻に私が90分の取材をしたところ、エンジニアのご主人は構造を、奥さんは営業マンの熱意と話を聞く姿勢を決め手に挙げました。さらに奥さんは、断った競合のアイフルホームの営業マンを「自分の出したプランにプライドを持っていた」とほめたのです。

本記事では、契約客取材で分かった夫婦の決め手の違いと、お客さんの評価を分けた住宅営業のプラン提示の姿勢やデリカシーについて解説します。

契約客取材で分かった夫婦の決め手の違い(関西の工務店G社)

私が続けている顧客取材の第2弾として、関西の新築専門工務店G社で契約したお客さんに話を聞きました。第1弾の契約客取材は、ハウスメーカーの営業トーク事例で解説しています。

新築専門の工務店G社とAさん夫妻

G社は全国フランチャイズの加盟店で、私はそのFC本部と長い付き合いがあります。

その縁でFC本部からG社の社長を紹介してもらい、社長が「顧客取材というのは面白いな!やってもらおうか」と乗ってくれて、取材が決まりました。

取材では、Aさん夫妻にG社の事務所へ来てもらいました。

奥さんはAKBのセンターにいてもおかしくないようなかわいらしい女性で、専業主婦です。

一方のご主人は武骨を絵にかいたような人物で、完全な理系として大手企業にエンジニアとして勤めていました。

私がご夫婦それぞれにG社を選んだ理由を尋ねると、大まかに次のような答えが返ってきました。

ご主人がG社に決めた理由奥さんがG社に決めた理由
アフターサービスがしっかりしているプランニング能力の高さ
外壁のタイルがメンテナンスフリーに近い状態できれいに保てる営業マンが一生懸命だった
プランニング能力の高さ価格の安さ
構造がしっかりしていて、地震にも安心できる自分の話をよく聞いてくれた

ご主人は構造を、奥さんは営業マンの熱意を見ていた

この取材では、教科書に載せたいような典型的な結論が得られました。

エンジニアのご主人は構造がまず大事だという考えで、G社の営業マンにしつこいくらい質問を重ねたそうです。

ご主人は、耐震等級が高いのは当たり前として、震度7が2回来たら建物はどうなるのか、大丈夫だという根拠は何かという具合に聞き込みました。

後でG社の営業マンに聞くと、「かなりきつかったです(笑)」と笑っていました。

それに対して奥さんは「構造のことは主人にお任せです」と言い切りました。奥さんは、間取りが良いのは当然として、営業マンの熱意や、話に耳を傾けてくれたかどうかが決め手だったとはっきり話してくれました。

奥さんが決め手に挙げた営業マンの熱意については、新人の住宅営業が熱意で受注した事例で解説しています。

奥さんが断ったアイフルホームの住宅営業をほめた理由(契約客取材)

社名を出しますが、Aさん夫妻がG社と比べた競合の住宅会社はアイフルホームです。Aさん夫妻は最終的にアイフルホームを断っていますが、アイフルホームへのご主人と奥さんの評価の違いに私は驚きました。

主人「アイフルホーム? 特に印象ないけどな。プランもあんなもんってところだったんじゃないかな」

奥様「そんなことないわよ。アイフルホームの営業さんは自分の出したプランにプライドを持っていたわ」

主人「そうだったっけ?俺はそんなこと感じなかったけどな・・・」

私が後で取材ビデオを見返すと、奥さんはこう断言するだけでなく、しまいにはアイフルホームの肩を持ち始めていました。奥さんはアイフルホームから提出された図面まで持参していて、その図面を開いてプランの説明まで始めました。

奥さんにそう言わせたアイフルホームの営業マンは、敵ながらあっぱれだと私は思います。

施主が競合する住宅会社の営業マンをどう見比べたかについては、大手ハウスメーカー3社と商談した夫妻が関東の工務店に決めた経緯を、工務店が選ばれる理由の取材事例で解説しています。

プラン提示にプライドを持つ住宅営業

奥さんの「プライド」という言葉は今回の取材でたまたま出た話ですが、私自身が現役時代から心がけてきたことであり、コンサルティングを始めてからも指導先の営業マンに伝えていることです。奥さんがこの言葉を口にしたとき、私は心の中で「またこのパターンの人に出会ったな」と思いました。

設計が描いたプランでも社を代表して出している

住宅営業が自分でプランを描くのであれば、自信を持って折衝に臨むべきです。設計担当にプランを描いてもらい、そのプランを営業マンがお客さんに説明する場面も多いですが、その場合でも営業マンは住宅会社を代表してプランを提示しているので、プライドを持つのは当然です。

そのため私は、プラン提示の際には「いいプランができました!」とプライドを持ってお客さんに接してほしいと指導しています。

「設計にとりあえずこんな感じでもらいました」という弱々しいプレゼンでは、お客さんの同意は得られません。

自分の会社と社長を好きだと言える住宅営業の評価

今回の契約客取材では出なかった話ですが、自分の会社を好きだと口にする営業マンは、お客さんから見て総じて評価が高いと私は断言できます。社長を好きだと話す営業マンも、お客さんからの評価が高くなります。

「弊社の社長が住宅に熱い人で、入社面接のときに惚れてしまいました」

「うちの会社はとにかく楽しい会社で、誰も辞めないんですよ(笑)」

住宅営業の方も家を建てる側に立ったとき、担当営業からこう話されて嫌な感じがするでしょうか。ほとんどのお客さんは好感を持つと私は考えています。

お客さんが営業マンのどのような点を決め手にしたかは、契約客取材で分かった住宅会社の決め手で解説しています。

「デリカシーがない」が敗因になる(S社と神戸営業所の取材)

Aさん夫妻の取材に話を戻します。奥さんは断ったアイフルホームには未練がありましたが、最初のプラン提示で嫌気がさしたというS社の営業マンのことは、厳しく評価していました。

奥さんがS社を断った3つの理由

「S社の営業マンは最悪でしたね。主人がそこそこ気に入っていたのでプラン提案まで行ったのですが・・・」

奥さんがS社に感じた不満を要約すると、次の3点です。

  • 奥さんの要望がかなり抜け落ちたプラン
  • プラン図面が雑で汚い
  • 話していてデリカシーを感じない

プランと図面への不満は分かりますが、デリカシーを感じないという不満はどうしようもありません(笑)。私が長年取材を続けてきた中でも、デリカシーがないという種類の不満は実に多いと気づきました。

「400万円の値引き」の報告と奥さんの本音(大手ハウスメーカー神戸営業所)

この原稿を書きながら思い出したのが、大手ハウスメーカーの神戸営業所での取材です。

私は営業所長から依頼を受け、その営業所が競合負けしたお客さんを取材しました。

事前に競合負けした営業マンに話を聞くと、「住友林業が400万円の値引きをしたのが敗因です」という報告でした。

ところが撮影を始めると、ものの5分で奥さんからこんな言葉が出てきました。

「言っちゃおうかな・・・本当のこと。実はですね、○○さんは足がちょっと臭かったこともあったし、とにかく女性として生理的に受け付けないタイプなんですよ」

作り話ではなく、奥さんは私の目の前でこう言ったのです。

私は後日、この取材ビデオを使った営業マン研修を行いました。

担当した営業マンも出席しましたが、私はビデオを包み隠さず流しました。

映像が流れたときの彼の表情は、今でも忘れられません。

競合負けの理由として報告される値引き話の真偽や、接客で自滅するポイントは、住宅営業の競合勝ちと相手の自滅で解説しています。

まとめ

Aさん夫妻への契約客取材では、ご主人は構造の根拠を、奥さんは営業マンの熱意と話を聞く姿勢を見てG社を選んでいました。断ったアイフルホームの営業マンも、自分のプランにプライドを持っていたことで奥さんから高く評価されていました。

反対に、S社や神戸営業所の例では、要望が抜けた雑なプランやデリカシーのない言動がお客さんの心を離れさせていました。神戸営業所の例のように、営業マン本人の報告とお客さんの本当の理由がずれていることもあります。

ぜひ本記事の契約客取材の事例を参考に、次のプラン提示で「いいプランができました」と言い切れるだけの準備をしてください。

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